「悪党」故新藤兼人監督の映画だ。足利尊氏の第一の側近に“高 師直(コウノモロナオ)”という男がいた。室町幕府ができた頃、武士という呼び名はなく、悪党といわれていた。高 師直は好色な男で、部下の妻に横恋慕する。ある夜その女性が入浴しているところを、デバ亀のようにノゾキ見をする。女性の夫は地位が高く、正義感が強い。塩谷判官(エンヤハンガン)というから法を守る仕事をしていた。自分の妻がしつこくつきまとわれていると知った塩谷判官は激怒して、権勢第一の悪党をこのバカスケベヤローとこらしめる。が、しかしいつの世も善人は悪人のチカラにイジメ抜かれる。塩谷判官は地方に飛ばされる。だが権勢はつづかない。やがて首が胴体とオサラバする。ずっと昔の映画なので記憶は定かでない。悪党を「小沢栄太郎」塩谷判官を「木村 功」その妻は「岸田今日子」だった。映画は実によくできた作品で、さすが新藤兼人監督であった。で、悪党だが永田町に行くと群れをなしている。悪臭を放ちながら。高等教育を受けた人間たちは、悪党になるために学問をススメていたのだろうか。辻堂↔︎東京↔︎京都↔︎奈良↔︎木津川に行って来た。ある産業を復活させるための工場見学だ。俺たちは三人、大手不動産会社の偉い方と女性一人、群馬から社長さんたち二人であった。みんな善い人ばかりであった。帰りの新幹線の中で、朝刊を読んだ。英・仏・米・露・中国という悪党大国、それに振り回されるのが核を持たない国々だ。(といっても核は大反対)気色悪い“石破 茂”、暗闇の牛のような“森山 裕”、格下げになってもしがみつく恥を知らない“麻生太郎”、深酒つづきの“岸田文雄”、嫌われ度No1の“茂木敏充”たち。不倫しておいてヘラヘラ笑っている“玉木雄一郎”、裏切り寝返り渡り鳥の“前原誠司”、永田町の泥水にたっぷり浸って、悪党だらけ、極めつけはNHKをブッ壊すのオッサン“立花孝志”だ。だが映画の主役を張れるような顔はいない。やはり小沢栄太郎は名優だ。少子化が加速して、一年間で和歌山一県分(約90万人)が減少した。胸がハチ切れるような恋をしない。愛に溺れない。まして結婚なんてという若者が増えつづけている。悪党を退治する人間はSEXをしないと生まれない。(イエス・キリストは例外)このままではこの国は確実に滅びる。野性を取り戻し、理性を生み落とせ。しかし今の世は、みんな“高 師直”のように、スマホでノゾキ見している。新幹線の中の乗客は不気味なほど無言であった。外国人はこの無言が信じられないらしい。あと、ごはん“おかわり”とか、ごはん“半分”とか、ほんの“ちょっと”とか日本語の繊細な表現が分からない。悪党たちは、おこぼれおかわりとか、おこぼれ半分とか、おこぼれほんのちょっとでもと利権を漁りまくっているのだ。俺もすっかり悪党顔になって生きている。ちっちゃな頃から 悪ガキで 15で不良と呼ばれたよ……チェッカーズのこの歌が気に入っていた。もう一曲ある。北海道の伝説の悪党(ヤクザ者・荏原哲夫)の歌、ヤクザ者なら知らない者はいない。曲の名は「484のブルース」♪~ 義理や人情に あこがれた 十九 はたちが 花だった……「484」とは札幌刑務所の旧住所である。悪い事をするとここに入れてもらえる。永田町の権力者たちは、実のところ有能な官僚の手のひらの上で踊っている悪党の山なのだ。
(文中敬称略)
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