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2009年12月6日日曜日

人間市場 社説市篇

朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、日経新聞、毎日読む度に社説の言葉使いが気になっている。
全てが命令調なのだ。
何々しろ、何々に目を向けろ、急げ、するな、示せ、動け、考えろ、しっかりしろ。
どこか、運動部の先生風だ。それじゃ書いている自分たちはというと、飲み、打つ、買う、くどく、最高給、ハイヤー、高級ワイン、高級バー、高級ホテル、ファーストクラスの特権階級。自分たちが命を張ってジャーナリストの矜持をもって、ノーブレス・オブリージュを全うしている人は一人もいない。
どっぷりと旧体制に浸かって来て、今なおそれを懐かしんでいる。何しろ大好きな料亭、あの子のいるクラブ、いかがわしい所大好きなのに。お土産とお小遣いが貰えない。命令調は少し脅し入れりゃ、少しは出すだろみたいな感覚だ。

朝日新聞に早野透というコラムニストがいる。日刊スポーツに「政治の時間」というコラムを日曜日の朝刊に載せる。読むともう、笑笑とか和民当たりで一杯機嫌で書いている感じ。いつも問題を提起しつつも、じゃあんたはジャーナリストとしてどう行動すんのよ。書きたい事あればまず朝日を退社してからにしろよと言いたい。
お宅の会社の社内戦争は、まるで仁義なき戦いじゃないの。

何で朝日は部数減に歯止めがかからないのか、どっぷり赤字体質になったのは何故か、紙面の作り方がへたくそになったのは何故か、取材写真が下手になったのは何故か(読売の方が全然上手い)。それを総括してから記事を書けと言いたい。

かつて好きだった、星浩さんも田原総一郎辺りに仕切られちゃったりして。
がっかりしてる。どんどん体制的、批評家調になってしまった。
まず、自分たちを見ろ、そう命令したい。金払って読んでいるんだから。庶民感覚から一番離れているのが、大マスコミの記者たち。勉強しない人たち、頭の悪い人たち、全然行動しない人たち、酒と女と噂話の好きな人たち。

君たちに命令する権利はない。文句あったら言って来て下さい。待ってます。

2009年12月5日土曜日

人間市場 坊主市篇

銀行とか、証券、いわゆる金融業。実態は金貸し業。その基は実はお寺の坊主だった。

時は室町時代、堺に大徳寺とか海会寺という寺がある。
この頃、寺はとんでもない事をしていた。堺の商人から安い金利で金を借り、将軍家や朝廷に金を貸す。それで得た利益で、海外貿易に投資。
又、勘合という将軍家のお墨付きをもらい、明との貿易で莫大な金を掴んだ。
それは大阪城夏の陣で焼失するまで続いた。火薬の素になる硫黄や刀剣、漆などの工芸品を明へ送った。特に硫黄は利益の主役だった。
なんの事は無い。将軍より天皇家より上に金貸しの坊主がいたと言っていい。
その坊主の親玉の名は取龍(しりゅう)という。
この坊主の作ったシステムが現在の金融業、金貸し業のモデルケースとなっている。預金をもらう時は、45度の角度で揉み手をして、金を返せの段になると、そっくり返る。鬼と化す。長い友人が自己破産をした。その時の銀行は正に鬼であったという。

さんざん利子を取っておいて、いざとなると、ハイここまでで万歳しましょう。で、残っていたローンの家を召し上げだ。


何でこんな事を書くかというと、私は、坊主大嫌い。ある事で坊主を呼ぶか呼ばないかという事となった。当然私は反対。坊主無用を主張した。


私の知っている鎌倉の高僧はカラオケ狂い。新宿の坊主は、博打狂い。青山の坊主は、フィリピンバー狂い。魚藍坂の坊主はSM狂い。坊主憎りゃ袈裟まで憎い、だが民主主義は多数決。私の主張は坊主に関してのみ却下されました。
坊主を見たら金貸しと思ってもいいですよ。近頃は少々焦げ付きが多くて泣きが入っています。坊主丸儲けとはいかないのです。ザマーミロです。
先日、火葬場で煙草を吸いながら真っ赤な携帯電話で、何やら遊びの話をしてました。オイッ、坊主、お前も焼いちゃうぞって言ったら、アチャなんて坊主頭を叩きました。


皆さん、坊主は叩けば叩く程、値段が下がります。

そうそう、鎌倉の高僧の持ち歌の一つが「骨まで愛して」でした。小町通りの中程のカラオケバーによく居るそうです。

2009年12月4日金曜日

人間市場 コシノ市篇

この際ハッキリ言います。不美人ほどファッションの世界では活躍します。

ご存知、コシノファミリー。母、小篠綾子、弘子、順子、美智子と文字で書くとかなり美人家族を想像するでしょう。しかし、想像を超えたそうでない親子なんですね。四人揃うと小さな子供は泣き出したり(?)引きつけたり(?)ある子は登校拒否になったりします(?)暗闇からヌ〜っと出ると死ぬ人もいます(?)ルーツを訪ねるとそれはもう、日本不美人史です。恐いです。凄いです。私の三人の姉といい勝負です。

今年の初め、谷崎潤一郎の「細雪」を読みました。こちらの四姉妹はきっと鏑木清方や伊東深水が描く様な美人だったのでしょうね。かなり長い小説でしたが、絶品の文章心地よい読後感でした。


ちょっとある事で、コシノ家のファッションを調べました。色、ライン、カット、プライス。結構、中々なんです。あの鳩山幸さんもご愛用、四人が海外でショーをやっているDVDも見ました。絶句。でかい、厚い、太い、ズングリ、もう一歩で天童よしみに重なります。青山骨董通りにある友人がいる会社の一階にヒロココシノのブティックがあります。

おっ、このセルリアンブルーのジャケットいいジャン。これ着て似合う女性はかなりの美人じゃないと駄目だな。値段は十一万八千円(確か?)か(別に買いませんでした)。コバルトブルー、ヴィリジアンブルーの使い方とグレーの組み合わせはいいなと言いながらも、あの顔と顔と顔が私を襲って来ました。かなりブルーな恐怖です。

刺青を織り込んだ様など派手のセーターを着た親分、いや若頭、いや幹部風のお兄さんが、お前あのブルー良いじゃねぇか、ヨォ、どうだい、なんて金の指輪だらけの手でウィンドを叩いてました。全然似合いそうもない女性でした。待ち人が着たのでその後どうなったかは判りません。


ちなみにコシノ家の様な顔は学術的に言うと、遥か数万年前アフリカ大陸で猿から進化して生まれた人間が、アフリカ系、ヨーロッパ系、アジア系に分かれました。アジア系は主食マンモスを求めシベリアの大地に向いました。極寒の地で人間は進化しました。凍傷から身を守るため、手足は短く体はずんぐりとなり、目尻は細く唇は太く厚く、口は固いマンモスの肉を噛むために大きくなり、下顎は力強くなりました。と、まぁコシノ家は正当なアジア人と言う訳です。どんどん優秀な人間を残して欲しいと思うのです。私も人の事を言える様な姿形ではありません。正しいアジア系です。

紫式部なんかもの凄いアジア系であったという学説があります。美人へのコンプレックスがあの王朝絵巻を生んだのです。


もっとも学説は当てになりません。誰も本人に会っていませんから。

2009年12月3日木曜日

人間市場 椿市篇

私の家に坪庭がある。(二坪位)

実生(みしょう)、椿の実が落ちそこから新しい椿の木が生まれる事を言う。と長いお付き合いの庭師のおじさんから教わった。数木ある寒椿が咲き始めて目を和ましてくれる。椿は別名、首切り花とも言う。ポツンと落ちるからだろう。一木の牡丹がある。一年毎に、二輪見事に咲く。牡丹は崩れ花。バサッと崩れ落ちる。二本の梅の木がある。二十年前母が家に来た時、一緒に植木屋さんに行って買ってくれた。親指ほどの太さだったが今では立派な梅の木になり、美しく花を咲かせ、又、たくさんの梅の実をつける。毎年それで梅酒を作る。家ではおばあちゃんの梅の木と言っている。梅は飛ぶと言う。菅原道真の東風(こち)吹かば匂いをこせよ梅の花、から来たのだろう。春風と共に花は飛び去る。

一本桜の木を植えたいと庭師のおじさんに言ったら、家に桜は縁起が悪い、桜は散るからだと言う。お城や学校や公園や川べりなんかに植える木だと言われた。


二年前友人夫婦と吉野の山桜を観に行った。少し季節を逃していたが、それはそれで風情があった。坂口安吾の「桜の花の満開の下」を読んだ事があったので、ぜひ観たかった。薄曇りがかえって、夢幻の世界を生んでいた。同じ桜が咲き誇るではなく、一本一本がそれぞれ個性的な色香を出し、それが西行の詠んだ歌の見事を証明する。小説では確か、吉野の桜の下を通ると人間の気が狂うと書いてあったと思う。篠田正浩監督で映画化され、主役は都の女性が岩下志麻、山賊が若山富三郎であった。その舞台となった寺があり、実にいい。特に壁画がいい。その庭にある桜の木が又、いい。能の世界がこの寺にある。闇があり、滅びがあり、秘があり、密があり、血の臭いがある。これ程光が似合わない寺も少ない。


更に山の上には、誠に小さな一つの庵がある。吹きさらしの佇まいである。畳にすると二畳程であろうか、西行がここに二年ほど住んでいた。西行庵という。そこから吉野の山々、木々の変化を目に憶えさせ旅に出た。命を懸けて想う一人の女性の為に。一度ぜひお勧めしたい。


さて話を実生に戻す。私の命も親が落とした一つの命である。親木の様になるには私はいささか劣等である。私の実生たちが立派に育っているのが救いである。

2009年12月2日水曜日

人間市場 孫市篇その2

愛する孫が少年野球のチームに入った。小学1年生である。

日曜日の朝から昼まで、又は午後1時から4時まで練習したり、試合形式をする。孫は一番チビである。熱心な大人が監督、コーチをする。優しい人たちだ。当番のお母さんたちがおにぎりや、お茶を用意している。1軍、2軍、合わせて40人位いる。

若かりし頃、私の家の前の公園で息子に野球を教え始めた。もっと、もっと、もっと、とせがまれた。上から投げると打てないので、下からボールをトスした。

おっ、なんだあの黒い固まりは、と思った。丁度、中位の火針位の大きさだ。何だろうと見ていると、その中からポコッと白いボールが出るではないか。丁度私が息子にトスした様に、ポコッ、ポコッと3メートル位先から打者に向かって山なりのボールが出る(投げるのではない)。孫たちは、それを打って走る。いいぞ、いいぞと監督さん、空振りしても、いいぞ、いいぞとコーチさん。ホメまくる。決して怒らないのだ。息子から、余計な事言わないでよと言われていたけど言うまでもない。良い教え方だ。私としては、ただ応援して手を叩くだけだ。その昔、息子を少年野球に入れるかと見学に行った時、あんまり細々注意ばかりし、怒ってばかりいる監督やコーチを見て、オイッ、コラァー、ボールの握り方、バットの持ち方、ちゃんと教えてんのか、何で子供にバントなんかさせんだ。いちいちサインなんか出すな、スクイズなんてやるな、と言った事を思い出した。思えば若かったんです。

で、息子は入れませんでした。体が小さいので、肘や肩を壊させたくなかったのです。中学から野球を始めた息子は、朝練、猛練、熱練、激練を休む事なく頑張り通し、2番、2塁のレギュラーとなり、22年ぶりに優勝しました。体調を壊していた私も、10日間応援しました。ダイクマで200ミリ望遠レンズ付き一眼レフを買いました。

今では息子が、息子の息子に野球を教えているのです。私、グランパはトスの機械になっています。孫からちゃんと投げろと叱られます。

2009年12月1日火曜日

人間市場 ジム市篇

丸まる太った女性、まるで黒い大木。乱れ髪から汗が吹出る中年女性。鉛筆の様に細く折れそうな女性。口が浅利の様に開く女性。右手をぶらぶらさせる女性。花柄のフリルをいつも着ている女性。マットの上で絞め技をやっている女性、等々。この女性たちは、私が通っているスポーツジムで日々いい汗を(?)流している女性。

重量挙げ、ランニング、ウォーキング、自転車漕ぎ、ペダル踏み、レスリング、ボクシング、バレー、格闘技、エアロビクスなんかをガラス越しに見るともういけません。

鰺、秋刀魚、馬面(カワハギ)、辰の落とし子、鯨、たらば蟹、マンボウ、まるで江ノ島水族館の如し。

中、高年の女性がハイノ、ハイノ、ハイノ、ハイノ、ハイ。恐いですね。凄いですね。

ジムに通う事15年。未だかつて一人もいい女性、ああ、あの女性来てっかな、という女性に会った事無し。つまんねぇのばっかり。

今度は気持ち悪い程日灼けしたおっさん。とんでもなくでっかい掟破りの巨根の兄ちゃん(ちゃんと隠せよ)。洗濯用具を持ってくるおじさん。気が狂った様に走り続けるメガネの会社員(だと思う)。走り終わった後、馬鹿丁寧に器具を拭く肩に刺青入りのお兄さん。携帯を掛けながら自転車漕いで叱られた入門者。

その人たちのあだ名を付けていこう。楽しいな人間は(?)。

時速6kmで1時間。シャドーボクシング3ラウンド、サンドバッグを2ラウンド。これが、私。誰かに見られている気がすんな。あだ名を付けられてんだろうな。

おっと、杉山愛ちゃんがやってきました。グレートムタがジャグジーに沈んでました。一緒に入りました。

2009年11月30日月曜日

人間市場 報道市篇

この国にはジャーナリズムという墓場があって、ジャーナリストという人々が死骨となって埋まっている事は知っています。

かつては、福地桜痴、宮武外骨、黒田清、大宅壮一、大森実、本多勝一、本田靖、児玉謙次等が私のリスペクトの対象でした。現在では、立花隆さん。何しろ大長編の「天皇と東大」を一年がかりで読んだ位ですから。作家ですが、辺見庸さんは殺気があります。又、写真家の藤原新也さんは妖気があります。本日は、この国の政治を的屋のタンカ売りみたいにし駄目にしている、もしくは政治を暗くしている、又、政治を無知化している三人について話そうと思います。


一人はご存知、田原総一郎氏。まるでテレビゴロみたいな人。国民の一票の価値で選ばれた国会議員を、大臣を、幹事長を(他のヒラ議員なんか当然)怒鳴る、机を叩き、喚く、馬鹿にする。自分の選んだ財部氏とか高野氏に話を振りながら、もういい、と言って話を切る。朝日新聞の星浩さん(この人は朝日の唯一の良心です)の話を切る。だったら一人でやればと思う。政界や政治や経済を挑発する。テレビという「公」を私物化している。自分の主義主張がまるで見えない、向う傷を受けない、左なの(?)右なの(?)中なの(?)。

国会議員の先生一人位は、馬鹿者!不届物!と、水をぶっかける位していいんですよ。民意の代表ですから、私たちまで怒鳴られ、馬鹿にされた気になっているんです。


二人目の人は古館伊知朗さん。この間の放送で驚きました。ゲストに呼んだ政治家と経済人に、持ち前の正義の押し売り、国民は、庶民感情は、弱者はと、口角泡を飛ばす。その時、お相手の二人が正論で応えると、あろう事か興奮して、「私は政治も経済もプロじゃないんですよ、しっかり応えて下さい」だって。高いギャラ貰ってるんだから、もっと勉強しなさい。しないなら司会者に徹しなさい。少しは高いギャラの一部を恵まれない人々の為に使いなさい。


三人目の人、後藤謙次さん。又の名を、赤坂次郎とかいう説もあります(?)。黒くて厚い唇が不気味な人。明るい所が似合わない、政界を裏からしか見ないから何しろ暗い。出て来ただけで、この国に明るい政治は無いのではと思ってしまう。個人的には、あの黒田清の下で勝負していた、大谷昭宏さんがいい。ヤニまみれの歯から出る言葉は鋭い、煙草が値上がります。

禁煙をして下さい。

大嫌いなのは政治アナリストの伊藤惇夫、うがった見方しかしない。

もっと世の中を正面から見ろと言いたいのです。

2009年11月29日日曜日

人間市場 比較市篇その2

いよいよ司馬遼太郎の「坂の上の雲」か。


思い出すな。ホテルオークラ1Fのスチームバス。よく会ったな。今はありませんが、その頃あったんです。四部屋(オークラですから変な事は一切なし)スチームバスに入ってたっぷり汗をかいて、垢をこすってもらう。その後にベッドの上でマッサージ(パウダー、オイルを選べる)。


開高健の名作に「玉砕ける」というのがあるが、その通り、信じられない位垢が出るもんなのです。女の人が(美人は居ません)お客さん、ホラこんなになんて言って我が身の垢を見せられます。「玉砕ける」です。勿体ない気もします。


隣に入ったの、司馬遼太郎先生では。そうです、長く泊まると毎日来ますよ、優しいお方ですよ。そうか、俺は今大先生と同じ裸仲間か、なんて思いつつあまりの気持ちよさに眠ってしまうのです。

こんな夢を見ました。あなたは司馬遼太郎派、それとも山本周五郎、池波正太郎、藤沢周平派。そんな問答を長屋の大家さんと将棋を指しながら話してます。
私は、一、山本周五郎、二、池波正太郎、三、藤沢周平つまりは市井の民派と言う大家さんは司馬遼太郎、つまりは英雄、豪傑派。
私は、司馬さんは女を書かないでしょ。成功者しか書かないでしょ。話が講談ぽいでしょ。あの小林秀雄が女を書かないのは小説家じゃないって言ってました。同感です。司馬先生は歴史家なんです。「街道をゆく」みたいなエッセイは抜群ですがね。
それにあの人、好き嫌いが激しいでしょ。と、相手は怒鳴る。判った、じゃ読むの止めなさい。いやほとんど読んでますよ。じゃ好きなんじゃないの。別に嫌いじゃないです。でも、少し書き過ぎ、話作り過ぎなんだよな。その点、山本周五郎は情緒と裏切があるし、池波正太郎は、「人間の業と性分」があるし、藤沢周平には「淡さと純情」があんだよな。それから山田風太郎最高だよね。


出来たら、司馬遼太郎の官能小説を一度読みたかったな。

「坂の上の女」とか、「菜の花の女」とか。お客さんいつまで眠ってるんですか、時間ですよ。
おっ、夢見てたか。あの頃のスチームバスが恋しいな。

2009年11月28日土曜日

人間市場 尊敬市篇

人間はいかにして生まれ、育ち、進化し、変化し、突入を企てる人間になるか。

それを体現している男がいる。その男の名は、江頭2:50。
芸名からして怪異であるから、その姿、その行動も奇怪であるのは当然であり、国をも巻き込むその行動は科学的に証明される事は、ほぼ永久にない。薄い髪、少ない胸毛、細い体、膨らみのないお尻、光る黒のスパッツ、妖しく光る目、口から飛び出るヨダレ、全身にほとばしる汗、人を見ると追い駆けるその無目的かつ無法な行為と突如性に、人々は逃げまどう。

社会全体が拒否をする。群衆は恐れおののき、絶叫をあげる。ヤメテェ〜、ヤメロ〜、グワァ〜、キャ〜となる。芸のない凄い芸人なのだ。ただ走って、追っかけて、飛び込んでそれでギャラを貰っているのである。


ある日若い女性たちに、君たちエガちゃんと一緒に寝る気ある?と聞いたら、一人は一億貰えたら考える、一人は絶対嫌、一人は死んでも嫌、一人は舌噛んで死ぬ、一人は触られただけでも死ぬ、などと言いました。
それじゃ、今度エガちゃん呼ぶからなと言ったら、えっ、ホント?呼んで、呼んでだって。
江頭2:50はスーパースターなんです。
私は大ファン、死ぬ程大好きです。こういう人を私は大尊敬するのです。絶対勝てません。


もう一人、私が大好きなのが阿呆の坂田こと、坂田利夫師匠です。大阪に行くと決まって花月に行きます。入り口の上の壁に(金)マークの師匠が、手を叩きながらおまちどぉ〜さんと言ってくれます。それだけで、私の目はウルウルするのです。馬鹿と阿呆に勝てる人はいません。

近々一献交わす機会があるかもしれず、胸がドキドキしています。

2009年11月27日金曜日

人間市場 恩人市篇

NHK9時のニュース、高校野球、ボクシングの世界タイトルマッチ、そして水戸黄門。

この世を去るまでこの四つを欠かさず見ていた老人がいました。

その人の名は、松下幸之助翁です。晩年は狭い病室の中に色んな試作品を広げていたそうです。

最後まで発明していたのです。特に黄門様が印籠を出すシーンが大好きだったとか。

丁稚奉公から家庭電器という世の中を作った。二股のソケットを開発。ある人にこれどうでっか、と見せたそうです。それを手にした一人の男は、直感的にこれは売れる、そう思い投資を決めました。世界のナショナルの初めです。決して忘れなかった幸之助翁は生涯その人を恩人と思い続けたそうです。

さて、井戸を見つけた人、井戸を掘った人、井戸の水を飲む人、三者三様があると言います。又、籠に乗る人、担ぐ人、その又草履を作る人と言う言葉もあります。何が言いたいか。それは、あまりに目先の事に心を奪われて、大切な恩人の事を忘れていないか、不義理をしていないか。一人で成功した人間はいないのだよと言いたいのです。

今年、恩人たちを何人も失いました。又、恩人たちが生死の間を彷徨っています。自分にとって一番の命の恩人って誰だろう。当然親です。命を生んでくれた人ですから。親孝行しなかったな、年の瀬が迫ると毎年こんな心境になるんです。大きな家に住むんじゃない、のが親の教えでした。私は、立って半畳、寝て一畳これをモットーにして来ました。

ちなみに私には寝室はありません。食事をするテーブルの横下にマット一枚と毛布二枚で寝ています。2階から運んで来ます。毎日、自分で寝床を作ります。自分で敷いて、自分で畳むのです。畳んだら小さな箒で掃除をします。寝床の部分しかしませんが。

で、なんで孝之助翁が黄門様の印籠のシーンが好きだったか、想像しました。きっと、94年も人生やってきて、あんまりの人間のセコさ、悪さ、ダラシナさにホトホトうんざりしたんじゃないでしょうか。お前らこれが目に入らないか控えろと。側に助さんと格さんがいたかどうかは判りません。

我が家で今なお活躍している電化製品にはナショナルの文字、地デジだが、イボ痔だか知らないが、まだ写っているのに取り替えろとか、気に入らねぇことこの上なしなのです。

小さなテレビは俺の大恩人なんだから。40年前私に初めて仕事をくれた恩人が今、10時間の手術を終えて病床で戦っている。40年前から共に戦って来た親友が、大手術をしたばかりだ。私に歩くことを勧めてくれた男だ。ハーレーダビットソンが大好きな、男。もう一度乗せてあげたい。富岡八幡宮で病気平癒のお守りをもらって届けました。黄門様の印籠の様に悪い奴を退治してくれるといいのだが。

2009年11月26日木曜日

人間市場 不動市篇 

私は、正確には私たちは今、不動裕里選手を愛する会の結成を考えています。

WHY。何故か。それはなんと言っても不動さんが(慣れ慣れしくてスミマセン)あんまり美人でないから。勿論強いから。

不動産屋じゃなかった、不動さんは永久シード選手、通算勝利46勝、6年連続賞金王、通算獲得賞金一位。文句あるの?誰もないでしょう。私大好きなんです、不動裕里さん。どの選手からも一目も二目も置かれる選手なのです。近頃は、すこぶる美人、可愛い、グラマラス、キュートな女性だらけ。中には上田桃子なんていうでっちりのマナーの悪いのもいるけど。ファッションだって、みんな派手、派手。パットラインを読んでいる時なんか、テレビカメラは下からズームアップ、ほとんど覗く感覚。横峰さくらさんなんか、丸見え。

女子ゴルフは、中年オジサンの目の保養の場。ショットする度に、ブルルン、ボイイン、キュイインだって。ふしだらな人たちです。(ケーベツします)

その点、我等が不動産は、じゃない不動さんは、地味、地味。そのまま畑の中に入っても全然大丈夫。

手を広げてじっと立っていれば立派な案山子。この頃の食生活では、不動さんみたいな美人は中々作れない様です。医学的には美人なのです(?)不動さんが勝った日はみんなで乾杯です。不動産ブームはもう来ないでしょうが、これからはもう一度不動さんブームです。

2009年11月25日水曜日

人間市場 値踏み市篇

ある有名な料亭の若女将(貴品ある美人)から聞いた話です。下足番の人はお客さんのセンスを、傘と靴とコート、マフラーで見分けるそうです。

女将は、座敷に上がったら、脱いだ上着と靴下でそのセンスが判るそうです。又、水やお酒など、ついこぼした時、ポケットから何気に出すハンカチーフでその人品骨柄が判るそうです。足の組み方、足の出し方、お酒の飲み方、注ぎ方、心付けの額(多ければいいってもんでもないのです)その出すタイミング、話の内容、話し方、聞き方、笑わせ方、笑い方等々。聞いていたらそんなキュークツな処行けるかよって事になりました。

そうでしょ、だから来ない方がいいだって。

こうやって安い店でお茶漬けを思い切り音を立てて流し込む。黄色いお漬物をいい音立ててポリポリ食べる。それが一番だと。何しろお安いしね。女将さんが言うにはお客さんで一番人気があるのは。

お相撲さん

噺家

歌舞伎役者

人気が無いのが

芸能人、タレント

スポーツ選手

官公庁役人系

卑しいのが

評論家関係。

警察関係

教育関係

変わらぬお得意様は、政治家(この頃めっきり少ない)経済人(この頃すっかりショボイ)、成り上がり長者系(この頃あんまりいない)番外がヤッチャン系、凄くいい人と、凄く恐い人に別れる。

女将さんの、個人的に絶対嫌いな人は、靴がクラリーノとかハッシュパピー、靴下にワンポイントマーク、傘がビニール、コートがコナカ、スーツが青山、ワイシャツがアオキ、インナーがBVD(何で知ってるの?)、ジーンズやシャツがユニクロ、ハンカチーフがコンビニ。

ONでもOFFでもそんな男に触られたら舌を噛んで死ぬと言ってました。顔の手入れが悪い、歯が汚い、論外は足が臭い。

一緒にお茶漬け食べていたら不味くなって来ました。

俺、今日帰るわ、お先に、でした。

後日、その女将とコーヒーを飲んだ日。

喫茶店の中である渡世人の親分が、若い者にこんな風に怒鳴ってました。なんだそのナリは(身なりの事)、スヤイ(安い)ナリしてんじゃネェ。そのゲソ()はビニールか、エッ、クスブッタ(しけた)ナリすんじゃねぇ。

俺らの稼業はナリが器量の内だ。マルイや、ユニクロなんかで買うんじゃねぇぞ。なんだ、手前は、お札を三ツ折なんかにしてんじゃねぇ。リーマン(サラリーマン)じゃあるめぇし。三ツ折にした札でバクチが出来るか、アホ。

お前カードは何を使ってる。オリックスです。お前は、ニコスです。お前はユーシーです。お前は、ぴあです。駄目だ。見込みねぇ、堅気になれ。いいか、スーパー、コンビニ、ユニクロ、そこに入ったらエンコ()詰めんぞ。判ったか、若いもの。

ハ~イ、ヘ~イ、ファ~イ。やっぱ駄目でしょう。

2009年11月24日火曜日

人間市場 野次馬市篇

自民党政権。

半世紀、(途中十ヶ月位中抜けしたが)それが崩壊、民主党政権へ。

日本国という体は、超メタボ、高血圧、高脂血症、高尿酸、高血糖、足腰衰弱、脳内老化、精神鬱屈、痴呆症、体中には末期の癌が転移。人間で言えばボロボロの体。そして遂に民主医院登場。日本国は即入院。

小沢理事長、鳩山院長、菅副院長、渉外部長平野。藤井、岡田、前原、長妻、赤松、仙谷、原口等々の医師団治療開始。他院から亀井(静)医師、福島医師。

手術前に、カンファレンス。ここをこう切って、これとこれをこう繋いで、ここは取り除きと、マニフェスト片手にご説明。全治の予定は四年です。

手術室の赤いランプが点いて手術開始。

朝日、読売、毎日、日経、産経等は民主嫌い軍。

廊下で待つは、大マスコミ、中マスコミ、小マスコミ、政治評論家、御用学者、コメンテーター、レポーター、エコノミスト等々、重箱の隅つっつき隊、針小棒大作成隊、マッチポンプ放火隊。早く政権帰り隊。

田原総一郎(騒がせ隊)・古館伊知朗(正義の押し売り隊)・後藤謙次(裏話ヒソヒソ隊)テリー伊藤(出たがり隊)・小宮悦子(鼻声隊)・安藤優子(お化粧直し隊)吉永みち子(四角い顔隊)・江川紹子(オウム反隊)・田勢康弘(根暗隊)三反園訓(国会トリビア隊)・小谷実可子(ジジ殺し隊)・和田圭(指組み隊)村尾信尚(いなくてもいい隊)・金子勝(苦虫つぶし隊)・岸成格(ノンポリ隊)鳥越俊太郎(不死身隊)・ミヤネ屋(カンペ見隊)・太田光(勘違い隊)三宅久之(もうすぐ終わり隊)・福岡政行(早く選挙し隊)・上杉隆(ネタ売り込み隊)落合恵子(頭髪まだら隊)・大下英治(影の軍隊)・江上剛(本売り隊)等がウロチョロする無責任で言いたい放隊が今か、今かと、待ち構える。全治は四年間と言われたのに。婦長さんに少し静かにしなさいと怒鳴られるも平気の平佐。

いないなジャーナリストが。全然体張っていないもんな。一言居士、なかにし礼・ビートたけし・黒鉄ヒロシ。私が認めている唯一のジャーナリスト尊敬隊は立花隆。(順不同、敬称略)私が個人的に一番気に入っているニュースキャスターフジTVの秋元優里(いいですね最高隊)。

手術開始二ヶ月、まだか、まだか、ちゃんとやってんのか、腕が悪いんじゃねぇか、寝不足じゃないの、口ほどでないんじゃないの、で、やんの、やんの。閣内不一致、言行不一致、金脈ハッキリせい。ああしろ、ああすればこうでなきゃとウルサイ事、ウルサイ事。廊下トンビがあっち、こっちで、昔自民党支配下だった時は甘い汁がたっぷり吸えてよかったよなと懐かしむ。ジャンジャン騒がないと視聴率稼げない、新聞売れない、雑誌も売れないからと。

あれっ、長嶋一茂がテレビかなんかで一丁前にああしろ、こうしろ、のりしろ見たいな事をのたまわっている。この出来の悪い息子程、長嶋茂雄利権で生きているのはいない(本人は何も出来ないんです)。ミスターをあんな体にしたチョー本人。君はそんなエラソーな事を言うんじゃないのってテレビに向って文句を言いました。

ポケーっと目と口を開いていました(聞えてないけど)。

この国の民は、じっと待つという事が出来ない特殊な国なんです。

私は別にどこの政党にも組してませんが。コペルニクス的大変化をしている状況は判っています。四年間、待つかどうか判りませんがお手並み拝見です。

政治が安定するには、あと総選挙を二回か三回そして、自民分裂、民主分裂、小政党は共産党を除いて消滅。そして、初めて二大政党制が生まれると見ているのです。

公開裁判の様に硬派、蓮舫さん。ビシバシ事業を仕分けています。

この方の選挙を五年前相談を受けました。仙谷由人先生、手塚仁雄先生、ご主人と一緒にその場でママフェストを提案しました。即断しました。実に切れ味の鋭い、頭のいい女性です。この女性が、嫌われれば嫌われる程無駄金が出て来ます。

昔、ニュールンベルグ裁判、そして東京裁判、今、体育館裁判。歴史に残る一歩である事は確かです。五十年余分のホコリをたたいて出して下さい。体育館一杯分は出るはずです。

さてあなたはどこに入り隊ですか?

2009年11月23日月曜日

人間市場 舟盛り市篇

土曜の昼、親友と今日何すると話す。
天ぷら、中華、デニーズ、喫茶レストラン、日本そば。辻堂駅にはこれ位しかない。
う~ん、先週日本そばだったよね。少し歩くけど、小さな店だけど結構美味しいイタリアンあるよ。
パスタとピザでビールはどう?
イイですね、それにしましょうよと海岸に向かって歩き出す。

徒歩十五分、気分軽やかに到着。ここ暫く来てないんだけど、看板変えたんだなと言いながら、バァ~ンとドアを開ける。
アレッ?何ここ、何この変なニオイ。黒い服を着た男と女が、あんたこそ何、ここを何処だと思っているのと睨みつけられた。その瞬間パスタとピザとサヨウナラです。
変わっていたんです。ヘアーサロンに。失礼しました、すみませんと店外へ。何しろ店がどんどん閉まって色々に変わるんだよね。

どうすっか、暫く立ち尽くし、あっ、そうだ「伊勢屋」がある。頭の中は、あの味、あの料理。今日は刺身でどぉ?とかなり消極的に「伊勢屋」にしようとなり、トボトボと今来た道を戻る。

入り口に何となく立つ。自動ドアが何となく開く。えらっしゃ~いとおばさん五人。
お客さんは七分の入り、十五人位。真ん中に四角大きなテーブルがある。角々に、満貫ありだよ、とコーナーに座る。昼のメニューが黒板に白墨で書いてある。一番高いのが、お刺身舟盛り、千二百五十円。
まずは、生ビールと小で行く。次に舟盛り、鯵のたたき、イナダの煮付け。親友は、鶏の唐揚げ定食、ご飯半分。すみませ~んと新人風のおばさんにオーダー、ビール急いで。で、来ました。
一気に飲んで、冷酒一合ずつ。ここまでは消極的ながらも、ビールが入って少し積極的になる。ここの舟盛りは結構いけるよねと前回のイメージを思い出す。

来ました舟盛り。何、何これ。マグロ赤身二切れ、タコ二切れ、イナダ二切れ、カツオ二切れ、イカ少々、シラス少々。スカスカじゃない。麻雀で言えば二個二個じゃない。(私は怒っている)
おばちゃん、昔は舟盛りらしく舟から魚が溢れていたじゃない、と言うと周りのお客さんもよく言ってくれた、その通りと目配せしている。おばちゃんはしかられた生徒みたいにしょんぼりしている。そこへ、へい、おまち~と別のおばちゃんがイナダの煮付けと、鯵のたたき。何これ、イナダ細いじゃない、お皿の上で泳いでいるよ。鯵のたたき、骨ばかりじゃん。一匹使ってないんじゃないの?単品で頼んでいるんだよ。メンタンピン。ギャグがわからないおばちゃん、しょんぼり。

親友に、ゴメンね期待はずれ、昔と違うね。そうですね、かなりリストラ料理になりましたねと親友。
前は舟盛り出たときウマァ~って感激したもんね。鶏の唐揚げに期待して、と冷酒を飲む。
世の中世知辛くなったね、全く。
そこへ、おまち~と唐揚げ定食。味噌汁、お新香(きゅうり三切れ、大根五切れ、にんじん三切れ)ど~んと唐揚げのはずが、とんと位。アレッ、少くねぇじゃん、全然。数が減って、なおかつ小さくなったね。
おかず足りる?何か頼むかとカツオとシラスを単品オーダー。おばちゃん単騎待ちだよと言うと、やはりギャグが通じない。
以前いた、明るくキビキビ働くおばさんはいなくなったし、凄い出っ歯のおばさんもいなくなった。
結構ギャグが通じたんだけどね。

ところで、親友何かいい企画出た?
親友ポツリ、こんなのどぉでしょう。直感ビビビビー、イケル、素晴らしい。
イケルよ、明日丁度出版社と打ち合わせするから話をするよ。後でFAXで。
次の日そのFAXを出版社に説明、尊敬する編集者、イケル、イケます、イキましょう。
で即決定になりました。

日本初の本が出ます。あった様で無かった本です。乞うご期待。来春出版します。
気の早い編集者、ヒットしたらパーティーどこにしましょう。何て言いながらお帰り下さいました。
親友に電話、決まったよ、書き始めようと、満貫を目指す約束を心に期するのです。

ちなみに「伊勢屋」は、東海道線辻堂駅南口、駅から海岸に向かって徒歩五、六分です。
きっと期待に応えてくれます(?)

2009年11月22日日曜日

人間市場 映画市篇

ある日の夕刊、映画の広告ずらり。
大ヒット上映中、絶賛上映中、全米No.1ヒット、感動、感激、泣けた、笑えた、涙が止まらなかった。
衝撃的結末、愛が命を救う、構想二十年遂に完成、ここに人間の未来がある等々。
毎度お馴染みの言葉が目に飛び込んで来る。

政治の世界では、劇的に変化が起きていても、映画界は百年一日の如く変わらない。
ところが、映画館に入るとほとんどガラガラなんです。興行界では、お客を呼ぶ為に誇大広告は当たり前なのです。
構想二十年は、二十年前に作りたいな、と思った事。試写会でのインタビュー、最高でした。涙が止まりませんでした、等はほとんどヤラセ。
のりぴー裁判の傍聴券を手にするために徹夜で並んでいる人のほとんどが、その道の手配屋さんがバイトで雇った人。だからみんなコンビニの白いビニール傘。
芸能人や、有名人の出版サイン会に並んでいる人もほとんどヤラセなのです。
映画の興行収入は話半分、総制作費も話半分か、そのまた半分。

ある日、好奇心が強い私は、顔見知りの映画館主とお茶を飲みました。
館主はみつ豆を食べながら言いました。

問:なんで、ガラガラ十人しか入ってないのに大ヒットなの?
答:まぁ、一人も入らないんじゃネェからって思った位つまんネェものだから、十人入れば大ヒットよ。
問:誰が絶賛してるの
答:何でもヨォー、映画評論家がなんか、安いので一万、高いので三万も出せばオンの字でチョーチン記事を書いてくれるらしいよ。ただで観に来てんだから、ちょっと観て直ぐ帰っちゃうよ。まぁ、つまんねぇ映画を一日に三本も五本も観るから、大変らしいな。

で、今度はあるスポーツ新聞の映画関係の記者とコーヒーを、記者さんはビールでした。

問:あの映画の入りどうよ。
答:駄目、全然。大体一人で製作、監督、脚本をやったのが成功した試しはなく、まぁ即死じゃないの。
今の映画界は老人とシニアとオバサンと子供連れ、水曜のレディースデー。これしか入んない。
終わってんね。マンガの原作物ばかりだもん。
問:ところで、俺、こんなの作りたいんだけど。どぉ。意見聞かせてよ。
と、問いかけると。
答:・・・・・・・・・・・・・ビールもう一本いい?

だって。

2009年11月21日土曜日

人間市場 焼物市篇

友人夫妻が主催する陶芸教室の展示会に行った。
この二人は凄い作家夫婦で、先年、自分の家を丸ごと焼いてしまった。
家の中に電気の窯を設置してあり、月に一度火を入れる。そこから出火したらしい。夜中に紅蓮の炎が上がり辺りは騒然。このご夫婦は、平然とゴムホースの水をチョロチョロと出していたそうです。
決して慌てずの姿勢に、流石焼物をする人と評判になったとか。
大きな住居、その隣のアトリエ、立派な茶室、見事な水屋、作品の展示室。
みんな灰になりました。

教室を開いて今回で十五回目。
初めの頃は、工作の作品の様だった生徒さんの作品もすっかり拡張が漂い、色彩は微妙に色香を出し、美濃、瀬戸、信楽、備前、大あり、中あり、小あり、円あり、長あり、四角あり、片口等の作品群は一人一人の個性を十分すぎる程発散している。魯山人風もあり目が止まる。
私は、常軌を逸している色や形が好み。毎回楽しみに狙った品を探す。
家族同士のお付き合いをかれこれ三十年させていただいている。

先日、自分の書いた文字が見事に仕上がった。知り合いの会社の社長へ贈った。
土をひねっていると、日頃のひねくれた心がすっかり土の中に消えるそうです。私も誘われているのですが、ひねくれ過ぎて駄目です(私の想像です)。

その日は大盛況。私は手びねりの効いた長皿を二枚、薬味入れ、女性のお尻の様な一輪挿しを手に入れました。近頃、自分がひねたと思った人は、土を友達にして下さい。
湘南陶舎へ是非ご入会を。先生は中井康雄さん、昌子さん。素敵なご夫婦です。


青森県に竪穴住居発見。でっかぁいどう北海道。
だぁ~と、だだっ広い、正しくは何も無い広大な畑の中にあります。
縄文時代の物と同じ形です。ここの主は、陶芸家の一戸広臣さん。しろき庵の主です。
ここにご自身の作品を展示している素敵な展示室。ご夫婦と両親が住む居住。これは竪穴ではありません。
二つの大きな窯。一戸先生が焼くのは、縄文焼き。私は縄文大好き人間。
この日は三内丸山の遺跡を友人と観て、十三湖でしじみらーめんを食べ、でっかいね、ここのしじみ。とアサリみたいなしじみを楽しみました。
先生の処に着いたのは夜でした。真っ暗闇を走る事一時間。生きてる間に人には会えないんじゃないかと思う程、すれ違う光りも無し。遠くに家の光りも無くでした。

先生が大きな体に大きな声、大きい笑声で出て来ました。
可愛い奥さん、優しいお母さん、犬も猫も(確かいた?)総出です。
まあ、とにかく一杯と、かの竪穴住居の中へ。結構広いね、凄いね、いいね、いいなぁと大騒ぎ。
真ん中に当然囲炉裏。串刺しの川魚、奥さん次々とお料理。先生注ぎ注ぎ、とお酒を縄文ぐい呑みへ。旨いお料理、旨い酒、良い人、私は悪い人。極力いい人に会って、自分の汚れを洗ってもらうのです。家には一戸先生の花瓶、急須、湯飲み、片口勢揃いです。
十三湖のでっかいしじみ(奈良屋さんから)汁を先生の大きい湯飲みで飲む。

縄文人が見えてくるのであります。

2009年11月20日金曜日

人間市場 挾土市篇



人間はとんでもない人間に出会うとどうなるか。

そうですビックリするのです。若かりし頃、岡本太郎先生のお宅にお邪魔する事がありました。しばし応接室で待っていると、後から殺気、振り返ると、覆い被さるように両手を広げガバァ〜、芸術は爆発だ!風に現れました。

巨大な子供に出会い、予想通りビックリしたのです。太陽の塔みたいな物をお借りしたいと言うと、庭を指差し何でも持ってけ的発言。見ると庭中太陽の顔の彫刻類がゴロン、ゴロンありました。


来たる121日(火)より、一人の狂気の天才とある個展を行います。NHKのプロフェッショナルに登場し、その存在を知らしめた一人の左官職人と言うより新しい芸術の開発者です。例えて言うなら、棟方志功の執念と岡本太郎の熱烈と、ピカソの色彩躍動が一緒になった様な凄いオーラを発する男なのです。

その名は挾土秀平(はさどしゅうへい)。対した所は日比谷ペニシュランホテルのロビー又、男の本拠地、飛騨高山の山の中。職人社2F仕事場兼、アトリエ(作品ずらり)可愛い奥さん、ニッコリです。

「のたうつ職人」と自ら言う男は、話出したら激流の如し。目は血走り、声は窓も割れる如く大音響とどまる事なし。打合せ、顔合わせというよりは、厳流島の決闘の様であった。我々は武士と同じ、会った瞬間に相手の力を読み切らねばならない又、読み切られている。

左官の命は、土と水だと山を丸ごと買ってしまう。自分を土と水のソムリエと言う。自分の王国を作るんだと、山を丸ごと買ってしまう。全てが丸ごと山ごと感覚で事を進める。山の中にとんでもない洋館を自分とその仲間で作っている。建築の専門家も唖然とする、建築様式がその洋館全てに込められている。砂一粒、石一個、タイル一枚、木一片、一つ一つに執念がある。「新」が宿る。「魂」が具現化される。土を口に入れ味見する男。日本中の左官職人が固唾を飲む男。洞爺湖サミットでの作品、ホテル、プロムナード、一流レストラン、和食店、茶室、個人住宅、オリジナル風呂桶まで全ては画期的である。


先日、広告代理店の女性局長と突然会社に来訪。二時十分前、私は二時から打合せ。すでにゾロゾロ来た。でもお構いなし。

俺、職人初の個展をやりたいんだ。女性、急に決まったの、直ぐタイトル作って。

私のところ、こういう人が多いのです。う〜ん、と考えること七〜八分。もう他のお客二組来てんだよなぁ〜。う〜んと言いながら挾土秀平の顔を見る。

凄い殺気で睨んでいる。女性も。で「水陽」ってどうですか。俺は土じゃない、水を塗っているんだと言ったじゃないですか。天に太陽があるなら、地に「水陽」があっていいでしょう。タイトルは「土と水陽」展でどぉ。

二人の反応、凄〜い!いい、いい、いいよ、それで行こう。

この時二時十八分。じゃ、後があるので、後は文章書いておきます。でっかい体、黒の革ジャン、黒い髪を振り乱しながら、黒いライオンは唸り声をあげながら、お帰りになりました。

主催は、天才アートディレクターの青木克憲氏。場所は青木氏が展開するバタフライストロークの勝どきのアトリエです。この青木氏が又、野武士の如く、軍人の如く、静かなる感性の山脈です。いいアトリエです。ぜひ観に来てください。

左官職人初の個展

挾土秀平土と水陽」展

2009年12月1日(火)〜13日(日)※7日は休館日

開館時間11:00〜19:00 入場無料

場所:@btf

2009年11月19日木曜日

人間市場 お絵描き市篇

突然絵を描きたくなる。

絵を描く時はいつもそうだ。プロの絵描きさんは周到に計画を立てて描くらしい。

私はズブの素人、まるで無計画。

真夜中から朝までかけて五十号を一作描いた。今年に入って七作目。描くというより絵具を大量に無駄使いした。筆はほとんど使わずに描いた。絵具で一気に描いていく。

四年前恥を知らずに銀座で個展をやった。脳梗塞で倒れ、リハビリ中の友人(嘱託社員)を手伝わせ、多大なストレスを加えてしまった。言い訳がましく言うと、何か目的を持ってもらえば気が入っていいのではと思った。今でも絵を描く度に友人の顔が目に浮かぶ。ゴメンヨ、ゴメンヨと思いながら描く。本人とよく話した上だが心が痛む。

私の絵は頭の中に浮かんだイメージをどんどん描く。絵具は溶かさないで使うので二、三十本分が直ぐ無くなる。絵を描いている時は何も考えない。一心不乱。

脳の中がパレットになる。右手に軍手を付けて描く。左手は時々外す。

手の平で描くために、指で描くために。


十五年前、二年程プロの先生の教室に通った。

週一回(日曜日の朝)三時間位、小学生と一緒。大人は私一人。

何でオジサンはボクたちと一緒なのと聞かれたから、頭を指さしオジサンはここが悪いのと言ったら、八人いる子供たちが親切にしてくれた。私の目標は子供の様な絵だ。しかし、子供の絵には近づけない。発想力、想像力がまるで違う。

画廊を観て歩くのが好きだ。しかし、みんな似たりよったりだ。買って貰う事を考えて描いている。闇がなく、光がなく、性がなく、破滅がなく、歓喜もない。

芸術ではなく、技術だ。

個展の時に、先生とそのお仲間数人が来た。君の絵は究極の素人絵だなと評された。褒められた代物でない事は確かだ。今度の休みに絵具のバーゲンがある。(藤沢の世界堂)この頃はすっかり油絵描く素人さんがいないんですよとなじみの店員が言っていた。


子供がお絵描き教室に来ないと先生はこぼしてた。月謝が払えないからだと言う。

情操教育の無い国は必ず滅びます。子供はみんな天才です。辻堂どんぐり教室で調べるといいですよ。

先生の名前は田澤茂さん、青森出身お国訛りが優しいお方です。

先生の教えは、大きく描くんだよ。

色をいっぱい使うんだよ。それだけです。判ったか、ハァ〜イです。


私の友人、増田久雄さんが製作、監督した矢沢永吉のドキュメンタリー映画

「E.YAZAWA Rockぜひ観て下さい。1121日(土)封切り。

そこんとこ、ヨロシク!



2009年11月18日水曜日

人間市場 左々舎市篇



神田明神下に「左々舎」(ささや)という河豚ちょうちんを灯りにした店がある。

その昔、神田芸者の人が住んでいた処をそのまま使っている。


博覧強記の親友、加藤雄一さんに紹介してもらい、すっかり気に入っている。江戸情緒がそのままだ。激しく降る雨の中、明神様のお賽銭箱の横で人を待つ。お賽銭、奮発して千円。母の事、知人の事、親友の事を二礼二拍手一礼。

待つ事五分。おっ、来た。遠くから小走りに走ってくる黒のシルエット。身長一六五位。

近づけばやはり黒づくし、黒い髪、太いニットの黒ロングカーディガン、同じ素材のロングマフラー、黒系のプレーンなスカート(?)、グレーのVゾーンのセーター、形のいいバスト、銀のネックレス、この日の圧巻は黒のロングブーツ、エナメルの様に光る先が鋭いピンヒール、銀のベルト巻き式(?)歳は二十四歳。マイッタか、神田明神。恐れ入ったろ。(神田明神始まって以来でしょ)

超美人は一年に一度しか願い事をしないので、この日は明神様に手を合わせず。

いざ、「左々舎」の河豚だ、フグ行こうなんてダジャレている胸の内。急な階段を降りて、左に徒歩二分。鳩ポッポのような含み笑いに足許が滑る。


この店は、かの小説家山口瞳さんがこよなく愛したとか。先生の生原稿やら、色紙やらが変わるがわる飾ってある。

冬は河豚一式。夏は鱧しゃぶ、秋は鯛しゃぶとなる。

入って右にカウンター、五人位座れる。突き当たりの上りの座敷に、六人掛けのテーブルが二つ。左奥に個室。ただし襖は閉めない。四人掛け、芸者さんが使った三味線が自然に置いてある。カウンターの正面は、掘りごたつ式のテーブルが二つ、四人掛け。テーブルはそれぞれ大きい。

なんともいい人柄のご主人夫婦と一人の女性。この三人に会うだけでも行く価値有り。

時々娘さんがいる。親娘一族、祭りになると一変するらしい、三社命なんです。

その時の写真が数々、有名人、著名人の色紙がそれとなく、貼ってある。


先日ある代議士先生と行った時、お店は沈んでいた。何故ならいつも入り口で迎えてくれる愛猫が二十歳の生涯を閉じた。何でも、店の前で車にぶつけられたとか。地元の人なら、この猫の存在を知っているので車は徐行する。あくまで猫ちゃん優先だ。

よそ者が何も知らず路地に入って来たのだ。私が行った日は丁度四十九日。みなさんシーンとしてました。入り口の竹の長椅子の上に小さな赤い座布団が悲しく置いてありました。帰る時素敵な先生と写真をパチリしました。夫婦でピース。この日はかなり元気に回復してました。

話してた超美人を連れて来たよと言うと、まぁ~、なんてなんて美しい、とため息。

私の点数がぐ〜んと上がりました。

さて、食した品は、順次二人で、(小)生ビール、河豚づくしのオードブル、河豚刺し大盛り、河豚ちり。この間、ヒレ酒二杯ずつ、そして河豚のおじや。ここで私は、焼酎のロックスを二杯、抜群の味のお漬物。旨い、上手い、ウメェ~。もう私は汗だく。

相手はきれいな真っ白い歯を出して、鳩の様なこぼれる笑い声。

この女性には魔性があるのです。将来はある分野できっと世界に名を馳せるでしょう。

その時公表します。

夢とロマン、芸術と文学、旅と風俗、砂漠と荒野、都市と建築。話は弾みに弾むのでした。日本とは、日本人とは、密度はディープです。おじやを二杯食べて、お漬物食べて、デザートです。大きな栗の煮たものが一個。栗をすり潰して作ったアイスクリームがひと山。ほてった体に絶品です。

お勘定は二万四千二百円(税込み)。

今どき、高いと言えば高い。安いと言えば安い。でも、何とも言えないいい笑顔のご主人夫婦、それを見るだけでも、又、お店のしつらえ、雰囲気に触れるだけでも癒されるから、やっぱり安い。コースは七千円から。何しろ食の世界では鬼より恐い、かの佐藤隆介先生が、「左々舎」はいい、忘年会は決まりだと、命を下されました。

どうか、江戸情緒、神田の粋、絶品の笑顔とお料理に会いたい方、ご利用してみてください。期待を裏切ることはまずありません。

できれば美人と。あるいはそれなりの人と。