海を愛するヨットマンの友人が三宅島に寄港して送ってくれたのだと思う。
パッケージに「わたしゃ三宅のくさやの干物、主に焼かれて身を焦がす」なんてロマンチックな言葉が書かれている。
飛び魚のくさやとアジのくさや、それと島のりが送られて来た。
台風が近いのに大丈夫かと心配しているのだが、ベテランのヨットマンだからきっと海が荒れる前には帰って来ているはずだ。
あちこち航海するたびに、海の幸を送ってくれる。ありがたい人である。
さて、くさやを焼くとなると相当な覚悟がいる。
酒の肴としては最高だが、ひとたび家の中でくさや一匹まるごと焼くと小宅はくさやの臭いで充満するはずだ。孫たちはいまだかつてない臭いに逃げ帰るやもしれない。
だがくさや、特に三宅島のものは格別、特別、別格だ。
で、先日鍼灸マッサージの達人が送ってくれた、小さな七輪で小さく、小さく、小さくちぎって網の上において焼くことにした。
土曜の午後ちょうど達人が来ていたので半分分けてあげた。
達人は釣りの名人でもあるので魚に詳しい。
うわぁ〜これは高級なくさやですねと言って喜んで持ち帰った。
近々バーベキューをするのでそこで焼いて食べますと言った。
え、家の中でなく外で、そうなの家の中でバンバン焼いてみてほしいと思ったがその強烈無比の臭いを知っているらしい。
チラチラ青光りする固形燃料の炎で小さくほぐしたくさやを焼けば、小さくても価干金しかっりとくさやの香りだ。
冷酒で一杯実に旨い。ありがたきかな島の民の知恵。
三宅島では塩は幕府から管理されていた貴重品、それ故とれた魚を海水にひたして、ひたして、塩味をつけていった。
それをまた工夫の漬け味の中につけてじっくり干して仕上げ極上のくさやとなる。
その昔新橋のある飲み屋に一人の客がくさやを持参して来て、これを焼いてくれと言って焼かせた。オー島の臭いだと本人は喜んだが、店内はくさやが充満した。
一人、一人と客が帰って行き、その客一人となった。
これほどの凄い臭いと味はないのだ。ちぎって小さくすればほんのりといい臭いだ。
とりあえず換気扇は回した。
黒潮の味、島のりはお吸い物でよし、そのままでよし、ラーメンやおそばによし、潮の香りと味がなんともいえない、ちょいと焼いたらくさやの臭いと磯の香りで、もう言うことなしであった。
沖縄を舞台にした老人の初恋物語の名作「ナビイの恋」の中で確かこんな歌があった。♪〜一銭二銭の 葉書さえ 千里万里と 旅をする 同じコザ市に 住みながら あえぬ吾が身の せつなさよ
ヨットマンの持ち船は大きい。
今はどこ辺りにいるのだろうか。天気予報では台風10号が東京へ、スカイマーク機は沖縄へ飛んでくれるだろうか。30日に来るはずだとか。
この国は日々何らかの自然災害がある。
人による被害はそれ以上ある。事前防災できることからはじめよう。
何、奥さんから無視されているってか、それはきっと大切な何かを忘れているんだよ。
先週食べたパクチーの味が残っている。パクチーもまた独特の味だ。
私はこれといって苦手な食べ物は無いが、何故かホタテ貝だけ4年前からアレルギー物質となった。沖縄に行ったらアグー豚のしゃぶしゃぶを食べようと思っている。
すでに腹がグーグー言っている。