日本でも有数なクラシックホテル、横浜のホテルニューグランドで友人と会った。
この日は一月なのに小春日和。山下公園には沢山の人が出ていた。
ロビーにあるコーヒーラウンジにいると一人の小柄な女性と二人の男が入って来た。女性は法務大臣の千葉景子さんであった。
年を越した102人の死刑囚の命はこの女性に委ねられていると思うと何かを考えさせられた。この女性の判子一つで一つの命は終わる。
千葉さんは熱心な死刑廃止論者、ならば何故大臣を受けたのだろうかとも思った。買い物籠を持てばどこにでも居るオバサンである。法務大臣になったからは鬼の面でも被らなければ判子は押せないだろう。
私はこのホテルが大好きである。特に二階のロビーがいい、又地下のバーはすこぶるいい雰囲気だ。あのマッカーサーも、チャップリンも、ベーブルースも、ルーゲリックもこのホテルがお気に入りであった。「鞍馬天狗」を書いた大作家大佛次郎は318号室に十年に亘って滞在した。318号室は「鞍馬天狗の部屋」といわれ、このホテルで先生といえば大佛次郎の事であったと言う。
ホテルの前の山下公園には色とりどりのバラの花が咲いている。氷川丸が白い船体を輝かしている。港には男と女のロマンがある。NHKの大河ドラマは「龍馬伝」坂本龍馬も海の男であった。「いろは丸」という船を作り海援隊を生んだ。その龍馬に海の向こうにはデモクラシーがあるぜよ、と教えたのはジョン万次郎こと中浜万次郎であった。
土佐の5人の漁師が漂流しアメリカの船に救われる。5人はアメリカの地を踏み欧米文化を知る。中でも議会制民主主義に驚いた。四民平等、誰でも大統領になる権利があり、選挙によって議員が選ばれる。ジョン万次郎は帰国後明治政府の要職となる。
絶対死ぬかと思った不幸の主人公が日本の歴史の扉を開く主人公になる。だから人生は面白い。決して諦めなければ必ず何かいい事がある。何かしなければ何も起きない、犬も歩けば棒に当たるのだ。運はよく学びよく働いた者のみに開けて行くと信じることだ。
年末の派遣村でお金を二万円支給された人間の多くがトンズラしたという。元々働く気の無い者が多いのだからその金でパチンコや競輪や競馬に、又は一杯飲みに行ってしまったのだろう。善意はその原因が判っている者のみにすべきものなのだ。
安易な善意は何の解決にもならない。
中華街でよく買う肉まん屋のオバサンのところに寄った。
私たち一生懸命なのに一度肉まんにケチがついてから買い上げがすっかり減ってしまったと。
コマッタコトアルヨ、ニッポンジンゼンゼンゲンキナイヨ、オキャクサンガンバッテヨ、キットイイコロアルノコトヨと励まされました。
山下公園の長椅子に座り遠くを見ていると色々な事が頭に浮かんだ。プカプカ浮かぶブイの様に。人生はブルース、男はマドロス女は港だなんて思っていると、いろんな思いがゆらゆら揺れた。その時ピカッと光ったな、何だ俺に向ってシャッターを切っている人がいっぱいいるではないかと思えば、私の隣にいる女性に向ってであった。
どこかサントリーの金麦のコマーシャルに出ている女性に似ていたのであった。
1 件のコメント:
横浜はなんとも言えない風情がありますね。多くの人が魅了される街です。しかし、東本さんは良く有名人に会いますね~。やはり引き寄せるんですよ!笑
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