昨夜帰宅途中の列車の中で新聞を広げて、ウワァ〜、間違えたと脂汗をかいた。沖縄知事選で勝利した、玉城デニーさんを、デニー玉城さんと書いてしまった。思い込みすぎていて、家に着くとすぐに訂正をお願いした。改めて、玉城デニーさん当選おめでとうございます。 翁長さんの遺志を継いでください。午前1時12分8秒 NHK では、新しい大臣たちの記者会見が流れていた。 官僚の書いた原稿を棒読みするオドオドした新大臣、時間はわずか、質問者もわずか、ハイそれでは終わります、ハイ次と進む。この前にノーベル医学生理学賞を受賞した、本庶佑京都大学特別教授(76)の鮮烈な記者会見を見ていたので、その差に愕然とした。国に対して毅然と物申す姿に久々に感動した。聞けば日経に載った早刷りの記事を、遅刷りでカットされたとか。あまりの了見の狭さにも愕然とした。教授は賞金を後進のために使うと言った。目先のことばかり追うのではなく、もっと基礎に国は予算を使えと言った。発見は思いもよらないところにあるのだからと。典型的な亭主関白、大の阪神ファン、大のゴルフ好き。その佇まいは、男のダンディズムに満ちていた。背筋をピンとしてキッと正面を見据えていた。新大臣たちは下ばかり見ていた。 原稿を読み違えないために。目はキョトキョトと泳いでいた。大の阪神ファンの教授に、どうしたら阪神は強くなるでしょうかと言う記者の質問に、ピシャッとひと言、指揮官を変えなきゃダメ、もうひと言、もっと藤浪を使わないとダメと言った。藤浪とは投手の藤浪晋太郎選手のこと、150キロ台の球で相手の打者にぶつけることが多い。恐怖の投手なのだ。教授はそんなところが好きなのかもしれない。指揮官を変えろは、国に対して言ったのかもしれない。私は教授の大ファンとなった。
(読売新聞より)