完璧に何もしない年の瀬であった。
何もしないで居る事は家中で邪魔な一個の物体に過ぎない。
ダスキンの大掃除隊と消毒隊が来て家中消毒しまくった。
クーラーも全て行った。
私がウイルス性胃腸炎(ノロウイルスというらしい)にかかりバイキンマンとされた。
四畳半の部屋に12月18日から軟禁状態となった。
タオルは全て破棄、グラスは紙コップに、何しろ手洗いうがいとマスク着用を余儀なくされた。Xmasとお正月に五人の孫達が泊まりにくるのでもう大騒ぎ。私は枕芸者の様に枕を抱えて部屋の隅にじっとうずくまる。
食事はうどんとおかゆか、おじやのみ。
みんながチキンを食べているのを感じながらうどんをすする。
全日本トイレ入場回数選手権があったら優勝していたかもしれない。
検査の結果はノロウイルスではなく他のウイルスであった。
体の抵抗力が弱っていた時に風邪を引き、それがこじれにこじれ胃腸にへばりついたらしい。で、アレやコレやの薬を一ヶ月服用せよとの医師の指示であった。
12月26日夜はどうしてもお世話になった方と会食の予定があった。
他の会食は全てキャンセルした。
一つだけあったが食事は焼き肉、私はクッパを半分程スプーンですすった。
酒はとてもまずく感じ10日間禁酒、一週間はワインを1〜2杯のみ寝酒として飲んだ。
除夜の鐘をトイレの中で聞いたがそれはそれで風情があった?とにかく孫に伝染させたらいけないので愚妻は消毒の鬼と化してる。
1月1日〜5日、ひたすらビデオ屋で借りて来てもらった映画を見まくった。
昨年6月大親友を亡くしてから一番好きな事、即ち映画を見る事を止めていた。
12月28日友を参り1月になったら映画を見るからねとお許しをもらって来た。
お酒と恋愛は男にとって成長の源なので引き続き続けさせてもらう事を友にいった。
①へルタースケルター
②愛と誠
③デンジャラスラン
④スーパーチューズデー
⑤ニーチェの馬
⑥ファミリーツリー
⑦森崎書店の日々
⑧外事警察
⑨裏切りのサーカス
⑩るろうに剣心
⑪ロボジー
⑫24時間
⑬アーティスト
⑭戦火の馬
⑮テルマエロマエ
⑯ヒューゴの不思議な冒険
⑰ステキな金縛りを見た。
それとWOWOWで制作した“贖罪”を前・中・後(ほぼ6時間)を一気に見た。
一日中映画漬けであった。
胃腸はまだ半快だが阿呆な愚妻はムーニーちゃんとか大人のオムツをつけて外にでたら、などとシラッといった。
で、オムツをしないで1月6日江ノ島神社に孫の病気平癒のお守りをもらいに行った。
カフェテラスで紅茶を飲み富士山を見ていると隣りに30代前後の五人組が座った。
男二人、女性三人。
俺さあ初めてデーとしたのよお、スッゲ美人でもうメロメロだったんだけどさあ〜、二人でモスバーガー入ったのよお、彼女タブルバーガーみたいなのを頼んだのよお、その食い方がヒデエのなんのトマトが飛び出すわ、玉ねぎははみ出すわ、口のまわりはケチャップだらけ、手もベチョベチョ、ティッシュでテーブルの上は汚いのなんの。
もう見てられないでがっくりしてメチャやんなっちゃった訳よ。
で、正月に会わないなんてメールが来たけどずっとシカトしてんだ。
私はさ〜今、年上の上司と時々イケナイ事してんだけどさ、この間といっても1月2日鎌倉で会った訳、二人で甘味処で有名な店に並んでやっと入ったのよ。
そこで彼はのり餅を頼んだよ、なんだかやけにモグモグしているの、それでアレーと思ったのよ。お餅に銀歯がクワガタみたいな形しててくっついているのよ。
うわーやだ大声出しそうになったけどお客さんが沢山だからじっと我慢したのよ。
やっとこさ店を出て、スミマセン家から急用があるので直ぐ帰って来る様にってメールが入ったのでここで失礼しますって走って逃げたの。
五人の会話をずっと聞いていたかったが残念ながら席を立った。
12月31日応援していた内山高志選手がTKO勝ちした。
ボクシングはやっぱりキングオブスポーツだ。
400字のリングを年の初めに送ります。
ちなみに見た映画の私的ベストスリーは一位愛と誠、二位ニーチェの馬、三位ファミリーツリー、順位外で最も私好みだったのは“森崎書店の日々”です。
失恋した若い娘が神田神保町で小さな古本屋を営む叔父さんの店にしばらく手伝いに行く。何もない、何も起きない、静かな古本との毎日。
新しい年が“森崎書店の日々”の様である事を願いたい。
経済界の面々が賀詞交換会でインタビューに応えていた。
そのメッセージを聞いていて経済人の底冷えする様な人間不足を感じた。誰も天下国家を考えていない。
NHKの“八重の桜”は私の大親友だった男の故郷会津が舞台で中々楽しめそうだ。
会津魂は今この国に一番欠けているものだ。
“ならぬものはならぬものなり”アベノミクスは麻生太郎のへらず口、放言失言を機に一気に崩壊に向かう。水と油、合わぬものは合わぬのである。
安倍VS石破は決定的に合わない。
乱、乱、乱。国民にとって聞きたくもないステップの足音だ。