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2016年7月15日金曜日

「修羅道」


歴史には振り返ると大きなターニングポイントがある。
あの選挙だったときっと思われるのが、今度の東京都知事選挙だ。
次のこの国のリーダーが賢明な人であれば分かっているはずだ。

野党4党が共に戦った参議院選挙の総数では、自公に3分の2を許したが、実は完勝ではなかった。
北海道や東北地方では自公は完敗し、沖縄でも完敗した。
これが何を意味するか、TPPに反対、米軍基地に反対なのだ。
鹿児島の県知事選挙では野党統一が完勝した。無党派が動くと権力は一瞬にして敗者になる。

三年前の65議席をとった自民党は今回10議席を減らした。
民進党は三年前は17議席であったが15議席増えた。
野党4党が一つになると、ヤバイ、マズイ、イカンと思ったはずだろう。
三年後の参議院選挙において自民党は65議席も改選となり、もし今回のように野党4党が一つになって攻めて来たら100%完敗する。

法をねじまげ、マスコミを支配し、言論を統制し、ジャーナリズムを押しつぶし、物言えぬ国にして来た。
経済四団体のトップなどはポチと化してしまった。
大マスコミの骨抜き記者たちは、夜毎おいしいものを食べさせてもらい、あーウマかった、こんなウメーものなら明日もヨロシクとなった。
総理はずーっと総理でいて下さいよ、なんてヨイショ大会だ。

勝ったようで敗けたのは実は権力側は分かっている。
競り合ったところでことごとく敗けたからだ。
そして遂にというか政治オンチで、セクト的で融通の利かない野党たちが、ドタバタしながらも東京都知事選にジャーナリスト鳥越俊太郎氏を擁立した。
今のままでは、国がいよいよ“戦争か平和か”の二者択一になってしまうからだ。

自民は分裂選挙となった。
日本国の首都東京にジャーナリスト出身の知事が生まれたら、衝撃的ダメージを受けるだろう。
勿論利権を貪っている人間は顔色を失う。

久々にハレバレした顔、顔、顔が鳥越俊太郎氏を応援していた。
圧政から解放された人たちのように。ズルイ権力はスキャンダルを探しまくるだろう。

この国の次のリーダーは最重要ポイントの上に立っている。
今回の参議院選挙の結果は、自公は苦々しいものだったはずだ。
バラバラの小石も一つに固まれば威力を発揮する。
日本国の国歌ではないが“さざれ石も巖となりて”なのだ。

暑い中大変だけど次のリーダーよ、先をしっかり読んで残り16日間を戦い抜いてほしい。
負ければきっと全ての罪を背負わされてしまうだろう。
孫子の兵法には、戦はドンパチほど愚かなことはない、が一度戦となったらいかなることをしても勝たねばならないと教える。

今の総理大臣は、議員票も地方票も一位ではなかった。
影の男がいたから勝負には勝った。
先を見るに敏な商人たちは、そのことをよく知っていて、すでに次の手、その次の手を打っている。

まるで全ての責任を負わされたような自民党幹事長谷垣禎一氏は、マスダさんしかいない!マスダさんしかいないんですと叫んだ。
この前は、マスゾエさんしかいない、マスゾエさんしかと叫んでいた。
ケンカの仕方を知らない政治家の典型だ。

石田純一氏のトンチンカン振りも後世に珍事として残るだろう。
チラシ50万枚をパーにして身を引いた宇都宮健児氏は、その名を残すだろう。

一度分裂し始めた組織は、繰り返し分裂するのが歴史の教えである。645年大化の改新以来、政治はずっとそれを繰り返して来た
終りなき修羅道なのだ。

2016年7月14日木曜日

「沖縄のマンゴー」





♪〜生まれた時からみなし子で 親の顔さえわからずに 夜に生まれて夜に育った女の姿 嫌なお客にせがまれて 男の枕にされながら つくる笑顔も生きるため…。
浜圭介作詞の名作である。

夜に働く女性を“夜の女”という。水商売の女という。
昼間の仕事の人間が家路に着くころ、夜の女は仕事場に向かう。
♪〜咲いて流れて散って行く 今じゃ私も涙の花よ…。
森進一は唄った。

夜の女と“昼の女”を区別してはいけない。
男も女も、夜の女も昼の女も、浮いて沈んで生きて行く。
この世は四民平等いかなる職業も、浮いたり沈んでいる。
沈んでも負けずにがんばって、やがて浮いて来る人間もいれば、何もかもあきらめて沈んだままでいる人間もいる。

そういう人間は決まって人のせい運のせいにする。
あいつのせい、あの人のせい、会社のせい、得意先のせいと。
そして自己弁護をする。こんなにがんばったのに、あんなことまでしたのにと。
だが本当に身を粉にして一生懸命にやったかといえば実はそうでないのが多い。

決して美人でもないのにいいお客がつく女の子、飛び切り美人なのにお客がつかない女の子。その違いを書きだすと一冊の本になる。
私は十六歳の時から人の浮き沈みを見て来た。
昼の女の子が夜の女の子を下に見たりしていると無性に腹が立つ、自分は何をやってんだよと。

男が女性を口説く時、圧倒的に昼の女の子の方がたやすいと日本国の男子ナンパ学の統計(?)に出ている。メチャクチャでデタラメでつける薬のないような女子大生や、気どった一流企業のOLや、お堅い公務員や白い服関係の女性、自称高学歴インテリの女性、男ひでりの女性などは見ていられない醜態を演じる。
だが宿命を背負った夜の女の子は簡単には口説けない。
何故なら男をしっかり見る目を持っているからだ。
だがしかし母性本能に火をつけられた女の子は♪〜いっそこのまま地の底で そっと静かにねむりたい…。と沈んで行く。

昨夜銀座の街を一人で歩いていた。
そこへ私の名を呼ぶ黒服が現れた。
オッ、なんだどうしてここにいるんだと言ったら、姿が見えたもんでと言って人懐っこく笑った。ちょっと寄って下さいと言うから30分だけ行くよと言って、ある店に入った。そこはお店というリングであった。
みんな懸命に戦っている。

私は人生と戦う人が男女関係なく好きである。
ついた女の子をひと目見れば、およそその子の人生が見える。
性格のいい子、賢い子、ズルイ子、使えそうな子、そうでない子、暗くて重い過去を背負っている子、ヤクザな男に惚れている子(ヤクザ者は一番モテる)。
100%とはいわないが、78%近くは外さない。高い月謝を払って来たから。

30分後には来るから待っていろよと言っておいた“白タク”の運転手が、78分遅れたら急のお客を乗せて行ってしまったとか。
同僚の運転手がスミマセン私が代わりにと言った。

夜の銀座は私の学校であり人生の教科書である。
あきらめるなよ、きっといい日が来るからなと心の中で想い、手を振る女性に手を振った。銀座は夜のブルースなのだ。

深夜二時八分五十秒、NHKテレビにはiPS細胞の山中伸弥教授と渡辺謙が出ている。
べんぴのふんずまりのような声でしゃべる鶴瓶も出た。
目が笑っていない山中教授、能書きの多い渡辺謙、本業を忘れた鶴瓶。
私はこの三人が好きでない。理由はない、ただ私の感覚が信じるな裏があると赤信号を出す。沖縄の友人から頂いた超絶的マンゴーは熟れた女のように魔性の甘美であった。
胃袋の中にぐにゃぐにゃとゆっくりと沈んだ。(文中敬称略)

2016年7月13日水曜日

「死の商人」




「地政学」という言葉が最近よく出る。早い話国と国との縄張り争いだ。

かつては七つの海を支配する国が世界を制すとばかり、イギリスは大航海時代なんて聞こえがいい言葉だが、世界中に縄張りを求め植民地化した。
イタリア、フランス、オランダ、トルコ、スペインなども世界中に縄張りを求めて植民地化した。

植民地とはつまるところ占領支配と人的財産、つまり奴隷の確保と資源のかっぱらいだった。コロンブスが間違って発見したアメリカ大陸なんかはイギリスが縄張りを求めている途中で見つけたような国である。
アメリカには“ニュー”がつく地名が多い。ニューヨーク、ニュージャージー、ニューハンプシャー、ニューオーリンズ等々、イギリスにある地名に“ニュー”をのっけたのだ。

「地政学」の概念になっている理論は分かりやすい。
自分の国にふさわしい必要なものを求めよ、つまりは腹が空いた、それじゃ満腹になるためのモノを他人の国に行って食べてしまう。
文句が出ないようにその他人の国をまるごと奴隷化する。
日本の戦国時代も同じ仕組みだ。

貪欲な国はインカの山の頂上にまでその欲望の手を伸ばした。
日本軍が軍を海外で展開した時、食糧などは“現地調達”であった。
つまり現地のものを根こそぎ食べてしまえだった。
が、結局食べる物がなくなり殆どが餓死した。

戦国時代の兵などは9割位が農夫たち、戦は農困期の公共事業だった。
ごほうびは“乱取り”といって敵方の物は好き勝手に取ってよし、これがギャランティーだった。当然放火、掠奪、強姦、輪姦やりたい放題で、戦の後は夥しい数の女性たちが妊娠した。子どもから老女まで犯され、殺され、焼き尽くされた。
地政学的に凄い争いでユーラシア大陸を占領して行ったのが“蒙古(モンゴル帝国)”だった。が、放牧民のため海を支配できなかった。

日本に明治維新なるクーデターを仕組んだのは、東インド会社、フリーメイソンの死の商人たちだ。グラバーたちは武器を戦う相手同士に売りまくった。
マッチポンプであった。坂本龍馬はそのパシリであったという説もある。
龍馬の面倒を見ていた西郷隆盛や大久保利通たちが、使う必要のなくなった龍馬を殺して口を封じたという説もある。
日本は地政学的に自分の国だけで満腹感を得ることはできない。

中国は14億人近い人間の腹を満たすためには、国際法などは紙くずだと言っている。
すでに中国は一帯一路といって陸を支配し、地政学的の最重要ポイントである、南シナ海を支配下にした。かつて日本も中国に満州国という国を造ったという歴史がある。
他人の国に行って、自分の国を造ったのは世界史上日本国しかない。
満州国調査団に国際法を破ったとされた日本は、国際連盟を脱退した。

果たして日本は巨大な隣国とどう付き合って行くのだろうか。
世界の巨大な胃袋は中国、すでにアフリカ大陸をすっぽりと手に入れている。
北海道の水はごっそり持って行かれている。

2016年7月12日火曜日

「ザ・ピーナッツ」




「遠くへ行きたい」という名曲を生んだ永六輔さんがあの世という遠くへ行った。
永六輔さんの生んだ数々の名曲の作詞には、日本人の良心と日本の原風景があった。
テレビのないところでしか見えないテレビより、どこでも聞けるラジオを愛した。

その原点は“歩く巨人”といわれた民俗学者、宮本常一さんの言葉にあった。
「放送の仕事をするなら、電波の流れるところに自分で行って、そこで話を聞いてきなさい。スタジオで物を考えちゃいけない」この言葉は私も命のように大事にしている。

自分の足で、自分の目で(目の見える人は、不自由な人は心で見る)、自分の耳と鼻で、そして自分の手の触感で感じたものでなければウソを書くことになる。
私も体力が続く限りそこへ行く、そこで人に会う、そこで五感を働かすことを心がけて来たが、悲しいかな才に恵まれず永六輔さんのような詩が書けなかった。
それ故永六輔さんを先生のように仰ぎ見て学んだ。

何を唄っているのかわからない現在の言葉について行けず、相変わらずの演歌節にサジを投げている。かつて好きだったNHKの“のど自慢”は何年も見ていない。
大好きだったナツメロ演歌番組も何年も見ていない。
自分自身がナツメロになるような気がしてならないから見ない。
先日仕事仲間がBSで小林旭をやってますよと電話くれたので久々にアキラ節を聞いた、新曲はイマイチだったのでチャンネルを変えた。

永六輔さんの訃報の側にそっと“ザ・ピーナッツ”の妹さんの方が亡くなっていたという記事があった。♪〜ため息の出るような…で始まる“恋のバカンス”とか“可愛い花(プティット・フルール)”が好きだった。
永六輔さん八十三歳、伊藤月子さん(ザ・ピーナッツ)七十五歳であった。合掌。
何びとも死からは逃れられない。

初サンマが一匹3,300円という築地市場のセリの値があった。
卸値1キロ29,000円であった。
私はサンマのまんまも好きだが、サンマの開きの方が好きだ。
アジも同じで開き優先なのだ。

石原慎太郎先生が田中角栄ブームを呼んだのに、パパ田中直紀は沈没した。
ママ田中真紀子はパパ、パパ、パッパッパと絶叫したが60余年守った田中家の議席は新潟の地に消えた。
田中角栄の秘蔵っ子生活が第一と吠えた小沢一郎の政党は最後の最後オーラスで一人だけ比例当選した。今の権力者が明日の権力者である保証はない。
一寸先は闇だから。小沢一郎も数年前は頂点にいた、金が第一と。

昨夜ある防災専門企業のセミナーに行った。神田錦町であった。
そこで元早稲田大学政経学部教授、現台湾淡江大学客員教授(客座という)と二人で話をした。正義の固まりのような老教授とは妙にいいタッチであった。
老教授の口から民俗学者宮本常一の名が出て尊敬していると言った。
住まいが杉並区上井草というのも話が弾んだ要因だった。

上井草球場は私が草野球のチームを率いていた頃のホームグラウンドであった。
長女が生まれた日、上井草球場で試合中だった。そこへ義母から電話があり、上はアロハシャツ、下はユニホームのズボン、それにビーチサンダルで慈恵医大に行った。
上井草の老教授はもしかしたら私より年下かもしれない。
桃井町とか四面道とか懐かしい地名が次々と出た。勿論荻窪のラーメンも。

2016年7月11日月曜日

「選挙速報の夜」




バンザーイ、バンザーイ、バンザーイ、バンザーイと昨夜はバンザーイ大会だった。
バンザーイは当選した議員のみに与えられる特権だ。
選挙の時、清き一票をというのは大変なのだ。

家でテレビを見ていたり、読書をしていたり、足の爪を切っていたり、食事をしていたり、詰め将棋をしていたり、好きな音楽を聴いていたり、金魚にエサをやっていたり、まあ人それぞれの行為を止めて投票用紙を持って投票所に行って、ヨシ!この人にと候補者の名を書く。
行動の早い人なら、バッと立上がってサッサと顔を洗ってパジャマから外出着に着替えて、靴やらサンダルやらを履いて投票まで3040分位で済む(投票所が歩いて10分位の私の場合)。
だがしかし投票所が歩いて20分、自転車で10分となると、めんどくさいとなる。

いい天気だからどっかに行くかとなると、まあオレ一人、アタシ一人位の一票なんかどうってこたぁないだろうとお出かけとなる。
今回の場合投票率54%位だとすると、46%位が投票行動をしなかったことになる。
化粧時間の長い女性なんか投票に行くまでに、誰も見ちゃいないのに何を着て行こうかと迷いに迷い340分、すっぴんの顔にたっぷり一時間以上もかけていざ投票所へとなる。

選挙というのは実は大変な一票の積み重ねなんだ。
バンザーイ、バンザーイをした議員は一票の重みをしっかりと胸に刻まないといけない。私の知っている男女は選挙に行くか、ドライブで買い物に行くかでモメにモメて別れ話に発展したケースもある。

小泉進次郎という若者がどんどん客寄せパンダ化している。
気持ち悪くて、気恥ずかしい男になっている。
次は東京都知事選だ。バンザーイ、バンザーイをするのは誰でしょうか。

選挙というのは麻薬と同じで中毒性があるという。
医療大麻をもっと使おうと(?)立候補した女優高樹沙耶がなんと6万票近く得票した。
後楽園球場が満員で43,000人強だから凄い票なのだ。
万が一石田純一が出たら当選すると思う。
不倫した経験のある人の票だけで200万票位あるからだ。
勿論男女を足して、回数を掛けてだが。

小池百合子と石田純一に比べると、増田寛也はいかにも地味で華がない(毛染めが濃すぎる)。テレビタレント、テレビのキャスターは無敵だ。
この国はタレント天国なんだ。あ〜嫌だ、嫌だ。あの人(?)が出れば良かったのに。(文中敬称略)