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2014年11月28日金曜日

「東映大国」

週刊誌より




どの週刊誌も高倉健の特集記事とグラビア写真でギッシリだ。
私は大の健さんファンであった。人間誰にも表があり裏がある、光あり影がある。

私は映画という作品の中で、「死んでもらいます」といって日本刀でブッタ斬る姿に拍手した。健さんが手紙魔でありプレゼント魔であることを知人の写真家やスタイリスト、ヘアメイクの人たちから聞いていた。
熱烈なラブレターもどきを何回も送ってもらい困惑していた人もいた。

スターがスターであり続けるのは孤独との闘いでもある。
流れ星にならないために俳優や役者やタレントさんは日々不安と同居する。
スターであるが故に行きたくても行けないところがあり、食べたくても食べられないものがある。絶えず人から見られているという恐怖の中にいる。
見栄と虚飾にあふれ、嫉妬と怨嗟が渦巻く。

ある愚連隊の大スターだった組長がはじめて映画の主演をした時、芸能界はヤクザ者の世界より怖いところだなとインタビューに応えて笑った。
本場の男と男の世界に身を置いた人間にとって、堅気の俳優がヤクザを演じるのがきっとコソバイ気分だったのだろう。
ヤクザ者を演じているといつしか本物になった気になる俳優もいる。

本当の健さんを知っている人は、本当の健さんを語れない。
伝説は大切にしなければならない。

青春時代私が通った「荻窪東映」が通路までビッシリお客で詰まり、扉は閉まらない、映写室の横の階段まで健さんのファンで埋まった。煙草のけむりで館内はスモッグ状態。
そのスモッグを切り裂くように映写機から投影される光が画面を作りだす。
ラムネをラッパ飲みする者、モナカアイスを二つに割る者、あんず飴を舐める者、都こんぶを口にするもの、オイ、アタマ下げろ見えねえじゃねえかと怒鳴る者、荻窪東映はひとつのドラマ大国であった。
オイそこの席、オレの女を座らせろい、なんてイキガってあとでボコボコにされるのも大国の姿だった。

あと二週間もしたら健さんを語る人たちはいないだろう。
本当の健さんを知る人以外は。東映の岡田裕介氏が死後の一切を仕切ったという。
本当の姿を見せないための男と男の友情だ。

2014年11月27日木曜日

「黒幕」




闇の世界の情報を集めそれを自在に操り、国家権力から巨大企業、大マスコミがこの一人の男を頼りにした。
銀座のクラブに巨費を落とし、日々生々しい情報を得ていたという。


「裏社会の案内人」ともいわれた。男の名は「石原俊介」という。
表では雑誌の発行人が本業だ。リクルート事件、イトマン事件、東京佐川急便事件、金丸脱税事件、ゼネコン疑獄、損失補填事件、ブルネイ王室AV女優接待、2信組事件、総会屋利益供与事件、大蔵・日銀接待汚職事件、芸能界脱税事件、武富士事件、日本振興事件などなどおよそ事件と名のつくものの情報を正確に持っていた。
ヤクザ社会や芸能界、警察、検察機関もその男の情報に頼った。
政治家の愛人問題のスキャンダルを最小限度に押さえた。

情報フィクサー石原俊介を知らない者は闇の銀座ではモグリであった。
また「兜町の石原」ともいわれた。東京電力の顧問でもあり、さまざまな場面を仕切っていた。小沢一郎の事件では最後まで小沢の味方で無罪とした。

腕と度胸で成り上がった男の封印されていた半生に迫る傑作のノンフィクションが出た。裏の事に興味がある人にぜひオススメした。
本の題名は「黒幕」著書は伊藤博敏、小学館より出版。本体1,800円+税。
石原俊介はついこの間この世を去った。未だ黒幕の体温が銀座の夜に深々と残っている。

また闇社会の守護神といわれた元特捜検事、元弁護士、元懲役囚、田中森一が死んだ。
闇社会の主人公が次々と消えていくのも時の流れだ。
ほっとしている者、支えを失ってガックリしている者、様々な情報を持って骨と灰になった。闇社会には次の情報フィクサーが生まれるのだろう。

日々、夜と朝の間には映画や劇画よりもすさまじい情報合戦があり、おぞましい男と女、男と男、女と女の魔界がある。知りたくもない事を知りたい人は読んでみるといい。
見えなかった景色が見えてくる。(文中敬称略)

2014年11月26日水曜日

「ある勉強会」



TBS6ch午前一時十一分〜四十一分、「深夜食堂」を見終わり書いている。
今回の食事は「ロールキャベツ」だった。

主人公はストリッパーのマリリンだ。整骨師の若者はマリリンに恋してる。
若者はストリップをしているマリリンに、もうやめてくれと頼む。
マリリンは仕事にプライドを持っているので断る。

マリリンの母親が上京して来る、母親は男遊びばかりしていた。
マリリンはそんな母を嫌っていた。母親の上京の目的は癌が転移していないかの検査のためだった。マリリンのステージを見て「あたしにゃつらいわ」とストリップ劇場を出る。観客たちはマリリンの裸に拍手する。
ストリッパーは同性に見られるのを嫌うことを私は知っていた。

ある年、若手女子デザイナーと若い男のスタッフたちに浅草のストリップを見てくるように勉強会とした。落語を聞く会とか、お能を観る会、歌舞伎を観る会、相撲の朝稽古を見る会とかの延長であった。

私の主旨は芸人のプライドや芸を売る、身を鍛える厳しさ、人生の深底を知っているのは芸人さんであることを知ってほしかった。
私たちの仕事も芸人と同じ芸を売る仕事だから、いかに日々自分を見つめ、精進努力をして芸を磨くかを学んで欲しかったのだ。

「好きこそものの上手なれ」という言葉がある。
自分の職業を好きでなければ決して上達はしない。
マリリンの母親の癌は転移してなく、田舎に帰り再婚する。
マリリンは深夜食堂でロールキャベツを食べながらなじみのお客に母親の花嫁姿の写真を見せる。世の中には無数の職業がある。
その職業についている人の数だけ、意地とプライドと人生がある。
職業で人を判断するほど卑劣で愚かなことはない。

深夜食堂を楽しみにしているのは、毎回人間味あるテーマがあり、料理一品がある。
小説家はマンガ家に勝てないと思うドラマがある。
次回の主人公は「ベンガル」さんだ。むかしある作家と話した時に、いい女とはの私の問に、ロールキャベツを作れる女だよといったのを思い出した。
ではダメな女とはと聞いたら、ロールキャベツを買って来る女だよといった。むかしある女流作家に、いい男とはと聞いたら、私みたいないい女に恋する男といった。
ダメな男とはと聞いたら、出した料理にツベコベいう奴といった。

私は断然ダメな男ということであった。
今日はきっとロールキャベツを食べよう、セブンイレブンのおでんの中に入っている。
ツベコベはいわない。

2014年11月25日火曜日

「陽暉楼でした」




ON THE ROCKSari turunen fiskars 
過日丸い透明な氷のロックをいただき、こりゃスグレモノだと思った。
お気に入りのグラスの中でコロコロと転がる。丸いビー玉がウィスキーとデュエットする。一方このON THE ROCKSは四角いサイコロのようである。
ひと目みると備長炭を二センチ四方に切ったようである。
消炭色になったその物体を冷蔵庫の中の冷凍室に入れる。

ビー玉の親方も良いロックになったが、この正方形もウィスキーやジンやラムやらと合う。丸いのも、四角いのもいただきモノなのだが、丸い方より四角い方がずっと美しいヒトからのモノなので三連休は四角で通した。これがあると氷が必要ない。
便利でずっと冷たい。備長炭は火力の元だがこれは冷力の元なのだ。

パッケージには二ヶ国語で書いてある。
英文はあー英語だとわかるが(意味は不明)英語の上に書いてるのはどの国だかわからないのだ。丸いのに比べ四角い方が冷力が段違いに強い。
8ICE CUBES OF SOAPSTONE Freeze in a freezer and use as ice cubesと書いてある。
どこで売っているかは分からないがロックが好きな人にはオススメ品だ。
何しろグラスの中に備長炭がガツンゴツンしているのだから。

深夜から朝まで久々に古今亭志ん朝の落語を聞きながら酒を楽しんだ。
先日友人が大山詣りをしたのでまずはその「大山詣り」を聞いた、次に「子別れ」、その次に「品川心中」の三本である。

先週の金曜日、よみうりホールで立川談志の三回忌で談志会があった。
後輩と友人が六時から行っていたのだが、私は八時二十分頃になんとか着いた。
親愛なる後輩がチケットを買ってくれていたからだ。着くと超満員であった。
毒蝮三太夫と談志の弟子三人がトークショーをやっていた。

次に売れっ子立川談春が20分ほどの人情噺、あと二人の弟子が登場した。
一人は立川談幸、トリは土橋亭里う馬。談志はいい弟子を育て幸せ者だと思った。
 九時十五分頃に終わった。

三人でとにかく酒だ、酒だと有楽町のガード下の汚え店に入った。
ベレー帽をかぶった洒落た店主であった。冷奴とギンナンとホタルイカを焼いたのと煮込みを頼んだ。十人ほど入る店に八人の客がいた。天井で扇風機が回っている。
古い、汚い、オヤジさん何年やってんのと聞いたら、その扇風機は六十年回ってるよといわれた。私の後ろで外人が三人いて笑っていた。
目の前に小さな虫がチョロチョロしたのでおしぼりで引っ叩いた。
煮込みが絶品でビックリした。

親愛なる後輩は十時五分の長野新幹線に乗るといい酒半合とハイボールを半分位飲んで帰って行った。私は友人と残り、酒を二合位飲んだ。
夜風を浴びながら仕事場に帰り、少しソファーに横になり酔いをさました。
それからやり残した仕事をまとめた。落語と四角い冷えた備長炭は相性がいい。
美しいヒトはこれからの日本を代表するであろう天才的才能のあるヒトだ。火力抜群の備長炭のように妥協せず熱気を持って自らの道を進むだろう。


若い才能には明日がいっぱい待っている。“苦学”した者が世に出ることとなる。
その逆に“楽学”した者は決して世には出ない。挫折し、敗北し苦しみ悩んだ中から斬新は生まれる。実は丸いモノを送ってくれたヒトと、四角いモノを送ってくれたヒトを間違えた。この場を借りてお詫び申し上げたい。スミマセン。

先日のブログで思い出せなかった五社英雄の映画の題名を後輩が教えてくれた。
題名は「陽暉楼」バチバチ殴りあったのは、浅野温子VS池上季実子でした。
勘違いと間違いに気をつけねばなりません。

2014年11月21日金曜日

「ある引き算」




十一月二十一日午前五時二十四分四十三秒。
外はシトシト雨、ポストから朝刊を取り出し、記事を読み始めてふと引き算をした。

黒田東彦日銀総裁が掟破りの金融緩和をした。
そのことを「バズーカ砲」といった。一発、二発と大量のお金の弾を市場にぶっ放した。だがその効果は、バズーカから「ズー」を引き算すると「バカ」なことであり、1%の大企業と株を持っている者と外国の投資家を大儲けさせただけだった。
国債のほとんどを日銀が買い続けるという「バカ」なことで、結局アベノミクス大失敗の引き金となった。

日本国の景気は後退局面に入った。「バカ砲」のために。
歴史上最低の日銀総裁として後世に名を残すだろう。

大相撲が大好きなので午前三時四十分から取り組みの再放送を見た。
ふと考えた、男と男が裸同士でガッチリ抱き合い、ハアーハアー、ヒーヒー、息を荒めている。少々眠気が生じてたせいか、今まで考えてもいなかったエロ行為に相撲が見えた。

両者張り手で顔面を殴りあうシーンを見ていて、東映の映画を思い出した。
五社英雄監督の作品だったと思う。女優同士が顔面をナメんじゃないよとバチバチ殴り合った。映画の題名と女優の名がハッキリ思い出せない。
訳あってマンガのシナリオを書いたりしていたのですっかり思考回路がマンガ的になっていたのだ。

大関「琴奨菊」という力士がいる。
この力士の売りは腰をグイグイ使ったがぶり寄りだ。見方によってはかなりいやらしい。R15指定かもしれない。

友人がワインを送ってくれた。
いつものグラスに赤い血のようなワインを半分位入れた。
人間はしっかり睡眠をとらないと「負眠(ふみん)」になると教わった。
私は完全に負眠なのだ。ちなみに私がいちばん好きな力士は十両の「里山」というオッサンみたいなオモロイ力士だ。

女優は名取裕子VS池上季実子だったかもしれない。

2014年11月20日木曜日

「底のソコ」




一体何を考えてんだよ、年末の選挙はデパートや流通にとって大マイナスなんだ、と怒りまくるのは当然だ。

何故ならギフト市場がダメージを受けるのだ。
選挙の票集めのために贈り物をしているのではと疑われるのを嫌がるからだ。

ホテル業界もダメージを受ける。
年末はパーティーシーズン、当然政治家のパーティーはキャンセルばかり。
人が沢山集まれば票集めと疑われるからだ。

私といえば息子から数年前に誕生日プレゼントとしてもらったバックスキンの靴の底が、花の銀座中央通りで両足ともパコッ、ボコッ、ベロンとなり愕然となった。
2年程はいていなかったのですっかり底のソコがボロボロになっていたのだ。

キラリトギンザoluhaショップで白いヒモをもらって、取れた底をグルグルと巻いた。
で、ソロリ、ソロリと仕事場に向かった。身分不相応なジョルジオ・アルマーニの高価な靴を安月給の息子夫婦が贈ってくれたので大事に大事にしすぎてはかなかったのが、靴底にとってはかないことになってしまったのだ。
靴の修理店に行ったら16000円で直してくれるというのでよろしく頼むとなった。
一ヶ月程かかるとか。

チクショー年末に選挙なんかやるからいけねえんだよと八つ当りした。
仕事場の側のシューズショップで仕方なく黒いエナメルの半ブーツを買った。 
12600円であった。チクショー年末に選挙なんかしやがってとまた、八つ当りした。
ジョルジオ・アルマーニに靴の底、それはアルマイニであった。

2014年11月19日水曜日

「さよなら、唐獅子牡丹」




お客さん、この国では衆議院解散という国家の大事より、高倉健さんが死んだほうがトップニュースなんですね。安倍総理の記者会見は政権を投げ出した時とソックリなほど弱々しかったですね。タクシーの運転手さんは食堂でそれを見ていたらしい。
私は青山の編集スタジオにいたのだが、合間をみつけてロビーのテレビで少しだけ報道ステーションを見た。

運転手さんのいうとおり、目はウツロで表情にハリがなく病弱な姿そのものであった。
話す声にまったく力がなく、こりゃもたないわと思った。
お客さん、なんだか出来すぎと思いませんか、1110日に健さんは死んでいたのに発表せず、解散するという日にわざわざ発表するなんて。
新橋の駅では号外が出てましたよ、余程安倍総理の弱々しい姿を見せたくなかったのでしょうね。そういえばそうだな、運ちゃんなかなか鋭いねと私はいった。

健さんのニュースがなければ安倍総理の弱々しい姿はもっと露出されていただろう。
深夜一時を過ぎた頃、私は愛する二人の後輩と編集後の酒を飲んでいた。
私は朝から何も食べず腹ペコだった。ハイボールが空腹に効いた。
ヨシッ、唐獅子牡丹を唄うぞといった。
えっ、何、ホントと後輩たちとお店のヒトはいった。

初めて聞くヒトばかり。
高倉健とオールナイト映画は何ものにもかえがたき荻窪の思い出あった。
健さんを偲んで唄った。

♪〜義理と人情を秤にかけりゃ 義理が重たい男の世界 幼なじみの観音様にゃ 俺の心はお見通し 背中(せな)で吠(な)いてる唐獅子牡丹。

高倉健さんありがとう。
きっとまったく自分と違う役者「高倉健」を演じ続けていたのでしょう。
あなたは本当は幸せだったのでしょうか。役者人生は楽しかったのでしょうか。
そんな万感な思いがこみ上げていた。
午前二時半頃、運ちゃん!一緒に網走番外地を唄おうぜといった。
横浜を過ぎながら二人で唄った。

♪〜遥か 遥か彼方にゃ オホーツク 紅い真っ紅な ハマナスが 海を見てます 泣いてます その名も 網走番外地。

健さんもう高倉健を演じなくていいんですよ。
あの世で江利チエミさんと会い二人でテネシー・ワルツでも唄ってください。
合掌してます、泣いてます。 

2014年11月18日火曜日

「私の内閣?」




アベノミクス大失敗!総選挙で大敗北、総理大臣交代がある。
私はいつものグラスに友人から贈ってもらった透明なビー玉の親分を冷やしていたのを冷凍室から出し、氷の代わりに入れ、コロコロさせ、そこにジム・ビームと炭酸を入れる。この魔法のビー玉は溶けない氷なのですこぶる気に入っている。
ゴクッ、ゴクッと飲みながら次の内閣を考えた。

総理大臣:坂田利夫さん、官房長官:ゲッツ坂野さん、財務大臣:ビートきよしさん、経済再生担当大臣:上島竜兵さん、地方創生担当大臣:吉幾三さん、国土交通大臣:ダンプ松本さん、外務大臣:デヴィ夫人、復興大臣:はるな愛さん、総務大臣:江頭250さん、厚生労働大臣:出川哲朗さん、通商産業大臣:マギー司郎さん、少子化問題大臣兼女性活躍担当大臣:マツコ・デラックスさん、法務大臣:輪島功一さん、環境大臣:ミッツ・マングローブさんなどを起用する。

どうです、相当強力な布陣だと思いませんか?
私の頭の中はいろんな作戦立案の考え事でウニみたいになっていたので、こんなことを考えてリフレッシュさせたのです。

ひょっとすると来年にもう一度総選挙があるかもしれません。
自衛隊法の改正と憲法改正を目指して。その時いよいよ私の内閣が誕生する。
ヤッホーでアホなのだ。

2014年11月17日月曜日

「灰とダイヤモンド」







どんだけーとはオカマの決めゼリフ。
どんだけアタマのいい政治学者も、どんだけアタマの悪い政治学者も信じられないという。
どんだけカシコイ経済学者も、どんだけマヌケな経済学者もワッカンネェーという。
どんだけ権力ベッタリの新聞社も、どんだけ反権力の新聞社も、オーマイゴッドという。


税金を上げるから選挙で信を問うというのなら分かる。
だが、一度税金を上げたら大失敗だった。ジャブジャブ市場に金を流したが大失敗だった。
株だけ上がったがそれはほとんど外国人の投資と、我々の積み立てた年金を株投資にした結果。禁じ手ばかりの結果だ。それ以外はすべてが予想外の大失敗。

みんながなんでだろう、なんでだろうという解散総選挙をこの年末にやるという。
増税をした政権が勝ったケースは一度もないのに。
650億円とも700億円ともいわれる税金を使って、負けを最小限にするために選挙をするのだ。意味なしとか、アタマイカレターとか、ヤッテラレネエとか、ジョーダンじゃないわとかの声は現職たち。ヨーシ、リベンジだ。タナカラボタチャンスだと落選議員たち。

カンケイネエーや勝手にすればとは政治に関心を失った若者たち。
空き室が選挙事務所に使ってもらえるとよろこぶ不動産屋。売れ残りの中古車が選挙カーに買ってもらえるかもと胸算用をする中古車屋。ポスター、チラシでアリガテェーと用紙メーカー、印刷業。看板づくりのノウハウを持つ業者たち。
とにかくムダな経費と時間がかかる。

私の自論は、衆議院議員は4年の任期だから余程の国家の重大事(戦争とか)、政権中枢のスキャンダルなどがない限り、キッチリと4年間仕事をすべしだと思っている。
「常在戦場」なんて三国志時代や戦国時代のこと。衆議院議員はこの四文字に酔っているとこがある。オレたち、ワタシたちは6年に一度しか選挙のない参議院議員とは違うんだぞと。
まあーいいやとにかく一人と一部の人間たちの大ミステイク、大チョンボで見物料はバカ高いが歴史的出来事を見ることが出来る。いかなる権力もその崩壊は内部の思い上がりから始まる。
蟻の一穴というやつだ。乱は人物を生みだすという。

権力者の側には必ずユダが出て、ブルータスが出る。
何故ならそこは男と男の嫉妬社会だから。そして、灰の中からダイヤモンドが出るという。
ダイヤモンドは誰か、それを知る人はいない。これからの歴史が生むのだ。

2014年11月14日金曜日

「バンザーイ、バンザーイ」



ある老政治家がいいました。
キミ、政治家はねえ、選挙になるとねえ、すっかり「タツコトヲワスレタチンポ」がねえ、ビンビンになるんだわさあ、コーフンするんだよ、人がみんな投票用紙に見えるんだわ、横山ノックが選挙カーの中でウグイス嬢にイケナイことをしたことがあるが、みんな同じようになるんだわさあ。

80才、90才になったって真夏の炎天下の選挙カーに乗って絶叫、熱叫できる。
こりゃヤバイと思ったら演説会で土下座もへいちゃらさ、真冬の寒さの中、鼻水がツララのようになり、目から涙が落ちるわ、耳はかじかむわ、背中に貼りまくったホカロンでヤケドする。ラクダのモモヒキの中に小便こぼしたってへいちゃらさ。

オレは引退したが、選挙には未練がある。
やりたいのだよキミわかるか、わかんねえだろうな、と「松鶴家千とせ」師匠のようになる。国民なんかそっちのけ、大義名分なし、税金を700億近く使う衆議院選挙が私の予想した通り12月投票でやるらしい。 
300議席近くある巨大政党が3050議席減るのが分かっているのにやるのは、負けても過半数さえ取れば後はやりたい放題できるからだ。
オリンピックまで長期政権が作れるからだ?
政敵の麻生太郎や谷垣禎一やらこうるさい老人たちをオプソ(終り)に出来る。
問題ある西川農相、望月環境相なんかが落選してくれれば万、万歳だ。

国民の事なんて知ったこっちゃないのだ。
だがしかし世の中はそんなに甘くはない。政界は、一寸先は闇なのだ。
あっとオドロクタメゴローが起きるだろう。

ある映画にこんなセリフがあった、「権力者は眠れない」。
また、ある政治家がいった、永田町ではことが起きた時には話は終わっている、と。
すでに選挙後がスタートしているのだ。今度の選挙でいちばんの高齢者は誰だろうか。
コーフン状態を見てみたい気がする。増税はしませんといって先送りし、選挙に負けてやっぱり増税しますというアホみたいなことをやるのだ。

そして集団的自衛権も、原発再稼働も、沖縄の辺野古の基地も、憲法改正も、何もかもやりたい放題をやるのだ。日本国憲政史上これほど変てこりんで、これほど怖い選挙は未だかつてない。近々議員たちがバンザーイ、バンザーイをするだろう。
これをすると当選して、また国会に戻れるという都市伝説がある。

2014年11月11日火曜日

「数の子の数」


※イメージです 


慢性的不眠症になって20年が経った。
眠れないからとヒツジの数を何百何千匹と数えたことか。
丸いパックに入ったイクラが何個あるかを楊枝で刺しながら数えたことか。
数の子をルーペで見ながら何粒あるかを数えたことか。
あんまり眠れないのでまだ暗い朝、アタマに釣り用のカンテラをつけて海岸を歩いたことか。柿の種の袋の中に柿の種とピーナツがいくつずつあるか区分けしたことか。

そんな私なのでこんな記事に出会うとつい新聞を切り抜いてファイルしたりする。
新型睡眠薬近く発売。寝付きよく、途中で目覚めず、依存症なし。
新しいタイプの薬の名は「スボレキサント(商品名ベルソムラ)」
今月中旬、世界に先駆けて日本で発売(朝日11/5朝刊)。

日本人の10人に1人が不眠症に悩み、成人の20人に1人が睡眠薬を飲んでいる。
ある調査によると日本人の平均睡眠時間は7時間14分で、フランス人よりも1時間短いとか。

「睡眠不足に強い人は負け組」、日経11/9朝刊。
なまじ睡眠不足に耐える力があると、実は社会生活上の問題が生じやすい。
「眠気に打ち勝つ力」がある人は体と心の赤信号が点灯しているのに気付かず、睡眠不足へのリスクヘッジを怠ってしまうのだとか。
結果、ぐっすり眠っている人との差は大きく開き人生というレースでは負け組になる。

ニッポンは不眠大国といわれている。
世界共通の不眠症判定法「アテネ不眠尺度」によって7,827人を調べた結果、不眠症の疑いがある人はなんと38.1%とか。

日刊スポーツ11/7付のこの記事の横にはこんな記事があった。
「相模川の女性頭殴り殺され石入れ沈められた」26才吉田綾奈さんFBで「ストーカーやめてくれ」この女性が見つかった馬入川は私の住んでいるところのすぐ近所だ。

この頃の犯罪にはほとんどフェイスブックとかラインとかツイッターが絡んでいる。
これからこの国はどうなるのか、そんなことを真剣に考えると、ずっと、ずっと、ずーっと眠りに入れない。仕方ない数の子を数えるか、それともイクラにするか。

私のようにならないために、キラリトギンザ3階オルハショップへ。
國井さん、濱田さん、臼杵(ウスキ)さんという睡眠改善インストラクターのステキな男の人が一人ひとりの睡眠について適切なアドバイスをしてくれます。
ナポレオンは3時間位しか眠ってなかったから負けたのです。
実に科学的な結末だったのです。

2014年11月10日月曜日

「兄弟仁義」




117日(金)深夜一時頃から朝七時過ぎまでレンタルしていたが、見られずだった映画を三本見た。

一本は韓国映画「ファイ」、犯罪者たちに育てられ異常殺人鬼になっていく少年の話。ファイとは犯罪者たちが隠れ家にしているところにある香木の名。
ひたすら殺す映画だった。韓国映画は刺し殺す場面がリアルだった。

もう一本は「銀の匙」中勘助の同名の名作小説があるがそれとは違う。
友人の星野秀樹君がプロデュースした。
大ベストセラーのマンガを映画化したものだ。北海道の農業高校が舞台だ。
自分たちで育てた豚をベーコンにして食べる青春物語。
実習教育は複雑な味なのだ。
子どもの頃に家で飼っていた白い猫の名がベーコンだった。
父親が哲学者フランシス・ベーコンからとって名付けたらしい。
今若者の間で農業実習をテーマにしたマンガがブームだ。
 
私が通っていた杉並区立天沼中学校の隣が大きな養鶏場だった。
窓を開けるとものすごく臭かった。
職員室にはハエ取りのベタベタ紙が何本もぶら下がっていた。
映画の中で学習用に飼っている何羽もの赤いトサカのニワトリを見てふと思い出した。
どこよりも臭い中学であった。

もう一本はアメリカ映画「ネブラスカ」、アルツハイマーになった父親が宝くじ100万ドルが当たったといい張り、その賞金を受取に行くといってダダをこねる。
やさしい息子は仕方なくモンタナから車で遠い目的地に向かうというロードムービーだ。

日本の人口の四人に一人が六十五才以上の後期高齢者(約300万人)。
アメリカも同様である。映画に出て来るのは老人、老人、老人。
職のない肥満の男、男、男。ビール、ローストチキン、ポテトフライ、トマトケチャップ、サンドイッチ、ミートローフ。アメリカの食事はそんなものしかない。
他にハンバーガー、ホットドッグ、スペアリブ、アップルパイ、アイスクリーム、コカコーラ。

TPP問題の相手国も超格差社会であり、日本と同じ大都会以外は活気なく無気力になっている。この映画はアメリカの影の部分を老人たちの姿を通してやるせなく語りかける。映画としては予定調和で取り立てて新しいものはない。
それがかえってどんより嫌な後味として残る。

日本では老、老介護の疲れから多くの殺人事件が起きている。
これからもっと、もっと、もっと増えるだろう。この国をどうするのか与野党の枠を越えたビジョンをもたないと大変なこととなるだろう。
総理大臣が株価頼み、日銀のめくらめっぽうな金融緩和のバズーカ砲で自爆である。
図らずも三本の映画は日本がというより世界が抱えている大問題とつながっていた。
金、金、殺人、殺人、農業、酪農。
老人、肥満、無気力、格差社会。

夜が明けた頃、兄弟分三人と過ごした楽しい時間を思い出した。
不良、喧嘩、愚連隊、京都の極道、東京の筋者、アイビーのファッション、VANジャケット石津謙介こそ国民栄誉賞だ。メンクラことメンズクラブとファッションの話であった。

親愛なる兄弟分がキラリトギンザ3oluhaオルハブランドのコンセプトコピーを書いてくれた。「よく眠った人には、かなわない。」すこぶる好評であることを報告した。ありがとう。このひと言ですべてを感じてくれる。
親の血を引く兄弟よりも固い契の義兄弟なのだ。
男と男には仁義と筋でつながっていく。だからこそ礼を尽くす。
永田町に解散風が吹き出した。この風邪は一度吹き出すと止むことはない。
油断したものが負ける。永田町に兄弟仁義はない。

2014年11月7日金曜日

「ELSONIC?」



電子レンジの耐用年数は何年か、そのデータはどこも発表してくれない。
当然政府や経産省などもその実態を知らない。
電子レンジが壊れたなんてことは国家にとってまったく問題じゃないのである。
が、我が家にとって電子レンジのジ・エンドは重大問題なのだ。

私はいまだかつて電子レンジを使用した事は二度とない。
正しくいえばそのボタンを押せばいいのよと愚妻にいわれて一度だけボタンを押し、少しだけダイヤルをひねった事がある。
その時あるホテルで買ってきたマカロニグラタンが火を吹き、焼き焦がれてしまった。
それ以来私は使用してはいけないと心に決めいていた。

去る112日(日)息子家族が来た。
小学校五年生の孫が冷凍のエビグラタンをチンしてといって愚妻がチンをしていた。
しばらくするとやけに焦げ臭い、それもエビグラタンではなく電線の焦げた臭いだ。
お嫁さんが、全然エビグラタンに火が通ってなく電子レンジが臭いといった。
息子がすぐにそれを見ておかぁーさんやばいよ「ローデン」しているよといって、電源とアースを抜いた。電子レンジが壊れてんだよとなった。愚妻はもう30年近く使ってるからねと何事もなかったようにいった。さっきまで使えていたのにねえといった。

で、電子レンジ(ナショナル製)の耐用年数は30年位だと私は思った。
日本全国電子レンジ連合会(こんなのはありません)に教えてやろうと思ったりした?
電子レンジっていくらするんだといったら、簡単なのは1万円もしないよと息子がいったので、私はほっとした。30年位前に買った時は10万円位していたからだ。

116日夜、帰宅すると大きな箱が台所に置いてあった。
湘南テラスモール4Fにあるノジマ電機から届いていたのだ。 
ELSONICなんて聞いた事もないブランド名の電子レンジだ。
だがメカ音痴夫婦なので取り付けが出来ない。息子が来てくれるのを待っているらしい。ニタッと不敵な顔をした愚妻が6500円だったわよといった。

ELSONICは土曜か日曜から日常活動をしてくれるはずだ。
今度はチンをチャンと覚えようと思っている。ボタンに触れるだけでいいらしい。
最初のチンはやっぱりマカロニグラタンだ、いやエビグラタンだな。

2014年11月6日木曜日

「いい人と悪い人」




お金を貸してあげた友人と、その友人にお金を借りた友人が一か所で鉢合わせしたらどうなるか。

フツーの常識なら借りた人間がお金を返していないのだから、すいません大変ご迷惑をかけてとか、ウソでもすいません近々必ずお返ししますとか、勘弁して下さい約束を守らなかったボクをボコボコにして下さいとなる。

だが借金魔の人はそんな態度とは無縁だ。バックレ、シカトなのだ。
人を見たらお金を貸してというのが習性になっている人間にとって、借りたものはもらったもんなのだ。当然貸した友人はアノヤローふざけやがってとなる。

だが貸してあげた友人はすこぶるいい人なので怒りをじっと我慢していた。
私はいい人と会っていい気分だったのだが、そこで悪い人と会ってしまい嫌な気分となった。

みなさんの周りにもいるはずです。
 人からお金を借りることが常態化している人が。
おべんちゃらで、へらへらして調子がいいんです。この手の人間は始末が悪いんです。
決して大きな借金をして大勝負をかけたりはしません。チンケな借金を積み重ねるのです。

何しろナマコみたいで、ハンペンみたいで、コンニャクみたいで、シラタキみたいで、チクワブみたいなのです。精神肉体に骨がないというか芯がないのです。

実は私もこんな人間に酷い目に遭いました。
身近な人間から全然縁のなかった人間まで。そして私は知りました、人間は怒りが頂点にまで達すると怒る気力が失せてしまうことを。

みなさんは絶対に人にお金を貸してはダメですよ。
借金魔の友人は有名大学で講義をしているのです。
何を教えているかは学生さんに悪いので内緒です。
頭もいいし才能もあるのがかえって本人のためになっていないのです。

とてもいい人は私を車で東京駅まで送ってくれました。
とても悪い人は一杯飲んで大きな声で笑っていました。
どちらも私の友人なのです。

2014年11月5日水曜日

「タメとダメ」






世の中には山ほど名言や格言がある。
私は現在このひと言が一番だと思っている。

それは国民的歌手、三波春夫さんがいった「お客さまは神様です」だ。
売る方と買う方との関係は五分と五分(ヤクザ者の世界ではこれを『タメ』という)いいモノを作った人のところに、そのいいモノを必要とする人が来て買ったとするとお互いタメな関係だと思う。
買ってお金を払う人と、作ってお金をもらう人とはお互いに納得しあえば五分と五分、タメなのだ。

が、この考えはダメなのだ。
モノを作って売っている店が、その一店だけであればタメ口もいえる。
嫌なら買ってもらわなくたっていいんだぜ、他に欲しがっている人間はいくらでもいるんだからヨォ。なんていえる。ところが同じようなモノを作る店が二つ、三つ、四つとなると、そんなイキがったことはいえない。「お客さまは神様です」となる。
あそこの店のモノとは歴史が違う。あの店とは品質が違う。
そっちの店とは接客の仕方が違う、値段が違うなど違いを強調する。

私は何が一番大切な違いかを考えた、結論は接客の仕方だなと思った。
勿論商品がどこよりもいいモノである事は必要条件だが。
いいモノでもいい接客をしてくれないとダメなのだ。カンジワルーとか、エバッテルーとかまるでタメ口じゃんといわれる(京都にはこんな店が多い、特に東京の人間にはかなりキツイ)。

キラリトギンザ3oluha(オルハ)ショップに一度行ってみて下さい。
ホレボレするような接客態度であなたに接してくれるはずです。
私のような慢性的不眠症にならないために。睡眠改善インストラクターの人が一人ひとりの眠りについてアドバイスをしてくれます。「お客さまは神様です」私などには絶対にかけない奥深い言葉です。

先日、出版社の人や編集者の方に私はこういいました。
本屋ほどカンジワリーとこはない。いらっしゃいませも、またお越し下さいお待ちしています、ニコッなんてことはまずない。お客さまという観念がないのだ。
売れもしない下手な文章の本を置いてやってんだ、というような態度がほとんどなのだ。この間銀座の教文館という本屋で、◯×の書いた×◯という本あると女性店員に聞いたら、ジッとパソコンを見て、入っていません!なんてシラッといわれた。
カチンと来てしまったのだがあまりに無表情なので、あっそういいや他で買うからというのが精一杯だった。

近藤書店、旭屋書店、イエナ、銀座から本屋が消えてしまった。
「お客さまは神様です」の心を持たなかったからだ。
神田の古本屋なんか店主がお客は万引きだみたいな目で次ジロジロ見張っている。
それ故私は神田の古本屋は嫌いなのだ。客を見て品定めする、その目利きが刑事みたいな店主ばかりだ。出版不況は接客にありだ。