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2016年10月31日月曜日

「第九の季節」

祈りの塔と彼岸花※後藤泰彦さん撮影
倍賞千恵子さんが植えた桜※後藤泰彦さん撮影






年末恒例の「第九」のDMが来た。
ベートーヴェンの第九を年末年始に合唱付きで演奏するのは日本だけらしい。

今も昔もクラシックの楽団員の音楽だけで食べて行くのは大変だった。
そこで考えたのが年末にベートーヴェンの第九を演奏する。それに合唱団を加える。
仮にオーケストラ員200人に合唱団員200人だとすると合計400人。
仮に一人ひとりが知人、友人、親類、家族にチケットを一枚ずつ買ってもらうとすると、
一人5枚としても2,000人の人が集まるという計算だ。2回やれば4,000人。
そうして第一回第九合唱付きが日比谷公会堂で行われたという。

現在日本各地で市民参加の第九が行われている。
参加費を出して唄う?勿論衣装代一式は個人負担だ。
子どもから大人、おじいちゃんからおばあちゃんまで指揮者の試験に受かれば第九が唄える。歓喜の歌を声高らかに。
オーディションを通った人は日々練習をする。毎年出ている人もいるが、しくじっては一年が台無しになってしまう。
あ〜今年も第九の季節か、ついこの間まで暑い暑いと言い、台風や長雨にうんざりしていたのに。

土曜日深夜から一ヶ月分の新聞の整理をした。
朝方寒くて仕方なかった。いっそ暖房をと思ったが止めて靴下を履いた。
この一ヶ月は東京都と五輪関係の記事が実に多かった。
つまり小池百合子劇場であった。あ〜嫌だ嫌だの記事が多い。
救いといえばボブ・ディランであった。やっと連絡がついたとか。
もういくつ寝るとお正月となる。テレビでは女子駅伝を中継していた。

韓国映画を五本借りて来ていたので合間に見た。
「鬼はさまよう」と「あいつの声」、二作とも韓国映画独特のミステリー映画だ。
何しろクルマのワイパーで人を刺し、でっかいタラバガニで顔面をボロボロにするという代物だ。シナリオはすこぶるいいし、編集がすばらしい。
愚妻が好きそうなので見ればと言ったら、見ると言って持って上がった。
次の日恐ろしかったと言った。

溜まっていた新聞各紙を整理再読するには二日がかりとなる。
大川小学校の裁判記事を読みながら、一度訪ねたときに持ち帰った黒い石を思い出し、それを手にした。

石巻に建立した「祈りの塔」の側に、美しい彼岸花が咲いている写真と、倍賞千恵子さんが植樹してくれた桜の木が大きく成長してる写真を、常堅寺のご住職後藤泰彦さんが送ってくれた。

29日土曜日、友人のご子息の結婚式に出席した後、北参道で打合せ、その後銀座の仕事場に行き祈りの塔の写真を見ながらつくづくこの国の無事を祈った。

2016年10月28日金曜日

「逃げたら負け」




昨日午後六時半からある大手広告代理店にスタッフと共に打合せに行った。
エレベーターの中にポスターが貼ってあった。
相撲の行司さんが持つ軍扇のイラストに、残るな、残るなと大きな文字が書いてあった。残った、残ったというのが行司さんの持ち言葉である。
つまり残業をするな、残業をするなというインナー用ポスターであった。
天下の電通が残業するなと、午後十時に一斉に消灯になる。
ならば下々の代理店もそれに従い消灯となる。

打合せが進んで午後八時半、六人の相手との打合せもソロソロ終わりにとなった。
九時少し前ロビーに出ると真っ暗で誰もいない。
外に出るといつもなら会社員でいっぱいの街に気のせいか人が少ない。
スタッフ二人と腹が減ったから何か食べようとなり、一軒の中華料理店に入った。

エラッシャイマセー、エラッシャイマセーと中国人女性が二人。
かなり広い店内にお客さんは一人もいない。オッ、テレビも日本シリーズをやっているではないか、ラッキーであった。シュウマイ(二個ずつ)、ギョーザ(二個ずつ)、春巻き(二本ずつ、半分に切ってあったので正しくは4つずつ)。
スタッフの一人がキュウリの辛いもの一皿、五目焼きそばを三人で、殆どは私が食べた。午後十二時位にクライアントとお上品な和食を食べただけなので空腹であった。

野球は九回になっていた。一対一延長戦ですねというから、野球はツーアウトからサヨナラもあるよと言うと、フォアボールを出した。
クローザー(控えの投手)が逃げてしまった。第三戦もツーアウトから逃げてフォアボール、そしてサヨナラで日本ハムの勝ち、第四戦も逃げてフォアボールから決勝打。
で、第五戦日本シリーズ史上二度目のサヨナラ満塁ホームラン。
日本ハムは二連敗から三連勝で日本一に王手をかけた。

勝負事も人生も逃げたら負け、弱気になり守りに入り、なんとか人生を逃げ切りたいなどと思うと必ず隙が出て運命のいたずらにイジメられる。
病気になったり、怪我をしたり、身に火の粉がふりかかる。
♪~勝つと思うな 思えば負けよ…。と美空ひばりは唄ったが、負けない努力、勝つための情熱がないと、体中から生気が消えパサパサとなり、目ヂカラは無く背中は丸くなり肩は落ち、マイナスオーラに覆われる。

“元気ですかぁ~ 元気があれば何でもできる”と叫ぶのはアントニオ猪木さんだが、その通りなのだ。輸入食品の販売かなんかで大借金を抱えたが、元気ですかぁ~と国会議員になっている。糖尿病と戦いながら。
さしずめOK牧場の血糖、血糖高田馬場なのだ。

私といえばある仕事の入稿が終わり、ド、ド、ドッと雪崩のように疲れが音を立てて出ているが、負けてたまるか、逃げてたまるかだ。
頑張っていればきっと運が両手を挙げて近づいて来る。
「やせ蛙まけるな一茶これにあり」私たちやせ蛙にきっと運をくれる人が現れる。
みなさん元気ですかぁ~。

2016年10月27日木曜日

「新刊案内」

10月25日(火)、青山骨董通りにある南イタリアのプーリア料理、リストランテ「コルテージア」で吉村喜彦さんご夫妻と友人5人で食事会をした。

その席で吉村喜彦さんが、11月15日にハルキ文庫から新刊を発売されると聞いた。
その内容を以下に紹介します。

「ビア・ボーイ」「ウィスキー・ボーイ」
サントリー宣伝部にいた頃、名作の数々を手掛けた吉村喜彦氏の味わい深い文章に触れてください。

2016年10月26日水曜日

「狼を放て(?)」




狼は農家の守り神であった。今その狼を野放しにするという構想が練られているという。
全国の農家を悩ましているのが、シカやイノシシによる鳥獣被害。
収穫直前に農産物を根こそぎ食べてしまう。
またクマの出現は、えっクマが出たのから、あっそうみたいとニュース性のないものになってしまった。

で、農家の人は考えた。黒澤明監督の名作「七人の侍」のように凄腕の男を集めるか、それともシカやイノシシの天敵である狼を輸入して山林に放そうかと。
七人の男では手が足らない。かつてニホンオオカミという山の神がいたが、狂犬病対策でしこたま毒を使ってニホンオオカミまで絶滅させてしまった。
現在日本には狼はいない。

狼は自分自身を捕食する敵がいない「頂点種」だ。
狼は人間が挑発しない限り攻撃はしない。全国の鳥獣被害は莫大である。
私が年に二、三度シカやイノシシを食べた位では何の役にも立たない。
米国でも同様にシカの増加で生態系が悪化し深刻な問題となった。
イエローストーン公園では狼を放したところ、シカは減り、枯れていた植物は復活し、ビーバーたちも戻って来たという。

私と仕事をすると相手は私を天敵のように思い、夜な夜なワラ人形に五寸釘を打つ。
死ね、バカ、アホ、ワガママ、キ印(狂っている)と。この頃特に胸が痛い。
プロフェッショナルは、人に好かれ同情されたら終わり、嫌われている内が花と教えられた。

ちなみに三船敏郎さんは酒を飲み、酔っ払うとクロサワのバカヤロー、二度と仕事はシネーと吠えまくったとか。
仲良しクラブからいい作品、いいクリエイティブは絶対生まれない。
人に好かれようとすると作品のアチコチに妥協の産物がでる。

スポーツの格言に「練習で泣いて、試合で笑え」というのがある。
日々研鑽をした者のみ栄光ある作品が生まれる。モンゴル帝国を生んだチンギス・ハーンは、狼の群れの行動から戦術をしっかり学んだという。この話は後日詳しく。
“送り狼”というのがいる、女性はこの狼には十分注意してください。

2016年10月25日火曜日

「柿」



昨日「恋人たち」橋口亮輔監督について書いたところ、映画友だちから電話があった。
いい役者が出ていたんだぞと。

銀座の仕事場には映画のチラシを数十枚無造作に貼ってある。
「恋人たち」も貼ってあったので改めて読む。
私が“リリー・フランキーさんと光石研さん以外はシロウトさん”と書いたが、正しくは役者さんはメインとなる三人を監督自らオーディションで選んだ。
無名の新人俳優であった。

メインを支える役者として、安藤玉恵、木野花、黒田大輔、山中崇、山中聡、内田慈。
私の知らない実力派が出ていた。チラシを読み不勉強さを知った。
大変ご無礼をした。

群像劇を見る楽しみは、まるで隠し絵のように、ワンカット、ワンシーンに監督の思い入れの強い役者さんが配されている。それをウォーリーを探せのように探すのだ。
映画友だちとは、お互いに観た映画を良かったぜとか、つまんなかったよとか、ブラボー!サイコー!などと言い合う仲だ。

橋口亮輔監督作品に「ぐるりのこと。」というやはり上映した年のナンバーワンになった映画がある。夫婦関係、親子関係、親族関係、自分の周辺の“ぐるり”のことを鋭く怖ろしく描いている。
西川美和監督の「ゆれる」もいい。
香川照之とオダギリジョーの見せる兄弟関係の感情表現がすばらしい。
人間の心の中にある沈殿した闇を知ることができる。
私たちは生きている限り人間の心という見えない怪物と対峙していかねばならない。
人と人は互いにストレスをぶつけ合い“ぐるりのこと”の中で息絶えるまで息をしていく。
「飲み込めない想いを飲み込みながら生きている人が、この日本にどれだけいるのだろう。今の日本が抱えていること、そして“人間の感情”を、ちゃんと描いてあげたい――橋口亮輔」


辻堂駅改札北口斜め前に、ワゴンに載せた柿が3個300円で売っていた。
それを買って帰り、2個を仏前に、1個は深夜に食べた。まだ固くてマズかった。
サランラップで包んで冷蔵庫に入れた。何故か朝からムカムカしていた。
大人しくなり過ぎた自分にだ。

2016年10月24日月曜日

「846分」




土曜日、体に鍼を打ってもらったあと、達人の車で茅ヶ崎駅まで乗せてもらった。TSUTAYAで映画を借りるためだ。ずい分観たかった映画を見落としていた。
「レヴェナント・蘇りし者」「お盆の兄弟」「恋人たち」「王の運命」「ラブバトル」「神なるオオカミ」「マネーモンスター」の七本を借りて来た。
7泊8日計1500円、なんと安いことか。すでに旧作になっていた。

156分+107分+140分+125分+99分+121分+98分、合計846分であった。
これらを観ながら競馬中継で菊花賞を見た、笑点も見て、BSで真田丸を見た。
その後広島対日本ハムを見た。美の壺「風呂敷」も見た。
東京10区の開票速報を見て元公安検事のバンザイ、バンザイに気分が悪くなった。
で、また映画へとなった。

公開した年のベストワンに選ばれた、橋口亮輔原作・脚本・監督の「恋人たち」が抜群によかった。ワンシーンだけ出たリリー・フランキーと、スナックのお客で“美女水”を売りたいとか養鶏場を一緒に経営したいとか言って、義母と頭の薄くなったしがない夫と暮らす40代の女性を騙しては関係を持つその男役、光石研以外は全員シロウトの人を起用した作品だ。

橋口亮輔監督は人間社会のフツーの部分にある、人間の本性にカメラを向け言葉をつけリアルに描き次々と秀作を生む。特別このシーンが好きだった。
狭い平屋の住居、台所と二部屋しかない、一部屋には義母がいる。
無目的にゴロゴロ寝ている夫に「無いから買って来る」と言いタンスの引き出しから財布を出し、自転車に乗って夜の薬局へ、シャッターは閉まっている。
店の横にある自動販売機“愛のスキン”にワンコイン入れて買って帰り、服は来たまま下着だけを脱ぎ、夫にそれをつけ言葉を出さずに行為する。義母に気づかれないように。
タバコを一服するその姿に女のいとしさを感じる。
不倫する相手に会いに行くとき、くわえタバコの火が黒いパンストを焼いてしまう。

私は「恋人たち」という題名から想像もつかない人間ドラマ140分に引きずり込まれてしまった。演出家の凄さがヒシヒシと伝わって来た。他の6本もそれぞれよかった。
「神なるオオカミ」は圧倒的な狼の世界美だ。
先日熊鍋を食べたせいか、レヴェナントでグリズリー(大熊)に襲われるディカプリオを見て、熊肉は見た目よりやさしく、デリケートで実に旨いぞと声をかけた。

どの映画も人間という生き物が生きて行くのが並大抵でないことを描いていた。
株価、株価に狂っている者たち、自分の離婚届を書きながら、兄の婚姻届の保証人になる弟。朝鮮史上最大の悲劇の話、王様ができの悪い息子(王子)だと思い米びつの中に閉じ込めて殺してしまう。
男と女はどれだけ互いの挑発にのらずにいられるかという、いかにもフランス映画らしいテーマ。

月曜日午前二時十九分三十一秒、7本を観終わる。頭の体操ができた。
これから明日二時からの打合せに使う考えをまとめる。強烈な耳鳴りがBGMだ。
NHKテレビからは美しき日本の山々「大台ケ原」の映像が流れ、テロップでは鳥取県で地震があったことを教えている。

2016年10月21日金曜日

「ジビエな私」

昨日ジビエ料理を食べ過ぎたせいで、頭から角が出て、体中熊みたいに毛が生え、雉のように口ばしが鋭くなり、全身が熱くほてり、汗が止まりませんです。

鹿、熊、キジを焼いたりして食べてしまったので、地獄に落ちるのが決定しました。熊肉は味噌鍋にして食し、仕上げは水とんにしました。

知人のプロボクサーと一緒だったので精力をつけてほしかったのです。

ついでに私の方にもついてしまったようでやり場に困っているのです。

地震には十分気をつけて。

そんな話で本日はここまで、みなさんいい週末を過ごして下さい。

2016年10月20日木曜日

「かんぴょう巻き」




昨夜溜池の仕事場を出て、銀座の仕事場に戻った。
午後九時半頃、ちょいと腹ごなしに近所のお寿司屋さんに行った。
カウンター席に私一人、十分後位にかなりこの店に通っている風の男の客が三人入って来た。この店は十時頃には営業が終わる。私は日本酒一合とちらし寿司を頼んだ。

親方はサーファーだ。実に気持ちがいい。疲れた体を癒やしてくれる。
熱烈な巨人軍ファンでもある。
三人の男は座り馴れたカウンターの隅に座った。
その会話が実に面白かった。

マイドイラッシャーイ、ずんぐりした男三人は魚河岸系らしい。
ハイ、後期高齢者のオレいつもの、ハイ終期高齢者のオレいつもの、ハイ末期高齢者のオレもいつもの、ハイマイド。で、ビール一人、冷酒一人、お茶割り焼酎一人。
マッタクヨォ―、小池百合子はまるで月光仮面かウルトラマンだぜ。
オヤ歯、どうしたのと親方。抜いちゃったの、でもお寿司は食べれるの、ガリは飲み込むの、ウハハハ。
巨人はドラフトで誰を取るのかね、弱いね~、巨人、なにしろ暗いよ。
親方が今年は駄目だったねぇー、来年も駄目だね。
東京都もいい加減だねぇー、見積りちょっと直したらいきなり100億円以上安くなるなんて、仲買いの◯△やめるらしいよ、やってらんねぇーって、フィリピンの女とフィリピンに住むんだとよぉ、なんだかイカが噛めねえーな、ホタテはやさしくていいやな、とまあこんな会話が進んでいた。

七十~八十二、三才の三人の男はすこぶる平和であった。
結局よぉ―オレたち最後に食えるネタは玉子焼きだけだよ、ウハハハァと三人は笑った。新富町「寿し辰」ここの刺し身とちらし寿司に勝る店はない、何しろ安くて美しくて旨いのだ。巨人軍ファンではなくてもいい応対をしてくれる。
最後にかんぴょう巻きを一本巻いてもらった。私はもう一度仕事場に戻った。

2016年10月19日水曜日

「清々しい顔」



私がブラブラ歩いていたらただの与太者だが、タモリがブラブラ歩くと「ブラタモリ」という高視聴率の番組となる。

昨夜銀座キャピタルホテルというビジネスホテルに泊まった。
午後十時過ぎチェックイン。暑いの苦手、寒いの苦手な体である。
狭い部屋にエアコンが効いていない、でフロントに電話して部屋を冷やしてと言うと、全館送風ですと言う。必要なら扇風機をと言うから持って来てとなり扇風機を回す。
省エネなのと聞けば、まさか10月中旬にこんな暑いのは計算外だったとか。

午前一時過ぎにテレビ「ブラタモリ 富士の樹海」を見る。
松本清張の小説「波の塔」で有名になったある事の名所である。

広島カープの黒田博樹投手が引退宣言をして記者会見をしていた。
やるだけやった男の清々しい姿があった。体のアチコチがボロボロで痛み止めの注射を打ちながら投げ続けた。若手は黒田博樹を見て成長した。逃げるな内角を攻めろと。

「笑っていいとも」で働き詰めだったタモリは余生を楽しむようにブラリ、ブラリと歩く。博学である。サングラスをかけていて顔は見えないが、やはり逃げずに仕事をやり遂げた男の清々しさを感じる。

私はふと思った、今上天皇がもう体の無理が効かない、退位をさせてほしいと申し出た。大手術や病気を重ねながら象徴役をこなすのは神より難しいはずだ。
私は天皇制については距離を置いているが、一日も早く皇太子に譲位して人間的に過ごしてほしいと思う。(文中敬称略)







2016年10月18日火曜日

「ピート小林氏」




白くて厚いボール紙を封筒代わりに仕立て、白いガムテープを厳重に貼り付けた手応えのある郵便物が届いた。文字を見てすぐ分かった。
本名小林直道、通称(ペンネーム)ピート小林氏からであった。

中には展覧会の案内状。
10月21日(金)~30日(日)~写真家ピート小林とお米マイスター五つ星小池理雄の出会い~。ピート小林氏は多芸である。

青山学院大を卒業した後、ブルックスブラザーズへ、その後アメリカに渡りバーテンダーを七年間位したと聞いた。ピートはその頃に付けられた愛称だ。
帰国後、外資系広告代理店マッキャンエリクソン博報堂でコピーライターとして活躍、その後大手広告代理店電通に入社、クリエイティブディレクターと営業を経験し、フリーランスとなる。

故ジョージ伊藤さん(凄いシズルアート&スタイリスト)とコンビで作ったサントリー・カクテルブックは後世に残る大仕事であった。
2000種近いオリジナルカクテルをピート小林がシェーカーで生み、カクテルグラスはすべて違うグラスであった(レシピはピート小林)。
コピーライターであり、バーテンダー、それと甲子園大会写真家。
日本中アチコチの桜の写真も撮り続けた。

近年は案山子を追って日本中の畑を回って撮り続けている。
10月21日(金)NHK BSプレミアム「新日本風土記」九時~九時五十九分で、初日取材されるのが放映予定と米粒みたいな小さな文字で書いてあった。
Space WAISE(渋谷区渋谷2-8-4佐野ビル2F)、地下鉄表参道駅B3出口より徒歩10分のところにある。お時間のある方は是非立ち寄ってあげてください。

ピート小林氏はワンコイン英語レッスンもやっている。
とてもいい所と、とてもトホホが同居している身長185センチ位の立派なヒゲの大男。
私には大きな仕事をずっとさせてもらった大恩がある。父君は協会の牧師さんであった。生活に窮したときは、UR機構の訳あり物件に住み転々としていた。

若い頃、朝日広告賞のグランプリを受賞した。
Macのシリーズ広告、ジャガーのシリーズ広告は歴史に残る名作である。
アートディレクター&デザインは名人高橋稔さんであった。カメラは確か秋元茂さん。
トホホのない広告人であったならきっとその名は高名を極め、財を極めたであろう。
多種多芸が広告人だけであることを可能にしなかった(今のままがいちばんだ)。

原型を留めなくなるほど使い古した時刻表を友にし、列車を乗り継ぎ案山子を撮ったものが写真集「カカシバイブル」(東京書籍)として売り出し中。
実に明るく、楽しく、人間臭く、オシャレでキュートでチャーミングな案山子たちだ。

先日恵比寿の山小屋というかわいい画廊で見た坂田みつ豆さんの“チビ豆”ちゃんの写真展もユーモアセンスにあふれていて良かった。
一枚の写真を見て生きる力をもらうことがある。
ユーモアのない今の世の中はとてもキュークツで、嫌な気分なのだ。

「案山子写真家とお米屋さん展」きっと行くからな。
住所がずっと変わっていない、定住の地を得たようだ。一途な男にひとまず乾杯!だ。