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2023年3月25日土曜日

つれづれ雑草「1万円」

春雨じゃ濡れて行こう、であったが少々雨は強かった。前回一分遅刻して観れなかったので、今回は30分ほど前に試写会会場に行った。春雨が強く、全身を濡らした。私は傘を買って持つということはない。そのかいあって今日まで、ロケで雨によりスケジュールを変更したことはない。絶対的な晴れ男である。“プロデューサーは傘を持つな”を貫いているのだ。やさしくて親切な「葛西 薫」さんから、電話があり先日は一分遅れで入れなかったとか、ボクから連絡しときますと言ってくれた。いや私に非があったので、次は早く行きますよと言った。作品名「せかいのおきく」は、ピタッと時間通り始まった。長い間いろんな映画を見てきたが、糞尿をドボドボと桶の中に入れるというシーンから始まったのは、この作品が初めてである。江戸時代の中期、一人の若者は糞尿を肥料として使う農家に売って生計を立ている。もう一人の若者は、紙屑を集めて売っている。映画は底辺で生きる若者の青春映画である。モノクロスタンダードサイズのフィルム(今どき珍しい)で撮影したのは、達人「笠松則通」さん。静かなること山の如しであり、剣豪の如く、近寄り難き凄みがある。糞尿も香り高く美しい。雨のシーンが多いが、それは映画界全盛時代であった、昭和の数々の名作をも凌ぐ。最下層でも明るく生きる二人の若者、武家の娘を演じる「黒木 華」が絶品だ。糞尿売りを「池松壮亮」紙屑売りを「寛一郎」が演じる。この作品は、美術監督である原田満生が発起人となり、気鋭の日本映画製作チームと世界の自然科学研究者が連携して、様々な『良い日』に生きる人々の物語を「映画」で伝えるプロジェクトの第一弾なのだ。人間は飲んで食べて生きる。食べたもの飲んだものは、“糞”となり“尿”となって出る。近代になる前まで、糞尿は畑で肥料としてまかれ、野菜を育てた。人はその野菜を食べ、それはまた糞尿となり野菜を育てた。サーキュラーエコノミー(循環型経済)の最先端が江戸時代の日本の風景にあった。「YOIHI PROJECT」として、今後も運動化するという崇高な志がある。バイオエコノミー監修として、藤島義之/五十嵐圭日子が参加して、今日の物質文明、これからの地球環境問題への底深いテーマがある。自然との共生とは、バイオエコノミーのポイントとは。大金持ちの“糞”は金色ではない。貧乏人の“糞”も大金持ちと同じだ。高貴な娘も、貧しき娘も、糞尿は平等なのだ。あることで声を失ったおきくは、恋をする。彼に伝えたい言葉がある。つらく厳しい現実にくじけそうになりながらも、心を通わせることを諦めず生きて行く。「せかいのおきく」は愛おしい青春物語であった。近々公開(2023年4月28日[金])なのでぜひ映画館へ行ってほしい。私も封切りと同時に映画館の大スクリーンで、美しく、香り高き糞尿を観る。数々のヒット作を世に出してきた、阪本順治監督の代表作となり、デジタルな映画界へ一石を投じるだろう。糞尿まみれの政界を生んだのは、投票者である我々国民だ。ガーシーなる人間に28万余票が投じられたのは、既存の政治家への諦めだろう。国家権力とは恐ろしい力を持っている。自分たちは糞尿まみれだが、議員特権で守られる。ひたすら利権を追う。野党も大マスコミもガッチリ弱味を握られて、糞尿になっている。それらはリサイクルに使うことすらできず、ネット上の情報を、食べて飲んで糞にしてぶつけているだけだ。自分の足で調べている議員は少ない。朝日、毎日、読売などの大新聞も同じであり、気骨ある記者が書いた記事はボツとなり、その身は地方の彼方に飛ばされる。NHKをぶっ壊すと言っていた政党が、逆にぶっ壊わされてしまった。雨の辻堂駅には、各党の市議会委員のサポーターが、手渡しのチラシを渡しているが、それを手にする人は殆どいない。バカ者め市議会委員が、高級車レクサスやアウディに乗っている。選挙が近づくとそれを隠して小型車に乗る。発想がセコイのだ。SUVの大型車に乗っているバカ者が共産党員なんて、私には信じられない。安倍晋三(故人)という強力な後盾を失った“高市早苗”が徹底的にさらし者にされている。森功著「国商」ではJR東海の社長だった故葛西敬之がいかに安倍政治を動かしたか(あるいは動かされていた)が克明に書かれている。又、伊藤博敏著「同和のドン」には、上田藤兵衞(78)がいかに、同和運動、自民党、山口組、バブル紳士、闇社会と共にあったことが克明に書かれている。つまるところ、戦後から現在に至る“深い闇”の世界である。それは生きていた人間が、何人もこの世から消えた、闇の狩人の歴史でもある。金(カネ)と銭(ゼニ)は汚れた人間に、多く渡るようになっている。真面目な人間は馬鹿を見るのだ。税金をしぼりとられて、年末調整で戻ってくるのは、わずか一万円とのことであった。Shit!(文中敬称略)  



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