人は死んだら何処へいくのか。
天国と地獄はあるのか。
こればかりは死んだ人でないと話す事もできない。
誰か一度お釈迦様とか、地獄の閻魔大王さんにインタビューなんかして帰って来て詳しく話を聞きたいと思うはずだ。
日本三大霊場の一つに「恐山」がある、青森県下北半島にある。
5月の開山から10月末の閉山まで年間二十万人位がここを訪れる。その最大目的は「死者と語る」という事だ。
イタコさんという女性が「口寄せ」といってあの世の人の言葉?をこの世の人に伝えてくれるのだ。
詳しくは行ってみないと分からないので行ってみようと思い現地と交信をした。
聞けばイタコさんは個人営業でありどのお寺さんも取り次ぎは出来ないとの事。イタコさんの数も減少している。
夏になると、思い出の遺品を持った人達で大混雑となる。口寄せには三時間、五時間、八時間待ちとなる。
翌日になるケースもあるとか。
イタコさんの平均年齢は80歳を越えつつあるとか。40代のイタコさんは二人しかいない。
実は三年前に制作した短編映画のラスト三分をどうしても作り直したく考えていたところ、頭の中にバリバリバリと電磁波が侵入してきたのです。オッ、来た。グッドアイデアが降りて来たぞとなったのです。ヨォーシ、恐山だ。
恐山だとなると周りは恐れていた事が起きた、きっと恐山一色になるぞとなるのです。その結果はアラッカンタンでした。
余程の事(お釈迦様とかのご推薦とかがないと)撮影の許可はまず難しいと青森県のフィルムコミッションのお返事でした。待つ事四ヶ月だったのに、今やっとそれに変わるビッビッビーと頭を刺激するアイデアが降りてきたのです。
その間恐山関係の資料本に何冊か触れました、その中の一冊をお薦めします。
この一行が目に入りました。「一番危険な欲望は正義の顔をしている」新潮新書刊、南直哉著「恐山」本体700円(税別)その中にJRの遺失物には「骨壺」が数多くあると。死者に敬意を持たない人は何処へ行くか思い知るはずです。
恐い、恐い山に行く事になります。
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