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2021年2月21日日曜日

つれづれ雑草「僕は泣いちっち」

むかし、むかしは、人の噂も75日とか言われた。親しい人がこの世とサヨナラしたら、75日間位は、思い出話をした。それがいつからか、7.5日位となり、75時間位となり、いつしか75分位となっている。IT社会においては一瞬で、人の関心は変わる。親しい人の死も。友人、知人、恩人の死でさえも、指一本の動きで悲しいかな、ずっとむかしの話になる。そこにある事象を知ることが重大事で、そこに人の不幸が見えたら、ウヒョー、いいね!いいね!!となる。 僕の恋人 東京へ 行っちっち 僕の気持ちを 知りながら なんで なんで なんで どうして どうして どうして 東京がそんなに いいんだろう 僕は泣いちっち 横向いて泣いちっち……と大ヒットを飛ばした歌手守屋浩さんが、ついこの間あの世に旅立っていた。くしくもホリプロの創業者「堀威夫」さんが「私の履歴書」という日経新聞の名物コラムを現在執筆中だ。ホリプロ創業後初の大スターが守屋浩さんであった。歌う曲は次々とヒットした。少年時代の淡い恋心を独特の節回しで歌った。仕事柄ホリプロさんには大変お世話になった。残念なことに大ファンだった守屋浩さんとは仕事ができなかった。業界の誰もが認める人格者である堀威夫さんは、守屋浩さんを終生役員のように待遇しつづけたと聞いた。コロナ、コロナの中で、守屋浩さんはベタ記事のような扱いであった。 僕は思う 遠い東京の ことばかり……。守屋浩さんに合掌す。一昨日の前だから二昨日の夜あるドキュメンタリー番組で、六十八歳のタクシーの運転手さんが、生活保護の申請を拒んでいるのを見た。給与明細に手取り額は7,620円とあった。コロナ禍の中、糖尿病を抱え諸事情があり仕事に行けない。ソーシャルワーカーの女性が生活保護をと言うが、親戚縁者すべてに通知が行くのが嫌だと言う。このバカヤローな世の中は、10%の富裕層が株とか仮想通貨とか、金とかあらゆる相場などで、更に富を増やしている。GDPや実質賃金はずっと低下、倒産、破産、閉鎖、閉店。中・高校生たちの自殺の増加、それなのに株価はバブル期のように三万円を超えた。67%は外国人投資でジャブジャブと有り余った金で、日本株を買い漁っている。広告界の親方天下の電通が1400億円近い赤字決算だから、我々は言うに及ばない。日本人はコロナ禍の中でも懸命に働いているのに、世界一の借金国、ついに国民一人あたり1000万円近い借金を抱えている。財務大臣麻生太郎を一日も早く辞めさせないと、この国は確実に破滅する。日銀の黒田東彦総裁も同じだ。一つも約束を果たしていないのに、国債をバンバン発行し、紙幣をバンバン刷りまくっている。10%の富裕層のために。政治をあきらめた人々は、スマホでストレスを発散する。自分より人の不幸の種を探しつづける。 月が僕を見てる そうだ月に頼もう……守屋浩さんの歌声が聞こえて来る。初恋の思い出は遠いようで近い。みんながきっと持っている宝物だ。深夜、三池崇史監督の「ラプラスの魔女」を見た。この頃の三池崇史さんはまったくイケマセン。コロナのワクチン接種で死んだら一人につき4420万円払うと厚労大臣が言った。何か嫌な出来事が起きるイメージが浮かんだ。次のオリンピックの種目にゲームが検討されているとか。ダンスは決まったようだ。アホかと思う。7000億円位だったはずのオリンピック予算は、総額3兆円近くなりそうだ。 僕は思う 遠い東京の ことばかり……。午前二時二十八分十六秒。腹がすいたアメリカのSNSのオドロシイ世界を描いた、ドキュメンタリー映画を見ている。そうだ「ワンタンスープ」が買ってあった。私の夜食用だ。熱湯を入れて待つこと約4分。ヘナヘナしたワンタンがユラユラと重なり合っている。私はこのヘナユラの浮遊物的、食べ物的スープが好きだ。青いレンゲで白いヘナユラをすくって口に入れる。アヂ、アヂー、口をアフアフさせる。不注意に飲み込んでしまうと、ノドから食道にかけて通過する時、背中に激痛が走り回るほど、熱痛い目に遭う。ヘナユラは過激なクラゲみたいに危険な代物なのだ。何度か経験しているので、なだめ、すかし、おだてながら青いレンゲに乗ってもらう。安物なので肉はほんの少しである。オ~なんとgoodか、コショウを効かしたので香り高い。SNSによるトランプ陣営のイカサマキャンペーンの実体にゾッとする。来週は「菊凰」に行って小チャーハン小ワンタンメンマ多目をと決めた。きっとオイシクッテ。僕は泣いちっちだ。(文中敬称略)



2021年2月13日土曜日

つれづれ雑草「浮沈」

二月十二日(金)銀座の仕事場に行く。私と私が頼りにしている人と二人きりであった。テレワークでスタッフはいない。溜池の会社の方は、社長が孤軍奮闘中。若いスタッフたちの中のリーダー格が、ずっと出社してくれている。皆なでローテーションを組んで仕事を進めている。溜池にはウェブデザインの会社と、私たちの会社のOBが経営するデザイン会社が、同じフロアにある。主に出社しているのは、各社社長とリーダー格だけだ。コロナ禍は気がつけば一年経っている。会社の経営や、仕事の進め方、雇用形態は大きく変わり、それが定着する。そして更に変化、進化をして行くだろう。会社に受付や立派な応接室や、会議室はもういらない。ピラミッド型の組織もいらない。個と個がつながり合う。「個ラミッド型」となるだろう。官僚とか小役人を接待する会社以外、これからは接待などは、時代遅れの手法となる。取り巻きを引き連れて見栄張る人間も、タニマチ気分で飲み歩く人間も時代遅れとなる。今や銀座、赤坂のクラブなどは、予約制みたいになったらしい。つまり、今夜○╳人で行くけどと連絡すると、それじゃ店を開けて、○子ちゃんと○子ちゃんに、出勤してもらうとなる。黒服も○人用意する。花も、氷も、つま味も来る客の数だけ用意する。私は私なりの方法で義理を果たす。きっと誰もやらない方法である。シンキローこと森喜朗元総理が、下手を打った(ドジを踏んだ)。又は裏社会で言う、ガミを食った(当てが外れた)。原因は、時代遅れの感覚である。日本はずっと村社会だから、村長(ムラオサ)の言う事には逆らえなかった。私も口は禍のもとで、何度も人さまに迷惑をかけて来た。モンゴルのことわざに“逃げた馬は捕まえられるが、口から出た言葉は捕まえられない”こんな痛いことわざがある。私の体に突き刺さるのだ。無敵だった柔道のチャンピオンも、怪力無双のハンマー投げのチャンピオンも、旧態化していた五輪村の村長に、ひと言も物申すことができて来なかった。川淵三郎は代役が余程うれしかったのか、“光栄です”とか“森さんには相談役で残ってもらう”とか、口をすべらしてしまった。ここでやっとそれまでバックレ(しらばくれる)てた政府首脳は、そりゃ~ネエ~だろうとなった。雁首ばかり揃えている連中も、ソーダ、ソーダ、ソーダ水だとなった。機を見てな、東京都知事はすでに流れを読み切っていた。女性を敵に回して勝つことはできない。何故なら男は子どもをつくる労働はできるが、10月10日(トツキトーカ)子を腹に宿し、激痛に耐えて子を生む、このモノ凄いことができないからだ。日本三大悪女といえば、日野富子、北政子、淀君と言われているが、四人目は現東京都知事になるだろう。野望は果てしなく、二階にいる実力老人にジャッキを入れて(空気を入れる)この国の村長を狙うだろう。生きている内に大きな山を、手にしましょうと。出来るだけコロナ禍を引っぱって、オリンピックは、形だけやって世界の共感を得る。あわよくばやるだけのことはやって、手にするものはガッチリ手にして、中止にしたい。これが本音だろう。記者会見をしている目がそう言っている。目は口ほどにモノを言う。森喜朗川淵三郎もガミ食って終った。とかく嫌な話ばかりだが、いい話があった。勇気をもらう話もあった。一つは、本名ガントルガ・ガンエルデネと、ツェグメド・ドルジハンドさんが結婚の挙式を富岡八幡宮で開いた。元大関、番付どんじり近くまで落ちたのち、怪我と病気と闘いながら、奇跡の大関復帰を目指す。モンゴル出身の照ノ富士夫婦だ。私は苦境から這い上がる人間を賛辞する。もう一つは、白石康次郎さん(53)が、海のエベレストと言われる、ヨットレース「ヴァンデ・グローブ」で16位でゴールしたことだ。フランス西部レ・サーブル・ドロンヌから単独無寄港無補給で世界を一周するレースだ。私はヨットのことは全く分からないが、このレースのことを映画にしたのを見たことがある。友人にヨットマンたちがいる。レースの途中でヨットが破損したのを、自撮りで発信していたのを、ニュースで見たが忘れていた。完走はアジア勢で初、記録は80日3時間44分、手こぎボートで荒波と闘い世界一周する位勇気がいる。超過酷なレースだ。五輪村の不様な姿と比べると、人間はなんてすばらしいんだ。という勇気をもらう。オリンピックを目指す選手たち、関係者のためにも“キレイなココロのニンゲン”にシンキローの後を継いでもらいたいと願う。少年の頃見た映画に「八十日間世界一周」というのがあった。荻窪のスター座で見た。午前一時これから新日本風土記選「北前船旅情」【北前船の旅人たち/北前船の贈りもの】を見る。(録画DVD)その後に、故降旗康男監督の「追憶」を見る。(J-COM)朝まで未だ時間はある。二作は日本海でつながっているのだ。北前船は航海に成功すれば千両、沈めばパーと言われた。石川県は寄港のポイントであった。映画“追憶”は富山県の港町が舞台である。哀れシンキローは石川県のボスでもあった。日本海には男たちの夢が生まれ、そして沈んでいる。「我が世の春は長くはない」。(文中敬称略)

※週間映画観客動員数ランキングで2週連続、リトルモアの孫家邦さん製作の「花束みたいな恋をした」が第一位となった。これほどうれしい話はない。ぜひ映画館へ