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2014年4月23日水曜日

「ある法則」




世は時ならぬ炭酸水ブームである。
だからといって慌てて飲むととんでもない姿を生む。

昨夜仕事の打ち合わせを終えて依頼主と会社のスタッフと食事をした。
午後九時三十分を少しばかり過ぎた。
それじゃお疲れさんといって別れ、私はコンビニに寄った。

と、その時コンビニから出て来た五十六、七歳位の会社員風のオジサンが炭酸水を飲みながら自動扉を開けて出て来た。オジサンは一気に炭酸水を飲んで思い切りムセかえった。

予定より多く飲んだので逆流したのだ。
ウワッ、ウヘッ、ゴボッという声と共に口の中から、鼻の穴から炭酸水が吹き出た。
白い気泡が道路に飛び散った。オジサンは両の眼から大量の涙を流した。

炭酸水は落ち着いて予定通り飲まないといけない。
ラムネやサイダー、ビール類も同じだ。オジサンはかなり肩を落としてそぼ降る雨の中、地下鉄新富町の駅の階段を下りて行った。
持っていた傘は見るところかなりいい品であった。それなりの人であったのだろう。

炭酸水はコンビニのPB商品であった。
「振らない」「横にしない」「一気飲みしない」これが炭酸水の法則だ。

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