気がつけば12チャンネルといわれた6チャンネルTBSが、気がつけばみんなTBSじゃんかという数字がある。
高視聴率を記録した民放ドラマのベスト5が全てTBSなのだ。
①積木くずし45.3%
②水戸黄門43.7%
③女たちの忠臣蔵42.6%
④半沢直樹42.2%
⑤ビューティフルライフ41.3%となっている。
殆ど最終回が最高の数字である事はいうまでもない。
ドラマのTBSという伝統が見てとれるではないか。
面白くなければテレビじゃないとバラエティ路線を突っ走ってずっと三冠王だったフジテレビが、いまや気がつけば7チャンネル(テレビ東京)なんていわれている。
テレビの番組欄の順序が左から、①②④⑤⑥⑦そして⑧となったのがダメージだよとフジテレビの一人は云う。人間の目線は左から右へと向かう習性がある(変わり者以外は)。
かつてはテレビ朝日が10チャンでテレビ東京が12チャンだった。
何も見るべき番組がない時は断然7チャンという人が多い。
「温泉巡り」とか、「食べ物巡り」とか、「釣り巡り」とか、「お城巡り」とかで楽しめる。
「なんでも鑑定団」は大好きだ(日曜日午後に見る)。
深夜となると放送コードなんてあんのかよぉ、みたいな無法地帯の番組であふれる。
作り手のやる気マンマンなのだ。掟破りの暴露物がある。
そこには元死刑執行官とか、元麻薬取締官とか、元税務署職員とか、元呼び屋とか、元プロ野球選手とか、元暴力団組長とか、元、元、元の人が今現れるのだ。
私は何かしながらとか、何か見ながら族なのであれやこれやを見ながら聞きながら眠気を待つ。午前三時ちょい過ぎから始まるNHKのSL特集は心底泣けて来る。
日本中を走り回った想い出の蒸気機関車が素晴らしい風景の中を走るのだ。
このアーカイブは鉄道マニアでない人間が見ても絶対に泣く筈だ。
SLでない日は世界の海の中とか、日本の名峰というシリーズがある。
これが実に美しい。かつてキスリング(リュックサックの横型で大きいもの)を背中に背負ってあの丘、あの峠、あの峰、あの山々と一歩一歩登った日を思い出す。
山に登っている時は真面目であった。山友達はどうしているだろうか。
ヤッホーみたいに元気だろうか。死にそうになりながら、眠ったらダメだと声掛け合いビバークをしたのを思い出す。
奥秩父を三泊かけて縦走した時は、新しい登山靴が足に合わず(丹沢で慣らしたのだが)大きな靴擦れが破裂し裸足にテープを貼って一日中歩いた(靴下も破れてしまった)下山途中にあった飯場でオバサンがオキシフルで消毒し、赤チンを塗ってくれた。
そのオバサンの顔はクッキリと憶えている。
近道をしようと線路の上を歩いた。枕木の感触は今でも足に残っている。
私という人間列車がどう終着するか、その姿はしっかりと見えている。
それ故一日たりとも無駄には出来ない。
九月二十五日午前三時十六分十三秒、NHKではPGAゴルフツアーのテレビが流れている。外では雨がポトポトからボタボタになっている。後七分で午前四時。
落合恵子が婚外子相続格差について話し出したではないか。
朝刊をポストに入れた音がした。雨音と新聞屋さんのバイクの音は妙にいい感じだ。
気がつけば四時十六分、台風二十号が近づいているとか。