「それをいったら終わりだよ」といったのはフーテンの寅さんだった。
我が社はコネのある人しか入社させません。
と、予め宣言した企業が出版界の名門岩波書店だ。
確かに大手から中小企業迄コネクションは有力な採用基準になる。
始めから入社させる事のない真剣な若者と面接するのは苦痛以外何物でもないだろう、だがしかしそれをいったら終わりなのだ。
「あーもしもし頭取かね、いや〜いつもすまんが知人の娘さんでね、とてもいい娘なんですよ」と電話口で喋っているのはある大物代議士だ。初めてその個人事務所に打合せに行くとことさら熱心に話を続ける。
そして、いや〜いろいろ大変でねなんていってコンビニのサンドイッチかなんかムシャムシャ食べる。
後でその代議士の知人に聞くと、あれはいつもの手なんだよ、初めてくる人間に自分を大きく見せる為に演じるんだ。
相手は頭取、会長、社長、教授、先生と使い分けるんだとか?どうりでクサイ芝居に見えた訳だ。
だがしかし何人かは本当に入れているはずだ。
岩波書店の言い草を聞くときっと文部科学省とかのコネで新入社員が決まっている訳だ。
バカヤロー、学生さんをナメんなよといいたい。出版人の矜持は何処へ捨てたかといいたい。
もう岩波は読まない。(元々難しいから読んでネェーけんど)