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2018年2月16日金曜日

「映画と信玄餅」



ある会社の新プロジェクトのために、10分位のコンセプトイメージ映像をつくるために、三日三晩三十本ほどの映像を見た。資料探しなのでストーリーは追わない。
確かあの映画のあのシーン、あのカット、あのファッションに、あのメーク、あのタイトルに、あのワインの飲み方、などなど記憶を頼りに思い出し、早送り、停止、メモ、早送り、停止、メモを繰り返す。
0.5秒くらいのカットや、3秒のシーン、5秒の動き、0,8秒の仕草、1.5秒の歩き、4秒のハサミ使いやトルソーに掛けた仮繕い服へのピンワーク。
パンクロックや、R&B、ラップ、テクノサウンドのPV(プロモーションビデオ)やライヴフィルも見た。秒単位を選び出しアタマの中で編集した。
で、昨日演出家にゴッソリ説明をして終えた。
その間「マリス博士の奇想天外の人生」/福岡伸一訳330ページを読んだ。
この企画にいきることを願って。’93にDNAの断片を増幅するPCRを開発して「ノーベル化学賞」を受賞した天才だ。
現在のDNA捜査を画期的に生んだようだ。
(PCRに関しては私のような浅学の徒にはチンプンカンプンである)福岡伸一教授(青山学院大生物学)の文章は何だか分からないことでも、何だか分かったように読ませてくれる。
マリス博士の趣味はサーフィン、数度の離婚と結婚、森の中で聞くフクロウの鳴き声を聞くことも楽しむ。
恋人とデート中にパッパッとヒラメイたビックアイデア。
何でも試してみようとLSD体験。受賞当時「サーファーがノーベル賞受賞」と大々的ニュースとなった。
久々に「プラダを着た悪魔」を見た。アメリカのファッション雑誌の編集長、スーパーブランドブームはこの映画から始まったと言っても過言ではない。
「バレエカンパニー」「ブルゴーニュの森にこんにちは」、「暗黒街」「レディガガ」「マドンナ」「ザ・ヘヴィー」「サーマン・マンソン」「現金に手を出すな」「さよならベートーベン」「ココ・シャネル」アタマの中がまるで、コインランドリーの中でグルグル回るいろんな服のように大回転した。
その結果いい歳をしているが記憶力は未だソコソコ大丈夫だなと思った。
(日常生活においては周りの人々に迷惑をかけ放しだ)つくづく思ったのは外国人たちの編集の上手さだ。
日本の映画界では編集を重く見ていないが。外国では編集がいかにすぐれているかが重要だ。日本の映画界は、アニメ世代、ゲーム世代が映画を手がけるのが多くなった。CG全盛時代なので全てがCG頼り、天才中野裕之さんはじめ何人かの監督は編集が上手い。
「プラダを着た悪魔」は編集を学ぶのには教科書みたいに見事だ。
(映画の内容はともかく)私はやはり旧作の中に映画を感じる。フランスの名優ジャン・ギャバンは最高だった。「現金に手を出すな」の中のレストランシーンは本当にいい、コート姿も。そして主題歌(原題でもある)グリスビーブルースは最高であった。山梨出身のアジアン雑貨のオーナーがお土産で持って来てくれた。
名物の「信玄餅」を食べながら見ていたら、着ていた服にきな粉がボロボロ、ボロボロと落ちた。
でも旨い。このお菓子の包装の手の込みようは、最上の編集に近い作品だ。


※画像はイメージです。


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