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2018年5月24日木曜日

「雨音を聞きながら」

大、大的に宣伝をした「孤狼の血」が不入りだと言うので、先日それを確かめに丸の内東映に観に行った。午後一時三十分の回であった。現在ピカイチの活躍をしている「白石和彌」監督の作品だからだ。「狂悪」「牝猫」「彼女がまだ名前を知らない鳥たち」いずれも意欲的であり、強烈な個性を発揮していた。「孤狼の血」は深作欣二監督の名作「仁義なき戦い」を意識したのか、あるいはしすぎたのか。デンゼルワシントン主役でアカデミー賞を受賞した「トレーニングデー」の影響がありすぎていた。又、故今村昌平監督の上映時ナンバーワンになった名作「豚と軍艦」の影響もありすぎていた。ダイワハウスのCMで人工知能AIは、愛だとウエスタン調にハミングしていた名優役所広司がいくら気張っても、目がやさしすぎて超ワル刑事に見えない。(本人がいい人すぎるからだろう)CMでビールを飲んで、ウマイ!なんて言っている江口洋介がいくらスゴンでもヤクザ者の目にはなれない。あなたは本当は狭いところが好き。なんて言うハウジングの CM に出ている、竹野内豊が思い切りスゴンでもヤクザ者の目になれない。二人とも対立する組の若頭役だがミスキャストと言っていいだろう。石橋蓮司の親分役はいつもの芝居の域を出ていない。広島弁が「仁義なき戦い」のように、イキイキとしてない。タドタドシイのだ。CMのイメージはやはり強い。

「仁義なき戦い」のリアリティはやはり脚本がいい。 主役からセリフのない若い衆まで一人一人が深作欣二監督のとてつもないしつこい演出で躍動する。人間の持つズルさを徹底的に追求した。そして人間の持つ弱さを表現した。残念ながら、「孤狼の血」には主題が見えなかった。何かみんなマネッコしていた。「トレーニングデー」のデンゼルワシントンと新入りの刑事の間には、哲学的、文学的言葉が激しく飛んでいた。超ワルの上を行くウルトラ超ワルの恐怖があった。で、私は「トレーニングデー」をレンタルして来て見直した。白石和彌監督の次作に期待する。俳優さんたちには心からおつかれさまでしたと言う。本物のヤクザは CM に出まくっていてはまず演じられない。大スター小林旭は「仁義なき戦い」で最高の存在感だった。千葉真一が特筆もの。二人は 当時CM に出ていなかった。昨日朝早く神田のあるエージェントに入って版権の難問に取り組み、次につくばエクスプレスに乗って、ロケハンを五時から八時過ぎまで、カメラマン、アートディレクター、スタイリストのヒトたちと。腹ペコになったが外人さんのオーディションをするために恵比寿へ。長髪がシンボルのスタイリストとモデルさんの寸法を計る。フランス人の男性と女性。雨がシトシト降っていた。十一時頃の恵比寿は酔客でいっぱいだった。電車に乗るとトイメン(目の前)の男が夕刊紙を広げていた。そこには「哀しみのコンチェルト」秋元順子、五月九日発売。「別れの港」佐々木新一、五月二十三日発売。「ぼたん雪」西方裕之、五月二十三日発売。「日豊本線」池田輝郎、五月二十三日発売。「よされ恋唄」なでしこ姉妹、五月二十三日発売。こんな広告ががあった。売れたらいいなと思った。レコードの裏面表記もあったが、省略する。午前一時少し前辻堂は雨が激しくなっていた。哀しみのコンチェルトな気分となっていた。このブログを書き終わったのは午前二時四十二分十一秒。 NHK テレビでは"あの日、あのとき、あの番組"という番組をやっていた。「孤狼の血」の関係者にご無礼があったらお許しを願いたい。どこまでも私見である。最高におもしろかったという人も多くいることを加筆する。未だ観てない人はぜひ観てください。そして映画談義をしましょう。酒代は私が持ちます。(文中敬称略)

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