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2022年5月25日水曜日

つれづれ雑草「すすり泣く」

深夜わたしは泣いている。名画を見ているからではない。ところてんにねりからしを入れ過ぎて目と鼻にツーンときたのだ。ところてんは実に奥深い食べ物で、時に大敵となる。酢が多過ぎたりねりからしを入れすぎると、なんとなく頼りなく弱々しいところてんが、が然強気になるのだ。その日その日でところてんの味が違うのは、ねりからしの量による。どれ位がもっともいい味かはいまだに分からない。これはおでんのコンニャクにねりからしの量がどれ位がいいのか分からないのと似ている。コンニャクは全身ツルツルなのでねりからしはしみこまない。表面にねりからしがぜんぶのるからだ。これをさらに比べると、冷やし中華におけるねりからしの量にもいえる。せっかくの冷やし中華もねりからしを入れこみすぎると、メンを食べている途中に、突然パニックが起きる。メンの中にねりからしがよく溶けこんでないで、ねりからしがたくさん登場するのだ。泣きながら冷やし中華を食べて、ガホンガホンしている人がいるのはこのためなのだ。ねりからしとは黄色い泣かせ屋である。洋ガラシ(マスタード)とは似ているがまったく別物で、マスタードは荒くれの味でホットドッグ用だ。日本料理とバーベキューほどの違いがある。週末愚妻が秋田での法事で出張(?)でもってオンボロファックス機が私では使えない。原稿を書いてもライターの方とのファックスのやりとりができないのだ。実に情けない。電子レンジも使えない。(一度マカロニグラタンで大出火させてしまった)おそらく私の知能指数は三歳児位だと思う。かろうじて映画は見れる。かつて見たブラッド・ピット主演の映画「セブン・イヤーズ・イン・チベット」の中で、こんな教えを受ける。「答えのある問題なら悩む必要はありません。答えのない悩みなら悩んでもむだです」チベット仏教はそう教える。私はこんなバカ者でありながら生きてこれたのは、ひとえにひと頼みだったのだ。ところてんへねりからしを入れていたのは愚妻だったので、じぶんでねりからしのチューブを持ってからしを押し出すとその量が分からず入れすぎたのだ。バカは死ななきゃ治らないというが、私はきっと死んでも治らないだろう。答えはそういうことなのだと悟った。カトマンズの山の中に行かずに答えを知った。先週6月封切りの映画の試写会に招待されて観た映画「はい、泳げません」は、きっとベストワンになるだろう。尊敬するリトルモア孫家邦さんが企画・製作した。孫さんが手がける作品は、ベストワンになったり、主演女優賞や助演男優賞など多くの賞を得る。「舟を編む」「夜空はいつでも最高密度の青色だ」「花束みたいな恋をした」新作は水泳が苦手の大学教授が、一大決心をしてスイミングスクールに入る。長谷川博己が演じる。インストラクターはクルマが苦手の女性綾瀬はるかが演じる。昭和のある頃ヒトビトは貧しき中でもほっこりしていた。たき火でやいた焼き芋の味のようにほっこりとしていた。悪い事、嫌な事、忌まわしい事、許されざる事ばかりがテーマの映画が多い中で悪人が一人も出てこない映画は実にいい。さすが孫さんの企画力は冴えわたっている。カメラワークが新鮮だ。達人笠松則通さんスナップ写真のような映像がいい。シロウトみたいに見せる超絶クロウト芸だった。ほのぼのという言葉が消えてしまったいまの世に、ほのぼのとはを見せてくれる。ぜひ観に行ってほしい映画だ。脚本・監督は渡辺謙作さん。荒戸源次郎事務所出身で鈴木清順監督に鍛えられた人である。「舟を編む」の脚本でアカデミー最優秀脚本賞を受賞している。親愛なる友と、巨匠井上嗣也さん、その高弟と四人で観た。その後永坂更科のそばをすすり合った。世界的な文明学者が先進国で日本が唯一止まっていると警告している。『パリ=共同』「国境なき調査団」による、2022年の世界各国の報道自由度ランキングの発表では、対象180ヵ国の地域のうち、日本は昨年から四つ順位を下げで71位だった。安倍晋三長期政権の負の遺産だ。国民から知る権利を奪ってしまった。メディアはスポンサー離れを恐れてしんじつを報道しなくなっている。ちなみに第一位はノルウェー、最下位は179位の北朝鮮であった。憲法改正、第九条改正への足音がヒタヒタと迫ってきている。こればかりは口にマスクをして黙して語らずとはいかない。無気力に慣れてしまった国民を改正論者は見逃さない。戦争の世紀へ幕が切って落とされているのだ。すさまじいドキュメンタリー映画「ウィンター・オン・ファイヤー ウクライナ、自由への闘い」を見てほしい。ウクライナ国民が自由を求めて国家権力と闘った壮絶の90日間余だ。独裁者は逃亡した。オレンジ革命の実況中継だ。若者が動く時、国家は敗北する。我が国の若者もSNSを国家管理され、スマホを取り上げられ自由を奪われたら、きっと行動を起こすだろう。私がいまハマッているところてんは、伊豆・三浦半島産・天草使用、ねりからしはハウス食品製だ。(文中敬称略)




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