ページ

2016年9月14日水曜日

「君の名は、小かき揚げ丼」




私の最大の弱点(ゴマンとあるが)は、マンガ、劇画、アニメの世界に弱い。
メカにもウルトラ弱いのでその世界の情報は、赤銅鈴之助とかゴルゴ13、柔道一直線、無用ノ介、あしたのジョー位しかない。

昨夜親愛なる兄弟分が「君の名は。」を観ろよと言った。
前夜「シン・ゴジラ」をみんなが観て面白いというので、日劇の最終回で観たのでその感想を話していた。

“君の名はとたずねし人あり、その人の名は”の名セリフの映画「君の名は」の名が出た。
リバイバルかと聞いたら、アニメ映画で大ヒット中という。
へぇ〜そうなのか、映画題名には著作権はないはずだから同名OKなのだ。
確か歌の題名に映画の題名を使ってもOKだった。
“忘却とは忘れる事なり、忘却を知る心のさびしさよ”岸恵子がマチコ、佐田啓二がハルキであった。

で、兄弟分によく知ってるな、そんなアニメを見てるのかよと言った。
彼には恋する年代の愛娘がいるからきっとその影響のはずだ。
そうでないとキモチワルイおじさんになる。
ダメだな〜アニメを見なきゃと言われたもんだ。

今日エグザイルだか三代目だかのグループのコンサートチケットを私の娘から何とか手に入れてとせがまれていたのだが、即時ソウルドアウトでファンクラブに入っていても手に入らない。会社の凄腕女史をもってしてもダメであった。
こんな時は兄弟分だ、何とかならないかと二ヶ月位前からお願いをしていた。
ダメだよ、無理、その手の相談は断ってんのと言われたが、そこを何とかと食い下がった。

モシモシ、オレ◯△□、入ったよ二枚九月十四日のがと連絡が入ったので思い切りアリガトサン。何とか面目が保てた(?)ごていねいに今日午後五時東京ドーム会場入口関係者席までチケットを持って来てくれる。
娘にどこかの組の組長みたいだから直ぐ分かるよと電話した。
えー恐い人って言うから、日本で一番大きな広告代理店でキャスティングのボスをしていたから見た目は恐いけど優しいよ、それに中学時代の同級生だからと言った。
コンサートのチケットは今回きりと約束をした。

「シン・ゴジラ」は、政治風刺劇の大作であり、自衛隊PRの大作でもあった(全面協力)。災害大国日本への警告、北朝鮮のノドンやテポドンなどによる攻撃への備え方教室でもあった。ラドンが出ないのが残念であった。

私が大尊敬する監督からこれと匹敵するシナリオを受け取っているのだが、映画会社の人間に見せたら数十億の製作費がかかると言われた。
病と格闘している監督に空母や巡洋艦や戦車など、鉄という鉄を腹を減らした人間たちが食べまくっていく大スペクタクルを作らせてあげたいと思った。

ポンと50億円出す太っ腹の人いないかと日劇をあとにしながら思い、有楽町ガード下「天米」で小かき揚げ丼を食べて帰った。

2016年9月13日火曜日

「踏み倒し」


私の両親は岡山県出身である。
一般距離だと東京から岡山ICまで637キロのところにある。

この岡山にタクシーに乗って料金を支払わなかった男がいた。
高いのかはたまた意外と安いのかその額217410円、運賃と高速道路の通行料金の合計で。男は所持金300円であった。

自称無職49才の男は10日午前540分頃、東京都大田区内の路上でタクシーに乗った。
岡山県赤磐市まで帰省するのでと言って乗ったのだ。
料金は友人が払ってくれるのでと言って乗り込んだ。
タクシーの運転手さんにとってロングのお客は待ってましただが、これほどの超ロングとなるといかなる心境だったのだろうか。
二人は637キロの間にどんな会話をしていたのだろうか。

12時間後位に目的地に着いたが友人宅は目的地になかった。
運転手さんが交番に行き友人宅を訪ねたのだが不審に思い警察署員が友人を探し連絡したのだが、その男とは高校卒業以来音信不通と返答した。
で、無賃乗車と判断午後11時過ぎ詐欺容疑で逮捕となった。
以上日刊スポーツ紙の記事から抜粋して書いた(9/12売)。

いわゆる踏み倒しという運転手さんにとってはとんでもない乗客であった。
これは想像だが途中のサービスエリアで、天ぷらそばとかチャーシューメンや、カツカレーとかフランクフルトソーセージなんかを人の好い運転手さんは奢ってあげたかもしれない。男がトイレなんかに入ったらきっと見張っていたのだろう。
タクシーが個人だったとか、タクシー会社のであったかは書いていなかった。
運転手さんが激怒したのか、どっと疲れてへなへなとなったかも書いていなかった。

この様なケースの場合運転手さんの売り上げはどうなるのだろうか。
もし運転手さんの自己負担だとしたら、どんなお人好しの運転手さんでも怒髪天を突くだろう。東京まで空車で帰る637キロは運転手さんにとって1000キロ以上の長さに感じたことだろう。
男が岡山県人のようなので私としては心より申し訳なく思うのだ。
運転手さんが分かったら今度倉敷まで乗ってあげようかなどとは…。

近々広島にロケに行くのだが広島までならどれ位かかるのだろうか。
ずーっとむかし高校生の娘たちが東京から広島までタクシーに乗って踏み倒した事件を思い出した。確かその時運転手のおじさんにタコ焼きも奢ってもらったとか言っていた。
記憶は定かではない。ちなみに柔道や相撲の技や決まり手に踏み倒しはない。

2016年9月9日金曜日

「結婚考その二」




電気スタンドというのは実に気分を演出してくれる。
一ヶ月ほど前に届いた1200円ほどの電気スタンドを使いうつ伏せになって文字を書いていると、何やら物書き的になる。
小さな灯りが原稿用紙だけを照らしてくれるからだ。
実は腰が酷く痛いのでうつ伏せが楽なのだ。

前回に続き「結婚考」について。
少子高齢化社会を救うには若い人たちが結婚してたくさん子どもを作ってもらうしかない。結婚大歓迎なのだ。

政府は結婚援助金とか新婚支援金、新家庭住宅補助金とかを考えていかねばならないのに何もしない。
新生児おめでとう御祝支援、第二児誕生よく生んだ支援、第三児えらいぞ支援、第四児、第五児、そして第六児になると生活費50OFFのようにしなければ子は増えない。
戦費ばかりが増えて五年連続五兆円超えだ。少し減らせば子づくりに使えるのだ。
政治家は本来ボランティアの仕事、給与を減らして選挙活動にお金がかからないシステムにする。
今よりずーっと貧しかったこの国には、十一人家族、十人九人家族、五・六人家族は当たり前だった。ちなみに私は六人家族の六番目。
♪〜僕の髪が 肩まで伸びて 君と同じになったら 約束どおり 町の教会で 結婚しようよ…なんて吉田拓郎の名曲があったが、少し髪が伸びた位で結婚しようよだ。

新婚家庭の電気スタンドの灯りは少々妖しい雰囲気を演出する。
旅館やホテルの電気スタンドの灯りもまた胸震わすものとなる。
なすべきか、なさざるべきか、それが疑問だ。なんて気分だ。
何やってんのよここまで来て意気地なし、帰るわなんて言われて心は乱れ、頭の中では結婚資金や自らの生活能力を計算するのだ。
あー駄目だ×万円足らない、なんて事になるのも多いはずだ。やっぱり帰ろうなんて。
今頃の若い人は家計簿感覚が優れているのだ。

結婚は最大の節約術だよ、何しろみんなシェアできるのだから。
一人じゃ食えんが二人なら食えるというのは江戸のむかしから伝わる教えなのだ。
若い男はもっと本能的に行動せよ、ひるむな、逃げるな、女体の魅力に溺れよだ。

オイ、部屋の電気を消すぞ、早くこっちへ来いよ、なんて電気スタンドのこぼれ灯の中で意を決してほしいのだ。ハイ、ワタシアナタニズットツイテイキマス、ドウニデモシテクダサイ、なんてことになるやもしれない。
イイワネ、イイトコマデイッタラゼッタイケッコンシテヨ、年老いたオトーサン、オカーサンの面倒は嫌よ、早く部屋の電気消してスタンドだけにして。
なんてことにもなる。がんばれ若者よ。

「結婚考」




大橋巨泉は大嫌いだったが、永六輔さんは大好きだった。
巨泉は確かに“話術の天才”であり、企画力もあり、博識多芸であった。
そして一言居士でもあったが、詩才なく一文が書けなかった、それ故これといった名言(名文)はない。

永六輔さんは言葉の天才、話術の天才であった。その詩才は日本史に残る。
それ故数多くの名言、名曲、名書、言行録がある。
例えば“愛”について
「愛することの反対は、憎みあうことではありません。無関心になることです。」
「小異を捨てて大同につく。よく使う言葉ですが、結婚するってそういうことなんだ。」
「青二才でも結婚すると男らしくなり、出産すると娘は女らしくなるもんです。」
「いいですか、夫婦ったってアカの他人ですよ、アカの他人同士が起こす奇跡、それが結婚というものです。」
最後にこんなのを「十代の夫婦はセックス夫婦、二十代の夫婦は愛で結ばれる夫婦、三十代の夫婦は努力して夫婦、四十代の夫婦は我慢の夫婦、五十代の夫婦はあきらめの夫婦、六十代の夫婦は感謝しあう夫婦。」
七十代は忘れ合う夫婦、八十代は記憶すらない夫婦だろうか。

ことのついでに結婚についての江戸小咄を一つ紹介する。
婚礼が終わって半年、亭主が語り、女房が聞く。
婚礼が終わって三年、女房が語り、亭主が聞く。
婚礼が終わって十年、亭主が怒鳴り、女房がわめく。
それを隣の人が聞く。
結婚へは歩け、離婚へは走れという言葉がある、決して焦るな、決してズルズルするなということだろう。

結婚とは雪景色のようなものである、はじめはキレイだがやがて雪解けしてぬかるみができる。
そもそも偶然出会った一組の男女が何十年もずっと一緒にという方が変だと言えば変なのだ。
ある格言だが「ずっと長い間結婚生活(同居生活かも)をするなら、会話を多くしないことだ。」

夜帰宅すると一本の電話が入っていた、夜遅かったが電話をした。
相変わらず小鳥のような笑い声が出た。
その内容が♪〜別れても好きな人みたいな話だったので、結婚について記すことにした。これからの人生に相方幸多かれと願うのだ。

♪〜粋な別れをしようぜという歌もある。
これから結婚する人たちには心から祝福をする。
9月19日、親愛なる友人が女学館出身の美人、才女とウラヤマシイような結婚パーティーをする。スピーチの一番バッターを頼まれている。
さて何を語るかと考えている。(文中敬称略)

2016年9月7日水曜日

「8×4(エイトフォー)」




最悪の伊東行きであった。昨日むせかえるような新橋駅から列車に乗った。
どこかで信号の故障があったとかで列車は遅れていた。
午後八時過ぎに乗った。

グリーン車に夕刊紙を買って乗ったのだが満員で座れない。
チキショウと舌打ちした。入り口のところに立ったのだが、そこに二人の会社員風三十代の男が同じく立っていた。
なんとその二人が缶ビールと歌舞伎揚げと柿ピーを手にしていた。
ヤバイと思った。

品川駅に着くと人がグイグイ乗って来たので、階段の下の部分に移動した(2階建てなので)、すると男二人も同じように移動して来た。
ぷーんと歌舞伎揚げと柿ピーの臭いがして、ビールの臭いと一緒になって私の最も苦手な展開になった。

柿ピーは自分が食べている時はすこぶる旨いし、ビールも勿論旨い。
が他人が隣で食べていると不気味なほどの臭いとなり、柿の種を食べる音に精神がかき乱される。一人の男が食べていた茶色い柿の種一個が、もう一人の男のシャツの肩にポトンと落ちてへばりついたが男は何気にそれを取って口に入れた。
一人でも我慢できないのに二人となると生き地獄となる。

二人は同僚のようでサッカーの話をしている。
タイなんかに負けたら監督はクビだよなとか、テレビ間に合うかなとか、やけに混んで蒸し暑いなとかをポリポリ、ガリガリ食べては缶ビールを飲む。
ウグッなんて一人がゲップをした時、我慢もこれまでかと思い、ウルセイ、クセイ、静かにしろと言おうと思ったがグッとこらえた。

まあサキイカはないし、チーカマもないし、貝柱燻製もないし、何しろ暑いしと思いやっと川崎に着いた。
だが数人降りて数人以上乗って来たので、更に混んで来た。
いっそ降りて隣の列車に移ろうと思ったが、何か逃げ出すようでやめた。
そうか、8×4(エイトフォー)を持っていた、男の汗臭さを消すというスプレーだ。

バッグからそれを持ち出して殺虫剤をまくようにブシュー、ブシューとあてこするように首筋に吹き付けた。なんだこりゃ、な、なんなのこれ、という感じになったのだが一人の男が、オオーいい臭いなんて言って私に向かって笑いかけた。
サッパリしやすねと愛嬌のある顔だった。黒いジーンズに青い半袖のシャツを着ていたのだが、8×4によって黒いジーンズに吹きつけたものが白く点々とくっついた。

真っ赤な口紅が流行っているのか、振り返った女性は渡辺直美のような感じでやけに赤い厚い唇が怖かった。彼女の服にも8×4の白いものが少々かかったらしい。
ナニスンノヨコンナトコロデ8×4なんてバカオヤジという顔だった。

家に帰ると愚妻がクリエイトなんかで柿ピーが何袋も入っているのを買って来ていた。実は息子の大好物なのである。
これとじゃがりこ、ハッピーターンの三点セットだ。
息子は、酒は飲まないのに柿ピーは袋の口を開けバババーと一気に口に投入するのだ。

スナック菓子を作っている工場に取材に行った時、絶対食べない方がいいですよ発ガン物質ばかりですから、ネズミに食べ続けさせるとほぼ100%なりますから、なんて言われて皿に山盛りのスナック菓子を出された事がある。

日本代表のサッカーは20でやっとこさ勝った。
相手のシュート数はわずか23本、日本代表は25本以上。負けたも同じ試合であった。
何しろ相手は世界ランク117位だ。私は横浜で一度降りてベンチで次の列車を待って乗り換えた。

この私にやっと我慢が身について来たのだ。
新しいプロジェクトをやり遂げるまでは、じっと我慢なのだ。
今の私は殴られてもニコッと笑い、蹴られてもニタッと笑う。
そう心に決めているのだ。但し××の場合は必ず×××にする。

石巻から初サンマを送って頂きそれを食べた。三宅島のくさやと同じ絶品であった。
お刺身まであった。すだちと大根おろし、これで日本一の和食だ。