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2017年4月17日月曜日

「下呂温泉・水明館」



四月十五日(土)我が国の指導者は北朝鮮から攻撃があるやもしれぬ、国はそれに備えねばならないという予測を十五日以前に答弁した。
金正恩の父の父、故金日成の生誕一〇五年記念日だったからだ。

軍事パレードを盛り上げるための記念にドドーンと核実験が予測されていた。
何しろ金正恩は正気でない指導者だ。
テレビでは相変わらず北朝鮮問題に詳しいという大学教授や軍事評論家、それにコメンテーター。北朝鮮から国会議事堂付近にヒロシマの原爆より小さな核爆弾でも死者数十万人、負傷者ん百万人、周辺の被害者ん十万人とかをシュミレーションしていた。
ミサイルの先にサリンのような化学兵器をつけてそれが落ちるとハルマゲドンだと。
戦後最大の危機と言ってもいいと言った。

さて我が国の国民はというと、桜の花の下でドンチャン騒ぎ、プロ野球は春風の中大観衆が大声援。テレビでは明石家さんまや古舘伊知郎がしゃべり続け、マツコ・デラックスは巨体をゆすって大笑い。
街にはどっと人が出て休日を楽しんでいる。

どうしようもない政党民進党は危機感ゼロで、オレはやめる、オレもやめるのやめるラッシュ。政党支持率0%でも年間に助成金を数億円もらえる、自由だ社民だ、なんとかのこころなんかは、その存在すら感じない。

小さな少女が変態ロリコンの見守り隊会長だかに残忍に殺された。
おぞましいニュースを見ながら、この国は誰を信じたらいいのかと深くため息をする。
北朝鮮の軍事パレードに新型のミサイルが登場したが、ハリボテの代物じゃないかと疑ってしまう。信じる者は救われるというが、信じるって何をと思ってしまう。
すぐに消えると思っていたピコ太郎は未だ頑張っている。

世も末になると、ええじゃないか、ええじゃないかと人は踊りだすと言う。
籠池事件はすでに遠い過去のようなものとなり、ベタ記事扱いだ。
一問一答!ハイそのメガネの人、アンタはダメ、ハイその派手なシャツの人と指を指している元東京都副知事の顔は、もしかして偽証でパクられるのではという恐怖が滲み出ていた。異常に甲高い声はすでにそれを証明している。
受けた恩を忘れることなく、その身は背広でない服を着ることだ。

桜の木の下には死んだ人間の魂があると誰かが書いていた。
坂口安吾の原作「桜の森の満開の下」という松竹の映画があった。
監督篠田正浩さん、主演は岩下志麻さんと若山富三郎さんだったと思う。
いちばんの悪を愛すという妖しい美女に会いに行くには桜の花の下を通らねばならない。但しそこを通ると人は狂ってしまうという。
都で悪業を重ね戦利品を手にして、女性の関心を得るために男はそこを通る。
十年近く前その映画の舞台となったお寺に親友と行った。
吉野の山桜を見に行く所にある。確かにそこには人を狂わす妖気があった(記憶は定かでない)。

岩下志麻さんと一度仕事をしたことがある。
ホテルオークラの部屋をとってそこで打ち合わせをすることにしていた。
ロビーで待っていた時、この世のものとは思えない美しい着物姿の岩下志麻さんが現れた。三十七、八才の頃だったと思う。
人が行き交うオークラのロビーは、言葉を失った人ばかりとなった。
岐阜下呂温泉の名館、水明館のグランドオープンのCMに出演してもらった。
イベントにも来ていただいた。
すべてが終わり最上階にある水明館の大浴場にスタッフと入りに行った。
一人ポツンと体を洗う人がいた。田中邦衛さんであった。
美しい奥飛騨を通って水明館。すばらしい旅館なので是非行って見てほしい。

四月十五日は過ぎた。北朝鮮のミサイルの発射は失敗だった。
私といえばジーンズにアロハ、ビーチサンダルで辻堂の「五島」という小さな天ぷら屋さんに昼を食べに行った。エビ、シシトウ、ナス、カボチャ、キスがのった天丼1,050円、
みそ汁、おしんこ付き。ビール中瓶一本、新聞を読みながら白菜の漬物を食べ始めた。
アタマの中には難しい宿題を抱えている。

2017年4月14日金曜日

「新しい恋愛映画」




現代詩人・最果 タヒ(さいはてたひ)さん原作、リトルモア刊「夜空はいつでも最高密度の青色だ」その完成試写を昨夜六時~七時四十七分、渋谷で観た。
キャスティングディレクターの友人とグラフィックデザイン界の巨匠と三人で。

最果タヒさんという名は知らなかった。
2008年21才の時、「グッドモーニング」という詩集で、第13回中原中也賞を最年少で受賞していた。
製作プロデューサーはリトルモアの孫家邦さん。
「舟を編む」で第37回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞、石井裕也監督が監督賞を受賞した。

孫家邦さんは小柄で細いが、目は鋭く全身から武芸者のような殺気を感じる。
写真界の最高栄誉である木村伊兵衛賞を新人女性写真家で受賞させた。
また一緒に観た巨匠の東京アートディレクターズクラブの最高賞受賞作の作品集も出版した。
金稼ぎ第一主義の現在の映画界で稀有の作品第一主義の人である。

入り口でスタッフと共に入場案内をしていた。リトルモアの孫ですとあいさつをしてくれた。
私の展覧会に来てくれたことがある。プロデューサー業の第一は必ず義理を果たすこと。
その次は熱情を余りなく尽くす。それを実践している人だ。

石井裕也監督は24才でアジア・フィルム・アワードで新人監督賞を、28才で第53回ブルーリボン監督賞、現在33才で12本目を手掛けるという才能を持っている。
映画は工事現場で働く若者と、看護師をしながら夜はガールズバーで働く若い女性との物語。
二人は居酒屋で出会う。舞台は渋谷、新宿。二人の間に芽生えたものは、恋なのか、愛なのかは確かでない。
二人は決して抱き合ったり、手を握ったりしない。都会の闇の中にある空は、二人にとっては青空なのかもしれない。
不安定と孤独、さまよう時間。

♪~がんばれ がんばれと唄うストリートミュージシャンの歌声が聞こえる。
キスシーンもベッドシーンもない二人は、映像の中で求め合う呼吸をしている。いわば精神的SEXをしている。
私にはそう思えた。男を演じるのが池松壮亮、女性を演じるのが新人の石橋静河。
新しいスタイルの恋愛映画はすこぶるどんよりとして、すこぶる純粋であった。

5月13日より上映が始まる。ぜひ観てほしい映画だ。
5月27日より全国ロードショー。

2017年4月13日木曜日

「結び目」



人間は疑い深い。特に商人(あきんど)の方、お店のご主人は疑い深い。
おーい番頭さん、丁稚さんにちょいと大切なものを◯△さんにお届けしてほしいんだ。
何しろ大切なものだからな、例えばお中元や御歳暮、結婚祝いや快気祝、御礼、謝礼、餞別、日本は水引の多い国である。

この大事なものをむかしは丁稚さんがお届けした。
そんなこたぁないと思うが、人間ていう生き物には、どんなのが入ってるか見てみようなどとふと出来心というのがある。

そこでちょっとやそっとではほどけない結び方を考えた。
水引の代表的なものとして、淡路(鮑)結び、本結び、もろわな結び(蝶結び)などがある。
淡路結びは、結びきりといい一回だけの御祝、例えば結婚式や快気祝いに使い、何回も有っていい御祝。お中元・お歳暮などは、もろわな結びを使用するとも言われる。
大事なものを結ぶのだから簡単にほどける結び方ではいけない。
一度結べば水引に型が付き、ほどいて結んでもうまく結べない。
どこを引っ張ってもほどけないのが淡路結びの水引という。
金色は京都を象徴し、銀色は銀座を象徴する色といわれている。

昨日後輩が三度目の結婚をすると言って数葉の写真と、初めて結婚するお相手のプロフィールを持って来た。ランチをしながらつくづく写真を見る。
ANAの元CA、ANA一、二を争う美人?現在無農薬野菜を使った料理家であり、著作多数。なんと二人の新居は私の仕事場の目と鼻の先のマンションだ。
流通系最大手の広告代理店に勤める男51才である。前妻との間に息子二人。

デレデレ、デレデレしているから、四度目にならないように気をつけろよと、このバカ、アホと言った。それにしてもどうしてこんなキャリアと変人の男と結ばれたのか、女性とは分からない。ほどけないように固く結ばれてほしいなどとは全く思っていない。
新婦は料理研究家。その世界ではすでに有名である。
毎日玄米を食べさせられているせいか、男は肉とパスタをペロリと食べた。

2017年4月12日水曜日

「鴨せいろとカレーそば」



「長寿庵のれん会」というのがある。東京中に相当ある。
その中で“鴨せいろ”が一番旨い!のは銀座一丁目、私の仕事場の近くにある長寿庵だ。
いままで多くの人にすすめたが、全員ここが一番!と言った。

神田の“並木”や“藪そば”なんて相手じゃない?
虎ノ門、赤坂の“砂場”なんて目じゃない?
遠くから鴨せいろを食べに来る。

昼時は超満員、で昨日はその時間を避けて午後一時半頃に後輩のアートディレクターと行った。外はざんざん降りの雨、サラリーマン&ガールたちは仕事場に戻りもういない。
一番奥の四人掛けのテーブル席に座る。
やけに体が冷えたので、菊正宗の一合を少し燗付けしてもらって、いいポスターができたなと乾杯する。

マグロの刺し身を一皿、それに鴨せいろだ。
ちょっぴり茶そば風、この茹で方が抜群にいい。
鴨肉がやわらかく程よく脂がのっていて上等。ネギとの組合せは正に鴨ネギである。
鴨汁の中にゴマを少々、これで風味十分。刻みネギはそばつゆ用にとっておく。
アツアツの鴨汁にいい感じの茶そば風を入れて、一気にすすり込む。
ウメェー、よくやった長寿庵と声を出す。
もう長い長い付き合いで、16才で入って来た店員さんが46才になっている。
みんな顔なじみである。

と、隣の隣に二人の男、会社員30才前後であった。
一人は寒いのか鍋焼きうどんを、もう一人は、やったぁ~カレー鴨南ばんそばであった。グレーの背広に白いワイシャツ、きっと何かが起きると期待する。
できればカレーそばを口に入れ、アッ、アチチ、そばを丼の表面に落とし、ドバンとカレーが飛んで、白いワイシャツに黄色い点々がハンティングワールドになるぞと息をこらしていた。

が、若いくせに首から白い紙エプロン掛けて、そばをいちいちレンゲの中に入れてから口に入れる。なんでえ男のくせしやがって、カレー南ばんはばんばん箸ですすれと思った。やっぱりそばより重いうどんでないとハプニングは起きないのかもしれない。
うどんなら箸からツルツルとすべり落ちて、ドボン、ギャハ、ギャハ、ヤベエ~となるはずなのだ。

鴨せいろ大好きな人、私に声掛けて下さい。
一度だけならいつでもおごります。1100円です。

2017年4月11日火曜日

「仮説」




とことん俺と踊るんだな、ああどこまでも踊ってやるよ。
裏社会では喧嘩すること、モメることをこう表現する。表社会ではこれを戦争という。
その真ん中にいてどっちつかずでオタオタするのを余方(ヨカタ)という。
テメェ俺たちが体張ってんのに、シカトしてヨカタこいてんじゃねえよ、シメルぞなんてぶっそうな事になる。

人類の歴史は戦争の歴史である。はじめは食料の奪い合いであった。
次になるとそれに領土、奴隷が加わった。その次は石炭石油資源である。
つまり戦争は食糧を生む大地を奪い、それを耕し収穫する人的労力→戦力を奪い合った。今、アメリカ、ロシア、中国、そしてイスラエル、イラン、イラク、北朝鮮、シリアなどが踊っている最中にあるが、さて何を勝ち取るのかというと全く不明である。

奪えるものなどないのだ。
全てのシナリオは軍産複合体が戦争状態を作り上げる、つまり軍を踊らせて兵器の在庫セール、新製品の開発と販売、軍事予算の拡大をする。
そのためにはアメリカという国、ロシアという国、中国という国はなんでもやる。
何かことが起きて、どこがいちばん得したかを見ればそれがわかる。

CIAは何でもやる。モサドもKGBもSISも、踊るためなら民衆の1000人、10000人は平気で犠牲にする。例えば北朝鮮が日本にミサイルを打ち込んで何を得るか、上陸して国土を占拠するのか、それは有り得ない。
アメリカが北朝鮮にミサイルを打ち込んで何を得るのか、やせた国土とやせた国民をアメリカは必要としていない。

3.5億人のアメリカと14億の中国が踊って何を得るのか、実は何も無いのだ。
中国はアメリカの国債を100兆円近く持っている。
中国との交易がなければアメリカは終わる。
シリアの爆撃は米中会談中、メンツを重んじる中国を怒らせたなどというのは踊りを知らない人の考えだ。事前に話はできていたはずだ。
相方片をつけなければならない話が、100日間先送りされた。
中国人のいう100日先は1000日先、つまりあってなき約束なのだ。
政治オンチのトランプは踊らされたに過ぎない。
したたかな中東の人間は、絶えず大国に踊ってもらっていないと困るのだ、石油資源を売っている限り。最強の情報機関モサドは全世界をコントロールする。
ロスチャイルド、ロックフェラー、華僑、マフィア、バチカンと共に。

さて、日本は余方である。何をすべきか、世界が踊る話を経産省、通産省あがりの人間たちではできない。トランプ大統領には“金”しかない。
世界の警察官になる器量などないのは、本人がいちばん知っているだろう。
余方の日本はかつての大平正芳首相のようにムニャムニャ言っている方がいい。
竹下登首相のように言語明瞭意味不明がいいのだ。
余方が旗色を鮮明にしては踊り手になってしまう。
島国日本は等距離外交が何よりの策だと思う。
以上は私の耳学問による仮説である。


2017年4月10日月曜日

「おススメの映画」


独裁者の行き着く先きは当然のごとく無惨である。
ヒトラー、ムソリー二、チャウシェスク、フセイン、カダフィ、独裁者は死の恐怖に震えそして逃げ回り、最後は味方だった者によって殺される
昨日部下だった者は今日刃を向け、銃口を突きつけ引き金を引く。
独裁者は引きずり出され、逆さに吊るされ民衆の投石によって殺される。

先週末「独裁者と小さな孫」という映画を見た。今年に入って二度目である。
2014シカゴ国際映画祭最優秀作品賞他多数受賞した作品である。
「カンダハール」という名作を生んだ監督モフセン・マフマルバフ監督の最新作だ。
この監督は現在ヨーロッパで亡命生活を続けている。

とある独裁政権に支配される国。ある日クーデターが起こり、老いた独裁者は幼い孫と二人で逃亡をする。
多くの罪なき国民を処刑してきた冷酷な独裁者は変装を繰り返し逃げ回る。
残虐な独裁者も小さな孫から見れば、ただのおじいちゃんなのだ。
二人は衝撃的な結末に向ってひたすら逃げる。世界の映画祭で絶賛されたひとつの寓話である。
純粋でかわいい少年の目は忘れがたき美しさである。
独裁者が孫を守る姿は、どこにでもいるおじいちゃんと孫なのだ。

一人を殺せば殺人犯だが、百万人を殺せば英雄だともいう。

トランプ大統領がシリア爆撃の命令を出した日、反トランプの急先鋒だったCNNはトランプさんあなたは今日アメリカの大統領になったと支持を表明した。

一本100円でこの映画を借りて見ることができる。独裁者の末路に学ぶことは多い。


2017年4月7日金曜日

「銀座のポッキー」




ドカ、ドカ、ドカ、ドカ、ドカ、ドカと乗って来たのは、ひと目で分かる新入社員たちだ。
黒いスーツに白のワイシャツ。新しいバッグ。ネクタイの締め方がなってない。
ドカが六つということは六人であった。
四人は私の前に座り、二人は私の方に座った。長い座席には八人座れる。

午前十一時ちょい過ぎ、朝小学校の入学式に行った後、茅ヶ崎駅から乗っていた。
入学式に知人の市会議員が二人ゲストとして来ていた。
あっ、どうもと二人が寄って来てあいさつをしてくれた。
お子さんですかと言うから、バカ言うな孫だよと言った。市会議員は入園式、入学式、運動会、田植え、イチゴ狩り、老人ホームの慰問、ペットの表彰式、(十三年と十六年が対象)剣道や柔道、空手の大会、地元企業の入社式なんかでは会社の入り口で頭を下げる。
老人カラオケ大会だって行かねばならない。
で、大変だな一回生議員はとなる。

市会議員はギリギリ1600票位で最下位に当選できる。国会議員は雲の上だ。
次も当選するには、人が集まるとこへは何があっても行かねばならない。
かつて選挙中にイボ痔がとてつもなく悪化して激痛となり、緊急イボ痔退治をした初挑戦の男がいたが、力が入らずあえなく落選した。あるマル秘の場所で言葉を交わした。

ハイ、コレと言って私の前の席の新入社員が私の隣の新入社員に、半分食べたポッキーを下からトスした(トスとは野球用語で下からちょっと投げること)。
あっと、ありがとうと言って自分のバックからクロレッツをホイっとトスした。

バカヤロー電車の中で遊んでんじゃねえと思った。
胸章に45thのバッジを付けているから、創業45周年の会社に入ったのだろう。
あとの四人はマンガ雑誌、スマホ、何やらのパンフレット、そしてスマホであった。
入学式に感動していたので私の心はすこぶるおだやかさんであった。

いいね若者は、がんばれ若者よ、お、ポッキーか、銀座の高級クラブでポッキーをバカラのグラスの中に林立させて出て来たら、それだけで5,000円近くは取られるからなと思った。
小ぶりの皿の上に亀田製菓の柿ピー(ピーナッツが20粒位と柿の種が30粒位)でやはり5,000円位、席料、女の子一人のサービスチャージが10,000~15,000円×2人×3人と席については、一杯口をつけて他の席へ。
で、これで数万円。こんな世界とはすっかりお別れしました。

やがて新入社員たちも夜の銀座、赤坂、六本木、西麻布を経験して行くはずだ。
信じられないような美人と、吸い込まれるような魔女と、考えられない悪女とカマトトのあどけない(?)バイトの学生と。修羅場をくぐり抜けて来たド厚化粧のママさんと会うことになる。
新入社員の月給位が、ポッキー、柿ピー、少しばかりの果物と小梅ちゃん。
クラッシュアイスの上のレーズンバターで消えて行く。それでも行け、若者よ。
酒と女性は人生の先生だから。

2017年4月6日木曜日

「余禄」




ゴミ山の中から4320万円が出て来た。それを昨夜のニュースで知った。
ゴミは宝の山だったのだ。

私の知人が解体業をやっている。
この頃はどうか知らないが何度か酒を飲んで話をした時こう言った。
“解体は三日やったらやめられない”と。なぜかと言えば余禄がワンサカあるという。
酒が入ったのでかなり話は盛られていたと思うが、家、屋敷をユンボかなんかでガッタンガタン、ボッコンボコン、バリンバリンにぶっ壊す。建築の真逆の行為だ。
ストレスの解消もしつつ、おっ壁の中から茶封筒が、開けてみるとヘソクリが、あるいわ隠し金が。人間は忘れる生き物である。

バキッバキと壊した地下から壺に入ったビニール袋、その中から宝石やら現金が、安物の下手な絵などが壁にへばりついている。その絵の下にべったりとガムテープで貼られたヘソクリ(?)が。人間は何度もいうが忘れる生き物である。

正直に申告するか、バックレて何日か様子を見て何も言って来なかったら余録にする。
他にも株券とか、公社債券とか、借用証書とかエロ写真とかもあるという。
人間は隠したがる生き物で、何故か地下、壁、天井裏を選ぶ習性がある。
更にこんなの一文にもならないと捨てていった物の中に“なんでも鑑定団”に出品したら、えーっとビックリするような“物”もあるらしい。

たかがたん壺だと思っていたのが、中国の有名な景徳鎮の壺だったり、なんだこりゃ木の破片みたいな物に仏様みたいなのが彫ってあるぜと思ったら、実は円空作だったり(円空は鉛筆位の大きさの木片にも彫った)。
家とかもとは庄屋さんの家なんかの解体は余禄が多いとか。

戦後は食糧不足の超インフレ。
買い出しと言ってお米二十キロ、イモ二袋とダイヤモンドの指輪を交換していた。
空腹を満たすために都会人はリュックサックを背負って農家を訪ねた。
多分いまでも日本中の農家の納屋や蔵には国宝みたいなものがあるはずだ。

もう一度言うが人間は忘れる生き物だ。自分のした事を忘れないでチョーダイ。
解体は一見ただぶっ壊しているようだが、イロイロと難問もあるらしい。

知人は息子さんに後を継がしてすでにこの世を去った。
どこまでホントかどうかは分からない。ダンプの荷台にユンボを乗せて、チワースと手を振る息子と一度話をしてみよう。なんかオモシロイ余禄話はないかと。

何しろ日本には数百兆のタンス預金がある。
4320万は持ち主が三ヶ月中に出てこないと回収業者の入金(?)あるいは売り上げ(?)に計上される。いや落とし物扱いかもしれない。
4320万円あれば映画が作れるんだがと思った。

昨日は椿山荘で将棋の名人戦前夜祭パーティーがあり、友人の写真家から誘われていたが残念ながら間に合わなかった。佐藤天彦名人、人はその姿から“貴族”と言う。

2017年4月5日水曜日

「金平糖と大乱闘」




昨夜十時半ちょい三秒前、銀座の仕事場に戻った。
男私ひとり、女子三人との焼肉を食べる会が終わった後であった。
酔い覚ましをかねて歩いて戻った。
ビール小生とハイボールわずか二杯で少しばかり酔った。

仕事場には15分位で着いた。冷蔵庫を開けてミネラルウォーターでもと思った。
卵入れの穴に何やら先が尖ったものが入った小さな白い紙袋があった。
何だろうと思いそれを見ると「金平糖」であった。
そうか、ずい分前に頂いたのが残っていたのだ。

創業弘化4(1847)年京都でただ一軒、伝統を守り続けた本当の味。
ポルトガルから来た金平糖。
日本でただ一軒、金平糖の専門店「緑寿庵清水」のものであった。
1546年ポルトガル人宣教師が持ってきた。

時は織田信長絶頂時代、新しいもの好きの信長は“コンフェイト”と言ったとか。
同じものをつくれと命じたがいかなる菓子職人たちもつくれなかった。
日本で金平糖がちゃんとつくれるようになったのは信長死後三百年近く経ってからなのだ。

金平糖にはレシピがなく、砂糖の金平糖がつくれる様になるには二十年はかかるという。皇室の引出物は金平糖であるとか。金平糖の物語はなんとも色鮮やかである。
だがなんでトゲトゲしているのかは分からない。

半円形の熱を持った大きな鉄釜の上でイラ粉を核にしグラニュー糖を溶かした蜜を少しずつ振りかけては転がし乾燥させる。熟練の職人が何度もこの工程を繰り返す。
約三日目になるとトゲトゲのイガが出始める。
約八日目にほぼ均一のイガが出揃い、約十四日目に完成すると小さくたたんだ紙に書いてある。

緑寿庵清水は砂糖は結晶しないという常識をくつがえして多種多彩な金平糖をつくるのに成功した。梅、苺、桃、桜、さくらんぼ、トマト、ブルーベリー、涼竹糖、ルビーにマンゴー、すいかにココナッツ、焼栗、丹波黒などなど50種近くの金平糖がある。
和菓子職人は芸術家以上だとつくづく思う。

焼肉を食した後の金平糖はスッキリ爽やか、口の中でイガイガを転がして楽しむ、少しずつ溶けて小さくなった金平糖を舌の先にのっけてさらば金平糖よと飲み込む。
信長は金平糖づくりを命じてつくれなかった家来や菓子職人たちを、ボッコボコにしたらしい。

仕事場の小さなテレビをつけると、復興大臣が新聞記者の質問にアタマに来て、出て行け二度と来るなと怒っていた。
昨年ある式典で名刺を交換したが、すこぶる穏やかな佐賀県出身の人であった。
スポーツコーナーとなるとヤクルトと阪神の選手がグランド上で大乱闘をしていた。

2017年4月4日火曜日

「替え玉とかえ玉」


「替え玉」といって思い浮かぶのは、ヤクザ者の抗争かなんかで相手をブチのめしたり、殺したりした兄貴分のために替え玉となって、自分が殺りましたと自首して出る。
替え玉として刑に服し、男だなオメエはとなり将来を約束される。

警察もよく分かっていて、オメエみてえな男があれほどの事件を起こす訳はネエ、よく根性出して自首して来た、オレたちに厄介をかけずによくやった。
といって特別に“面倒身”といういい待遇をさせてもらう。

兄貴分のために体を替え玉にした美談(?)は、検事の心証もいい、二、三割は刑がスヤくなる(軽くなる)。さらに刑務所に赤落ち(服役する、囚人服は赤かった)すると、全国から服役する極悪人や、極道者もヤクザ者の見本、男の見本だと一目を置いてくれる。この頃は抗争で相手のヤクザ者一人位の殺しでも、下手すりゃ無期懲役とか20年近く刑を打たれる。
かつてはヤクザ者一人の命は1015年位であった。それ故替え玉が出て来ない。
抗争事件の犯人を捕まえられない。そして警察の点数は下がる。


“ヘイ!かえ玉一つどーぞ”なんてラーメンを食べている極太(100キロか92キロ位)の男に、一つ、二つとかえ玉が来る。辻堂駅の前の金太郎ラーメン店だ。
白いスープ、細い刻みネギ、細い麺が人気でよく行列が出来ている。

かえ玉いっちょー、ハイ!いっちょよし、どうぞいっちょうと、三段階に復唱されて、極太男(スポニチを読んでいる)のスープのみになった丼ぶりにかえ玉が投入される。
私は醤油ラーメン派なので日曜日に入ったのが初めてであった。

極太男は麺をズルンズルンとすすりながら、チャーシュー丼というのを追加した。
丼ぶりの中のごはんが見えない位にチャーシューが10枚近くのっている。
その上にしこたまニンニクをのっけてガバガバと食う。
競馬大阪杯の本命キタサンブラック(北島三郎さんの持ち馬)のバカでっかい文字。

ボクもかえ玉と子どもの声、オッ少し席の離れたところにいた、極細の女性と10才位の少年は、極太男の妻子だったのだ。お父さんボク二つだよと言った。
極細の女性はビールの中瓶を飲み餃子を恐い顔をして食べていた。
私の中にある替え玉→任侠の男→義理堅き弟分のイメージがつゆと消えた。
荻窪のラーメン、丸福のかえ玉が見つからない。