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四月十三日(日)花曇り、茅ヶ崎市立柳島小学校校庭にて午後十二時十分プレイボール。私の孫たちのチーム、松浪ジャガーズ対湘南ベンケイ。春のリーグ戦第一回戦であった。
公式審判員、記録員もずらりと勢揃い。
孫は六年生になったばかり、捕手で三番、一番小さいのだが一番大きな声をだすので主将になった様だ。お父さんはコーチだ。監督はなんと二十年近く頑張っている。
コーチや関係者は20人近くいる。選手は総勢26人、新入団は悲しいかな2名のみとのこと。
お嫁さんの車に九歳の孫娘と3歳の孫、それと私が乗っていざ応援へ。
と、まあここまではのんびりとしたいい話であるのだが、実は少年野球であっても集団であるからそれぞれ相性がある。
あいつとあいつは仲良くいかない、ボクとあいつは上手くいかないとなる。
それはまた親同士にも起き上がる。
なんでウチの子が試合に出れないの、なんでうちの子が八番なの、なんでうちの子がいつも叱られるの、なんで、なんでがメール上で言い合いというか、書き込み合いが行われる。
私の孫は主将のバッジを付けた日からプレッシャーで胃腸の調子が悪くなり、吐いたり、下したりを繰り返している。小学六年にして人間関係のストレスを知ったのだ。
それでも大きな声を出し続け、試合は2対1で勝利した。たくましくなるための痛みだ。
勝利は失っていた食欲を回復させてくれた。
試合後「ココス」というファミレスで、スパゲティミートソースとピザマルゲリータSサイズをペロッと食べた。深夜にグダグダメールをあっちこっちに送り続けていた奥さんの子が一塁手として良いプレーをしてみんなから拍手された。
奥さんはジャガイモみたいな大きな顔に黒縁のメガネを付けていた。
でもこの日は心から勝利を喜んでいた。試合後自分の子と自転車で帰っていた。
途中お嫁さんの車が追い越す時、徐行して窓から手を降ったら親子二人で振り返して来た。車中これでもう同時メールが来なくなるかもしれないよと私は言った。
我が子のファインプレイは心もファインにするからだ。
野球の試合にみんな出れるといいのだが、それは9人しかいないチームだけ。
監督さんやコーチの人たちは子どものお父さん、お母さんの顔を思い出しつつ、選手の能力を見出しつつ試合を組み立てる。
クドイ、シツコイ、シットブカイ、そんな親の子どもは起用法にとても苦心するのだ。
胃が痛い日々が続く、そして毎日太田胃散を飲み、そしてありがとういい薬ですとなるのだ。
私は少年野球を見るのが大好きだからよく応援に行く。
でも余り出しゃばらない様に心がけている。お母さんたちの視線の届かない処で。
何処へ行っても目立ってしまう。ついつい大きな声を出してしまうのだ。
オリャー審判!今のはアウトだ、セーフだ、ボールだ、ストライクだと。
スミマセンなのだ。
海の直ぐ側の小学校、潮の香りを含んだ海風が校庭に桜の花をまき散らし、それは一つのアートだった。少年たちといいショットの写真が撮れた。
それにしてもココスのミートソースはマズかった。
680円+消費税だから文句は言えないけどね。
食後に飲んだメロンソーダが久々にいいノド越しだった。懐かしい少年の顔の味だ。