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2016年4月8日金曜日

「雨の日はうどん」




昨日雨の中床屋さんへ行った。
土曜日に結婚式があるためであった。

花粉症が酷い時、床屋さんに行くとヒゲを剃ってもらっている際にハァックションとやるとノド笛を切らせてしまうかもしれない、床屋さんに迷惑をかけられないので行くに行けなかった。

チョキチョキ髪を切ってもらうと首からかけた白い布に切られた髪の毛が落ちる。
年を重ねるごとに髪の毛に白いものが混じる。
黒と白が9182736455を過ぎたころから一気に増えてしまった。
現在は白8に黒2となってしまった。

思わず白い布に落ちた我が灰色の髪を手にし、じっとそれを見た。
若かりし頃黒く太かった毛髪はその面影を失い悲しい気で細々としていた。
ゴマ塩みたいであった。床屋さんは、なぐさめなのか私はゴマ塩大好きなんですよ、なんて言ってくれた。私の左右の手の中に切り落とされたゴマ塩があった。
かなり暖かくなったのでいつもより短くしてもらった。
床屋さんほどアタマがスッキリする所はない。

切り落とされたといえば、セブン&アイHDの鈴木敏文会長が無残にも切り落とされた。
これ以上ない頂点に君臨していたが、実はその上に妖怪が一人いた。
イトーヨーカドーの創業者伊藤雅俊名誉会長だ。
セブン-イレブンという会社を育てたのは鈴木敏文会長だが、大株主の創業者にとっては敵ではなかった。
共に我が子に後を継がせたいとの思いの戦いでもあったが、100歳を前にした妖怪は、90歳を前にした人間を切り落とした。

やはり頂点とは転げ落ちる所なのだ。まさかの坂である。
自分こそ天下第一の経営者と勝ち誇っていた鈴木敏文会長は、創業者と物言う外国人株主の餌食になった。この様なケースはこれから多発する。
日本を代表する企業は実は外国人株主がゴッソリと支配しているのだ。

床屋さんでサッパリしたあと、ガチンゴチンになった体を鍼灸の達人にさらけ出した。
ハリを入れてもらいお灸を据えてもらった。
またもホップ、ステップ、肉離れ、民進党売出し中の女性政調会長がガソリン代ゴマ化しの肉離れを起こしている。お灸を据えないと駄目な者ばかりだ。ゴマ塩ではなくゴマ化し社会になっているのだ。桜よもう少しがんばって咲いてくれと願っている。

円高大不況に備えなければならない。
アベノミクスが成功したという人は、本人を含めてこの世に一人もいない。
我が世の春は長くは続かない。これは常なることなのである。
達人は愚妻のつくった“きつねうどん”をおいしいと言ってすすってくれた。
雨の日にはそばより、うどんの方がいいと勝手に思っている。

2016年4月7日木曜日

「Pe’zにて」





六本木の国立新美術館で「三宅一生展」が開催されている。
それじゃPe’ でハンバーガーを食べてから見ようと計画した。

Pe’z Magic は美術館のすぐ近く。
隣に担々麺の店と豚組という豚料理店がある。
Pe’zのママさんは元モデルさん、チャーミングですさまじく元気のある女性。

約束の時間に10分遅れてしまった。女性スタッフが四人先着していた。
店に入るとママがキャーと言って近づきハグハグをしてきた。
その日のPe’zハンバーガーは特別だと言った。
野菜と肉と共に、なんとお寿司に出てくるガリが入っているのだ。
これが実に特別にして格別。

パンと野菜と肉とガリの三角関係が見事に合体しているではないか。
ハンバーガーをナイフとフォークで食べる。ガリは肉と相性がいいというのは大発見だ。自宅でハンバーグを食べるとき試してみるといいと思う。
プライドポテトはデザイン化されていて形が楽しい。
サービスよと言って玉ねぎのリング揚げを出してくれた。
ステキな社長さんもようこそと顔を出してくれた。
とてもクリエイティブな店なので店内はベリーグッド。
ナイスなセンスがアチコチ生きている。

ハンバーガーを食べていざ、イッセイミヤケ気分だったが、一本の連絡でガァーン、ドーンとなってしまい計画は変更となった。
9日に結婚式を挙げる女性デザイナーにいざがんばってのランチでもあった。
申し訳ないことになってしまった。

Pe’zのママは左右のほっぺにフランス式よとチュッをしてくれて、また来てねとなった。店内には小谷中清さんの書で白い大きなキャンバスに「あっ」と赤文字で書いてあった。文字通りあっとオドロクタメゴローみたいなことが起き、私はひたすら謝罪をする日となった。おいしかったPe’zのハンバーガーの味を忘れる程の話だった。
親切な人に迷惑をかけてしまったのだ。昨日の昼のことである。

店の前に咲いていた桜がヒラヒラと飛んでいた。私は飛んで帰った。
今日午後一時謝罪に飛んで行く。

「ブルマー」




ピッカピカの一年生にはピッカピカのランドセルがよく似合う。
兄姉が多いと下の方に行くにつれお下がりとなる場合も多い。
そんなランドセルが海外でファッションとして流行している。
ランドセルの製造販売大手セイバンの東京・表参道の直営店では、アジアの子ども用、欧米の人には自分用ファッションとして売れているという。

アニメの「名探偵コナン」や「ドラえもん」の影響が大きく、ハリウッド女優が赤いランドセルを背負った写真がネットで拡散して、人気に火がついた。
独特の形状が海外では「クールだ」といわれ、優れた収納性を持ち機能性も充分、それに軽いのがいいらしい。

学習院初等科など有名私立小のランドセルを手掛ける峽製鞄(おおばせいほう)ではイタリア・ミラノの百貨店で紳士向きに販売し約40個が完売、ロシアでは100個以上が売れたとか。土屋鞄製造所(東京)は創業50周年の昨年「大人ランドセル」を数量限定で予約販売したところ、10万円にもかかわらず即日完売した(4/5朝日朝刊記事より抜粋)。

日本製は誠実にものを作っているのが支持されているのだろう。
新丸ビル内にある土屋鞄製造所に行ったことがあるが、茶色でシンプルなランドセルだけが整然と展示販売されていた。
私はこれから◯◯製造所とか、◯◯製作所とか、◯◯工業とか、◯◯精機みたいな会社が永遠に支持されて行くと思う。
天才コピーライター仲畑貴志氏はずーっと以前に会社を立ち上げた時、「仲畑広告制作所」と命名した。先見の明がさすがにあった。

真面目で誠実なモノ作りといえば東洋羽毛工業株式会社がある。
創業60余年羽毛一筋の会社だ。
その羽毛から生まれた画期的なシャンプーやリンス、ハンドクリームや石鹸などが大好評だ。oluha(オルハ)ブランドで支持されている。

話は変わる。
これは私の直観だが、その内ダサイトレパン(トレーニングパンツ)やダサイブルマー、ダサイトレシャツ(トレーニングシャツ)が流行るのではと思っている。
ステキな女性がブルマーで、ステキな男性が白いトレパン(チノパンではダメ)に白い運動靴(スニーカーではだめ)で銀座を歩いたらグッドファッションになると思う
ブルマー&トレパン+運動靴。
友人のデザイナーに作ってもらい、天才写真家 新良太さんに撮影してもらうのだ。

ファッションは再発見の中にある。ところでブルマーは売っているのだろうか。
トレパンは、合羽橋にあるかもしれない。
マズイ、ユニクロにパクられるかも(?)コンセプトは「ダサイ・ジャポン」。

2016年4月5日火曜日

「孤独のグルメ」



サバの塩焼き→サハシオキ。
冷奴→ヒーヤコ。
イカの姿焼→イースーヤキ。
イワシのつみれ汁→イワーミイレ。
ご飯半分→コーハン。
昨夜新橋駅前ビル地下3Fで食べた私の夕食である。

長い間このビルに寄っているが地下3Fは初めてであった。
夜九時過ぎ、朝から食事をしていなかったので腹が減っていた。
家に帰って食事すると11時頃となる。

酒を飲みに行く気にならず、何かを腹に入れようと思っていた。
アレも食いたいし、コレも食いたい。
が、ソレは重いし、ソレは脂っこいし、ソレは…と思った。
なんとなく階段を降りるとおいしそうな写真が目に入った。
なかなか上手い写真だ。
サンマ塩焼き、サバ塩焼き、銀だら西京漬焼き、イカの姿焼き、ブリの照焼き、鮭ハラス焼き。

人間は腹が減ると焼きとか、揚げとかの文字に強く反応する。
その店は正面にカウンター二人掛け。
左右に四人掛けのテーブルが二つずつ、カウンターの奥が調理場であった。
三十代の女性一人と四十代の女性一人、調理場に四十代の男。
エーラッシャイ、おっ中国人か、オサケイル、うんイルイルと冷酒1.5合、ハッカーサンは八海山のこと。お通しにモズク、上にキュウリ二切れ(旨い!)サバの塩焼き、イカの姿焼き、冷奴を頼んだ。

女性は二人共中国人、ハイ、ハッカーサン、ヒーヤコトーソ。
ショウガとネギがのった木綿豆腐(旨い!)イースーヤキ。
ホイルの中にちゃんと腹わたまでついているではないか。
リングリングになったイカちゃんに腹わたをつけて食す(旨い!)1.5合が終わったのでサバの塩焼きとイワシのつみれ汁でその夜の食事、サバ半身ジュウジュウで焼色は上々、しょうゆをかけ大根おろしをつけて食す、旨〜い!ほぼ満点のサバの塩焼き。
ご飯が保温だったのでイマイチ。

でも中国人は二人とも気持ちいい人。ブリの照焼きもと思ったが今度にした。
地下3Fにあんなに食事処があるなんて知らなかった。
それにしても調理する人は只者じゃない。相当に修行を積んだ者と見た。
その名も高き流れ板かもしれない。
一人の夕食はアリガトーした、マタラッシャーマセ、気分は「孤独のグルメ」であった。


2016年4月4日月曜日

「全身小説家」




ある人からテーマをもらい、400字詰の原稿用紙20枚を書いた。
8000字のリングである。思いつくままを書いていった。
その出来不出来はある人しか読まないので判断できない。
人に頼んで打込んでもらっているブログとは違うので清書をしなければならない。

テーマを与えられるというのは作文の宿題をするのと同じで、文脈に気をつけねばならない。小説家なんてものは作り話を売る稼業だから何をどう書いたっていいんだ、全部ウソみたいなもんなんだからという井上光晴の映画を見た。

「全身小説家」という映画だ。
監督は原一男、当然のように上映した年のベストワンになった。
井上光晴が6366才で亡くなるまでをドキュメンタリー映画にした。

全身小説家は全身癌に侵されていた。
末期癌を宣告されてから3年間の医療ドキュメンタリーでもあった。
出生についても、学歴についてもどこまでが本当かどうか定かでない。
子どもの頃はウソつきみっちゃんと言われていた。
ある日は女装着物に厚化粧で踊りまくり、ある日は徹底的に文学論、人生論を語り怒鳴りまくる。自ら伝習所をつくり、小説家育成に生涯をかける。

あと10年生きていたら大文豪として名を残しただろう。
埴谷雄高が師匠のようであり、瀬戸内寂聴が親友であった。
酒は最も親しい友であり、愛妻が戦友であった。

夏目漱石の「吾輩は猫である」が朝日新聞で連載を始めた。
夏目漱石の小説は人間が生きて行く上で、いかに人間関係が面倒臭くてむずかしいかを書いている。軽妙な言葉の奥にとても怖ろしい真意がある。

新入社員たちはこれから人間動物園の仲間となる。食うか食われるかとなる。
が、全身会社員にだけはなってほしくない。
がんばれ新入社員よ、人生は何度でも書き直しができるんだ。(文中敬称略)