あいつは使える、器量がある、きっといい親分になるだろう。
そういわれる男に共通している事がある。それは金の切れがいい事だ。
渡世人の世界では、自分より上の人間や、下の人間には身銭を切って尽くし、身銭を切って愛情をかける。これが器量だ、同じ座布団位置の人間(同格の人間)とは行って来いで貸し借りを決して作らない。
相手が50万使ってくれたら、次は50万使って返す。10万なら10万、5万なら5万と。
一度でもその関係を崩すと、あのヤローは銭にブシイ(渋い)奴だぜ、あいつには気をつけろ、必ず銭の方に顔を向けるからなと、安い男に見られてしまう。
また、銭のためならどんな仲間や先輩、後輩の事もチンコロ(密告)する。
男と男は命と命をやりとりするから、相手が何より金にキレイか、銭に汚いかを見抜かねばならない(幸い私の周りには使える人間ばかりです)
これは一般社会でも同じだ。いつも人のふんどしで相撲を取る奴、人のフトコロでメシを食い、酒を飲む奴にはろくな人間はいない。先輩に心置きなくお金を出してもらったら、後輩には少しばかり見栄を張っても旨い物、旨い酒、面白い遊びを教えてあげる事だ。
この頃は上司や先輩と酒を飲むのが嫌だとかいう若者が増えているという。
男と男は馬鹿を見せ合ってこそ心が通う仲となる。銭離れの悪い人間はいつも自分の自慢話、昔話をする。その人間には過去しかないからだ。
大恩ある人や先輩や未来ある後輩のためには、借金もいとわない、そんな人間がすっかり少なくなった。
勘定精算の時、いつもシカトをしている人間には絶対人はついていかない。
ウソでも今日は私が、今日はオレが、今日は自分がと言える人間になってほしい。
とにかく、遊べ、遊べ、遊べだ。先輩にたかればいんだから。
夜の世界は人や会社の金で飲み食いし、自分の金の切れの悪い人間を腹の底から馬鹿にしてこう言うのだ。あの人はズック(クズ)だからとか、野次馬(ヒトダカリ)だからとか。開かないがま口とか。
私はそんなレベルの高い表現は出来ないので、ただみっともねえ奴と呼んでいる。
新入社員も少しずつ会社の風景や人間が見えて来ただろう。
より深く知るには、やはり夜の海に出よだ。私と一緒に海に出たければいつでもご連絡を。心よりお待ちしております。勿論勘定は私が払います。
あまり高いところはダメだけど。