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2024年2月18日日曜日

「ばかな話、その(3)バナナ」

“マツコ・デラックス”ってだれがつけたのか知らないけど、見事に名は体を表しているよな。最近“はるな愛”がテレビに出ないよな。その“はるな愛”がさ、どうしても女になりきれなかったことがあると言っていたぜ、何だいそりゃ、一緒に夜を過ごした相手に、やっぱり男の体臭だなと言われた時、ショックだったと。見た目は整形できるけど、内なるものは整形できない。まして“心”は整形できない。マツコ・デラックスってさ。糖尿病になったり、痛風になったり、高血圧や心臓病、中性脂肪とか高コレステロールなんか大丈夫なのかな。今日さ会社の定期検診の結果が出たんだよ。これ見ろよ、かなりヤバイッてよ、俺まだ38歳だぜ、これからは、“マツコ・スラックス”になりなさいなんて女医のババア(お年寄りです)が言ってたよ。朝マックはダメ、コーヒーに砂糖なんて許されない。筋子、白子、明太子、“子”のつくものはダメ、“子作りの行為”も気をつけてだと。腹上死するからだと。身長168センチ体重86キロ、減量目標はとりあえず20キロ減だよと言って大笑いしていた。“目クソ鼻クソを笑う”というけどョオ、自民党の裏金のことを、自民党の人間だけで調べるなんて、笑ってしまうよな、そうだよ、ヨソの国だったら暴動だよ、ホント日本人は骨抜きになってしまった。株価はバブル期並みの高さなのに、マイナス成長だぜ、どうなってんのこれ、世界の企業ランキング50社の中に、日本の企業で入ってんのは、トヨタ一社だけだってョオ、ばかじゃないのこの国は、GDPはドイツに抜かれて第四位、近々インドに抜かれるんだってよ。バブル期は世界企業ランキングの10位以内に7社も入っていた。NTTが一位だったけど、今はむかしの光いまいずこ、蛍の光だよ。“マツコ・デドックス”だな、と大笑い。終電二本前の列車の中、私は腹ペコであった。三人は缶ビールや缶ハイボールを飲んでいる。こん度の人事酷いよな、あの茶坊主が本部長だっていうんだから、ウチの会社も終りだね。結局ゴマスリが勝つんだよ。カツサンドを食べていた。マイナス20キロ目標の男は、その他にもカレーパンの入った袋をヒザの上に置いている。ロシアはやっぱり恐いよな、プーチンは政敵の“ナワリヌイ”を殺してしまった。日本と違ってナマヌルクないんだよ、プーチンのロシアは。元幹事長の二階俊博が、本を爆買いして3500万円で3万冊を買ったとか、イチイチ、本の名を出さないで、貴重な古書を一冊3500万円で買ったんだ。それじゃその本の名はと聞かれたら、この歳になると本の名は忘れる。古代エジプト時代のエロ本だったのは憶えている。“男女問題の研究”のために買った。ワシは読んだら捨てる主義だ。なんて言ってみたらと思うな。“マツコ・ダンシャリスト”だな、そうそう、三人は盛り上がる。中国の話でビックリしたことがあるぜ、何だよ、かなり前に安藤サクラ主演の映画で「百円の恋」というのがあったろ、あったあった、いい映画だったな、その映画が中国でリメイクされて大ヒット、興行収入が3日間で、237億円だって。ええ~、何それ、2月16日の日経に載っているよ。日本では低予算で作られ、単館上映だった。家でゴロゴロしていて、食っちゃ寝、食っちゃ寝の生活をしていた主人公の女性は、体もブヨブヨ太っていた。時々近所のコンビニでバイトをしている。そこに一本百円のバナナを買いに一人の男が来る。(新井浩文)主人公はヒトメボレ(ひと目惚れ)。男はボクサー、近所のジムで練習しているのを知る。主人公はついた恋の火を消すことはできない。家族も見放していた。自堕落な生活から、イチネンホッキ(一念発起)。アタシはこの生活から抜け出すんだと、ブヨブヨの体で走り出す。安藤サクラは、この役作りのために、たっぷり太らせ、ガッツリ減量した。役者さん根性はスゴイことを知る。中国の映画界は日本の10倍だ。坂井真紀主演の「ノン子36歳(家事手伝い)」という映画もよかったよなあ。私は映画の話になって、急にこのウルセイバカたちがかわいくなった。女性は一人の男性によって急変できるのだ。残念なことに新井浩文という、いい役者が現在刑務所の中にいることだ。下半身にくっついている彼のバナナが、イケナイ事をしてしまった。高いバナナとなってしまった。もうすぐ出所して来るだろう。映画界は彼を迎え入れてやってほしい。実にいい役者だから。その夜、「イースタン・プロミス」と「ヒストリー・オブ・バイオレンス」を見た。朝シャワーを浴びて新聞に目を通して、「ゴーン・ガール」と「そして父になる」を見た。いずれも最高にいい作品で、何度か見ている。午後五時から打ち合わせがある。その打ち合わせに映画のいくつかのシーンを見てもらうために。で、ゆっくりしてから東京へ向った。銀座中央通りの、シャネルショップは外国人の行列で入場制限、コロナ禍がウソのようだ。女性がいかに恐いかを知りたい人は、デヴィッド・フィンチャー監督の「ゴーン・ガール」がおススメだ。夫婦とはまい日、殺意と殺意で向き合っている、赤の他人なのだ。(文中敬称略)









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