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2011年4月4日月曜日

湘南から喜怒哀楽 「まだ春」


泉谷しげるの名曲がある「春夏秋冬」だ。

「春をながめる 余裕もなく 夏をのりきる 力もなく 秋の枯葉に 身をつつみ
冬に骨身を さらけ出す 今日ですべてが終わるさ 今日ですべてが変わる 今日ですべてがむくわれる 今日ですべてが始まるさ」


今、人と会うといや〜大変だ、もう終わりだ、あの仕事も飛んだ、あの仕事は消えた、あのイベントは中止になった、先が見えない、あの店は閉めたそんな話ばかりだ。

春なのに真冬の様だ、心も体も冷え切ってしまった。
そんな中で会社の若いスタッフが日曜に出て来て手作りの箸袋を700枚作り、割り箸を入れてラジオの企画に持って行った事を知った。一枚一枚にひと言ひと言が書いてあるカラフルなお箸だ。きっと心を割って喜んでくれるだろう。
私は静かに熱い若いスタッフに敬意を持った。


作家、開高健はアウシュビッツを訪れた時「全ての言葉は枯葉一枚の意味を持たない」と書いた。果たしてそうだろうか、敬愛する先生のお言葉だが「一行の力」というのもあるたったひとことに勇気をもらったり希望を感じる事があるからだ。

今は雨にも負けて風にも負けていい。心に太陽を持たなくていい、唇に歌を持たなくてもいい。粘り強い東北人よ涙枯れるまで泣くといい。喉が枯れるまで叫ぶといい。どこからでも助ける人が来れば助けてもらうといい。宮澤賢治先生もそうするだろう。


「てんでんこ」という言葉があるのを知った。
それぞれてんでんに(一人一人)生き抜けという意味を持つらしい。又、津波などが来た時それぞれ逃げろと伝わって来たらしい。我々もてんでんこだ。一人一人が生き抜く事だそして一軒一軒、一店一店、一社一社、一村一村、一町一町再生して行こう。


「春夏秋冬」はまだ春が始まったばかりだ。
これから夏が来て、秋が来て、冬が来る、これは日本の掟だ。出来れば涼しい夏、心地よい秋、寒くない冬をお願いしたいものだ。

4月になってテレビ番組が一斉に始まった。性懲りもなくクイズ、バラエティ、食べ歩き、何も変わっていない。やはりこの国は学習効果を上げない様だ。お笑いの連中はみんな復興の手助けに行けといいたい。

東大だ東工大の原子力専門の学者は何故誰も現場を見に行かないんだ。
テレビのACのコマーシャルで「それって必要ですか」と「電話やメールは控えめに」とか「無駄な買い物はしないで」とか言っている人たち早く現地に行きなさい。沢山買い物をしてから。

「日本は強い、信じてる」なんて言っている人も早く行って強いところを見せて欲しいものだ。そういう私は実のところまだ現地に行っていない。
ただただテレビや新聞に向かってブツブツ文句ばかり言っている駄目な人間だ。

おっ、又地震だ。
何か体が始終揺れているのはアルコールのせいだろうか。
今日で全てが終わるさとなって欲しい。今日で全ては始まるとなって欲しい。てんでんこに。

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