病院の待合室にいるとひと際目立つ女性が来た。
どんより、まったり、ひんやりしている無言の空間にその女性が入ってくると一瞬室内は緊張感が生まれる。
長身、黒髪、知的、優雅、ハイセンス。こんな人がどんな病気なんだろうと待合室にいる人たちは心の中で思っているに違いない。
風邪かな、胃かなそれとも腸かな、先生はいいな、あんな素敵な女性に、ハイ、服を開けて下さい、聴診器かなんか当てて、ドッキンドッキンの音を聴いたり、お腹なんか触って少し固いですねなんて言ったり、エコーなんか必要でもないのにゼリーみたいのを塗って何やかんやすんだろうなと思っている事がありありだ。
オイ、君たちよからぬ事を思ってんだろうと言おうと思ったが私の口から出た言葉は、お母さん元気?この間風邪引いたって言ってたけど、おそば屋さんで会った時グズグズしてたよ。おばあちゃんは相変わらずお元気だったね。こういった瞬間、室内にプア~ンとした空気が漂いました。会社大変だねと続けると更にみんな自分の病気も忘れたのです。
その女性はJALのスチュワーデスさん、今はキャビンアテンドさん。小さな頃から知っている娘さん、お人形みたいに可愛く、幼稚園、小学校は白百合、その後は清泉インターナショナルへ、英国、仏語、露語が得意。苦手は日本語なのです。少し気取り気味で少しタカビー的、かなりエラソー風日本語なのです。
この日はお母さんの薬をもらいに来たとの事。隣同士に座り二人で話しているとみんな興味津々の感じ。耳をそばたてていて名前を呼ばれ慌てる人もいたりして。会社近々や辞めるんですよ、なんで?と聞くと、何かすっかりプライド傷ついちゃってと答える。アレもダメ、コレもダメ、ダメダメ尽くし。今は成田まで電車で通っているんですよ、だって。
実はタクシー券を使っていたのです。他にも至れり尽くせりで来たのです。
御年28歳独身、かなりワガママです。お金がかかりますがどなたかいりませんか?
ご紹介します?別に本人から頼まれてはいませんが。
私が手にしていた週刊誌の表紙にでっかい文字でJAL法的整理へなんて書いてあります。記事の中には甘ったれた体質、法外な給与年金体制、パイロット、キャビンアテンドへの特権なんて書いてありました。プライドの高い雲の上の人(職場です)ですが是非どなたか立候補して下さい。人生に墜落する危険がかなりありますが。
1 件のコメント:
既婚のため立候補できませんが、独身でも自分ごときでは無理かと。。笑
CAの立場もかなり変わりましたね~。。
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