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2011年5月31日火曜日

湘南から喜怒哀楽 「J−WAVE体験」


FMラジオ、J−WAVEに初めて出演した。

小黒一三さんという超人とのトーク番組である。小黒さんは元ブルータス編集長、現在はロハスな生き方を提唱する「ソトコト」編集長。全日空の機内誌「翼の王国」も手掛けている。


二十年ほど前なんとケニアに三つ星ホテルを建てた。

BS朝日の「毎日ロハス日和」も人気、又最近、銀座松坂屋裏の元TEPCO館1Fに「巴馬(バーマ)ロハスカフェ」というでっかい中華料理店も出した。設計は建築家の隈研吾氏で椅子の一つ一つまでこだわっている。コンセプトはロハスで長寿。

巴馬とは中国奥地の村の名前、百歳以上が沢山いる長寿の村であるとか。



小黒一三さんの「LOHAS TALK」は月〜金曜、午後8:408:50まで、10分間の番組である。今まで出演して来た人はあらゆる業界のトップランナーたちばかりであった。

私ごとき場末の芸者、ただの小作人にはまぶしい舞台である。私がある企画展を六月に行うというと、その内容と資料を一読、そして即決。そして俺の番組に出てよ、後は担当から連絡させるから、でお酒となった。何しろ人脈の巨大な塊。


千年の大木の根の如く深く広く遠くまで繋がり絡み合っている次から次へとビッグネームやビックリ話が飛び出す。桁違いの人である。きっと坂本龍馬はこんな人であっただろうと思う。人の見る角度によって万華鏡の様に変わる。

その人柄というか人格というか、何か魔可不思議なオーラに吸い込まれるのだ。


眼光は鋭く一発で相手の値打ちを読み取るのだ。

笑っている様で笑っていなく、怒っている様で笑っている。「巴馬」にはあの梁山泊の様に才人、怪人、奇人が集まって来る。中国風の格好の時は壇一雄の「夕日と拳銃」の主人公伊達麟之介の様でもある。北から南、そして世界のアチコチその行動力は広くて素早い。

一カ所にいないのだ。


六本木ヒルズに行くとセキュリティチェックが凄く厳しいのに驚いた。

無能な私の有能なデスクの女性とこのイベントのパブリシティを担当してくれる女性を用心棒にして行った。二人とも身長170㎝以上で頼もしい。これでも私は気がとても弱いのだ?。


そこにいかにも小黒一三さんを担当している感じの若い女性ディレクターが登場、その仕事っぷりの早くて的確な事、どうもとソファーにどっかり小黒一三さん、レジメを見せていただきイザ本番。


小黒一三さんのトークの無駄の無い事。

50分オンエアーに対し、収録は約一時間、無駄は一切しない事となっている様だ。超多忙な人だし、さっとやってぱっと終わって、じゃあまたよろしくとエスカレーターに乗って消えて行きました。J−WAVEは人気のあるラジオ局、ヒルズの中はアメリカのオフィスの様、どこまでも洗練され広く若々しく活気に満ちていた。


ラジオの反響恐るべしであった。

ちなみに東北の大震災の時人々が頼りにしたメディアNO.1はラジオ、約46%。テレビはわずか10%であったとある調査結果がでた。 



番組はこちらより聞けます/収録の様子もみれますよ!

http://www.j-wave.co.jp/blog/lohastalk/2011/05/podcasting270.हटमल


さて、ご報告をいたします。

6月2日〜8日まで渋谷東急文化村1Fギャラリーにて身を粉にして実現出来た日本初の企画展「あかるい鬱展」を行います。ブログはしばらくお休みさせていただきます。


よろしければ是非お越し下さい。会期中はほぼ居る予定です。

2011年5月25日水曜日

湘南から喜怒哀楽 「割り合い」


ブランデーにはクラシック、ブラックコーヒーにはモダンジャズ、紅茶にはスイングジャズ、スコッチにはブリティッシュロック、バーボンにはカントリーウエスタン、ビールにはカリフォルニアロック、ダイキリにはハワイアン、日本酒には演歌、焼酎には高田渡か岡林信康、ラムにはレゲエ、テキーラにはマリアッチ、プーアール茶にはモンゴルの口笛、カフェオレにはフォルクローレ等その日聴く音楽で色々飲み分けると楽しい1日となる。


この頃焼酎のカルピス割り、りんごジュース割りを一杯飲む。

人の前では決して飲めないので深夜一人の時にそっと楽しむ。

気に入ったバカラのグラスに氷を入れ焼酎を半分とカルピス半分のハーフ&ハーフ。

焼酎の臭いが苦手なのだがこれだと初恋の味カルピスが(有名なキャッチフレーズ)だらしなく遊んできた人生をほろ酔い青春の味にしてくれる。


大型連休、手帳に禁酒と書いたが結局一日も禁酒できなかった。

意志薄弱なのである。


今更禁酒して何やねん、もう肝臓も膵臓もアカンんのやないけ、ドクターストップいうても飲まなぁ眠れんのじゃけんのー。こんなはナンボのもんじゃ、一杯やらなイケンノヨ。なんて大阪弁と広島弁がハーフ&ハーフ状態になってしまうのである。

「酒は涙かため息」かという歌があったが私にとって「酒は命か深呼吸」なのである。


焼酎のブランデー割り、焼酎のコーヒー割り、焼酎の紅茶割り、焼酎のプーアール茶割り、焼酎のスコッチ割り、焼酎のラム割り、これらを試したがそれぞれしっかりとした割り合いを守れば割り合いにうまい。焼酎は割りと協調性がある様で相手を選ばない。氏素姓とか家柄とか学歴とか顔立ちを気にしない。自分自身が芋とか米とか麦だからなのだろう。


ちょっと声をかければすぐ付いてくる女の子って昔いたでしょう、自分で自分の事どうせ私はブサイクだから一度だけ一緒にモーニングコーヒー飲んでくれたらOKなの。電器屋さんとかお豆腐屋さんとか乾物屋さんの娘に多かった様だ。だから初恋の味カルピスは特に相性がいいのだろう。


割りとオツにすまし、バーバリーとかローラアシュレーとかラルフローレンを着たお気取り屋さんは一番簡単に落ちたと友人が自慢していた。


割り合いそうかもしれない。

実は芋の様に臭いが強い度数がある女性は一度間違いを起すと悪酔いするらしい。

ヨーカ堂のインナーとかイオンのジーンズにワゴンセールのTシャツ系の人だ。

スーパーブランド系は後から恐く痛い目に遭う。私の先輩はスーパーブランド系とマンションの一室にいたら恐い人が突入して来てベランダ(二階)から飛び降りて複雑骨折をした。今でも足を引きずっている。


「美人局」だった様だ。当然バッチリお金もかかった。

シャネルだらけだったとか。なんでもブランデーをビールで割るのがすきであったとか。

マズイ筈だ。



割り合いで一つ思い出した。

連休中友人のイギリス人弁護士夫婦が立ち寄った。その時テレビから矢沢永吉がサントリーモルツのCMでシャルウィーダンスをアカペラで歌っていた。

それを見たイギリス人は、この男はプロかアマかと言うからジャパンNO.1ロッカーだと言ったらなんとなく割り合い英語みたいな感じに聞こえるけどかなりなまっているなと言って帰っていった。


いいんだよ、永チャンはわたしの親友にとっては割り合いの英語風で十分なんだから。

湘南から喜怒哀楽 「ぜひ西伊豆石花海へ」

西伊豆稲取に「石花海」という海を前にした旅館があります。

定居康夫、比佐子夫妻が経営しています。比佐子さんは私が10ヶ月いた会社から私が辞めた時、私もやめますといって何百人もいる会社からわずか五人の会社に付いてきてくれました。旧姓は西君といいます。その頃22歳位だったでしょうか。


西君は九州八代の出身、父君は確か社会党の市会議員でした。その西君の結婚した相手が伊豆稲取で「喜久多」という昔風の小さな旅館の若主人でした。

えっ、西君が旅館の女将さんにと思いました。しかしこの西君は凄腕だったのです。



喜久多を改装したのを手始めに、海岸沿いにあった古い旅館を買い、10億以上の資金を銀行から出させその旅館を見るも鮮やかに改装しました。


「東本さん、○億○×億も借りるときは同じですよ。やるだけやって駄目ならそこまでですよ」といったのは私が泊まりに行った時です。



稲取の他の旅館主たちは朝からゴルフ、夜は麻雀やカラオケをしながら「石花海」はいつ潰れるか賭けていた様です。しかし西君は凄いアイデアを次々と出し、客層も大きく変えて大繁盛となりました。私が行くと美男子で優しいご主人と一緒に飲みます。


西君はどっしり落ち着き、着物が似合う文字通り大女将さんです。色気たっぷりとなっています。私の人生の中でこれ程見事に裏切ってくれた女性はいません。20歳で知り合ってから約30年、本当に貫禄十分過ぎる程の稲取の顔となりました。


多分今回の大震災の影響を受けているでしょうがこういう時は連絡してきません。負けん気が強く弱みを見せるのが嫌いなのです。いい女になりました。息子さんがホテル学校を出て後を継ぐ事となっているとか。


でも私としては沢山借り入れしているのは心配の種です。何とか一人でも多く「石花海」に行ってもらいたいと、友人、知人に声をかけています。目の前は海、屋上には大きな露天風呂があります。魚料理は抜群です。朝食はいう事はありません。私の紹介といえばお料理やお刺身の量も少しは増えるはずです。


「安・近・短」の決め手です。

どうかよろしくお願い申し上げます。伊豆稲取一の旅館です。

訳有りの仲で行っても口は堅いです。決してバレる事はありません。安心して行ってください。ただもしかして私と出会ってしまう可能性もあります。その時はお互い知らぬ仲という事にいたしましょう。


三年程前知り合いのお色気ムンムンのエステティシャンを紹介しました。

若い男の子と一緒、その夜あまりのエステティシャンの声に隣の部屋にいたお客さんからいい加減にしてくれと苦情が出た様です。しかし百戦錬磨のエステティシャン、翌朝ロビーでコーヒーを飲んでいる隣の人に対し昨夜は少し研修に身が入り過ぎてごめんあそばせといったとか。その色気に圧倒されたそうである。旅の恥はかき捨てという。


結婚して50年のご夫婦はひょっとしてと思い旅行に来たのです。実は隣から聞こえる泣き声、よがり声、すがり声に猛然と元気が出たのですがやはり最後までは無理だった様です。でもひと時興奮したと御礼の言葉をもらったとエステティシャンは喜んでいました。

48歳のエロ女です。エステの腕はまあまあです。二年ほど前DVにあい離婚したのです。かなりのMの女性です。今は29歳のコックさんと同棲中です。かなりマッチョです。


あっ、これはある二組のカップルを見て私が勝手に創作した話です。

2011年5月23日月曜日

お知らせ〜ラジオ出演情報〜

いつもブログを読んでいただきありがとうございます。

本日23日(月)より27日(金)までの5日間、J−WAVE「LOHAS TALK」に東本三郎が出演いたします。
時間は20:40〜20:50まで、6月2日から開催される「あかるい鬱展」についてお話させていただきます。

お聞き下されば幸甚に存じます。


湘南から喜怒哀楽 「お婆ちゃんと剃刀」



小説の神様、志賀直哉の小説で大好きなのがある。一度映画化を目指しコンテまで描いたが実現出来なかった。「剃刀」という。





一人の男がいる。気難しいが剃刀を使って顔を当たらしたら一番の腕と評判の男であった。若い衆一人と女房がいる。その日男は風邪気味で布団に伏せていた。




そこに一人の若衆が来た。顔を当たっておくないと、女房は若い衆にやらせてアンタは休んでいなよという。しかし男は俺の腕を頼んで来たんだ、俺がやるから湯を沸かせとなる。剃刀を革のベルトで入念に磨く。そして顔を蒸しシャボンをつけ剃刀を当て始める。額から顔、そして顎へと進む。




気が付くと若衆は気持ちよさそうにイビキをかいて寝てしまっている。名人気質で病的性格の男はそれをジッと見ながらノド仏の辺りを剃刀で丁寧に当たっていた。とその時男の持つ剃刀は男のノド仏をかき切ってしまっていた。鮮血が吹き出し若衆は息絶える。とまあ大まかこんな小説である。





長い長い間私の頭と私の顔を当たってくれた人が引退した。その後家から歩いて15分位の所にある床屋さんに行く事にした。座席が5席もあるのだから大きな床屋さんだ。しかしいつ行っても一人か二人しかいない。息子と娘と既に背中が少し曲がった母親らしき人の三人コンビである。




鋏を使うのは息子、頭を洗うのが嫁、そして眠りから覚めて気が付いたのだが剃刀を使っていたのは老婆であった。頭を洗ってもらい肩をほぐしてもらって座席を倒した時寝不足の私は眠ってしまった様だ。息子は隣に来ているお客さんの頭を刈っている。







えっおばちゃんが剃刀を使って当たってくれたのと言った。ハイ、そうですよ、いい気持ちになって大きなイビキをかいてよくお休みでしたよ。と手にキラッと光る剃刀を持っているではないか。聞けば先代のご主人の時から顔は昔の女房、今の老婆の仕事だったらしい。その腕は確かで剃り残しはないという。




それから二度行った。二度とも同じコンビで同じ仕事の流れであった。お客さん、随分とお疲れの様ですがあんまりご無理なさらないで下さいと言われた。大きなイビキをかくけどお婆ちゃん殺さないでよ、まだ少しやり残した仕事があるんだからと言った何を言ってるんですか、よく見ると北林谷栄にソックリだった。




殺せるもんならもう何人も殺してますよオホホホだって。




湘南から喜怒哀楽 「下手なシナリオ?」



あまりに出来すぎた話が多い国があります。それはUSA、アメリカ合衆国です。


世界にはアメリカコンフィデンシャル(秘密とか疑惑の意)という言葉があります。日本の真珠湾攻撃はアメリカがシナリオを作り単純な日本国は大戦に引きずり込まれ大敗し占領国となった。朝鮮動乱、ベトナム戦争、カンボジア、コソボ介入やイラン・イラク戦争、アフガン介入など世界の内乱、内戦には必ずアメリカコンフィデンシャルがある。何しろ戦争をしていないと死んでしまう。ずっと泳いでいないと死んでしまうサメの様な国家なのだ。戦争に反対した大統領は皆暗殺されている。


ホワイトハウス、ペンタゴン、FBI、CIAが正四角形を作りその中に闇の戦争マフィア、ギャング、石油資本を始め戦争関連産業がギッシリ詰まっている。


わずか300年の歴史で世界を支配するためにアパッチ族などの原住民インディアンを皆殺しにした騎兵隊国家なのだ(彼等は正義という言葉が大好きでやたらにジャスティスを連発する)アパッチ族の酋長の名はジェロニモといった。今回オサマビンラディン暗殺計画をジェロニモと名付けた事でも分かる様に気分はジョンウェイン、黄色いリボンなのだ。


ホワイトハウスでヒラリー・クリントンが口を塞いでいた。それはあまりのシナリオの凄さにやはり女性なのか恐れを感じたのだろう。世界中が今回の事が出来の悪いシナリオと結末の付け方だったと思っているだろう。



何故か7月にアフガンから撤退するにはどうしても大義名分がいる。そうでないと死んだ兵隊達に申し訳が出来ない。事実上テロリストへの敗北となるからだ。又、オバマ大統領の支持率を上昇させ来年再選させるには7月前にどうしても実績を上げねばならない。


そもそも同時多発テロもアメリカとオサマビンラディンが組んだという説もある位だから。アメリカとパキスタンが大きな取引をし、一芝居打ったとしても不思議でない。オサマビンラディンはとっくの昔に病気で死んでいる。ニセの主人公(ヒゲがあるのでつくりやすい)、その妻達、子供達(妻と子供が証言台に立たないと事実でない)も映画の様にキャスティングする。


アメリカの攻撃兵士達は何も知らなかった筈だ。だから直ぐに水葬にした。魚のエサにすればDNA鑑定は出来ない。写真も公開しない(しても合成だと直ぐ分かる)オーマイゴッド、こんな酷い事いくらニセ者達でもとクリントンは思ったのでは。グランドゼロにオバマ大統領は立ち、ジャスティスを連発する。国民は熱狂しオバマ一家は一気に再選に向かう。支持率は60%を超えるだろう。


沖縄に核を入れるけどずっと秘密にしとけと命令されたのが佐藤栄作首相、よく一内閣、一仕事というが、アメリカからすれば日本に一内閣、一秘密の上納の約束を取り付ければいいのだ。だからコロコロ首が変わった方がいいビジネスになるのだ。全てはビジネスの国なのだから。



映画ゴッドファーザーで長男を殺されたマフィアのボスが敵対する親分衆を集めて言う。長男の仇は取らない、ただし末っ子の命は狙うなよ、これはビジネスなんだという。戦争ほど儲かる事を知っているアメリカ。だからそのための基地日本を手放す事は永遠に有り得ない。NYのタクシー、イエローキャブを全部日産にするという。もし本当なら何人かハドソン川の魚のエサかソーセージ工場か何かでミンチにされるだろう。


TSUTAYAに行ってぜひLAコンフィデンシャルという映画を観て欲しい。かつて全米トラック協会の会長ホッファーはマフィアのボスより力があるといわれたが、マフィアによりミンチにされたともいわれている。


日本は永遠にアメリカのお財布代わり、金ヅルなのだ。

湘南から喜怒哀楽 「仙台の少年と少女」



5月8日、曇り時々霧雨。午後四時から八時まで。



所は日比谷野外音楽堂だ。「南こうせつ」のコンサートにゲストとして宮城県仙台市立八軒中学校の50人近い少年・少女合唱隊が来て歌うので観て欲しいと代理店の社長の友人から言われた。とにかく凄くいいからと、監督の中野裕之さんと待ち合わせをしてSTAFFのシールをもらい中に入った。(中野さんはガイガーカウンターを持っていた)




座席7000円、立ち見で5000円であった。



超満員、すでにギッシリであった。こうせつの「神田川」、ゲストのイルカの「なごり雪」、杉田二郎や伊勢正三などが次々と若かりし頃全共闘世代のフォークを歌う。観客のほぼ8割は団塊の世代、手にキリンビール、氷結、なかにはマッコリ缶などを飲んでどんどん出来上がって行く。6時に帝国ホテルのロビーで打合せがあるのでSTAFFの人に仙台の少年少女達はいつ頃出るのと聞くと5時から6時の間くらいですと言われた。薄皮のスリッポンを履いて来たので雨で足が濡れてきた。会場は手拍子の連続だ。自粛ムードがもう嫌になったのだろう。




そして5時42分壇上に50人位の少年少女、この合唱団は全国コンクールで何回か入賞しているという。「あすという日」という歌をNHKで歌っているのを見た友人が直ぐにコンタクトを取り南こうせつさんの事務所と話をして仙台から呼んだという。いつもながら素早い動きだ。




あの被災地の瓦礫の中で海に向かい、山に向かい、天に向かい、大地に向かって歌っている姿を目に浮かばせた。どんよりした雲が割れんばかりのスタンディングオベーション、涙、涙、喚声、ビールと氷結のぐいぐい飲み。汚れなき透明な声、欲なき歌声、明日へ届けと願う声、それはこんな詞であった。



そして次に圧巻がもう一曲待っていた。



亡き阿久悠がまるで今日を見越して書いた詞の様な「愛よ急げ」。南こうせつさんに渡してあったらしい。直ぐに作曲しこの日少年少女合唱団とコラボレーションしたのだ。




《はるか彼方(かなた) 地平の果てに 愛に目覚めた人がいて かたちある愛 かたちない愛 ともに誰かに運びたくて》
《丸い地球を 丸く走って 丸い心が いま届けられる》※歌詞の一部のみ




歌い終わるともう全ての人の思いが大歓声となり一直線に被災地に向かう。



私は「がんばれ」という言葉が嫌いである。死にそうな人達に、死にたい位辛い人達にがんばろうは傷つけるだけだ。まして「がんばれニッポン」なんてW杯じゃないんだし、誰か物書きたちにで「がんばれ」に変わる言葉は書けないのかと思っていたら、さすが阿久悠だ。「愛よ急げ」と書いた。






「がんばれ」とか「がんばろう」はあまりに安直で誠意も意志も愛もなく受身であるが「愛よ急げ」のなんと行動的な事か。言葉より実行せよだ。百の能書き、評論、偽善よりズンズン前へ行っていると思うのだ。

2011年5月16日月曜日

湘南から喜怒哀楽 「ニクイ肉」


おーおヤバイ俺も食べたぜ、私も食べたわ、いやーだ、いやーだ、トイレ近いの、お腹ゴロゴロすんの、あの店のユッケ思い切り安いから何か変と思っていたのよ。

食べたのかよ、食べたわよ、何言ってるのアンタと一緒じゃない、そうだったないつだっけ?二ヶ月前よ、じゃあ大丈夫だよ、大丈夫。本当?当たっていたら今頃死んでるよ。



などと話しているのは一組の若者カップル。

場所はココスというファミレスです。友人のドキュメンタリー作家が被災地を回って来たというのでその話を聞きに昼会っていたのです。全く言葉に出来ない衝撃を受けていました。


私は生肉はほとんど食べませんが、家族の中では時々食べる事があります。

もっともその店は「トザワ」といって湘南で一番上手いお店です。値段はリーズナブル。

特にカルビスープは全国一いや韓国にもトザワ以上はありません。しっかり辛くてしかもほんのり甘い絶妙の味。

何か秘伝の隠し味を使っているのでしょう、他では絶対味わう事が出来ません。赤い色のスープを飲む程に味わい深くなり汗と一緒にあまりの上手さに涙が出ます。

半分くらい飲んだ頃に茶碗一杯のご飯を投入すると同時にキムチも投入する。これでカルビクッパとなるのです。



カラウマ、カラアマウマウマの世界に至高の喜びを感じる。ただし翌朝のトイレでお尻の穴がヒリヒリする。

このヒリヒリが実に先日の忘実感を思い出す。


すいません、すいません。

もう死にそうな感じで土下座する焼肉店グループの若い社長、クッパじゃないヤッパ100円で生肉はないでしょう。

正価でも280円、こんな事が許されていた方が不思議でならない。

この国では肉の世界は闇の世界、とてつもなく恐ろしい世界なのです。


国家権力も簡単には口出しできません。野放し状態なのです。

私の知り合いのタクシーの運転手さんは8年間肉問屋に勤めていたそうです。サイコロステーキとかコロコロステーキ、合い挽きと書いてあるハンバーグなどは気をつけて下さい。合い挽きとは何でもありですからかなりの確率で赤犬を入れてますだと。


どうりでこの前買って帰ったコロコロステーキを食べた夜、遠吠えみたいな大きなイビキをかいて寝ていた様だ。うぉーーーーーん。うぉーーんと。

湘南から喜怒哀楽 「いつかショートケーキ」



ママ痛いよ、ママ痛いよ、ママ痛いよ。

と泣き声を出すのは厳しいリハビリ中の映画監督大島渚さんである。


ママとは女優小山明子。二人の凄まじい介護の現場をカメラは追った。

勿論天下の大島渚の悲しい姿をさらすのは種々意見はあろう。

既に収入のない監督は取材費を手にするか。又、介護鬱となって苦しんだ小山明子の凄絶な生き様を見せ全国の講演に結びつけるか。そのいずれも当たっているし、又全然当たっていないかもしれない。

私と同じ地に住む大島渚は画家片岡球子さんと共に誇りであった。


ヌーベルバーグの旗手であり、篠田正浩、吉田喜重と共に松竹三羽ガラスであった。

大島渚は監督と主に極めて優れたプロデューサーであった。多分私が知るところキャスティング映画の話題作りの天才であった。炎加世子、佐々木功。桑野みゆき、ビートたけし、坂本龍一、愛のコリーダの藤竜也、松田英子。どの作品にもあっと驚くキャスティングであった。


私は特に青春残酷物語で桑野みゆきが木場でシュミーズごと飛び込む、それを引き上げる川津裕介のシーンが大好きであった。桑野みゆきの白いシュミーズの色っぽい事、薄く見えるたわわな胸、小さな乳首、そして抱き合う二人。女性はやはりシュミーズだ。


その桑野みゆきがあっという間に中村屋のまんじゅうの倅と結婚して芸能界を去った。

あまりに見事であった。今どうしているのだろう。まさか70歳を過ぎて白く短いシュミーズでもないだろうと思うが、引退したら又出て来たりする芸能界で見事としかいい様がない。


大島渚さんは朝、辻堂駅のホームでいつも週刊マンガか週刊プレイボーイを持っていた。

茅ヶ崎駅前に私がよく行く「鳥仁」という坂本九ちゃんの一族がやっている焼鳥屋がある。大島渚さんもそこのファンであって車椅子で監督を囲む会に来る(最近は?)既に79歳、その「生」に対する夫婦の執念は凄いの一語だ。


ママ痛い、ママ痛いよーといってもママは許さない。

リハビリは苦しい、痛い事を乗り越えないといけないの、パパ頑張ってと声を掛ける。


ある時めでたい舞台で大島渚をゲンコツで殴った野坂昭如も同じ様な境遇にいるらしい。

大好きなショートケーキは食べれる日が来るのだろうか。ママからはもらえない。


糖尿病から来る動脈硬化が原因であったという。一度目は脳出血、二度目は脳梗塞であった。

2011年5月10日火曜日

湘南から喜怒哀楽 「反省の色」


おい清水土下座しろいと言われ中腰だった東京電力社長清水正孝は土下座した。

連れの部下達も当然だ。


この頃七三カツラの狐目男西山氏、保安院の男の顔を見かけなくなった。

この人は凄い神経の持ち主で日々明るく元気になって来た。常識的には日々痩せ衰え、目の下に隈を作りこのままだと危ないのではとなる筈なのだがすっかり超越しているのである。

不気味に陽に灼けた顔はゴルフ灼けか、日焼けサロンか、あるいは飲み過ぎて肝臓が悪いのか。



勝俣会長、清水社長、西山氏とその顔にはハッキリと俺たちだって被害者だ、津波さえ来なければ今まで通り鼻薬をたっぷり効かせたマスコミ、政治家、組合、地元の有力者みんなどうにでもなったのだ。


あの政治家め、あれほどたかりやがって。

いい酒、いい女、たっぷりとしたお小遣いをやっていたのに生意気な事を言いやがって。

あのマスコミ野郎、あの店の女の子とのトラブル全部払って解決してやったのに。

あの学者、ロリコン趣味、あの学者SM趣味、みんなみんな好き勝手やらしてやって来たのに。

あの政治家、韓国のキーセンに何人も女をつくりやがって、あの組合のボス変態野郎のくせしやがって、あの新聞社の論説委員や解説委員たち、現役もOBもどっぷり金をつぎ込んでやったのに本当に100円も自分の金を使わない。ゲスなケチ野郎達なんて気持ちが顔に描いてある。


誰のお陰で日々明るい電気が点いていると思ってんだ。

何で俺たちがココで土下座しなきゃいけないんだ。

チクショウ、グヤジイ、いつかきっとあいつらに復讐してやる。

反省なんてするものか、俺たちは何も悪い事はしていないんだ。


ただ想定外の地震と1000年に一度の大津波が来たからなんだ。

むしろ俺たちだって被害者なんだ。

な、そうだろキミ。とかいってルノワールの絵の様な豊満な若くて美しい女性の胸を吸っている。

もうキミしかいない、頼むから捨てないでくれよ、お金は幾らでも出すからね。

近々俺も俺より上の連中やうるさいOB達に対しケツまくってやろうと思っているんだ。


俺に土下座ばかりさせやがって。あいつら秘密をみんなバラして土下座させてやるんだ。

おお久し振りに固くなった、今日はやるぞ。


もしかしてこんなヤケクソになっているのやもしれません。反省の色無しですから。