ページ

2013年2月19日火曜日

「で、ごわす」




不良品は再生できるか?答えはできます。
それを証明しているのが役者の宇梶剛士氏です。

彼はアイヌ出身であり十代の頃上京した。
その後暴走族ブラックエンペラーに入り、やがて七代目総長となる。
抗争に明け暮れ特別少年院に入った。そこである一冊の本に出会い役者を志す。
出所後ある劇団に入る。また菅原文太氏から人間学を教えられる。

その経緯は彼の著書、その名も“不良品”という本に書いてある。
以前に読んだため正確には覚えていない。お母さんへの愛に溢れていた様に思う。

今や宇梶剛士氏は日本を代表する役者となり、映画や舞台、テレビで大活躍だ。
私が何故今この様な事を書くかといえば、金曜日夜1115分〜1215分に放映する“信長のシェフ”というマンガを映像化した番組が好きで時々見ているからだ。
信長の忠臣である森可成役を実にいい味を出して演じている。


私がイメージした森可成にそっくりなのだ。
豪快にして繊細、つまり強くて優しくて忠義に厚い歴史上の武士の姿だ。
それはアイヌの血が演じさせているのかもしれない。

かつて北海道のアイヌの集落に行った時に見たアイヌ独特の模様、荒々しいが何か心に染みる木彫りの熊や鮭。戦の道具。日本の原点が脈々と息づいていた。

私は熊が鮭を咥えている木彫りを買って帰った。
年を追うごとにいい味の色となっていく。
不良品の宇梶剛士氏もこれから更にいい味を出してくれるだろう。
アイヌは苦境に強かった。

あなた方の目の前に不良品に見える人間がいたら決して諦める事なく将来に期待して愛情をかけてほしい。人間にはきっとその人間のいい味があるからだ。

ちなみに今まで幾多の役者が西郷隆盛役を演じたが宇梶剛士氏が演じた西郷隆盛が間違いなくNo.1だ。すばらしいでごわすだった。

2013年2月18日月曜日

「北に夢あり」


出羽三山 


なんで世界一勤勉な国である日本が、なんで世界一の借金国になったのだろうか。
誰もそれを正しく伝えてはいない(大マスコミ)第二次世界大戦の時玉砕につぐ玉砕で敗戦にまっしぐらだったのに報道は全て全戦全勝の如くであった。

“アベノミクス”が救世主の如くいわれている。逆さまにすると“スクミノベア”となる。
ベア=定期昇給に大企業は“スクミ”縮んでいる。

我々の様な小企業は大企業が内部留保を使いサラリーを上げて消費が活況にならなければスクミ縮み続けるしか生きる術はない。

私の様に人と人との繋がりを命として生きて来た人間にとって心底住みにくい世の中になってしまった。かくなる上は井伏鱒二の名作「山椒魚」の様にじっと、ずっと、動かずに入って来た処から出れない身にならねばならない。どの穴に入るか探さねばならない。


高杉晋作の遺した言葉は“おもしろきなき世をおもしろく”であった。
勝海舟の最後の言葉は“これにておしまい”であったという。

近くの海岸に行き海に向かって“バカヤロー”と怒鳴って石を投げた。
勿論自分に向かってだ。人間の価値はどう生きたかではなく、何を遺したかでその価値が決まるという。

私が親しくしていただいている会社の社長が私と同じ事を目指すという。
そこが私の探す穴になるかも知れない。あるチームの一員になる事をお願いした。
北になすべき夢がある。

2013年2月15日金曜日

「あるアンケート」




私もあなたも明日殺人犯にならないとは決して断定できない。
ある哲人は“人はみな等しく狼である”といった。
そう人間は動物である以上生きるためには手段を選ばない。

仮に五人の人間が離れ小島に流れ着いた。
そこには食べ物がただ一つだけのパイナップルがあった。
一日、二日、三日、四日、五日、十日。五人は空腹に耐えられなくなっていった。
その後どんな展開になるかは誰でも想像がつくはずです。
武田泰淳の「ひかりごけ」の世界です。

その五人が家族でも、仲のいい友達同士でも、同じ職場で働く同僚でも、同じチームで汗を流すチームメイトでも。
仮に自分がその中の一人だとしたら。

今週ある週刊誌の特集を読んだ。それは133人の死刑囚にアンケートを頼んだのだ。 
78人が回答を寄せた。自筆の絵を添えた者、米粒の様な文字の者、達筆な者、震える字、怒りを込めた字、悲しい字、達観したかに見える字。

毎日毎日死と背中合わせで生きている。
間が差した者、劣悪な環境に育った者、極道者、嫉妬に狂った者、金が欲しかった者。
病的な者、カルト信者。
様々に生きて、様々に人を殺めた。

拘置所では仏教からキリスト教等自分で選ぶ事が出来る。
陽が差し込まない三畳間と洗面トイレ一畳分の中で死ぬまで暮らす。
心の中ではきっと手を合わせているのだろう何かに向かって。

アンケートを読んでいて絞首刑とは、法に依って人を殺すとは、死刑廃止論について胸を高く鳴らしながら読んだ。


韓国の映画に“執行者”といのがある、死刑廃止が基本の韓国に於いて、この凶悪な男だけは死刑にすべしと呼ばれた男が刑の執行間際に執行者たちに向かってこういう。
“オレはもう人は殺さないが、お前たちはずっと人を殺し続けるだろう”と。

この世の中で人間程恐ろしい動物はいない。
世界中で内戦が起きている。アラブ、中東は戦火のまっ只中だ。
幼い子どもにも狙撃手は銃口を向け引き金を引く。わずかな金を手にするために。
日本はそのアラブ、中東から来る石油で成り立っている。

ある一人の死刑囚のアンケートを記す。拘置所の舎房に対する意見について。
答え“動・植物、動く物、自然が見たい”1976年伊勢崎2女子中学生殺人事件など。
1998年死刑確定)

2013年2月14日木曜日

「戦争反対、模型大好き」

岩田さんが作った模型の写真です

戦艦大和や武蔵、戦闘機の零戦、飛燕、疾風、雷電、九七式艦上戦闘機やB29、グラマンTBMアベンジャー、グラマンF6F、零戦と富士山、飛燕vs B29、それはもう精緻を極めた模型があるわ、あるわ、その製作者は岩田和則さん(74)だ。

浦安に住む敬愛する監督原田徹さんが、同じ所にリハビリに来ている奥さんのご主人が模型作りが大好きとか、ご近所のマンションに住んでいると言うので見に行ってびっくりギョーテンしたのです。

岩田さんはマンションの一部屋、二部屋、三部屋と模型のワンダーランドにしているのです。岩田さんが戦争マニアかといえば戦争大反対論者。

実は二月十三日原田さんがぜひ紹介したいというので行って来たのです。
私も一緒に行ったデスクの女性もびっくりギョーテンです。
何しろ無茶苦茶小さな戦艦大和をなんと紙だけで作ったりしているのです。

生活環境が豊かだとやはり顔も穏やか優しさ満点の方でまるで戦闘機とか軍艦や巡洋艦とはイメージが重ならない。
子供の頃浦安で見たB29による空襲を今でも鮮明に覚えているといって戦争は決してやってはいけませんという。
だけど模型作りは別なんですよとお茶と和菓子を出してくれました。

北朝鮮が遂に核の小型化に成功し米国まで攻撃可能となった。
核保有国が核は持つなの論理は矛盾しているが、戦争は模型の上だけでやってもらいたい。北朝鮮に核を持たせて一番ほくそ笑んでいるのが中国とロシアだ。
世界中が騒げば騒ぐ程北朝鮮の親分中国とその兄弟分ロシアの存在が上がるのだ。

だがまてよ、中国、ロシア、北朝鮮は自国民までだます嘘つき国家。
ミサイルも核も模型かもしれない?(本物かな)。

帰りに原田さん宅に寄ると、リハビリを兼ねて作ったという恐竜の模型を沢山いただいた。紙で作った作品。とてもよく出来ていてこれもビックリギョーテンした。
久々に会った原田さんは顔色もよく、顔もふっくらしていた。
何よりうれしかったのは触れた手が以前よりほっこりしていた事だ。

平家物語に出て来る女性を描き始めていた。
日々の目的を持つ事は何よりの良薬の様であった。芸は身を助けるのです