鳥肌×鳥肌×鳥肌を延々と続けると、人間は全身総毛立つ。
頭から足の先、そして五臓の隅々まで総毛立つ。
ONE OK ROCKというハードロック四人組のドキュメンタリー映画を観た。
1時間43分、渋谷パルコPART3、8Fシネクイント。
五月二十七日午後6時13分から8時まで。
中野裕之監督が若いハードロックバンドの世界ツアーをずっと撮影し(二ヶ月間全て手持ちで)編集して作り上げた(通常の映画八本分を撮影)。
フランス→ドイツ→イギリス→オランダ→韓国→香港→タイ→シンガポール→マレーシア→台湾。チケットは即完売。世界11カ国のツアーだ。
当然の事だが、宗教も、言葉も、風習も、ファッションも、建築も、食事も、音楽も、歴史も全て違う人々がこのバンドの存在をネットを通じて続々と集まる。
肌の色の違う人、人、人の大行列、何日も前から並ぶ若者たち。
そのライブはかつて見た事のない極烈、強烈、激烈なものであった。
約数千人の観客でビッシリと埋まる。人と人の隙間は無い。
絶叫と熱狂が建物をブチ壊し、大地を破壊するほどステップし、全員がジャンプする。ロックは世界を一つに出来る唯一無二の平和への武器なのかもしれない。
2005年にバンドを結成し、武道館、横浜アリーナで大成功させたそのライブパフォーマンスが若者に熱狂的支持を得ている。
ボーカルTaka、ギターToru、ドラムスTomoya、ベースRyota。
ユーチューブではすでに2000万回以上再生されている。
日本にこれほどのハードロッカーがいたとは知らなかった。
最高にリスペクトしている中野裕之監督と日本で一番早い夜明けのシーンを撮りに二十八日から犬吠埼に行く、その前に絶対に観ておかなければならないと思い渋谷シネクイントに行った。
中野裕之さんは、また一つの伝説のドキュメンタリー映画を生んだ。
ボーカルのTakaは26歳、なんとあの森進一と森昌子の間に生まれた子だ。
「港町ブルース」の父と「哀しみ本線日本海」の母が、最高の化学反応をして、最高のハードロッカーを生んだのだ。
人間はなんて素晴らしいんだろうか。
身長160センチほどのTakaがまるで数メートルの巨人の様に見えた。
料金は一律2200円。これを観ずしてロックは語れない。
FOOL COOL ROCK!! エンドロールに世界11カ国の膨大な制作スタッフの名が出た。
私は思わず拍手をした。みんなロックバカな奴なのだ。
いつもながら中野裕之さんのタイトルデザインが素敵だった。