先日テレビで見た鮨屋さんの話。ここまでやってるのと、鮨づくりにこだわっていた。一軒は会員制30人ぐらいとかでフツーお客さんは入れない。バーロじゃテレビに出て来て店を紹介するなよと言いたい。店の名はたしか「乃南」と言った。幻冬舎の見城徹社長や、ZOZOTOWNの前澤友作元社長が会員だと友達が教えてくれた。もう一軒は3年先まで予約が入っていて、フツーの人は仲々食べられないとか。だったら店を紹介しないでと言いたい。鮨は3年も待って食べるような食べ物じゃない。もとは江戸っ子のいわばファーストフードだ。店の名は確か「杉田」とか言った。こだわりはフツーじゃない。もう一軒は毎年三ツ星というのをミシュランからもらって自慢の、鮨屋「すきやばし次郎」という店が、そのミシュランガイドから外れた。聞けばフツーのお客さんが入れないからだという(9席しかない)。この鮨屋さんはおまかせコースで4万円からなんて、バカも休み休み握れと言いたい。カードが使えなくて、私の先輩が知人と運よく入って次々とでてくる鮨を食べ、ワインをグイグイ飲んだら一人7万円とか言われて、現金不足となって大変だったと聞いた。フツーの人が入れないのをテレビで見せられて、世界一旨いとか、日本一旨いとか言われても比較しようがない。ビンボー人をバカにすんなだ。ある食通が言った。本当に鮨を知っている人間は、コハダ、アジ、サバが基本だよ。マグロを高く売らないと鮨屋はもうけが少ないから、マグロだマグロだとブームを作ってしまったんだと。他にはタコ、イカ、白身、アナゴ(ツメつけ)でいい。まあ、それにヒモがあれば十分、ラストはワサビを入れたカンピョウ巻きとくればさらに十分、マグロはと聞けば、オレは赤身があればいいんだ。江戸っ子の鮨は、早い、安い、旨いに限る。もともと鮨屋では酒なんか飲まなかったんだよ。そもそもマグロの味を見分けられる、食い分けられる人間は、鮪問屋さんの中でも、よほどのプロじゃないと分からない。例えばごくフツーの鮨屋さんの中に、高いマグロを入れたって分かりゃしないよ、ワインと同じさ。100万のワインと680円のワインを、目をつぶって飲み比べても、自称ワイン通が間違えるのと同じだと。人間の先入観とは怖いものだ。高いからと言われれば高く感じ、安いからと言われれば同じ鮨でも安いと思う。長い間食べてきて“鮨と寿司”の違いも、私は先日調べてもらうまでハッキリ分かっていなかった。週末は回転するお店に行って、魚類図鑑に載っていないようなネタを食べてみようと思う。一度それをやって、ホタテ貝アレルギーになって、今は食べられない。“ホタテ貝風”だったのかも知れない。
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