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2021年5月14日金曜日

つれづれ雑草「無用の用」

孫子はその兵法の中で、ドンパチやり合うほど愚かな戦さはない。戦わずして勝つべしと教える。即ち人の心の中を読む。人はその立場によって、心が揺れ動く。高い立場にいれば、さらにその上を目指す。あるいはその立場を守らんとする。孫子はその心を知略調略によって摘めよと教える。昨夜「その住人たち」というスペイン映画を見た。主人公の男は広告会社の重役であった。CM制作担当である。(クリエイター)家族の幸せ感や、人間の幸せ感を表現した作品をつくり、業界で名を成していた。高級レジデンスに住み、窓から外界を見下ろしていた。妻と娘がいる。こんなシーンから映画は始まる。とある大手広告会社で自身の作品を見せながら就職活動をしている。つまり失業中なのだ。面接をする相手は、その名をよく知っているが、あなたはもう古いのですよ、そんな対応をされる。一社、二社、どこでもそう言われて職につけない。主人公は、今の生活を維持して生きたい。妻との間にはスキ間風が吹いている。かつてアルコール依存症だった。失業が続く中引っ越しをする。安い住まいでの生活の中で、一人の男と出会う。そこは断酒会の場であった。男がどこに住んでいるかを調べる。そこには国内で二番目の大手運送会社の夫婦が一人娘といた。広大な庭園では庭師が日々手入れをしている。大きなプール付き。主人公は、一つの考えを持つ。この家族をそっくり手に入れてしまえばいいのだと。つまり邸宅の夫婦の間もうまくいっていない。出会った男は妻の父親の会社にいるので、ストレスが多くアルコール依存症になっている。暴力をふるったりして妻を傷つける。主人公は戦わずしてこの家族を手に入れるべき、調略をめぐらす。自分たち夫婦の関係を解消させ、狙った相手夫婦も解消させる。その妻の再婚相手は自分だ。この映画はシナリオが実に良い。役者の名は知らないが、いかにも策略家の味を出す。遠くから見ると幸せの見本みたいで憧れの家族も、ひと皮めくれば憎悪の館、殺意の館なのだ。変態の庭師はそれを知っている。もの凄く後味が悪く面白い映画だ。シェイクスピアの「オセロ」は、イアーゴのたったひと言の告げ口で、嫉妬の炎を燃やし亡びてしまう。人間とは業の深い生き物である。シェイクスピアの変わらぬ主題だ。現代社会では、ネットという告げ口が主流だ。姿が見えない分、イアーゴよりタチが悪い。「ブロークン・シティ/インフェルノ」という映画も見た。NYの市長選がらみの夫婦憎悪劇だ。アメリカ社会は全て、カネ、カネ、カネ、ワシントン・ポスト紙がIOCの連中のことも、そう書いていた。又、ニューヨークタイムズ紙、シカゴの有力紙も、日本のオリンピックは、非科学的なので、もう中止せよと書いている。私はすでに中止した場合、ぼったくりのIOCや、スポーツマフィア、ユダヤ系資本家たちと、落とし前の金額交渉を進めているのではと推測する。孫子の兵法を読んでいる知略家が政府にいるだろうか。コロナ禍の中で「ところ天」をすする機会が増えた。私はところ天という存在に声をかける。君はそばでもなく、しらたきでもなく、くずきりや、はるさめでもない。主義思想や、実存の哲学を感じることもない。君がいなくても世の中に影響はない。栄養もなく見栄えもよくない。きざみのりをまぶし、酢にひたし、黄色いカラシをそえる。ところ天にヌルヌル感を持ちながら、箸でかき混ぜて、ズルズルとすする。カラシが鼻にツーンとして、目に涙がたまる。効きすぎだ。君は実に知略に富んでいる。自己を捨てて、自己を活かす。相手に合わせて、相手を拒否する。“無用の用”のような存在の価値創造をする。私はところ天に大いに学んでいる。深夜映画を見ながら、ズルズルとした世の先きを知る。大リーグで大谷選手が、大活躍をしている。すばらしいが、必らず大怪我をする。何か見世物にされているようで私はツライ。才能が有りすぎる不幸がある。元横浜ベイスターズの筒香選手が大リーグで活躍できず、横浜ベイスターズに帰ってくるとか。うれしいようでツライ。日本で最多安打を打っていた、秋山選手も活躍が全くできない。やはり大リーグの壁は厚く高い。日本のプロ野球は元大リーガーとかドミニカなどの外人選手だらけになってしまった。一昨日の夜、横浜ベイスターズが5対3で勝っていた。九回ツーアウトだった。辻堂駅に降り家に着いたら、エ~5対5の同点で終わっていた。筒香選手が必要なのだ。野球はアタマでするスポーツともいう。横浜ベイスターズの監督のアタマはリーゼント。オールバック、何か関係あるのだろうか。進めない成績に。絵に描いたような幸せな夫婦は、この地球上に一つもない。何かモメたら、ドンマイ、ドンマイだ。コロナ禍は拡大の一途だ。オリンピックは“ガマンピック”だったと忘れよう。選手たちにはツライ。親愛なるアカギ君、横浜ベイスターズは、これから大前進だ(?)。「1922」というアメリカ映画を見ると、夫婦憎悪の極限を知る。スティーヴン・キング原作だ。ネズミ年生まれの人には、オススメだ。(文中敬称略)



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