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2022年2月5日土曜日

つれづれ雑草「たこ焼きの惨劇」

桜折るバカ、梅切らぬバカという。バカにとっても耳の痛い言葉がある。小庭に二本の梅の木があるのだが、いつも来てくれていた植木屋さんが、何があったのか来なくなった。私は庭仕事などまったくできない。梅は伸び放題に伸び、せっかく実った梅の実は、ポトン、ポトンと落ちた。昨年の年末いい植木屋さんを紹介された。二人で来て梅の枝をバチンバチンと切って、スッカスカにした。ヘエ~こんなに切っちゃうのと言えば、こうしないと木がもたないと言った。ビートルズヘアーから、GIカットみたいになった。今朝その梅の木に、白い花が米粒ぐらいの大きさで咲いていた。亡き母と今住んでいる小さな家の小さな庭に、梅の木を植えようと言い、母と植木屋さんで一本1500円で買った。それはゴボウほどの太さだったが、今では大人の太モモほどになっている。40年近い月日が経っている。その頃来ていた植木屋さんご夫婦に、小さな桜の木を植えてよと言ったら、少々吃音のおじさんは、ダ、ダ、ダンナ、桜の木は学校や公園に植えるもので、家に植えてはダ、ダ、ダメだよ、桜は散ってしまうからエ、エ、エンギがワ、ワ、ワルイと叱られた。私は花が好きである。愚妻と一緒になった時、家の中に一輪でもいいから花をと言った。貧しき中にも花一輪は、亡き母が行なっていた。私は雑草の花、名もなき花が好きだ。木下恵介監督の名作に「野菊の如き君なりき」というのがある。少年と少女の儚き恋の花は野菊あった。札拝のときには百合の花を、瞑想には蓮を、戦いに行く時には菊をと言われる。(菊と薔薇のケースもある)菊根性と言われる女性がいる。菊はとても辛抱強くて長く生きる。嫁に行った時、その家にいる姑や小姑にイビられイジめられても、あの娘は、菊根性があるから心配ないと言われた。堅気の男は菊根性を持っていない。飲み屋に行って、会社や、上司や、部下や、取引き先の悪口を肴にして、グダグダ飲むだけだ。金筋のヤクザ者には、菊根性を持った筋者がいる。親分、兄弟分、舎弟のために命を張って、長い刑期に耐えている。近頃では死刑や無期となる。東京藝術大学を生んだとされる、岡倉天心の名著「茶の本」の中に、私が短編の映画の主題にした言葉がある。人は獣悲しいかな、私たちは、こんなにも花を友としながら、その実、獣であることから抜け出していないことも隠せない事実だ。かぶっている羊の皮を剥いでみれば、たちまち、その下に隠れていた狼が牙をむくだろう。人は十歳で獣、二十歳で狂人、三十歳で落伍者、四十歳で詐欺師、五十歳で犯罪者といわれてきたが、それは獣でありつづけたということだろう。(原文ママ)花にとっていちばんの花器は、いかなる人間国宝の陶芸品や、アーティストの作品ではなく、大地なのだ。私はその日ある有名なホテルのロビーにいた。丁度フロアに大きな生花、というよりモニュメントを創っていた。どこぞの山の中でブッタ切ったか、チェンソーで斬り落としてきた、太い木、曲がった木、奇怪にからみ合った木、掘り出された大きな根。それらはすでに自然の色はなく、金粉、銀粉を吹きつけられている。塗のようなもので、厚化粧をほどこしている。それらの木に、さまざまな花が散りばめられている。あるいは接着されて行く。数人でそれをやっていたのを見て、私は言った。誰れの作品か知らないけど、バカバカしいねおつかれさんと。こんなものを華道とか称している。ハナバナしく総理大臣になった男は、したり顔で言ったもんだ。コロナ対策は最悪の事態を想定して、早日早日に手を打たねばならない。私は前総理みたいな下手は打たないと。だが現実はメッタメタ、後手後手のオロオロ状態である。何度も書くが、なんで医学者でもない尾身茂の意見を聞くのか。野球でも先発ピッチャーが打たれたら、ピッチャーは交代だ。バカアホが三年目を迎えているのに、ツルミあっている。何故なら、彼らにとってコロナほどオイシイ利権はないのだ。一本の木を長生きさせるために、植木屋さんは迷うことなく、枝を切り落とす。政府の分科会メンバーは、全員切る! 私は思った。故田中角栄ならそうしただろうし、もっと大胆な発想をして、決断と行動をしたであろう。(それが何かは分からない)今日の昼、テラスモールのカメラのキタムラに行った。階段下に、たこ焼きの銀だこがある。数人並んでいた。小さな椅子があり、そこで焼きたてのたこ焼きを二人の高校生が食べていた。何を焦ったか一人の男子学生がたこ焼きをスポッと飲み込んでしまった。ギャ~アヂ~とノド、胸、背中が熱いとのたうち回った。みんな何事かとビックリ、人の輪が大きくできた。水だ、水だ水だと言って、友達がペットボトルを渡した。私はそれを見ながら、そうだ久々にたこ焼きを買って帰ろうと思った。学生はまだ倒れており、警備員と、どこかのオジサンに救助されていた。コロナ禍はいよいよ身近になって来た。この政権もこのままだと、一年で終りになるかもと思う。戦さの最中に、人の話を、聞くだけ聞いていたら、手おくれで全滅だ。(文中敬称略)



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