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2015年9月14日月曜日

「面白さと後味」



野心と野望、名声、出世、そして肩書と金と金。
アメリカ人を主に形作っているのはほぼそれに尽きる。
“人類”を愛することはない。

殺人、強盗、強奪、大事故の惨劇と死体、銃撃、その決定的瞬間こそビジネスだ。それを生業とするパパラッチがいる。勿論アメリカにとって最大最高のビジネスは戦争だ。
全てはジョブ(仕事)なのだ。戦争はいちばんの公共事業なのだ。

面白くて観た後極上に後味の悪い映画は大好きの一つである。
「タクシードライバー」や「ディア・ハンター」「羊たちの沈黙」などだ。
そこまでは遠く及ばないが、今日的テーマとしてはそれを超えるほど後味が悪い。

先週の金曜日の夜、「ナイトクローラー」という映画を観た。
ニュースで大洪水の被害を見すぎてアタマの中が濁流化した。
一度リセッションするためだ。テレビ局は視聴率を上げるためならスクープ写真がほしい。動画なら高値がつく。

それが残忍で残酷で悲惨なほどその写真を撮った者はテレビ局に高く売れる。
買うか、買わないか、買うならいくら出す、出さなければ他局に売る。
10万ドル、5万ドル、いや15千ドル、これ以上は出せない。
売る者と欲しい者が露骨にやりとりする。

低視聴率のテレビ局の女性ディレクターは2年契約だが、今のままではそれが切られてしまう。なんとしてもスクープ写真がほしい。スタッフに次々と命令を下し、虚勢を張り、厚化粧で年齢を隠しているが、内心は焦りまくっている。
失業の身から一躍スクープ動画の持ち主となった男は、そんな女性ディレクターの心を見破り、揺さぶり、成り上がって行く。アメリカンドリームへの野心と野望に熱えて。

日本のテレビ局もほぼ同じで視聴率戦争のために各局日々消耗戦をしている。
低視聴率にあえぐフジテレビの厚化粧のMC安藤優子を思い出してしまった。
「グッディ」という番組が「バッディ」といわれ視聴率は1%台で、いつ打ち切られるかに追い込まれている。近々消えて行くのだろう。
ついでに大嫌いな木村太郎もテレビから消えてくれたら乾杯だ!
アメリカという国はマネーと祖国を愛すが、永遠に“人類”を愛さないだろう。


さてもしあなたの目の前に人に襲われて血まみれになり、息も絶え絶えとして死にそうになっている人がいる。あなたの手には動画写真を写せるメカがある。
あなたはどう行動するでしょう。
(一)大声で助けを呼ぶ、
(一)携帯で119番か110番にかける、
一)そのシーンを撮って保存する。
その写真に一秒につき100万円とかそれ以上の値がつくとしたら。

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