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2014年11月5日水曜日

「タメとダメ」






世の中には山ほど名言や格言がある。
私は現在このひと言が一番だと思っている。

それは国民的歌手、三波春夫さんがいった「お客さまは神様です」だ。
売る方と買う方との関係は五分と五分(ヤクザ者の世界ではこれを『タメ』という)いいモノを作った人のところに、そのいいモノを必要とする人が来て買ったとするとお互いタメな関係だと思う。
買ってお金を払う人と、作ってお金をもらう人とはお互いに納得しあえば五分と五分、タメなのだ。

が、この考えはダメなのだ。
モノを作って売っている店が、その一店だけであればタメ口もいえる。
嫌なら買ってもらわなくたっていいんだぜ、他に欲しがっている人間はいくらでもいるんだからヨォ。なんていえる。ところが同じようなモノを作る店が二つ、三つ、四つとなると、そんなイキがったことはいえない。「お客さまは神様です」となる。
あそこの店のモノとは歴史が違う。あの店とは品質が違う。
そっちの店とは接客の仕方が違う、値段が違うなど違いを強調する。

私は何が一番大切な違いかを考えた、結論は接客の仕方だなと思った。
勿論商品がどこよりもいいモノである事は必要条件だが。
いいモノでもいい接客をしてくれないとダメなのだ。カンジワルーとか、エバッテルーとかまるでタメ口じゃんといわれる(京都にはこんな店が多い、特に東京の人間にはかなりキツイ)。

キラリトギンザ3oluha(オルハ)ショップに一度行ってみて下さい。
ホレボレするような接客態度であなたに接してくれるはずです。
私のような慢性的不眠症にならないために。睡眠改善インストラクターの人が一人ひとりの眠りについてアドバイスをしてくれます。「お客さまは神様です」私などには絶対にかけない奥深い言葉です。

先日、出版社の人や編集者の方に私はこういいました。
本屋ほどカンジワリーとこはない。いらっしゃいませも、またお越し下さいお待ちしています、ニコッなんてことはまずない。お客さまという観念がないのだ。
売れもしない下手な文章の本を置いてやってんだ、というような態度がほとんどなのだ。この間銀座の教文館という本屋で、◯×の書いた×◯という本あると女性店員に聞いたら、ジッとパソコンを見て、入っていません!なんてシラッといわれた。
カチンと来てしまったのだがあまりに無表情なので、あっそういいや他で買うからというのが精一杯だった。

近藤書店、旭屋書店、イエナ、銀座から本屋が消えてしまった。
「お客さまは神様です」の心を持たなかったからだ。
神田の古本屋なんか店主がお客は万引きだみたいな目で次ジロジロ見張っている。
それ故私は神田の古本屋は嫌いなのだ。客を見て品定めする、その目利きが刑事みたいな店主ばかりだ。出版不況は接客にありだ。

2014年11月4日火曜日

「イソジン」





みなさん風邪が流行っています。
よく手を洗い、よくうがいをしましょう。
薄着をせずにあたたかく。
水分をしっかりとりましょう。
わかりましたか、ハイ!せんせいわかりました。

と、まあ幼稚園とか保育園、小学校でこう教えられてきました。
なんだかノドが痛く、鼻がグズグズ、体がゾクゾクしている。
子どもにかえらねばならない。

今夜はイソジンのオンザロックを飲んでやるか?

「愛犬は裏切らない」



昨夜東京発小田原行通勤快速に乗って帰宅した。
余程深酒でもしない限り私は列車の中でコックリコックリすることはない。そのコックリを久々にしてしまって座席にメガネを忘れてしまった。何回も忘れては奇跡的に帰って来たメガネであった。
家に帰り知人から送られて来ていた本を読もうと思ったらどこにも無かった。
サラバ、アバヨメガネである。

子どもと親のため「ハチ公物語」日本中が泣いた日とタイトルがあった。
ハチ公、没後80年に送る感動の物語!と腰巻きに大きな文字。
忠犬ハチ公から人々はなにを感じたのか?銅像には、どういう思いが込められているのか?
どうして、ハチ公の死に日本中が泣いたのか?と書いてあり、ハチ公と人々の交流から「愛情とはなにか?」「本物の幸せとはなにか?」を考える。
と少し大きな文字に書いてあった。

私などどんなに疲れて帰っても愚妻は、おかえりなさいも、おつかれさんのひと言もない。
ごはんは、食べて来た、でおしまい。もっとも尾っぽ振ってベタベタされる方が嫌いだ。
外でしゃべりまくっているので家ではしゃべらないのがベスト。
落語家や漫才師、芸人、役者たちが家ではほとんどしゃべらないのと同じだ。
阿久悠の作詞の中に、「女は無口の方がいい」というのがある。
一日中家でゴソゴソしてワイドショーを見て家に帰った亭主にアレコレスポーツ新聞の芸能記事をなぞるように
しゃべりまくる女房族も多いとか。
ウルセイナカンベンしてくれよの気分だと思う。

さて、「ハチ公物語」だが、著者は須田諭一さん、値段は1200円+税。出版社はメトロポリタンプレス。
愛犬家の方にぜひおススメしたい。又、子どもさんに読んであげるといい。
いかにハチ公はウルセイ女房よりか愛情が深いかがわかる256ページ活字も大きい。

愛犬家にとって愛犬の死は途方もなく悲しい。
やさしさ100%の友人の一人はミニチュアダックスフンドを先日亡くしてしまった。
私の後輩の社長は三匹飼っている内の一匹がいよいよアブナイとずっと看病をしているとか。

パグとかいう犬だ。犬は無口というよりしゃべれない。
それ故愛犬家にとってもどかしく悲しいのだ。
どこが痛いんだよ、どこが苦しいんだが分からないからだ。

ある調査によると、浮気をし合う夫婦は会話が多いという。
お互いにボロかくしをし合うかららしい。
そしてその会話からボロが出て大ゲンカ、やがては書類に判子を押し合うこととなる。
結婚生活を平和で長続きさせる最大のコツは、「余計な会話をしないこと」といった哲人がいた。

愛犬家の方ぜひ須田諭一さんの本を買ってあげて下さい。

人間はヒトを裏切る。犬はご主人を決して裏切ることはない。

2014年10月30日木曜日

「ドキュメンタリーな深夜」




タクシーの運転手さんがお客さんと話してはならないことがある。
それは政治と野球の話だと知り合いの運転手さんから聞いた。
お客さんがどの政党を支持しているか分からない。
お客さんがどの野球チームを応援しているか分からないからだ。

さて、私の知り合いの運転手さんは大の巨人ファンであり、すこぶる話好きだ。 
30日午前一時過ぎ、どうしても見たい映画があり茅ヶ崎のTSUTAYAに借りに行った。
タクシー会社に電話してその運転手さんに来てもらった。

ワルイね、ちょっと茅ヶ崎駅北口まで行ってくれよ。
ハイどうも、どうしたんですこの時間にTSUTAYAなんて。
ずっとむかしに見たドキュメンタリー映画が再プリントされて出たんだよ。一枚しか置いていない、この間行った時に貸出中だったんだ、返ってきたら電話をくれと頼んでいたら、さっき電話があったんだ。別に今日じゃなくてもいいんだが、また誰かが借りて行ったらと思うとやっぱり借りておこうと思ったんだ。
 へえ〜。

なんていう映画なんですか、それは「不良少年」かつて良質なドキュメンタリー映画を作っていた岩波映画出身の「羽仁進」の監督作品だ。
この映画は上映された年、No.1に選ばれた。黒澤明らの作品を押しのけて。
 神奈川県にある久里浜特別少年院に初めてカメラを入れた画期的ドキュメンタリーの作品だった。今から半世紀以上も前のモノクロ作品だ。
一人以外はほとんど実際の少年院の収容生と収容経験者を起用している。

私が156才だった頃に見た。新東宝の映画であった。
まさかまた見れるとは思っていなかった。なんと撮影は金宇満司さん(ずっと石原裕次郎さんの作品を撮影した人)なんと音楽が武満徹さんだった。
借りて来てすぐに見た(89分)。すばらしい、やはり最高の作品だ。
作り手たちの若い感性がほとばしっていた。

で、タクシーの運転手さんが、今日は酷い目にあいましたよ、なんで、とんでもない阪神ファンのお客さんが乗って来たんですよ、そんなこと知らないから、オリックスの金子は巨人に入るんじゃないですかね〜とか、阪神は今日サヨナラ敗け、もうだめですねぇやっぱり阪神は、本当は巨人が優勝だったんだから。
なんていってしまったら、ウルセイバカヤローオレは阪神ファンなんだっていって座席をボコボコ蹴られてしまって灰皿が壊されてしまったんですよ、余程交番に行こうと思ったのですが、野球の話をした自分も悪かったと思いやめました。
そりゃ怒るよ、ダメだよサヨナラ敗けした後なんだから。

と、こんな会話を行きと帰り(借りてくるまで待ってもらっていた)にした。
そして運転手さんとサヨナラした。ハリとお灸の達人が先日、やはりドキュメンタリー映画のNo.1になった原一男監督の「ゆきゆきて神軍」を持って来てくれた。
この映画は気の弱い人にはすすめられない。かなりドキュメンタリーな深夜であった。

2014年10月29日水曜日

「もういくつ寝ると」




出た、ついに出たといってもお化けのことではない。
黒豆、田作り、昆布、ハツ頭、カマボコ、伊達巻、海老、数の子などなどくればおせち料理だ。

その広告が新聞にドーンと出た。
実はこの手のおせち料理はすでに作りはじめているのだ。
お正月に食べるのは冷凍保存をしていたものだ。
アタマの中にお正月なんか浮かんでないのに、しっかりすり込んで来るのだ。

豚の姿を見たら、ハム、ソーセージ、トンカツを連想する人、牛を見たら、ローストビーフやステーキやすき焼きを連想する人。人を見たらドロボーと思えなどと決めている人にはすでにアタマの中はお正月なのだろう。

一度だけあるメーカーの冷凍おせちを取り寄せたら、お重箱は発泡スチールで出来ており、料理はみんなへんなりシラケた味ばかり、鯛なんかお箸がポキッと折れてしまうほどカチコチだ。写真にはキレイに入っていたのにかなりスカスカだった。
そのメーカーの名前を出してもいいのだが、ご近所付き合いに支障をきたすらしいのでやめる。


昨日深夜帰宅すると、同じカタログが届いていた。
Xmasのローストチキンの折込チラシ広告やケーキ屋さんのも入っていた。
子どもの頃、母親や姉たちが三日三晩かけておせち料理を作っていた風景を思い出す。
一年間働きに出ている母親が白い割烹着を着てずっと台所に立っているのは何よりウレシイのだ。子どもだった私は、ただウロウロしていた。

♪〜もういくつ寝るとお正月…まだそんな気にはなれない。
明日は新しいブランド(oluha)のグランドオープンだ。
昨日キラリトギンザは大行列、私たちのショップ内も招待した人、人、人が来てくれて終日超満員だった。明日四時からTV局の生中継が入る。
銀座はすでに来年に向かって動き出している。私もノコノコ歩いている場合ではない。
12月中旬にある出版社から書き下ろしの本を出す。現在最終稿を校正中なのです。

「入学式みたい」


オルハショップ内


1028日快晴。
昨夜銀座を歩いていたら寒い風が吹いていた。
木枯らし1号であったとか。この頃秋の気配を楽しむことができなくなった。
夏がずっと暑く、そのままアレッという間に晩秋となってしまう。

今年は特に御嶽山の噴火の被害が甚大であった。
そのため報道各社が紅葉前線の便りを控えていたのだろうか、あまりその種のニュースに接しなかった。 

JRの「そうだ京都へ行こう」のキャンペーンCMCGで目一杯作りこんだウソみたいな紅葉を流している。

最近のニュースキャスターはNHKをはじめとしてやたらに読み違えやテロップの訂正が多い。オマエたちプロだろうと怒り心頭になる位多い。
かつての報道ではありえない。世の中ウソが当たり前のような風潮になっている。
取材もネットを頼りにしているものが多いとか。ちゃんと現地取材をしないで書いてしまうのだ。

今日キラリト銀座は内覧会。
プレスに開放され朝10時から多くの人が来た。
はじめて世の中に出たoluhaのロゴが入ったパッケージの袋、それを持つ人が銀座の街を何人も歩いていた。こういう時の感情を感無量という。
目頭が熱くなってしまった。我が子が制服を着てランドセルを背負って入学式に向かっているような気持ちだ。 

Oluhaブランドが世の中に入学した。
立派に育って行ってほしいと願う。ブランドの特長は何か、それは丹精込めた本物の商品ということ。子は親が育てたように育つという。

きっと羽毛ふとんのように、やさしくあたたかなブランドとして世の中の人をぐっすり眠らせてくれるはずだ。プレスの人たちが正しくいい記事を書いてくれたらと思う。
一人でも多くよろしくお願いします。

2014年10月27日月曜日

「よく眠った人には、かなわない。」





この一通は、私から皆様へのご案内とお願いです。



 来たる1030日(木)、私が四十年以上お世話になっている高級羽毛ふとん会社が、新ブランドoluha(オルハ)を立ち上げ、東京銀座一丁目「キラリト ギンザ」3階に、「oluha上質睡眠専門店」の第1号店をオープンいたします。


私はゼネラルプロデューサーとして参加させていただきました。

 「よく眠った人には、かなわない。」のコンセプトコピーは仲畑貴志氏にお願いいたしました。ブランドのロゴタイプと全てのパッケージデザインは、高橋稔氏が手がけてくれました。銀座中央通りを歩く人から見えるオープン時のタイポグラフィのビジュアルを浅葉克己氏にお願いいたしました。ショップ内の映像は中野裕之氏、永易直樹氏に制作していただきました。


 oluhaブランドは世界初の最高級の羽毛ふとんをはじめ、羽毛にふくまれるタンパク質、ケラチンを使用した画期的な化粧品やヘアケア用品を開発しました。
美しい曲線を多く使った、30坪のショップ内には睡眠や健康と美容に関するセミナーのコーナーやライブラリーも設け、書籍もお買い求めいただけます。
また睡眠改善インストラクターが、一人ひとりの眠りについてアドバイスする体験コーナーもあります。


 私はこれからはいい眠りを自慢する時代、「羽毛ふとんを自慢する時代」が来ると確信しております。エイジングケアを可能にする最高の健康法、最良の美容法はいい睡眠からしか生まれません。

 ショップ内にはoluhaブランドのオリジナル商品や厳選したセレクト商品を取り揃えております。あなたにふさわしいoluhaブランドをぜひお選び下さい。銀座一丁目「キラリト ギンザ」3階へのお越しを心よりお願い申し上げます。

2014年10月24日金曜日

「オプソ!」




男を売る世界は言葉を売る世界でもある。

例えば喧嘩をすることを「踊る」という。ヨシッ、トコトン踊ってやるとなる。
ボッコボコにすることを「ハンペン」にするという。
フニャフニャの骨抜きにする意味だ。

「ササラモサラ」にしてやるというのがある。
一本の竹で殴り続けるとバラバラに割れてしまう、つまりバラバラにしてやるということ。他にも実に日本語の幅広さを使い分ける。
刑務所に入ることを「旅を打つ」なんてイキな表現をする。
また入所すると赤い服を着せられるので「赤落ち」ともいう。

ある原稿を書いていて、ふといろんな言葉を思い出してしまった。
この頃男を下げる者が多い。言葉のボキャブラリーが不足しているのだろう。
人生経験を積んでない学歴エリートたちは教科書に書いてあることしか応用できない。
それ故会話がつまらない。

小渕優子氏が辞任した後に就任した宮沢洋新通産大臣の秘書がSMバーで18,000円ほど税金で払ってしまった。相変わらず、私は行っていない。私にそんな趣味はない。
秘書に自分の金で穴埋めさせて修正します。私はこれほど真面目ですと顔を赤くしていた。
顔には何度行ってますと書いてあった?

韓国語で「オプソ」というのがある。
日本語にすると「終り」というような意味だ。
これから通産大臣の姿を見る度に、ムチだ鎖だ、縄だ手錠がオーバーラップするだろう。つまり彼はオプソ、終わったのだ。


うちわとかワインとか芝居にSMと、いよいよ低レベルとなって来た。
和牛が次の候補らしい。「モー」どうすることもできない。
みんな一束にしてササラモサラになるまでおしおきだとSMの女王様がいっているかもしれない。

2014年10月23日木曜日

「あと6日」


キラリトギンザ 外観イメージ


「世に生を得るは事を為すにあり」坂本龍馬はこういった。

男がいちばんステキで魅力ある姿は何かといえば、寝食を忘れ、自分にかけられた期待に応えるべく懸命に打ち込んでいる姿だ。
それは全力で走りきったアスリートのようであり、最終ラウンドまで打ち合ったボクサーの姿のようでもある。

一つのブランドを立ち上げるということは、砂漠に花を咲かせるほど大変なこと。
「全力熱心執念一途懸命根気愛情絶対創造斬新自信確信」そしていかに「鋭い平凡」を取り入れるかだ。はじめから完璧をつくると、人はかえって入ってはこない。
何気ないお客さんの意見を鋭く分析し、生かして行く感性がいいショップを生む。
ブランドはお客さんが育ててくれるものでもある。

今お手伝いをしているショップ内の撮影を昨夜した。
深夜近く、最後に店長になる人の撮影をした。いつもは元気ハツラツ、二枚目の役者さんのようなのだが、顔に疲れが出ていた。その顔は写真的にはとてもいいのだが、やはり元気ハツラツな時にもう一度撮影をする。
男が大仕事を任せられるのは、人生の冥利につきることだ。

銀座一丁目キラリトギンザ3階、30坪に全力をつくして来た人間たちの大きな夢がオープンする。

さて、よく働き、よく疲れた人間にとって何が必要か、それは「よく眠ること」と地球上に人類が誕生したときから決まっている。
最高の健康法とは何かといえば「よく眠ること」しかない。
最良の美容法とは何か「よく眠ること」しかない。
そんなとてもいいものを提案、提供していくショップだ。
お客さんが気軽に参加してくれる。何気ない意見を鋭く分析して生かしていく。

「鋭い平凡」とはそんな哲学だといえる。オープンまであと6日だ。

2014年10月22日水曜日

「カナラズカツ」


イメージです


1022日午前126分〜201分、いつものようにシコシコとイロイロなものを書きながらテレビを見た。

大好きな「深夜食堂」が久々に始まった。
小林薫が実にいい味を出しながら、いい味を作ってお客に出す。
深夜12時から朝7時頃まで営業する。
21話は「メンチカツ」であった。

かつてメンチカツはとんかつに次ぐ主役であった。
とんかつ、メンチカツ、コロッケは三人兄弟のようなものだった。
長男のとんかつは今でも絶対的スターであり、三男のコロッケは不動のスターである。

が、メンチカツはというとかつての輝きがない。
何故か、それはハンバーグという強敵が現れたからだ。
メンチカツはハンバーグに衣をつけて揚げたんじゃないのという、軽く見られたものになってしまった。メンチカツを食べるならハンバーグの方がいいじゃんなのだ。
だが私にとってメンチカツはかわいい舎弟分というか、兄弟分なのだ。
コイツのためなら命を張ってもいいと思う時期があった。

少年の頃、アツアツの揚げたてのメンチカツを買ってコッペパンを二分割にしてそこに挟む、マーガリンをたっぷり塗ったパンにのせ、ブルドッグソースをたっぷりかけて少し強めにギュッギュッとパンを押さえ込む。
揚げたてのふっくらしたメンチカツがパンの中で分裂する肉汁が出てソースと合体する。そこにマーガリンが溶け合い三位一体となる。これ以上の格別はなかった。

テレビの深夜食堂ではお皿の上にキャベツと洋がらしを一緒に出していた。
明日はメンチカツを食べよう、コッペパンを買わねばならない。
今、仕事させてもらっている新しいブランドのオープンまであと6日だ。

「キラリト ギンザ」という銀座一丁目中央通りでデビュー。
詳しくは後日、今夜10時からショプ内を撮影する。930分集合だ。
この勝負は絶対負けられない。カナラズカツだ。