2010年2月1日月曜日
人間市場 立ち食い市
2010年1月31日日曜日
人間市場 デニーズ市
ある哲人、ある政治家が言った言葉である。60分間速歩で歩き、消費カロリーは300カロリーである。汗まみれになって息を切らせて、コップ一杯のビール分である。
ようこそデニーズへ。かつて入った事もないファミレスに入った。注文はアイスコーヒー一杯である。別に健康オタクではない。自らに達成感を求めて、自らの根性を試している。ゴールドジムに入ったのである。
朝7時半、ようこそデニーズでアイスコーヒーのブラックを頼む。
目の前に四組のお客さんが見える。80人程入る店である。中年の夫婦、若い男二人、一人のOL風の女性。二人のサラリーマン風の男がなんとなく目に入る。
目はメニューのある数字を追っている。中年の夫婦は和定食である。ご飯、味噌汁、焼き魚、卵焼き、グリーンサラダ、納豆。メニューには780キロカロリーと書いてある。食欲盛んな太った夫婦はもりもり食べている。若い男二人は早朝より生ビールを大ジョッキで飲んでいる。フライドポテトにマスタード、トマトケチャップ付きである。ミックスサンドを二人で、メニューの数値は1100キロカロリーである。一人のOL風女性、年の程は25、6歳であろうか、スクランブルエッグ、コーヒー、ハムチーズの小さな盛り合わせとコーンサラダを黙々と食べている。メニューには780キロカロリーと書いてある。太っていないサラリーマン風の二人は何と朝から牛丼を食べている。それにコーヒーである。メニューには860キロカロリーと書いてある。味噌汁、香の物付きである。皆、食欲は旺盛である。
私と言えば、ただアイスコーヒーを飲んでいる。元々、朝食の習慣はない。かつて大河内教授という東大の学長が退任の言葉で、太った豚より痩せたソクラテスになれと言った。私はただ太った豚で終わりたくないのである。ガバガバ食べ、チョコパフェを食べ、飲み放題のコーヒー等をガブガブ飲む人を見ると、強烈な嫌悪感が走る。長生きしよう等と思う気はさらさらない。
中年夫婦の食欲は旺盛である。出た物をすっかりたいらげ、デザートに季節のフルーツを頼んだ。
8時になったので私はその上の階のジムに入った。耳にイヤホンをつけ、速度を時速6kmにセットして速歩で歩く。20分も過ぎると汗が出てくる。目の前のメーターに走行距離、消費カロリー等が表示される。30分を過ぎると汗と共に前の晩の酒が出てくる。少しピッチを上げる。テレビの画像を追いながら、ベルトの上を歩く。40分、45分、50分、60分。全身汗まみれとなる。
私の横で痩せた女性が、もの凄い速さでベルトの上を走っている。凄い速くて痩せている。美人ではない。何か恐い。私がシャワーを浴び、帰り支度をしていても未だ走っている。その時間すでに一時間半は超えている。私はインストラクターに聞いた。あの人は何なの?答えは、神奈川のマラソン大会で二度優勝している人だった。なるほど。
東京に出るべく駅の改札口に行く。そこにかの中年夫婦がいた。共に太っている。糖尿病になるか、通風になるか、高脂血症になるかよろしく食べまくってという気持ちである。
犬も歩けば棒に当たるという。この15年歩いて、歩いて、歩き続けた。中々棒に当たらない。ようこそデニーズのように、ようこそいいアイデアに会いたいものだ。ホームにOL風の女性が立っていた。右手に「美的」という月刊誌を抱えていた。
毎日歩かなければならない人をアル(歩)中というらしい。私は酒のアル中でありながら何となくこの15年アル中になっている。目の前に、牛丼、玉丼、カツ丼、ウナ丼、天丼が浮かんでは消える。何の為にドンドン歩いているのかは判らない。
2010年1月30日土曜日
人間市場 無気力市
無気力的脱力性の人っていますね。何かヤル気あんのか無いのか、朝ごはんや昼ごはんをちゃんと食べているのいないのか。何か下っ腹丹田に力が入っていない人です。
NHKの天気予報士の渡辺博栄さんなんかその筆頭です。もの凄い台風が近づいて来ていても、豪雨があっても、洪水となっても全く話すトーンが変わらない。この人は天気予報をしている間強風で大木がなぎ倒されて命に危険があってもきっと、何事もない様に原稿を棒読みしているだろう。
細い体、猫背気味、度の強い眼鏡、消え入りそうな声、この人が天気予報をすると大事も小言に思える。私はこういう脱力性の人が実は大好きなんです。ヤル気あんのかオリャーとか大声出すと、ありませんなんて軽くいなされるのです。
鶴岡政義と東京ロマンチカというグループがあります。「小樽の人よ」なんて大ヒットを持っています。「君は心の妻だから」なんて毒フグを食べたより痺れます。このグループのリーダーでギタリストの鶴岡政義さん、この人も全くヤル気が見えません。全然当たらない占い師風、すっかりさびれた神社の神主風です。チョビヒゲを生やし、古ぼけたギターをつま弾きます(中々いいんです)か細く、度の強い眼鏡をかけ下をずっと向いています。上を向いて歩かない人なのです、だから時々十円玉や百円玉を拾うことがあるといいます(想像です)。ギターを弾きながら今日は客の入りがイマイチだなとか、ボーカリストの三条正人がもっとギャラを上げろと言っていたなとか、ただア~とか、ウ~とか歌っている連中にリストラを宣告しなければとか考えながらつま弾いているのです(想像です)。
NHKの「のど自慢」の演奏者たち、ピアノ、ギター、アコーディオン、ドラムみんな全然ヤル気が見えません。何しろ歌う相手がリズムを外すのでそれを追いかけてあげるのですから伴奏とは言いません、追秦です。ヤル気なんか出したら大変な惨事が起きてしまいます(想像です)。気合いだ、気合いだ、気合いだなんてハチマキして喚いているアニマル浜口もこの人たちの前では気合いが入りませんし入れられません。
柳生流の極意に無刀取りというのがあるそうです。文字通り相手の刀を素手で取り(或いははさみ)相手を倒す。その極意こそ無力なのです。上ばかり目指す事を考えている目先の勝負ばかりに気を取られている方々、是非ご紹介した人々を見て下さい。きっと勉強になりますよ。
今私が手がけている本の一つは偏差値36位の劣等生がわずか半年死に物狂いで勉強したら見事早慶に入学できたという11人の実録物です。高校の先生から日々お前ヤル気あんのか、今のままじゃ田舎の三流大学にも入れないぞ(すみません、先生がそう言ったそうです)ブログアクセスNO1の塾長林尚弘先生25歳(学習院出身)が出版の相談に来ました。
劣等生という言葉が気に入り引き受けました。三月頃には書店に並ぶはずです。受験は一つのコツだと林先生は言います。
この参考書一冊と決めたらそれと心中する覚悟でその参考書を食べ尽くすのです。偏差値の低い受験生の人、劣等生と言われている人、まだまだ諦めてはいけません。打つ手は沢山あるのです。この国の歴史を動かして来たのはみんな下級武士、劣等生たちですから。
2010年1月29日金曜日
人間市場 待合室市
どんより、まったり、ひんやりしている無言の空間にその女性が入ってくると一瞬室内は緊張感が生まれる。
長身、黒髪、知的、優雅、ハイセンス。こんな人がどんな病気なんだろうと待合室にいる人たちは心の中で思っているに違いない。
風邪かな、胃かなそれとも腸かな、先生はいいな、あんな素敵な女性に、ハイ、服を開けて下さい、聴診器かなんか当てて、ドッキンドッキンの音を聴いたり、お腹なんか触って少し固いですねなんて言ったり、エコーなんか必要でもないのにゼリーみたいのを塗って何やかんやすんだろうなと思っている事がありありだ。
オイ、君たちよからぬ事を思ってんだろうと言おうと思ったが私の口から出た言葉は、お母さん元気?この間風邪引いたって言ってたけど、おそば屋さんで会った時グズグズしてたよ。おばあちゃんは相変わらずお元気だったね。こういった瞬間、室内にプア~ンとした空気が漂いました。会社大変だねと続けると更にみんな自分の病気も忘れたのです。
その女性はJALのスチュワーデスさん、今はキャビンアテンドさん。小さな頃から知っている娘さん、お人形みたいに可愛く、幼稚園、小学校は白百合、その後は清泉インターナショナルへ、英国、仏語、露語が得意。苦手は日本語なのです。少し気取り気味で少しタカビー的、かなりエラソー風日本語なのです。
この日はお母さんの薬をもらいに来たとの事。隣同士に座り二人で話しているとみんな興味津々の感じ。耳をそばたてていて名前を呼ばれ慌てる人もいたりして。会社近々や辞めるんですよ、なんで?と聞くと、何かすっかりプライド傷ついちゃってと答える。アレもダメ、コレもダメ、ダメダメ尽くし。今は成田まで電車で通っているんですよ、だって。
実はタクシー券を使っていたのです。他にも至れり尽くせりで来たのです。
御年28歳独身、かなりワガママです。お金がかかりますがどなたかいりませんか?
ご紹介します?別に本人から頼まれてはいませんが。
私が手にしていた週刊誌の表紙にでっかい文字でJAL法的整理へなんて書いてあります。記事の中には甘ったれた体質、法外な給与年金体制、パイロット、キャビンアテンドへの特権なんて書いてありました。プライドの高い雲の上の人(職場です)ですが是非どなたか立候補して下さい。人生に墜落する危険がかなりありますが。
2010年1月28日木曜日
2010年1月27日水曜日
人間市場 山下公園市
2010年1月26日火曜日
人間市場 ピンポ〜ン市
六十代の女性と三十代中頃の女性そして十歳位の女の子が立っていた。何か、あの私たちキリスト教の布教です。イエス様にご興味は?ノーです。イエスでないのですみませんと言った。
今日は扉を開けてくれてありがとうございましたと言う。丁度玄関の装置が壊れていて家の中の画面に写らなかったのだ。他の家は空けてくれないんですかと聞くと、ええ、ほとんど開けてくれませんと言いながら頭を下げて他に向かって行った。
ピンポーンというから又、玄関を開けると手に大きな紙袋を持った二十六,七のアンチャンが立っていた。チワー、読売新聞なんですがとってくれませんかとりあえず夕刊だけでもいいんすよ。三ヶ月だけでも、何なら本紙無料で入れますよ、三ヶ月でいいんですたのんますよ、これどうぞと紙袋を出す。朝日インテリ、読売ヤクザ、毎日ノンポリって知ってるか、もっとも朝日も毎日もまるきり駄目新聞になっちまったが、読売ヤクザはそのままだな、人の家に勧誘に来るのにスリッパはないぞと言うとすんませんと頭をぺこりと下げた、じゃいいすよこれどうぞと言うからいらないよと言って帰しました。
ピンポン、ピンポーンというから玄関を開けると若い男女。何ですかと聞くとケーブルテレビなんですけど入ってもらえませんかと言う。色々入っているからいいよと断る。カタログ読んどいて下さいと渡される、読んどくわとサヨウナラ。ピンポン、ピンポーン、何ですかと聞くと植木職人です、前を通ったら門の椿の木がお手入れ不足。誰かにお手入れを頼んでいますかと言うから、長い間見てくれていた人がこの間亡くなったんだ、だから植木屋さん探してたんだよ。じゃ是非やらせて下さい。オイ挨拶しろや、この若いの慶応大学の湘南キャンパスを卒業してから私のところに弟子入りして来たんです、中々見所があるんですよ。来週に来ますけどご都合は、ちょっと家の奴がいないから連絡先教えといてよと言ってその日はお別れ。
ピンポン、ピンポーン、自治会の集金です。
ピンポン、ピンポーン、花屋ですが。ピンポン、ピンポーン、クリーニング屋ですが着物が上がりました。ピンポン、ピンポーン、JAですがお米を持って来ました。
ピンポン、ピンポーン・・・、もしもし俺だ。ピンポンピンポンうるさくてしょうがない直ぐ帰って来い、しょうがないでしょ月末なんだから何て呑気な事を言う。とにかく直ぐ帰って来るんだぞガチャン。
ピンポン、ピンポーン、いませ〜ん、誰もいませ〜ん。留守ですよ。
そして電話帳を手に、もしもし金丸電気さんですか、玄関がピンポンピンポンうるさいんで音を消して欲しいんですけど、えっ、直ぐ来れないの?直ぐに。頼みますよ。マイッテんだよ親父さん。
2010年1月25日月曜日
人間市場 サンドウィッチ市
2010年1月24日日曜日
人間市場 便秘市
2010年1月22日金曜日
人間市場 鳥ドリ市
借金ばかりしている鳥は何て鳴く?それはいつもピーピー、ピーピー。
過去ばかり振り返る鳥は何て鳴く?それはいつもカッコ、カッコ。
お経ばかりあげている鳥は何て鳴く?それはいつもホケキョ、ホケキョ。
人の事をいつもコケにしている鳥は何て鳴く?それはいつもコケコッコ、コケコッコ。
キスばかりしている鳥は何て鳴く?それはいつもチュッ、チュッ、チュッ。
いつも人の話に感心ばかりしている鳥は何て鳴くのでしょ?それはいつもホォー、ホォー。
自分が苦しみを一身に背負っている様な鳥は何て鳴くのでしょう?それはクッ、クッ、クッ、クッ。
小さな庭にある梅の木に小さな蕾が見え始めました。その木の枝に色んな鳥が飛んで来ます。それこそトリドリです。忙しそうに動き回ります。カタッっと音がしただけでみんな飛んで行ってしまいます。そして又来ます、万両とか千両の赤い実をとっていってしまいます。柚の木の黄色い身を突っつきまくります。鳥たちのフンがいい土を育ててくれ、木を育ててくれます。
いい借景だった家の前に家が建ち始めました、相続税を払うために売ったそうです。奥さんは愚妻のお茶のお師匠さん(宗偏流)。娘さんは私の娘のピアノの先生。大きな家に大きな庭でした。
早朝から日が落ちるまで箒を一本持ってアッチコッチ掃除をしてくれるご主人でした。朝起きたら死んでいました。あんまり家が大きいのでご家族は判らなかったのです。ある日すいませんね、お宅の前に家を建てさせてもらいますよとご挨拶に来てくれました。駄目ですとは言えないので鳩サブレーかなんかを有り難く頂きました。
工事の音がしていると鳥たちが近づきません。気に入っている夏紅葉の木に陽が当たらなくなりそうです。小さな池に久々鯉の子供を入れようと思って昔買った金魚屋さんに行ったらもうありませんでした。熱帯魚屋さんに行ったら教えてくれるかもと思って行ったらそこもありませんでした。
昔デパートの屋上はそれはそれは楽しい処でした。楽園でした。藤沢のさいか屋に電話したら魚類はとっくに売ってないと言われました。
仕方ないから魚類図鑑で鯉とか金魚を描いてやるべえと構想を練り始めました。風情のない町になって行くのは淋しいものです。果物屋(交通事故)おもちゃ屋(突然死)電気屋(不明)洋品店(ユニクロのせい)本屋三軒(万引きとブックオフ)銭湯(不明)駄菓子屋二軒(不明)中華屋(病気)魚屋二軒(やる気喪失)おでん屋数軒(不明)うなぎ屋(火事)みんな消えて無くなりました。
共通していたのはみんな借金鳥で、ピーピー鳴いてカッコーカッコーと過去を懐かしんでいるとの事でした。(タクシーの運ちゃんに聞いた話です)
近所のセブンイレブンとサークルKが店を閉めました。こちらは毎日寝不足で奥さんがすっかり参ってしまったそうです。モニターで万引きを見張る、レジのお金をくすねられるのを見張る、ホトホト寝不足で夫婦でもうやめようとなったそうです。
先日海岸でボンヤリ海を見ていたら元セブンイレブン浜須賀店店長夫婦が仲良く夕方の散歩をしてました。どうだい元気かと言ったら、毎日寝てばかりで太ってしまいました、と言って江ノ島の方に行きました。
俺の人生の閉店はどんな形にするかとふと考えました。自分の体に白い紙を貼って歩き回る。長い間のご愛顧を心より御礼申し上げます。様々なご無礼、乱暴浪籍、悪タレをお許し下さい。ここにて閉店申し上げます。こんな感じが良いかもしれない。ツケが残っていたらお早めにご請求下さい、お支払いできない場合がありますので、店主敬白
一人の釣り人が大きな真ゴチを一匹と平目を一匹ルアーで釣っていました。