二〇一八年一月十五日「400字のリング」のゴングを鳴らした。元旦から四日間、正月休みを取り五日から仕事を始めた。本年の自分への言葉を二日に書いた。
「鬼にもなり、仏にもなる」プロとして受けた仕事は、依頼人の期待以上に応えなければならない。年の瀬三十一日仲宗根美樹の名曲「川は流れる」を聴いた。♪~病葉(わくらば)をきょうも浮かべて 街の谷 川は流れる ささやかな 望み破れて 哀しみに 染まる瞳に たそがれの水のまぶしさ ♪~思い出の 橋のたもとに 錆ついた 夢のかずかず ある人は心つめたく ある人は好きで別れて 吹き抜ける 風に泣いている ♪~ともしびも 薄い谷間を 一筋に 川は流れる 人の世の 塵にまみれて 嘆くまい あすは明るく/思うところあり禁酒をしている。
禁酒を余儀なくされた数値はすでに正常値になっている。年の終りいつも一緒に飲み明かしていた友人に電話をすると、一人しみじみ飲んでいるとのことであった。
故郷には帰らず正月を迎えると言った。夜の街で働く女性たちは、年の瀬は嫌いだと言う。
何故なら男たちが正月家族揃って、幸せ気分になっている姿を考えたくないからだ。病葉とは傷つき破れた落葉のようなもの、女性たちは、街の谷から離れて正月を迎える。大晦日TSUTAYAに行き、旧作、準新作、新作など17本の映画を借りて帰った。十四歳で酒の味を知ってから、はじめて酒を飲まない正月であった。
20年近く悩み続けた目のチカチカがドライアイでないことを眼科に行って、いろいろ検査してもらって分かった。
今までキタァーで有名な目薬をバンバン眼の中にさしていたが、医師からかえって悪化させたと言われ即やめさせられた。検査の結果は、両目ともにアレルギー性結膜炎であった。
二種類の点眼薬を、四時間ごとに使用するように言われ実行を開始すると、かなり眼が楽になって来た。正月の三日間で見た映画の中で、「アズミ•ハルコは行方不明」「お前はまだグンマを知らない」「きょう会社やめました」「裏切りの街」この四本が良かった。
キネマ旬報のベストテンが発表された。
私のNO.1は中村高寛監督の「禅と骨」であったが、NO.2と思っていた若き詩人の”最果タヒ”原作の「夜空はいつでも最高密度の青空だ」が第一位であった。
リトルモアの孫家邦さん製作、この人はもの凄い。
今大評判の辞典づくりをテーマにした「舟を編む」でNO.1を受けている。恐るべしである。渋谷で行われた試写会に友人三人と行った時、入り口で名簿をスタッフとチェックしながら、一人ひとりあいさつをしていた姿を思い出した。蒼井優が秀逸だった。池松壮亮も菅田 将暉に負けずいい俳優だ。
「裏切りの街」という映画で、出会い系サイトで知り合った四十歳の人妻と不倫をする。
寺島しのぶも良かった。不倫の舞台は”荻窪”であった。
荻窪はラブホテルがほとんどないところである。
十二月三十日お墓参りの帰りに春木屋に寄り、”チヤシュウワンタンメン煮卵付き”を食した。やっぱりラーメンは荻窪だ。400字のリングに立った今日、アタマの中にやりたい映画が何作か浮かんだ。資料で入手した。ザ•へヴィーの日本での野外コンサートのDVDをガンガンと見て聴いた。
ボブサップのような黒人ボーカルが圧倒的であった。
「SAME OL’」と叫ぶが、その意味が英語の辞典コンサイスを開いて調べても分からないのであった。やはり英語は大切だ。友人のピート小林氏が独特の教え方講座をやっていると年末資料を送って来た。
カクテル作りの名手だが、コピーライターの名手、英会話の名手でもある。諸兄よ学びたまえ。
「鬼は人になれないが、人は鬼になれると言う。」あっと驚く作品を今年は続々と世に出して行く。
ボロボロの病葉になる覚悟である。誰もやらなかった事をやる。
最後に17本見た映画の中で外国作品のNO.1は、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」これは鬼も泣く。
すばらしい映画だ。