小柄だが大きな山は「リトルモア社」という会社を経営している人だ。ひと言で表現すれば、孫 正義(ソフトバンク会長)より凄いのが、孫 家邦という人だ。小さな巨人である。孫 正義は天才的起業家で、天才的投資家である。二人の孫さんの違いは、孫 正義は野心と野望を追う大天狗だ。一方孫 家邦は、映画製作、本や写真集などを通して人材を発掘する。私がもの凄いと思う人は数少ない。孫 家邦はベストワンに選ばれた映画のヒット作を何本も手がけたと思えば、期待作が大ゴケしてどでかい傷を負っても、平然としてすぐに次作に取り組む。又、若者たちの映画の配給を支援する。かつて主婦がケータイで撮った写真の良さを発見して、写真集にして出版、最高権威の賞を受賞させた。主婦は一流の写真家に育った。一人だけではない。グラフィックデザイン界の巨匠の本を出版する。この巨匠は並大抵の人では信頼を得ることができない。フツーの人は怖がって近づかない。その名を井上嗣也という。リトルモアの孫 家邦の新作映画の試写会に、井上氏とその高弟稲垣氏、親愛なる友と明日16日に行く。渋谷の映画学校の試写会だ。きっと入り口で小さな体の孫 家邦が、ニコニコしながら受付の所にいるだろう。顔は笑っていても、決して眼は笑わない。「葉隠、武士道とは死ぬことと見つけたり」体がそう言っている。俺は孫 正義などに興味はない。大天才の彼は金を育てるが、市井の民の中から人を発掘し育てない。だが100年先の世の中が見えているという。新作の題名は「片思い世界」主演は“広瀬すず”“杉咲花”“清原果耶”脚本/坂元裕二、監督は、「花束みたいな恋をした」の土井裕泰。キャッチフレーズは「3人で、ずっとずっと片思い」。4月から全国ロードショー。又、孫 家邦は、巨匠井上嗣也の700ページ近くになる大作品集を、プロデュースしている。俺には巨大な山に見えるのが、孫 家邦だ。後藤新平の遺した有名な言葉がある。人生において、(一)金を残したるは下なり、(一)事を残したるは中なり、(一)人を残したるは上なり。つまり、孫 正義は下であって、孫 家邦は特上の人物である。やるつもり。行くつもり。読むつもり。何かにつけて、つもりつもりの人間で大成した者はいない。幕末の風雲児「高杉晋作」の師は“死んでもやらねばと思へば死すべし”“生きてやらねばと思えば生きるべし”。こう教えたと言う。孫 家邦は、高杉晋作に近い。「おもしろき こともなき世を おもしろく」。文人であり、粋人であり革命家でもあった。そして若くして死んだ。やるべき事をやって。ちなみに“リトルモア”とは、「もうちょっと」という意味らしい。(文中敬称略)
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