私は「距離」である。私距離は現在ソーシャルディスタンスなどと言われている。人間とは文字通り、“人と人との間”である。それが今、人間間間間人位に離れないといけない。麻雀をやっている人なら、千鳥(チドリ)という用語を知っているはずだ。(千鳥格子模様から)例えば麻雀牌(パイ)を上下17づつ積む時、|中| |中| |中|と飛び飛びの間をとる。現在人間関係はこの千鳥となった。列車の中、会社の中、レストラン、飲食店、映画館など人が集まるところは座席に╳印がついている。コロナウイルス狩りなどというのが始まった。米国で吹き荒れた赤狩り(マッカーシー施風)と同じだ。コロナに感染すると魔女狩りが始まるだろうと以前書いたが、やはりその通りとなった。家のご近所とか、学校とか、飲食店でコロナ感染者が出ると、陰湿なイジメがSNSによって一斉に行なわれる。いずれ“八つ墓村事件”みたいな惨劇が生まれるだろう。格差社会で人と人との関係、友人と友人、親と子、夫と妻さまざまな関係が、すでに千鳥となっている。家庭内感染が増えたから、いよいよ家庭内は千鳥となる。地方では“村八分”などという言葉が復活しているとか。内緒の話は“あのねのね”と言うが、人の顔を遠くで見ている人が、本当は今晩のおかずは、コロッケと魚の煮付、ヒジキに冷奴なんて話をしているのだが、コロナ感染で疑いを持たれた人は、アノヤローたちいつか見ていろ、人の噂ばかりしくさってとなる。大阪府知事の吉村さんがイソジンみたいな、うがい消毒液がコロナ感染に効く、そんなことを記者会見で話したら、近所にあるドラッグストア 「クリエイト」から、あっという間にうがい薬は消えたとか。その内イソジンのオンザロックみたいのを飲む人間が出るだろう。犯罪史に残る無残な事件は、小さな噂話から始まっている。又は、あの家の人は感染しないのに、なんでウチの人がとの嫉妬心である。人類史上初の殺人事件という、カインとアベルも兄弟間の嫉妬みたいのから生まれた。神々の世界も又、嫉妬の世界なのだ。私距離は人と人とがどんどん離れ離れになって行くこの世を嫌う。ちなみに「千鳥格子」という名称は、その模様が飛んでいる千鳥が連なって見えるところから来ている。(英国ではツィードとも言う)さらにちなみに、麻雀のプロたちは千鳥というツメ込みで八百長をやる。私たち貧しき者は必死に働いているのに、総理大臣は十月まで長い休みをとるのだとか。指揮官のいないコロナ戦争に終わりは見えない。政権はすでに千鳥足となっている。400字のリングはしばし休筆する。
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