ページ

2015年9月30日水曜日

「人生は永遠に性春」



秋なのに“春”に大反響!それは何かといえば好色家なら分かるはずだ(?)
東京銀座、永井画廊で開催中の“3D春画”に2030代の女性が押し寄せている。
入場者の8割は女性とか。仕掛け人の名は伏す。
何しろ世の中をあっといわせる事の天才だ。
葛飾北斎や歌川国芳などの原画が飛び出すエロスなのだ。

展覧会の正式名は銀座「春画」展。920日〜1223日迄。
永井画廊は銀座三原橋交差点側、有名なインドカリー店の隣にある。
有名定食屋さんのほぼお隣だ。

キャー、ウワー、ヤダァー、スッゴーイ、デッカイ、ブットーイ、ネエネエミテミテと大はしゃぎ。江戸時代は女性が裸になるなんてへイチャラだった。
お風呂だって混浴だった。
インドカリーでカラムーチョなランチをした後、お水を飲む替わりに春画で息を飲むのもいいらしい。あんまり女性客が多いので今日水曜をレディースデイにしたという。



昨夜東京駅八重洲中央口を歩いていたら、ドヒャー、ヤバァーという男たちの声が上がっていた。証券会社の電光掲示板に日経平均が71427銭安と表示されていた。
アベノミクスから“ク”を引くと“アベノミス”であることを知っただろう。
株はもっともっと下がる。経済エコノミストの予想は外れまくる。
キャーとドヒャーを見て聞いた日であった。

牛丼の値段も下がった。
なんのことはない、結局元に戻って借金だけが渦高く積み上がって行く。
GDPはマイナス成長だ。

花菱アチャコが生きていたら“メチャクチャデゴジャリマスル”といい、伴淳三郎が生きていたら“アジャパー”といい、脱線トリオが生きていたら“チンチロリーノカックン”といい、人生幸朗が生きていたら“責任者を呼んで来い!”となるだろう。
やってられないと思ったら、女子社員を誘って永井画廊へ行くべし。
人生は永遠に“性春”なり(千葉流山にいる友人のことです)。

ついにハウス北海道シチューのCMが流れ出した。
年賀状承りますも目に入る。おせち料理予約も開始だ。
明日から10月、一気に年末に向かって行く。

♪〜秋の枯れ葉に身をつつみ 冬に骨身をさらけ出す 今日ですべてが終わるさ 今日ですべてが始まるさ(泉谷しげる春夏秋冬より)

2015年9月29日火曜日

「月が見てる」

フォルクスワーゲンの広告


朝起きて夜眠る間にはいろんな事がある。

特に日本列島のような細長い列島や島々には信じられない出来事や災害が起きる。
またトンチンカンな人間や、ホントかよとか、恐ろしい事件が続々と起きる。

台風21号の強風がなんと81.1メートル、時速にすると約300キロ、猛スピードで走る新幹線の上に立っているのと同じとか。与那国島や石垣島、宮古島に吹き荒れた。

故石原裕次郎主演の映画に「風速四十米」というのがあった。
タフガイ裕ちゃんが“風速40メートルが何だってんだ。ふざけんじゃねえよ”と風に立ち向かったが81.1メートルとなるとさすがのタフガイも…と思った。

鬼のいぬ間じゃないが、総理大臣がいない間に“派閥はダメだよね”といっていた石破茂が派閥を立ち上げた。この人間は何から何までトンチンカンで政治オンチの極みだ。
どこの世界に三年後にオレは親分になる、オレは社長になる、オレは総理大臣になると公然と発表する奴がいる、そんなアホは見たことがない。
それに付いていくという19人の顔ぶれを見ると既に終わっている。
徹底的に干されるだろう。何人かはスパイとして入っていた。
水月會という派閥名、その心は水に映る月の如く無心だと。
万に一つもその可能性はない。

月といえば昨夜のスーパームーンは本当に美しく大きく輝いていた。
夜十時過ぎ辻堂駅から家まで歩いて帰ろうかと思ったが止めた。
♪〜月がとっても青いから 遠廻りして 帰ろう…なんて歌を思い出した。青い月とは(?)この当時恋する若い男女はきっと青々しかったのだろう。

♪〜月が僕を見てる そうだ月に頼もう 逃げた恋を呼んで来ておくれ 今すぐに…なんていう曲があった、初恋に胸を痛める十代の少年の心が見てとれる。
一日中頭から離れない、少女になっていったらいいのだろう…。

八十歳を過ぎた祖父母が十八歳の孫に刺されて死んだ。
看護師さんが全裸で殺された。
ケーキ屋さんとかパン屋さん、コロッケを売る肉屋さんの商品に毛が入っていたからと嘘をつきまくった中年女性はなんと7000回も電話をかけまくり、商品や金をだましとっていた。

クレーマー・クレーマーという映画を思い出した。
アドマンとして働きすぎる夫は、妻にとってクレームの対象であった。
フォルクスワーゲンが不正まみれ、アドマンを目指す人間に撮って、DDB(ドイル・デーン・バーンバック)のワーゲンの広告は教科書中の教科書であった(広告作りのバイブル)。
私は今途方もない悲しみの中にいる。
ワーゲンの広告では決して“不良品”は世に出さないと語っていた。

♪〜夜がまた来る 思い出つれて おれを泣かせに 足音もなく なにをいまさら つらくはないが…小林旭の歌を口ずさむ。
「さすらい」という歌だが、VW→フォルクスワーゲンのブランドイメージがさすらい始めた。なんたる事であろうか。

2015年9月28日月曜日

「陸軍登戸研究所」



今、真実が明かされる!戦中の秘密戦、謀略戦の全貌。
戦争を裏で支えた影の兵器開発基地「消された研究所」を関係者がカメラの前で証言する。

2012年作品・長編ドキュメンタリー映画(カラー240分)監督・編集・楠田忠之
「陸軍登戸研究所」陸軍登戸研究所とは?
1919年第一次世界大戦終結直後、日本は直ちに毒ガス兵器の研究を開始、東京新宿戸山ヶ原に「陸軍科学研究所」を発足させ、諜報・防諜・諜略・宣伝的行為及び措置に対応できる資材や兵器の発案に励んだ。

1937年には陸軍参謀本部第二部八課(諜略課)が生まれ、神奈川県川崎市生田の丘陸地に「登戸実験場」が設立。
この実験場は後に「陸軍科学研究所」となり秘匿名では「登戸研究所」と呼称された。
研究分野は徐々に広がり所員も1000人に及ぶ。
殺人光線、毒物や爆薬の開発、渡洋爆撃の代案としての風船爆弾、中野学校(スパイ養成所)と手を組んでの偽札製造など、多種多様な秘密兵器が発案・開発された。
また、中国に出張しての生体実験も行い「登戸研究所」は戦場から遠く離れた場所にありながら、その歴史に血の汚点を残した(DVDジャケット原文ママ)。

戦争とは一億総国民動員のことであった。
老人から子どもまで出来ることは何でもやらされたのだ。
このドキュメンタリー映画には当時「登研」に勤務していた人間が登場する。
8090代までの人々がいままでそっとしまっていた過去を喜々として語る。

「登研」の跡地は現在ある有名私大となっている。
その下には生体実験された中国人、ロシア人(丸太と呼ばれた)たちの残虐、悲惨、残酷な死が眠っている。日本が上海でいかに悪行の限りを尽くしたか、阪田機関、杉機関、梅機関、そして児玉機関などが戦争終了後、金・銀・財宝を奪略して帰った。

蒋介石政府の影の組織(中国マフィアやチンパオという暴力団)が暗躍する。
里見機関の阿片による莫大な利益が軍にもたらされる。偽札が国家を支える。
現在日本の代表的印刷会社や製紙会社は偽札印刷によって財を成して行く。

老人たちが生々しく語る裏面史は戦争の正体を暴く。
但しこれだけで話せない、墓場まで持って行くという話も多い。
世界各国の偽パスポートも寸分狂いなく作る。
妻たちもなつかしき思い出のように「登研」を語る。

上海の影の機関を動かしていた中に影佐禎昭中将という軍人がいる(アヘン・スパイ・テロなどの政治工作を担った「梅機関」の創設者)。
現在自民党幹事長谷垣禎一の血脈である。戦犯12人のうちの1人であったが病死した。
児玉機関の頭目であった児玉誉志夫は持ち帰った財宝を金に変え鳩山一郎に献金した。
その後、日本の黒幕となった。

このドキュメンタリー映画を観ると現在の政財界のルーツが分かる。
時代がかった一億総活躍時代を目指すというメッセージが国家目標として発せられた。
一億総動員で働けとも読み取れる。私たちは戦時下の国民となった。
「登研」に変わる極秘の研究所がどこかに生まれているのだろう。
現在の日本を動かしている本当の支配者は、魔都上海の闇の世界にいたものであるはずに違いない。彼等闇の生き物はアメリカと密に繋がっている。
さて、次の首は誰にするかと舌なめずりをしているのだ。


映画「陸軍登戸研究所」は2012年第86回キネマ旬報ベストテン・文化映画ベストテン第3位に選ばれた。7600+税で日本の過去と未来を見ることができる。
昨日私はこの映画を観ながら上海での夜を思い出した。
羽根つきで大きな円形となって出て来たギョーザは絶品であった。

2015年9月25日金曜日

「何回も難解」



この人の作品はあまりにも難しく、あまりにも暗く、重く、あまりにも長い。
だが大好きなのだ。

ロシアの代表的監督、アンドレイ・タルコフスキーの映画を連休中に三本観直した。
レンタルビデオで観た時は返却しなければならず、ただじっと観た。

大巨匠の映画は現在活躍している殆どの映画人に影響を与えたといっても過言ではない。カンヌ映画祭に出品すれば必ず何かを受賞する。
宇宙、希望、絶望、人間、苦悩、愛、生、死、キリスト、神、争い、生きて行く上で全ての要素に迫る。

一本161分から183分だ。
三本で約500分、いい言葉を書き留めるからその3割増しであった。
そのためにDVDは購入しておいた。
「惑星ソラリス」「ストーカー(密猟者の意)」「アンドレイ・ルブリョフ」である。
この三本の中にある哲学的言葉は、現代社会に生きる私たちの胸に刺さる、その一部を紹介する。



宇宙船ソラリスの中での科学者の言葉「同情心というやつは、ときに有害だ、人を苦しめる。苦しみは生活に陰をさし猜疑心をもたらす。でも本当にそうか、私はそうは思わない。生活に不要なのは全て有害なのか、そうじゃない、絶対に有害ではない。トルストイも苦しんだ、そもそも人類を愛することができないと。助けてくれ僕も人を愛する、だが愛とは感じることはできても具体的に説明することが困難な概念だ。人は失いやすいものに愛を注ぐ」(惑星ソラリスより)

「振動させ続けなさい、あなたの心にー。生じたその響きを、情熱と称するものは魂と外界の摩擦だ、気をいっぱいにして脆弱であれ。幼子のように弱くあれ、弱いことは偉大であり、強いことは無価値だ。人は生まれたときは、弱くてやわらかい、死ぬときは堅く干からびている。木は成長するとき、やわらかでしなやかだ。乾き堅くなると木は枯れる、硬さと強さは死の仲間だ。やわらかさと弱さは、みずみずしさの現れだ。堅くなったものは勝つことがない」(ストーカーより)

ゾーンといわれる不思議な空間の中で自称物理学者と自称作家の会話だ。
ストーカーとはゾーンに案内する密猟者のこと。
ゾーンの中には人間の一番の望みをかなえる「部屋」があるという。
が、ゾーンから生きて出るのは…(?)今日は寒い、冷たい雨が降っている。

人間の心の中にゾーンがあるのだと思った。
人や物事にかけた愛情は、それによる苦しみに比例するという。
分かったようで分かんない。週末にまた観ることにする。

今日は朝から雨、まったくよく降りやがる。
テレビをつけるとどのチャンネルも“乳癌”と“胆管癌”の解説をしている。
「アンドレイ・ルブリョフ」は中世ロシアの天才的イコン画家の苦悶する物語。
何回観ても難解だ。