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2023年3月18日土曜日

つれづれ雑草「子どもたちの夢」

本日土曜日東京発小田原行に乗車した。会ってうれしい花一匁みたいに、14人の仲間と久々に会い、銀座の貸会議室にて、とある作戦会議をした。午後一時半から二時間ほどであった。あと二人はパソコンで出席してくれた。十代の頃100メートルを10秒台で走った快速の男が、私たちの若頭である。今では東京コピーライターズクラブの会員であり、先生でもある。中央大学の法学部を出て、何故か私の会社に入ってくれた。正義を貫く熱血漢でもある。黒髪だった青年は、銀色の髪となり、いよいよこの国の広告界の幹部となってくれるだろう。会議はこの若頭が仕切ってくれた。会議が終り外へ出ると、どしゃぶりの雨であった。やっと来た赤い空車の文字のタクシーに乗って東京駅八重洲中央口へ。改札口から中へ進むとそこは人の渦、えっこんないるのかよと思うほどの状態であった。この国の民はみんなみんなちゃんとマスクをしていた。マスクをしていないのはポツンポツン。外国人たちもみんなマスクをしていた。マスクを外せば四角い顔の人も、三角形に近い顔の人も、まん丸の顔の人もマスク&マスク。恐い顔の人も、つまんない顔の人も、楽しい顔の人もマスク&マスクであった。小田原行に乗ると、隣りに若いカップル。男は26歳位でメガネをかけたマジメな会社員風、女性は同じ位の年令で、ポッチャリ顔の看護師さん風であった。何故顔が見れたかといえば、二人はマスクを外して“おにぎり”を食べ始めたからだ。但し二人はフツーの食べ方をしていなかった。それはおにぎりを“お箸”で食べていたのだ。二人共ビニールみたいのに入れた、手作りの大きめの海苔のついたおにぎりを、お箸で一粒二粒三粒、多くて十五・六粒を箸箱から出した“マイバシ”で食べる。それは私にとって初めて見る、ほほえましい食べ方であった。中に大きな梅干しが入っていたのを食べた時、すっぱかったのか男の人がピクッ、ブルルと動いた。私も釣られてピクッとした。二人はそれぞれ一つのおにぎりを食べ終わるのに、東京→新橋→品川→川崎までかかった。夫婦だろうか、恋人同士だろうか。この世には夫婦の数だけ偶然の出会いがあるのだなと思った。それは奇跡的な出来事なのだ。先日ある調査があった。小学生、中学生、男女に尊敬する人は誰れですかの問いに、小・中学生共に「お父さん、お母さん」と答えた。将来はどんな道に進みたいですか、あるいは成りたいですかの問いに、一位が会社員であった。それも公務員が人気であった。かつてはプロ野球の選手とか、サッカーの選手とかが上位であったが、それは上位にはない。ユーチューバーというのが、男の子の第三位にあった。プログラマーもあった。宇宙飛行士とかがあると思ったが、長引くコロナ禍で家に居る父親がテレワークなどで、自分たちのために働く姿を見たからだろうか、それを支える母親の姿に心打たれたのだろうか。子ども心にリストラとか、廃業とか、閉店とかの現状を見て、やっぱり潰れる心配のない大きな会社に入りたい、公務員になりたいと思ったのだろうか。おにぎりをお箸で食べる二人に子はいるのだろうか、あるいは将来子を持つのだろうか、その頃この国はどうなっているのだろうか、と思いつつ窓の外の雨模様を見ていた。子どもたちの将来の夢が、会社員、公務員なのか、これがいいのか否かは分からない。宇宙飛行士とか、探検家や博士とか発明家が夢であってほしいなと思ったりする。大好きな大相撲大阪場所で横綱を目指していた、大関貴景勝が怪我をして休場となった。これにて昭和以降ではじめて、番付から横綱、大関がいなくなって、関脇が最上位となった。一説によると、怪我が多いのは稽古が厳しくなくなったからだ。むかしのように、気絶するほどぶつかり稽古して、バケツの水をぶっかけられて、又、ガチンガチンに“シゴカレ”る。今ではパワハラでありえないが、実はこうしたやり方の時代の方が怪我が少なかったのだ。「土俵の怪我は、土俵で治せ」が格言であった。子どもたちがプロ野球選手になりたいというのは、かつてはずっと第一位だった。テレ朝とTBSがWBCワールドベースボール・クラシックの放映権を買った。NHK、フジTV、日テレ、テレ東はスルーした。テレ朝とTBSのモーレツな、大谷・ダルビッシュの露出効果で、放映全試合が視聴率40%を超えた。紅白歌合戦以上である。もし、大谷とダルビッシュの両選手がいなかったらと思うと、ゾッとする。日系の外人頼りになっていたかも知れない。いよいよマイアミでメキシコと準決勝だ。ガンバレ、佐々木、村上、アレ次の名が出てこない。そうだ、山本、岡本がいた。吉田だっている。今夜、私はおにぎりをお箸で食べてみようと思っている。中味は“おかか”とやはり“梅干し”だ。ピクッとして、ブルル。ネギとおとうふの味噌汁、それと黄色いたくあんだ。(文中敬称略)  




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