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2010年12月15日水曜日

湘南の嵐便り 「しりとり」


あほ、ほも、もだえ、えごいすと、とんま、まんこ、こじき、きもい、いじめ、めろめろ、ろんぱり、りんびょう、うすのろ、ろくでなし、しがらみ、みからでたさび、びじんはくめい、いろきちがい、いくときはいって、てんぱっている、るいじんえんなみ、みじめ、めんくい、いくじなし、しみったれ、れいぎしらず、ずぼら、らくしょう、うんこ、こけ、けじらみ、みすぼらしい、いんきくさい、いいきもち、ちぶさ、さっきまでかこ、こんどうむ、ぶうたれる、もう止めようつまんない。



なんて変なしりとり会話をしていのはある日の電車の中の若い女の子。
二人ともお化粧をしながらだ。


しりとりのルールは食べ物とか動物でなく気持ちの問題とか。
一人は無かったまゆ毛がかき出され、一人は無かったまつ毛がパッチリしていた。
膝元にお化粧道具だらけ。

どーもでーすと携帯で話し始める。
ゴメンス、今日はオッケース、よろしくでーす、と言葉の終わりは必ず「す」か「ス」で終わる。


段々我慢も限界に近づいて来た。いいじゃん、いいじゃんと大笑いをしている阿呆ヅラを見ていたら頭の中でプッツンと音がした。


オイ、電車の中で化粧したり電話をするんじゃないぞと言ったら、えー何それ何怒ってんの、コワーイスねと言われた。何だか自分の方が寒い気分になってしまった。
オジサンゴメンスと言って二人は品川で降りて行った。プーンと化粧の臭いがした。


オジサンか、そうだ俺はあの子達から見れば信じられない感覚のオジサンなのだ。
孫達と動物や食べ物のしりとりを楽しんでいるオジサンなんだ。

新橋に着いて階段を下りて行く足取りが妙に重たい気になった。
そうだ佐渡出身の名物オバサンに靴を磨いてもらおう、そう思って靴のお化粧をしてもらった。オバサンの最後の仕上げはシームレスストッキングだ。


それでグイグイ磨いてくれると靴がピッカピカに若返った。500円を払って又ねと言ってオバサンと別れた。官庁が終わったら今年も終わり、お正月は久々墓参りがてら佐渡に帰ると言っていた。そしてその日は始まった。

※写真は全てイメージです

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