ポールさん |
国はどこから滅びるか?そんな話をランチをしながらした。
フランス人のヴァイオリニスト、ポール・ラザー氏とその奥さん。
奥さんは日本人でダンスの先生である(すこぶる知的美人)。
私はいいました。情操教育をしない国は滅びると。今、この国では芸術家たちが不遇な状況にある。
画家、書家、陶芸家、彫刻家、音楽家、映像作家、バレリーナ、タップダンサー。
およそ芸術家というジャンルの人が苦境の中にいる。
少子化の中で子供たちに情操教育をさせない親が増えている。
勉強、勉強。少しでもいい学校に入れるために。国は芸術家育成のための補助金を次々削減している。
子供たちは勉強の合間にゲームをする。
子供達の感性が育たない国に明日はない。
私のお絵描き教室の先生がこぼした。生徒が全然いなくなって教室を閉じたよと。かつては40人以上いたのだが。
こんな記事を読んだ事を思い出した。
ある東北の学校の子供に先生が問題を出した。理科の初歩中の初歩だから小学校1年生か2年生だろうか。
雪が溶けたら何になりますか?一人の生徒が答えた。ハイ、水になります。よくできました。
一人の生徒が答えました。ハイ、春になります。先生は…。
もう一人の生徒が答えました。ハイ、おとうがけえって来る。先生は…。
あなたが先生ならどう答えるでしょう。果たして正解とは。
青い空、白い雲を見ても何も感じない子。流れる川、咲き誇る花々を見ても何も感じない子。
「お父さん、お母さん、ヴァイオリンを習いたいのだけど」と子が言えば、ヴァイオリンなんか習ってどうするの?そんなお金なんか家にはないわ、とつれなく返事をする。
そんなお母さんは、エステに通い、ジムでエアロビし、通販で高価なやせ薬などをたんまり買い込む。
うんざりする様な人間たちがテレビの食べログで知った店に行列をしている。
銀座コリドー街に「美登利」というお寿司屋がある。朝の八時過ぎからランチのお寿司を食べるために並んでいる。
きっとお父ちゃんは、マックか吉野家なか卯など、はたまた立ち食い蕎麦かであろう。
親たる者はたとえ一食を減らしてでも子供に情操教育をだ。ドレミは全ての始まりなのだ。