だからこの国のサッカーは世界ランク61位なのだ。放送は取り込みがあって、ライブでは殆ど見れなかった。仕事場でテレビをつけると、2対1でコロンビアに勝っていた。オッやるじゃんと思ったら、試合開始早々相手のハンデ(手でボールを蹴る)の行為があって、いきなり退場、相手は11人から10人になった。つまり勝って当たり前の87分間となっていた。すこぶるイライラ、ムカムカ、バカヤローが溜まっていて。みんなプロ意識がネエとアタマに来ていた。さらにテレビはギャーギャーウルサイので切って、仕事を続けた。午前5時前はすでに明るい。ビジネスホテルを取っていたが、パジャマを忘れて出てきてしまった。(私はユカタが着れない、苦手なのだ)コンビニでカフェオレを買って飲みながら、再び小さなテレビをつける。まるでコロンビアに勝ってW杯に優勝したように大騒ぎ、つい先日まで、サイテー、最悪、 絶対勝てないと言っていた。マスコミは、ドンチャン騒ぎであった。中山ゴンとか、安木とか、カビラ兄弟は、とにかくウルサイ。香川やっぱり天才、長友献身的運動量、大迫にいたっては、幼少期からの天才ぶりを見せて 、「ハンパ」ないを大、大的に取り上げる。あ〜これだからダメなんだこの国はと思った。正しく報道するなら、敗戦を予想されていたが、開始早々ゴール前の反則(ハンデ)で相手は一発退場、数的優位の11人対10人になって2対1で“やっと勝った”。本来なら3対1とか、3対0とか、4対1で勝ってなければならない。反省点はたくさんある。とりあえず 敵失でも勝ってよかった。あ〜よかった。新聞・テレビは万歳だ。だけど、このままでは全然前途は多難、特に中盤のメンバーの動きが悪く、運動量が少ない。本田は途中出場であった。事実PKを入れた香川などそれきり名が出なくなった。まあ〜、そんな体質が甘えを生む。銀座中央通りdunhill(ダンヒル)ショップのウィンドウには、全日本のメンバーがスーツをビシッと決めて記念撮影をしたでかい写真があった。ダンヒルが公式スーツである。その間大阪で地震はある。政府はヘラヘラと会期を延長する。自分の担当した仕事(プロジェクト)に、トコトン執念を持って、次々と直し、注文、をしてくる相手の担当者にむしろ敬意を持つ。甘えがない。妥協がない。プロ意識があるからだ。私はその熱量に負けていた。反省すること大である。甘いディレクションを反省した。PCに一日中へばりついて、たかだか一つや二つの仕事に時間を使っている連中は、“ヒマつぶし”だと思った。プロとは24時間、これでもかと考える人間のことを言う。コンサバ(保守的)な人たちからは新しいものは生まれない。攻撃をしない、守りの体勢から、何も新しいものは生まれない。イラン、モロッコなどの試合をダイジェストで見て感動する。一生懸命だからだ。私にはもう目の前のイライラを抑える根気も必要も、必然も、恩義もない。プロの相手にはプロの仕事で応えるしか、旨い酒を飲む資格はない。使えないものは使えない。現在午前6時52分01秒、カラスがカァーカァー鳴いている。どうやら雨は止んだ。今日は勝負の一日である。ピースな映像をひと工夫してプレゼンをする。昨夕、屋久島から「ホテルサンカラ」さんの、総支配人が銀座オルハショップに来てくれた。すばらしい人である。誠実で一生懸命の人なのだ。これからの社会は、会社に入ったら、ずっとずっと給料をもらえる時代でない。昨夜お世話になっているある会社の社長が、身を引くと言って、食事をした。都合で3時間ほど話をして、これからもよろしくと言って別れた。話の途中であったが、午後9時過ぎから、クレームというか、追加オーダーが入った。雨の中二人で クリエイター四十年のお互いの思い出を語った。素晴らしい善意の人。なにかの形で恩返しをと思いつつ雨の赤坂を歩いた。人生とはなんぞやと思いつつ。二人で食べたキンピラゴボウが美味しかった。今、私は人生という試合の中にいる。正々堂々と生きたい。
「しみず」に来たお客さんの写真より引用