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2014年4月3日木曜日

「赤坂一ツ木通り」






かしましいと、やかましいとの差はどう違うのかよく分からない。
だがウルセイならよく分かる。

とにかくウルセイ連中が直ぐ側で酔っ払っていると話がビリヤードの玉みたいにアッチコッチにぶつかり合い、話の内容もゴロンゴロンになってしまう。
つまるところ話の先の行き場が決まっていないのだ。

「中山美穂が離婚するんだってヨォー」
「龍谷大平安が優勝だ仏教関係が多いよな」
「小保方さん理研にケツまくるってよ」
「楽天の松井勝てなかったな」
「消費税が上がったのでお小遣いが上がるかと思ったが下げられそうでマイッタよ」
「東京湾でもダイオウイカが捕れたんだってよ」
「タモリはすごいよな30年以上休まずなんだから」
「黒柳徹子はもっと長いってよ」
「見たかよ京都の岬近くでイルカの大群がビュンビュン飛んでいたのを」
「クジラの肉が食えなくなるんじゃねえの」
「ヤクザ者たちがゴルフを出来なくなるってよ、どうやって見分けんのかな」

などなど男二人、女性一人の三人組が一度に口に出すのだ。
お互いの話はあまり聞いていない。自分の話も別に聞いてもらうつもりもなさそうだ。
自分の頼んだドリンクを飲んで。

自分の話を一方的に喋って終わり、友人と待ち合わせをした場所のところに少し早く着いたので今流行のスタンドバーでハイボールを一杯飲んだのだ。
人と人の声は雑音でしかないのだが、少しずつ拾い聞きした十五分ほどだった。
赤坂一ツ木通りはいつからか立ち飲み通りと客引き通りになっていた。

「それにしてもヨォ、さんまはしゃべりすぎだったよな一人で一時間位だぜ」
「爆笑問題の太田が田中康夫を首投げしたのは笑ったな」
「どうでもいいけどこのお肉なに(?)固くない」
「クジラじゃないの」
「俺のイタリアンや俺のフレンチ、俺をつけりゃいいってもんじゃないよな」
「君さあ俺の女にならない」
「ジョーダンじゃないわよ」
(こんな言葉へ進んでいったかもしれません)。

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