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2013年9月26日木曜日

「オキシフルと赤チン」




気がつけば12チャンネルといわれた6チャンネルTBSが、気がつけばみんなTBSじゃんかという数字がある。
高視聴率を記録した民放ドラマのベスト5が全てTBSなのだ。

①積木くずし45.3
②水戸黄門43.7
③女たちの忠臣蔵42.6
④半沢直樹42.2
⑤ビューティフルライフ41.3%となっている。

殆ど最終回が最高の数字である事はいうまでもない。
ドラマのTBSという伝統が見てとれるではないか。
面白くなければテレビじゃないとバラエティ路線を突っ走ってずっと三冠王だったフジテレビが、いまや気がつけば7チャンネル(テレビ東京)なんていわれている。

テレビの番組欄の順序が左から、①②④⑤⑥⑦そして⑧となったのがダメージだよとフジテレビの一人は云う。人間の目線は左から右へと向かう習性がある(変わり者以外は)。

かつてはテレビ朝日が10チャンでテレビ東京が12チャンだった。
何も見るべき番組がない時は断然7チャンという人が多い。
「温泉巡り」とか、「食べ物巡り」とか、「釣り巡り」とか、「お城巡り」とかで楽しめる。

「なんでも鑑定団」は大好きだ(日曜日午後に見る)。
深夜となると放送コードなんてあんのかよぉ、みたいな無法地帯の番組であふれる。
作り手のやる気マンマンなのだ。掟破りの暴露物がある。
そこには元死刑執行官とか、元麻薬取締官とか、元税務署職員とか、元呼び屋とか、元プロ野球選手とか、元暴力団組長とか、元、元、元の人が今現れるのだ。

私は何かしながらとか、何か見ながら族なのであれやこれやを見ながら聞きながら眠気を待つ。午前三時ちょい過ぎから始まるNHKSL特集は心底泣けて来る。
日本中を走り回った想い出の蒸気機関車が素晴らしい風景の中を走るのだ。
このアーカイブは鉄道マニアでない人間が見ても絶対に泣く筈だ。

SLでない日は世界の海の中とか、日本の名峰というシリーズがある。
これが実に美しい。かつてキスリング(リュックサックの横型で大きいもの)を背中に背負ってあの丘、あの峠、あの峰、あの山々と一歩一歩登った日を思い出す。

山に登っている時は真面目であった。山友達はどうしているだろうか。
ヤッホーみたいに元気だろうか。死にそうになりながら、眠ったらダメだと声掛け合いビバークをしたのを思い出す。

奥秩父を三泊かけて縦走した時は、新しい登山靴が足に合わず(丹沢で慣らしたのだが)大きな靴擦れが破裂し裸足にテープを貼って一日中歩いた(靴下も破れてしまった)下山途中にあった飯場でオバサンがオキシフルで消毒し、赤チンを塗ってくれた。
そのオバサンの顔はクッキリと憶えている。
近道をしようと線路の上を歩いた。枕木の感触は今でも足に残っている。

私という人間列車がどう終着するか、その姿はしっかりと見えている。
それ故一日たりとも無駄には出来ない。

九月二十五日午前三時十六分十三秒、NHKではPGAゴルフツアーのテレビが流れている。外では雨がポトポトからボタボタになっている。後七分で午前四時。
落合恵子が婚外子相続格差について話し出したではないか。

朝刊をポストに入れた音がした。雨音と新聞屋さんのバイクの音は妙にいい感じだ。
気がつけば四時十六分、台風二十号が近づいているとか。






2013年9月25日水曜日

「やっぱり」


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チョロチョロすんな!この夏何度も言った。
猛暑のせいか、スイカを食べ過ぎたせいか今年の夏はやたらコバエが出た。
目障りである。どこから来るのか分からないがウロチョロするのでこのヤローとばかりひっぱたいた。

そんな時、テレビのCMで北村総一朗さんという役者がカブト虫かなんかのかぶりものを身に付け、コバエのかぶりものを付けたものを叱りつけた。
「チョロチョロすんな!」と。コバエ退治の薬品のCMだった。
 大阪地方で制作されるこの種のCMは秀逸で笑える。私の気持ちを代弁してくれた。

北村総一朗(77)さん、癌で降板というニュースを見た。
前立腺がんの治療のため、10月出演予定だった舞台を降板するとの事だった。
皮肉にもその舞台は「本当の事を言ってください」であった。
北村総一朗さんはちゃんと本当の事を言ったのであった。

私は記事に向いこう言った。癌のヤロー、北村さんの周りをチョロチョロすんなと。
手術の成功を願う。そして元気に復活を、そうしてもらわないとコバエがウルサクてたまらない。

屋根の瓦がかなり傷んでますよとか、壁の塗装がかなり剥げてますよとか、土地を安く買いますよとか、畳を変えるところはありませんとか、休日一人で留守番をしていると玄関のチャイムが鳴る。

少しばかり海へでも行くかと歩くと、ある公園では久々に見る光景があった。
一人の老人が見事に包丁やハサミやノコギリの刃を研いでいた。
実に素晴らしい職人芸だ。子どもたちが珍しそうに輪をつくって見ていた。

暑さ寒さも彼岸までだ。先日の中秋の名月も見た。
「一葉知秋」というが葉の色が変わって来た。
岡山の人から送って頂いた大きいブドウを食べて皿の上にその皮を置いていたら、チョロチョロすんな!やっぱりコバエが出てきた。




2013年9月24日火曜日

「ハイ、チーズ」


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霊長類最強といっても、この人はれっきとした女性である。
誠にもって不謹慎だが、その凄まじい戦いの姿を見ると、このまるでゴリラの様な女性は、男性と性の交換をする時はどんな姿なのだろうかと思ってしまった。

一杯飲んでちょいと酔が回っている時にニュースを見たのだ。
戦うマットをベッドの上でと想像すると、一人の男性が息も絶え絶えに悶絶する姿が浮かぶ。顔の幅よりはるかに広く太い首、鋼鉄のような体、二つの乳房は見た事はないがきっと砲丸投の球の様に硬いのだろう。

丸太ん棒の様な二本の腕。強靭そうな出歯。
どこもフニャフニャとか、ホンワリ、ホッコリ、プッチリ感はない。
猛然とタックルされ、後ろに回られ、組み伏せられ、首とお尻をガッチリ掴まれ、逆エビ状態にされ、グイグイに攻め立てられる。
イテエ、イテテテ、何すんだバーロー、ギャーギャーギブアップとなる筈だ。

レスリングは古代から続くスポーツだからオリンピック種目に残るのは当然だ。
霊長類ゴリラ科アスリート、吉田沙保里さんの知られざる姿を想像し余計な心配をしていたら酔いが回るのが早くなってしまった。
世界選手権女子55キロ級でなんと11連覇を達成した。
未だ30歳だからきっと2020年の東京大会でも勝つだろう。

あるアスリートから聞いた話だが、マット上で戦うアスリートたち(レスリングや柔道)は外のスポーツ選手と違って肉体と肉体が密着するからアドレナリンの発生を治めるには、やはり肉体を密着させねばならないんですよ、なんて云っていたのを思い出した。

霊長類最強の女王吉田沙保里さんはインタビューに応えて「むっちゃキツイ、体にガタがきている」なんておっしゃっていました。

そんな事を云わずにもっと勝利の快感を味わって下さい。
私は吉田沙保里さんの勝利に対して心より乾杯をいたしました。
少し濃い目のハイボール。おつまみは、ハイ、チーズです。

2013年9月19日木曜日

「森林とハヤシ」


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むかし昔、田中角栄が建設大臣であった頃、目の前に日本地図を広げ赤鉛筆を手にすると側近たちは固唾を飲んだという話がある。

ヨッシャと赤い線を地図に書き込むとそこに鉄道の新路線が敷かれるからだ。
となるとただ同然の田地田畑が一気に急騰する。またトンネルを通す森林も急騰する。
日本列島改造論の実行であった。

ある代議士などは新幹線が通るとなった時、全く何も無い処に新駅を作らせた。
国会でその事を利権誘導だと追求されると、ウルセイ、オレの生まれた土地に駅の一つ位作って何が悪いんだよ、みたいに開き直った。

JR東海のリニア新幹線の新駅のプランが公表された。
品川新駅—名古屋新駅間をわずか40分位でぶっ飛ばすのだ。
路線距離286km、トンネル部分が246キロメートルと86%を占める。

国土交通省の役人の頭の中にはバッチバチに日本地図がインプットされている。
何も無い処の地価がグイグイ上がるのだが、すでに安い価格で買い占められているだろうと考えられる。利権レースは公表された時にはあらかた決まっているのだ。
文明はあらゆる限界を追求するのだから利権もそれと並行して追求される。

東京—名古屋は互いに通勤圏となる。
辻堂—東京より10分位短い時間にて通い合う事が可能になるのだ。
一日の内に何度も往復できるのだ。

オレちょっくら名古屋行って昼飯山本屋の煮込みうどん食ってくるわ、ついでにひつまぶしも(ひまつぶしも兼ねる事が出来る)ができる。
一方名古屋の人は東京にもハヤシがアルデヨーと言って東京のハヤシライス食べて来るデヨーが出来る。ついでに春木屋のラーメンも食ってくるデヨーが出来る。

文明は人間の郷土愛を短縮する。
それ故日本文化はゴチャゴチャになって行くだろう。
「ふる里は遠くに在りて想うもの」だった筈なのだから。
人間の平均寿命は伸びているのだが、日本人度はどんどん低くなっている。

IT文明の進化を知る賢い若者たちはそれを嫌い都会を離れ始めている。
ずっと先を見ているのだ。「便利」を求め過ぎるときっと人生の不便に出会う。
「利権」を求め争いを繰り返すと、この国は再起不能となる。
森林破壊は大然の怒りを買うだろう。

あるショッキングな数字を知った。
老人が使用する紙オムツが赤ちゃん、幼児の使用を遂に上回ってしまった。
日本国はオエラーセン、ボッコーキョーテー事となった(これは私のふる里岡山弁※ボッコーキョーテーとは凄く恐ろしいの意)あっという間に敬老の日は走り去って行った。

「週末にぜひ、そして…」

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73が、37に。といっても野球の試合の事ではない。
外国映画と日本映画の観客動員数の比較だ。

かつては圧倒的にハリウッド映画を観にお客さんは向かった。
しかしこの10年近くハリウッド映画は衰退を極めている。
その原因はコンピューターグラフィック(CG)の多用やカーアクション、ワイヤーアクションの多用、良質のシナリオ不足だ。

ハリウッドは映画産業のメッカあらゆる分業によって様々な職人たちがユニオンを作り仕事を手にする。
シナリオ、キャスティング、歴史考証、殴り合い、死体づくり、カーアクション、スタントマン、特殊メイク、大道具、小道具、銃の扱い。
照明、美術、馬使い、特機(クレーン等)流血、ダイナマイト、カジノ、ガラス割り、雨、風、砂嵐作り、ロケセットからロケの見張り、食事のケータリングまでその数は100種をはるかに超える。


日本の映画界では、監督がシナリオを書くのが殆どだが、ハリウッドではシナリオはシナリオライターが書き、それをプロデューサーや監督が見つけるのだ。
ラブロマンス・ラブコメディー、強い者の話、英雄や伝説の物語がハリウッドの主流であった。製作者は職人さんを失職させられないので必要でないシーンを作らねばならない。
それ故作品は劣化する。

最後は必ずハッピーエンドでなければならなかった。
逆にヨーロッパの映画は、文学性や宗教性、詩的や哲学的、大叙情詩や大叙事詩でなければ映画とはいわない。
アカデミー賞はハリウッドでの製作でないと受賞は出来ない(外国映画賞は別)。
カンヌやベネチア、ベルリンなどの審査員たちはアカデミー賞は単なるショーであると位置づけている。

映画少年だった頃、ハリウッド映画は夢の世界、未知の世界、無限の世界だった。
かつて黒澤明監督の名作「七人の侍」は「荒野の七人」と名を変えてハリウッドでリメイクされ大ヒットした。

今、クリント・イーストウッド監督でアカデミー賞を受賞した「許されざる者」が100%アメリカの資金で日本版にリメイクされ先日封切られた。
題名も同じ「許されざる者」として。

如何にハリウッドがシナリオ不足、企画力不足なのかの証明といえる。
何でもかんでもCGを使ってきたツケだ。日本映画の水準が上がったのかといえば決してそうとはいえない。
観客を集めているのは殆どマンガのヒット作やアニメ、あるいは原作が◯△賞とか◯☓賞を受賞した作品だ(殆ど外れる)。

映画会社が自分の会社で100%資金を出して製作するのは一年の内に数作にすぎない。
シナリオを読まずにヒットを当て込んだ製作委員会方式で作品づくりをするから、船頭多くして船進まずとなり、ああでもないこうでもない、ああしろこうしろと口を出し、有能な人材をスクリーンから遠ざけてしまっている。漫画家の発想力には舌を巻く。
 テレビの構成作家も同様だ。

何とも悔しいから一矢を放ちたい。

今一人の漫画家の人と作品づくりをしているが無尽蔵の才能を感じる。
映画づくりの職人さんたちがその職を失っているのを知ると切なくなってしまう。
みんな名人芸なのに。

ある高名な役者がこういっていた。
オレは今後一切CGを使った作品には出ないぞと。
とはいえCGでご飯を食べている人はゴマンといる。
私は未だ観てないので週末「許されざる者」に足を運んだ人はぜひその感想を教えていただきたい。クリント・イーストウッド作を超えているか否か。

木曜午前一時三十二分から新作LAギャングストーリーを借りて観たのだが大外れでガックリ来た。大好きな「ショーン・ペン」の主演だったが、ただの「ションベン」だった。

2013年9月18日水曜日

「カモにされるな」




地下から地上へ長いエスカレーターの上。
女性の後ろに男性がスマホで見ながらいたとする。
その後にとても質の悪い人間がいた。

で、突然おい、お前スマホで盗撮していただろうと質の悪い人間はスゴンだ。
えっ、ボク盗撮なんかしてませんよといえば、ウソつけしてただろうと更にスゴンだ。
スゴン、スゴンにスゴンだら、盗撮なんかしてないのに何万円も払ってしまった。
これに似た事件が起きている。

いつかきっとこんな事件が起きるぞと思っていたがやはり現実となった。
レースのカーテンみたいとか、レースのテーブルクロスみたいな短いスカートの女性が多い。そんでもって歩くのもおぼつかない高いヒールのサンダルを履いている。
男ならさしずめシークレットシューズだ。身長は10センチ近く高くなってしまう。

駅の階段やエスカレーター、特に地下の地下の地下から上って来る長いエスカレーターなんかでそんな女性が前に居るとかなりデンジャラスとなる。
私は携帯もスマホも何も持っていないから盗撮呼ばわりされる事はないが、ずーっとスマホをみている人はとんだ災難に巻き込まれる危険がある。
今後この種の事件はどんどん起き、しこたまお金を取られたりするだろう。

美人局(つつもたせ)という犯罪がある。男と女がツルんで人を貶める古典的犯罪だ。
例えば酔っ払ったふりした女が道路の横かなんかに座り込んでいる。
そこに善良な人が通って、大丈夫ですかなどと声をかけてあげる。
女は気持ち悪いんです、どこかで吐きたいんです。などといって店などに誘い込む。
そこで善良な人は水を飲ませてあげたり、行きがかり上背中を擦ったりしてあげる。と、そこにオイ、オマエ俺のスケ(女)に何してんだと、スゴむのだ。

もっと質の悪い美人局にあって一家が破滅したケースもある。
これと同じ様に挑発的なファッションの女を長いエスカレーターに乗せる、ツルんでいる男はいいカモが女の後に来るのをじっと待つ。
スマホを見ながらニヤニヤして女の後についたら待ってましただ。(カモネギとされる)

テレビのニュースでやっていたケースでは盗撮もしてないのになんと12万円も脅し取られたという。余程恐ろしかったのだろう。警察は男の単独犯と見ているようだが、新手の美人局かもしれない。カモネギは食べたらこの上なく旨い。

※物語上、質の悪い女性は「女」と表しました。当然一番悪いのは男です。

2013年9月17日火曜日

「無銭飲食(?)」


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おっこんな処に、えっまさかこんな処に、ウッソー信じられないこんな処に。
誰でもこの経験がある筈です。野球の球、テニスボール、ゴルフの球やビー玉。
丸い球は思いも寄らぬ処に隠れてしまう。

球を目で追う人は、ああきっとあそこ辺りにあると思って行くと無い。
どこだ、どこだと探しまわる。大騒ぎしていると、木の枝に挟まっていたり、木の葉の中に沈んでいたり、公園の外に出た球が坂道を転がりとんでもなく遠くにあったりする。

その人はノドに何かが詰まっている気がする。
一日中うがいをしたり、ゴホッ、ゴホッと異物を除こうとする、それが何日も続いたのでその人は医学書やネットで調べまくった。
私と会った時にはきっと癌じゃないかと勝手に思って酷くしょげていた。

それってもしかしたら「神経球」かもしれないよと言った。
かつて私も同じ様な経験をした。イソジンでうがいしたり、トローチを舐めたりしたが毎日気になって仕方なかった。忙しくて医者に行く事ができなかった。
無いのに有る気がするのだ。

ある日、ひょんな事で医者の人たちと隣り合わせになった。
神谷町にあった◯☓福祉会館(今は無いかも)のレストランで。学会をしていたらしい。
昼のランチで一緒になった。

ノドの症状を言ったら中年の医者がそれって「神経球」ですよと云った。
気になると無いのに、有る気がするんですよ、あなたは見たところ未だ若いし、声もかすれてないし、すこぶる元気そうだしと云われた。
へえー、あっそうと思っている内になんだかノドのつっかえが消えた気がした。
そして忙しい毎日を送っている内に忘れてしまった。
その人にその話をするとみるみる明るくなっていった。

この話はどこか「禅」の教えと似ていると思いずっと記憶している。
「無」こそ「有」を生むのだ。「有」は「無」に向かう。
人間は其れに恐怖を感じずっと「有」であり続けようとするのだと思う。
人生はローリングストーンズ、転がる石だからどこへ行くかわからない。

イタリアの世界的巨匠、エルマンノ・オルミ監督の最新作を岩波ホールで観た。
現代の黙示録だった。むかし、むかし、世界は素晴らしい庭の様だった。
樹々は果実を実らせ、花には蜜が溢れ大地の豊かな恵みは心を幸福に満たし見るもの全てが美しかった。

そして今、私たちは何処にいるのか、何処へゆこうとしているのか。
この映画は地球という球の中で生きている人間に問いかけるのだ。
あたかもイエスキリストが目の前に現れた様に。

その夜一人の友人と会った。
外資に占領された大会社はアベノミクスなど全く関係なくリストラを加速している。
友人は「無」を怖れていたのだが、ある提案をしたら少しばかり希望を感じたのか元気を取り戻した。太巻き寿司を大きな口を開けて食べ始めた。

友人は元気が出たついでにこんな事を云った。
無銭飲食をする人っていうのも同じだな。きっと無いのに有る気がするんだよな。
今日は無いからゴチになるよ、と…(?)私の方からの相談には無料で応じてくれた。

2013年9月13日金曜日

「磯辺の香り」




ギリシャから始まった欧州の金融危機そして今中国のバブルが弾け始めた。
これらに共通しているオリンピックを開催した後に財政が悪化した事だ。
オリンピックは人々に感動を与えるが、開催国には借金の山を残す。

日本が現在国民一人あたり約800万円、先進国でダントツの1000兆円の借金を抱え始めたのは東京オリンピックの時、国債を発行してからといわれている。
エネルギー資源輸入で持っている国が円安で悲鳴を上げ始めた。
ガソリン代はうなぎ登りだ。生活の源となっている物が全て値上げとなってきた。
自国の通貨が安くなって喜ぶ国は日本でしかない。

オリンピックより震災復興の方が先だろうというメッセージを送ると非国民といわれるらしい。これから消費税が上がり続け、中国のシャドーバンキングが崩壊すると世界同時不況となる。 

2020年度東京オリンピックは余程計画的に進めなければ、いよいよこの国は借金のヒマラヤ山脈となってしまう。
10代、20代の若者たちはその事が分かっているのか思いの外盛り上がっていない。
俺たちが借金を背負うのは嫌だからと云う。
盛り上がっているのは東京オリンピックを知っている年代だ。


912日(木)7—1015分迄、オリンピック招致にはこの大手広告代理店の力が大きいといわれる代理店の人と、あるNPOの代理理事の若者、それと人生を密教曼陀羅に捧げる長年の知人と様々なテーマの話をした。
更に元大手広告代理店の友人が加わり会話の内容はグングンと濃い味わいとなった。
私は雑学の一夜漬け人間だから中身のある人たちとの話は何より勉強になる。

鮒忠という会社の対面にある居酒屋は歴史的一日だと主人と女性店員(二人しかいない)は云った。何故なら40人位は入る店が私たち一行が帰店するまでお客さんが一人も来なかったからだ。どこが景気よくなったのかであった。
残暑なのにビールの売上は大幅減。乾杯をする事があんまり無いからだろうか。

先日久々に夜の銀座に出た。オリンピックが決まったのに銀座はガラガラという。
タクシーは空車の列。並木通りにはキャバクラの客引きが沢山出ている。
 磯辺焼きの屋台にお客の姿は無い。バラの花を売るオバサンも売れない姿。

私と友人は銀座で人と打ち合わせをするため歩いていたのだが、花の都大東京のシンボル銀座は変わり始めていた。赤坂が新宿歌舞伎町みたいになった様に、大好きな銀座が統制不能となってきた様だ。

中国人か韓国人が「オッキャクサン、カワイイコイルヨ、チョットナカニハイッテクレルダケデイイカラ」と擦り寄って来る。バカヤロー誰に声かけてんだと思うが、私たち二人は大人なので無視をした。
銀座でもバンバンお客が入っている店は沢山あるらしい。

オレオレ詐欺や株でひと儲けした人間やゲームメーカーやIT成金がドンペリをバカスカ開けていると誰かに聞いた。磯辺焼きのいい香りが未だ残っている。
磯辺焼きにも消費税はかかるのでしょうか(?)

2013年9月12日木曜日

「サソリと肉まん」


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過去の悪夢から逃れられない男と、未来への多大な夢ばかり見ている女性がある処で巡り会う。そこではある人間から一対一でこんな質問が次々と放たれる。

過去の失敗を苦にするか。人の成功が羨ましいか。物事を考えて行動するか。人生が辛いか。バス停にじっと止まって待っていられるか。人に命令されるのが嫌いか。突飛な行動をするか。公平でいられるか。人を妬むか。科学的思考をするか。他人に興味があるか。自分の印象が気になるか。他人に対して誠実か。直ぐに気分が変わるか。君はつまらない人間か。神は君を救えると思うか。

瞬きをせずさあ応えろ、さあ応えろ、瞬きをしたら初めからやり直しだ。
ある処とはカルト教団だ。質問をするのは教祖だ。

毎日毎日同じ質問を浴びせられる内に二人の男女は洗脳されて行く。
水を失った大地、雑草すら一本もない。目的地は何処か分からない。
ただ男と女は洗脳から逃れるために歩き続ける。疲れ切った二人は互いに向かい合う。

そしてこう言う。
瞬きをしないで質問に応えろと。男は言う。
何のために生きるのか、何のために生きるのかを繰り返す。
女は言う。明日はあると思うか、明日はあると思うか。
男は言う。愛は喜びか、愛は喜びか。
女は言う。愛は苦しみか、愛は苦しみか。

乾いた大地はやがて大きな雲により光を失って行く。
グッタリとした二人を赤いサソリが一匹、二匹、三匹と取り囲む。天を仰ぐ二人の目は瞬きを失い開いたままだ。ある映画を観た時、こんな短編映画を作りたいなと思った。

とその時はいつまでも映画を作りたい、なんて言ってんじゃないわよという声が聞こえた気がした。いいじゃねえか、紙の上に書いているだけなんだからと言い返そうと思ったが、口の中には沢山の夢が詰まっているので止めた。

九月十日夜乃村工藝社のエース、一級建築士の鈴木恵千代さんと若手のエース鈴木敦さん、それとIT会社の社長と世界一小さい大きな夢物語のプランを練り上げた。
これが形になったら日本中の若き才能はこの世界一小さな館を目指して参加して来る筈だ。

一級建築士の頭の中はアイデアの宇宙だった。
IT会社の社長の頭の中は物理化学が1だった私には理解不能であった。
凄すぎる。

心地いい疲れをおみやげに持ち、列車に揺られて帰った。
サークルKでアツアツの肉まんを一つ買って家に入り、それにブルドックソースとマスタードをつけながらDVDをセットして映画を見始めたのであった。
カルト教団は恐い。本当に不気味だ。人間の心は弱い。
だから映画の題名は記さない。観た人が洗脳されそうなので。夜と朝の間が私の学校だ。

2013年9月11日水曜日

「ヒロシマモンに学べ」




ハリウッドの戦争映画の傑作に「パットン大戦車軍団」というのがある。
三時間近い作品だ。ジョージ・C・スコットが抜群の演技を展開する。

映画の始まりは大星条旗をバックに第二次世界大戦の英雄パットン将軍が長く激しい大演説をする。要約すると、オイテメエラよく聞け(部下に向かって)アメリカ位戦争が好きな国はネェーてんだ、テメーラいいか気合を入れてドイツ野郎をボッコボコにするんだ。

この将軍は暴言、放言、失言(私も同じだな)を繰り返す。
パットンVSロンメルは宿命の相手として大好きな戦争をドッカンバッコンやり続ける。
部下に対してもパワハラをバッカバカにしては謹慎させられる。
この将軍は交通事故であの世に逝った。

カスター将軍というインデイアンの憎き相手がいた。
アメリカ建国史の中で原住民をバッカバカに殺した有名な将軍だ。
この将軍の最後はインデイアンに囲まれてズッタズタにされ、頭の皮を剥がされあの世に逝った。悪魔よイラクから出て行け!と民衆は叫ぶ。

ブッシュ大統領、イラクは地獄ですと報告がバッカバカ届いてイラク戦争は終わった。コソボ、ソマリア、カンボジア、ベトナム、アフガン、戦争こそビジネスの国アメリカは世界の警察だぞとやりたい放題、失敗し放題でよその国に介入をして来た。

ジョージ・C・スコット主演の名作映画に「博士の異常な愛」というスタンリー・キューブリックの代表作がある。アメリカ政府とアメリカ軍への風刺が面白い。
核戦争をバッカバカやろうぜ、ソ連野郎皆殺しだぜみたいに葉巻をバンバカ喫いながら大統領や並み閣僚をけしかける。
博士はソ連から亡命して来た核の開発者、ジョージ・C・スコットは将軍だ。
核爆弾が発射される寸前なのに秘書の女性に電話で語る。
「すぐ帰るから寝て待っていてね」と。
博士は難解な数式みたいなのを電動椅子に座りながら、ケッケケッケ、核は楽しい、核は嬉しいみたいに狂っている。

そんな戦争大好きな国アメリアのオバマ大統領がプーチン・ソ連の提案、シリアには攻撃させねえぞ、化学兵器を差し出させようぜに屈した。
上院、下院、国民が戦争にNO!大統領にNO!を突きつけたアメリカ史上初の大事件だ。
世界の警察なんていう思い上がりがジ・エンドになったのだ。

アメリカ国民は強い大統領を求めてきたが、高い月謝を払ってやっとこさその愚かさに気がついたのだ。オバマ大統領はレームダッグとなった。
その八つ当たりが日本国に来る事は間違いない。
超現実主義者のオバマ大統領は、名を失った分、実をとりに来るだろう。
英国のキャメロン首相、フランスのオランド大統領、大国三国のリーダーはリーダーシップを失った。

パットン将軍は謹慎されると、頼むから俺に戦争をさせてくれ、俺から戦争を取ったら何も残らねえとわめき散らした。
ロシア・中国VSアメリカ・英・仏の関係は抜き差しならなくなって来た。今度の土日は「戦争と平和」を借りて来て観ようと思っている。それとジョン・ウェインの「第七騎兵隊」それと深作欣二の「仁義なき戦い」シリーズだ。
「ヒロシマのヤクザいうたらよ、ヨソの者を一歩も入れんのじゃけん。いつでも来いや」とヤクザ大国、山口組に言い放す。さて、我が日本国の前途は(?)