倉敷から帰った日曜の夜、人生の流転を見た。
NHKのニュース番組のスポーツコーナーで清原和博と甲子園で伝説をつくった桑田真澄が、相変わらず暗い声で解説をしていた。
桑田は投げる不動産屋と呼ばれ、株で失敗の江川卓と借金王を争っていたという。
それ故二人を監督やコーチに起用するチームはない。
フジテレビを見ると、松戸の総合病院に入院隔離されている清原和博がカーテンの合間から無精ヒゲをはやし不安げな顔を出していた。
甲子園では選抜高校野球が始まっていた。
溜まった新聞を読みながらクサイ言葉を聞いた。
ショーンKが涙声で四分間お詫びと称するコメントであった。
スミマセン、ゴメンナサイ、許して下さい。バカな私はその四分間を全部聞いてしまった。あの和製ベートーヴェンの時程のインパクトはない。
佐村河内守は今何をしているかだが、ゴーストライターであった作曲家新垣隆は売れっ子となっている。
ゴルフシーズンが幕を開けた。
かつてはAO時代といわれた、Aの青木功はOの尾崎将司(高校時代は野球のエースであった)に勝利数では及ばない。Oは我が世の春を謳歌し、ホワイトハウスといわれる程の豪邸を建て、長い間自分以外はプロゴルファーにあらずの振る舞いであった。
Aはよき再婚相手を得て主戦場を米国にした。結果Oは借金地獄に落ちた。
昨年度賞金獲得はほぼゼロに近い。
トボトボとクラブを杖に変えてゴルフ場にいる姿は哀れを極める。
一方中卒の青木功は米国で成功しゴルフの殿堂入り、今年度から日本ゴルフ協会の会長となった。白いスラックスに赤いシャツ、短髪でシャンメェ、シャンメェと言っていた男が一人の女生との出会いで劇的に変わった。
学歴とは何か、学歴コンプレックスとは何か、私にはよく分からない。
勉強が好きで仕方ない人は天下国家、人民のために学歴を積んでほしい。
学びの歴史をだ。入学しただけでは学歴ではない。
何を誰にどう学んだかの歴史が学歴という。中退だっていい。
密度濃く学び、もうこれ以上学ぶこたあないと思えば中退すればいい。
人間は一人ひとり個性があるんだからそれを生かすことが正しい。
織物の職人、鉄工所の職人、旋盤の職人、大工職人、刀鍛冶、和紙職人、畳職人、植木職人、左官職人、漆塗りの職人、およそ職人の達人、名人たちに学歴コンプレックスなどは無い。日本は職人の国である。
私が最も尊敬する人々は職人さんたち、漁師さん、お百姓さんたちだ。
生きた知恵とアイデアを持っている。
人生は流転する。“頂点とは転がり落ち始める場所”というのが自論だ。
さて、だれが転がり落ちるか、今頂点にいる人々を観察する。
企業もブランドも同じ、ソニー、シャープ、パナソニック、東芝、日本を代表する企業が中国や台湾などに買収されるなんて誰も考えていなかったはずだ。
今の世の中学歴でメシが食えるほど甘くはない。
むかしの名前で生き残れるブランドはない。