「星はなんでも知っている」なんて歌を唄ったのは平尾昌晃さんだ。
鳥は何でも食べていると思っていたのは私だ。
リンゴを細かく切って小さな庭に放り投げてやると鳥たちが集ってくる。そ
れを見ていて止められなくなり、深夜リンゴを切り刻んでいる。
節分のまめが袋に入っていたのでそれを鬼は外、鬼は外とはいわずに無言で投げた。
朝カーテンを開けて見ると、リンゴはすっかりなくなっていたが豆はほとんど残っていた。うーむ、おかしいなと思った。ぜいたくになってしまったのかなと思った。
一週間リンゴを食べさせたせいかもしれない。鳥は本当に用心深いことを知った。
日曜の午後に行った果物屋さんには、傷もののリンゴとか他の果物も安く売っている。
食べりゃ同じなんですがねと中年のオヤジはいう。
人間と同じで見た目で判断しちゃいけないんですよね、店の前を毎日通る見栄えのいい娘さんは何故か独身ばかりですよといった(?)見栄えと性格は違うからなと私は応えた。
家に帰り、ノートを開いて「女の愛」についてを探し出した。
イタリアの女性は気性で愛す。
スペインの女性は快楽で、ドイツの女性は官能で、ロシアの女性は堕落して、東洋の女性は習慣で、フィンランドの女性は義務で、イギリスの女性は本能で、アメリカの女性は打算で、フランスの女性は心で愛す、とメモ書きしてあった。
女性の傷を愛す国はいない。女性の心の傷は美しい。
見た目は小鳥のようだが、小鳥のようには用心深くなく、まさかのことを経験してしまう。最も最近では男の方が用心深くなりすぎというか、フラレたくない、傷つきたくないと消極的らしい。
♪〜星はなんでも知っている ゆうべあの娘が泣いたのも…。
二月五日(木)NHK「地球いちばん」に私の大好きな「ルー大柴」さんがアラスカのオーロラを見る旅人になっていたのでそれを見た。
星とトゥギャザーしたいといっていた。スタッフから今の気分を「五・七・五」で表現して下さいなんていわれたら、「やぶからスティックじゃないの」といった。天には、星、星、星の海、息を飲み込んだままあの世にいってしまいそうな、オーロラ、オーロラ、オーローラーだ。
星の数ほどあの娘が泣いた訳を知っているのだろう。
オーロラは地球上で傷ついた女性の心が集ってできたのかもしれない。
先週末、傷ついた人が身の上の相談に来た。
メソメソすんなこの本でも読めといって、私の書いた本を渡した。
パラパラとめくりながらまた来ますといって帰っていった。
多分私の本では何の役にも立たないだろう。オ〜イ、友だちに本を買ってもらってくれな、と声をかけた。結局“セコ”なのであった。買うことはない、売るほど持っているから。
二月十六日〜二十三日までの一週間、本のポスター三点を渋谷駅南口に貼り出す。
後輩二人がいいデザインといいコピーを書いてくれた。
新良太さんがいい写真を撮ってくれた。
キービジュアルは、世界チャンピオンの中のチャンピオン「内山高志」さん、赤坂のサロンの「ママ」さん、それとオーロラとトゥギャザーした「ルー大柴」さんだ。
お世話になった広告代理店の社長やみなさんのご協力に感謝御礼なのです。
ちなみにヤクザ者は“傷”をつけることを、“ズキ”を入れるという。または“ハスル”という。