昨夜、渋谷宮益坂にあるスペイン料理の店で、現在手掛けている仕事の相談をしている出版社の編集者の人と、打ち合わせを兼ねた夕食を共にした。
6時31分05秒ヨーイドン。
女性編集者は大学時代は広告研究会に入っていたほど広告に精通している。
ご主人はエディトリアルデザインの会社を経営している。
ある物件の空間デザイン、共有施設部分のアイデアを具現化することに協力していただき、ある天才を紹介してもらった。
この天才の話は後日書く。
共有施設にもう一人の天才が参加してくれることになっている。
西麻布の天才と岐阜の天才と話をしていると、いかに自分が浅学非才かが分かる。
全く勉強不足である。編集者の方と話す側にシェフがつきっきりで話をする。
勿論料理を作りながら。読書の虫みたいなシェフと編集者と、本の話、世界史の話、作詞作曲で歌手の小椋佳さんが店に来てあれやこれやうるさく語り、その上バクチと金の話ばかりするので喧嘩になり、能書きばかり言うんじゃネエ、二度と来るなと言ったとかの話。
更に縄文時代から人類史。戦国時代から中国、北朝鮮問題の話、全共闘世代の今の話。そして料理の話と進んだ。このシェフは間違いなく料理の天才である。
村上龍さん、吉本ばななさん、鈴木成一さん、中田英寿さん、内田樹さんなどグルメが絶賛する。私が敬愛する某私立大学英米文学科名誉教授(E・ヘミングウェイ 下とF・ジェラルドの研究者)も大変気に入ってくれている。
小学生時代の同級生で学校で一番勉強ができたあこがれの女の子だった。
シェフはこの友人が大好きである。
とても美人で色っぽいわよなどと、急にオカマ調で話を盛り上げる。
やがて話は映画へと進んだ。やっと私の知る分野である。あの映画、この映画となり時間が3時間近く経った時、今度「ブレード・ランナー」の続編が35年ぶりに上映(今週27日から)されるけど監督は誰だったっけとなった。
えーと、えーと、えーと、みんな名前が出て来ない。
シェフが写真を持って来て、この人、誰だったっけとなったが、遂に名前が出て来ない。そろそろ帰りましょうとなり、友人にワインを一本置き、来たらよろしくと言ってなと言い、編集者の方と店を出た。
「ブレード・ランナー」はSF映画の名作である。続編は制作費165億円をかけたと新聞記事に書いてあったのを思い出した。家に帰ればその記事はある。
思い出せない名は家路につく間ずっとアタマから離れない。
12時15分頃家に着き、直ぐに新聞記事の中を探したら、あった。
なんだ「リドリー・スコット」かと拍子抜けした。2、3日前友人とリドリー・スコットの話をしたばかりだった。
友人は外国ですでに観ていた。
私はSF映画はあまり好みでないが、「ブレード・ランナー」は名作と認めていた。
「もしもし、12時30分近かったが店に電話をした。何度かコールしたら、ハイハイとなんだい今頃みたいに電話にシェフが出た。いきなり、リドリー・スコットだよと言ったら、えっ、何、あっそうと言った後、限りなくでかい声で笑った。
料理サイコーだって言っていたよ、今度ご夫婦で行くって言っていたからと言ったら、更に大きな声で笑った。
ブレード・ランナー続編について、友人は人差し指で口を閉じて話さなかった。観た人教えて、行くべしか否か。何しろこのところ映画館に行ったのは、「禅と骨」以外すべてイマイチであった。で、すこぶる疑い深いのである。