昨夜帰宅しアレやコレやをした後、映画を観た。
題名は「遠雷」根岸吉太郎監督の代表作だ。
主役の永島敏行が23才の設定だから、初めて観たのはずーっと昔だ。
確かベストワンになったと思う。
栃木県宇都宮近辺でトマトのハウス栽培をしているのが永島敏行、その友だちがジョニー大倉、トマト栽培以外にやる事といったらスナックで飲むこと位しかない。
あとはハウスの中にワラを敷き、毛布を敷き、服を脱いでそれを敷いてひたすらSEXをする。若い肉体と肉体が、たわわに実ったトマトとトマトの間で重なり合う。
石田えりのスイカップの胸がブルンブルン揺れる。
地上げが始まった頃なのでハウスの土地を売れと地上げ屋が来る。
愛人をつくって家を出た父親(ケーシー高峰)は女装して愛人を抱く。
スナックの女性に惚れたジョニー大倉はその女性を絞め殺してしまう。
大都市化が進む中で農家の跡取り息子はトマトを切り取り続け、SEXを続ける。
他に何もやることがないのだ。
根岸吉太郎監督は実に丹念に、農家の生活を追う。
百姓は働いてさえいれば、食っていけるちゃと母親は言う。
古い名作映画をしこたまレンタルして来ている。
アウトプットするにはインプットが必要だ。
それには決して外れのない映画がいちばんだ。
新作の「赤い玉、」という高橋伴明監督、奥田瑛二主演のも観た。
これは芸術大学で映画を教えるスケベ教授の話し、バイアグラを飲みながら若い女の子とやたらめったらSEXをし、最後は車にはねられて死ぬ。
高橋伴明監督の実世界のような作品であった。
女房の高橋恵子がちょっとばかり出ていた。
「遠雷」は芥川賞作家、立松和平の原作だけに文学的であった。
奥田瑛二の娘安藤サクラはやはり「百円の恋」「0.5ミリ」の演技で主演女優賞を受賞した。スゴイ映画家族だ。気分を変えるために、石井岳龍監督の「ソレダケ」を観る。
アメリカ合衆国の大統領予備選はてんやわんやの大騒ぎとなってきた。
いずれハリウッドでB級映画化されるだろう。
ともあれ映画は私の最高の精神安定剤なのだ。
一日も早くトランプ劇場の終わり方を観たいと思う。
途中でバァーンと撃たれるかもしれないが。