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2018年5月18日金曜日

「新しいヒロイン像」

大事件が起きると警察にまず最初に疑われるのが、第一発見者。次に身内や親類縁者、その次が出入りの人たち。宅急便や郵便配達の人。その次が隣人、周辺の人。その次が元警察官やガードマンさんたち。これは知人だった元刑事に聞いた嫌な話。刑事たちは猟犬のように追い回す。連休中に見た映画、「エルELLE」を昨日思い出した。新潟で起きたあまりに酷い事件の犯人逮捕をニュースで知ってからだ。その映画の主人公はゲーム会社の女社長。日々スタッフと超エログロなゲームソフトを開発している。つくり出すアニメーションは異常なレイプものが多い。
過激なシーンが生み出されると、スタッフ一同が歓声をあげて、拍手また拍手、ヤッホーとばかりパーティで盛り上がる。この女社長を演じるのが、フランスの名女優イザベル・ユベール。映画は官能的サイコスリラーとしてカテゴライズされている。アラフォーになっているであろうこの女社長が、仕事を終えて、夜帰宅すると、突然窓を破って侵入して来た黒い覆面の男に殴られまくってレイプされる。自分の会社で開発したゲームソフトのように。女社長は一人住まい、別居中(?)の男がいる。友人たちと会食しながらレイプされたと言う。が決して警察には訴えない。自分の手でレイプ魔を捕まえたいからだ。そして又、レイプされる夜が来る。犯人は殴りまくらないと欲情しない。バチンバチンのボッコボコ。服や下着は破られる。顔面からは赤い血が、それでも警察には訴えず、平然と出社して、さらに異常なレイプゲームを開発しつづける。そして又、黒い覆面の男が現れる。さあ~どうぞ好き勝手にという態度を見せると、犯人の男は殴らないと犯せないと言う。とその時女社長は猛然と犯人に襲いかかる。たじろぐ犯人の男が分かる。それは、目の前に住むよくパーティなどで出会う、三十代位の男だった。監督は「氷の微笑」のポール・ヴァーホーヴェン。このエグい表現をする監督は、フランスのブルジョワ的スノビズムと背徳性や偽善を洗練されたタッチで表現する。犯人以上に異常な驚くべきゲーム会社の女社長。悪女映画の歴史を塗りかえるヒロイン像である。
何度も言うが、男は絶対に女性にはかなわない。


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