4月20日(金)何が何でも行かねばならない処に行った。
この日は6年間我が社の経理を勤めてくれていた女性が退社する日。夜6時30分より送別会がある。
長い間本当にお世話になった人がいなくなるのはヒジョーに淋しいもんだ。
暗い気分を晴らすためによし行くぞ「コーマン帝国」へという訳で新宿武蔵野館へアメリカB級いやC級いやD級の映画の大巨匠ロジャーコーマン監督のドキュメント映画「コーマン帝国」を観に行ったのだ。
超低予算の映画をなんと400本以上製作、86歳となっても意気盛ん、元気モリモリやる気バンバンのウルトラスーパー監督。無名だったジャックニコルソンを使い続けた。
そのジャックニコルソンがそのどうしようもない映画作りを愛を込めて語りそして泣く、マーティンスコセッシが、ロンハワードがクエンティンタランティーノが阿呆でバカでもクールなオッサンを語り、リスペクトする。
およそこれ程くだらない映画はないのだがハリウッドはこのオッサンにアカデミー特別功労賞を贈る。
その会場は万来の拍手だ。ブラボー、ブラボー、OHブラボーなのだ。
人間馬鹿程強い者、凄い者はいないのだ。
たった2日で一本の映画を作るのだから撮影現場はもうハッチャメチャなのだ。
この頃すっかり映画馬鹿がいなくなってしまった。大体映画一本1800円は高すぎると思うのだ。
初めて彼女とデートをする若者と彼女で3600円、コカコーラ二つで600円、ポップコーン大盛りで600円で合計4800円。
奮発して酢昆布一個280円、杏一個280円で5360円、今日は20000円しか持っていない。
もし映画の帰りに食事して約4000円(パスタ+ピザ+飲み物あたり)その後、もしやかねてからの目的を達成目指せば残金は10000円とほんの少しだ。
泊まりorショートタイム?若者は映画を観ながらも頭の中は家計簿の如く算盤を弾いているのだ。
武蔵野館は座席数は84席、そこに若者のカップルが3組いた。
12時30分「コーマン帝国」がババァ〜ンと始まる。前の数分間そんな事を思った。
大ヒットした映画「ジョーズ」に多大な影響を与えたロジャーコーマンのジョーズ風映画は頭部だけ安価に作った恐竜が若い女優の足や体を思い切り囓っていた。ロジャーコーマンの影響をうけなかった監督はハリウッドには一人もいないのだ?
興奮した頭を冷やすために新宿駅から四谷駅までフラフラと歩いた。
前日食べた銀座名物天龍の巨大餃子8個(半ライスを半分残した)がお腹の中にずっしりと沈殿していたのだが映画のせいか歩いたせいか少し腹が減った。丸亀うどんというのがあったのでそこに入った。
それにしてもハリウッドはやっぱりヒーローを大切にする処だなと思った。
でっぷり太ったジャックニコルソンがソファーに座りながら泣いていた姿が良かった。
アカデミー受賞式で大拍手を送るジャックニコルソンが良かった。映画馬鹿はニッポン国にもワンサカいるぞと思い冷やしうどんをすすった。思いの外うどんは太く長く腰があり、弾力もありそばの様に飲み込めず手こずってしまった。丸亀うどんはどんどんとすすれないのを知った。